2009/11/10 - 2009/11/10
46位(同エリア52件中)
極楽人さん
シャウエン(モロッコ)からアルへシラス(スペイン)へ戻る途中、往路で通り過ぎた町テトワンに寄りました。
テトワンは、ちゃんと書くなら「ティトゥアン」、アルファベット表記は「TETOUAN」です。
ガイドブックのモロッコ篇には「リフ山脈にある小さな町」となっていますが、シャウエンを見てきた眼にはかなりの大都会に思えます。
スペインとは地理的に近いだけでなく、歴史的にも強い影響を受けてきたせいか、街並みにはアンダルシアの雰囲気が感じられます。
メディナ(旧市街)は大きく本格的で、『世界遺産』に登録されているそうです。
アルへシラスの、ごく普通のスナップも何枚か載せました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 船 タクシー
- 航空会社
- スイスインターナショナルエアラインズ
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シャウエンを出発したグランタクシーは、後部座席がひとり欠員のまま、テトワンへ向かう街道に差し掛かりました。
ここで、道端で手を上げる人を拾います。
またもやギュウギュウ詰めです。 -
シャウエンに向かうときも、地元の人が道路端で手を挙げているのを何度か見て、なぜヒッチハイクしているのか不思議でしたが、こういう事だったんですね。
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1時間でテトワン到着。
来たときとは逆のコースで、プチタクシーに乗り換えて街の中心に出ました。 -
新市街は、堂々たる都会の雰囲気。
方向を確かめようと地図を見ていると、
「何か、困っていますか?」と赤シャツの青年。
「父がタクシー運転手なので道に詳しい」と言います。
それじゃあ“道に詳しい”のは“父”じゃないですか。
なかなかアクティブな町です。 -
スペイン風の瀟洒な建物が並ぶ通りを抜けて、坂道を北へ登ってゆきます。
国境の町によくある“すさんだ雰囲気”も“怪しいうごめき”もなく、健全で明るい町のようです。
赤シャツは歩調を合わせるようについてきて、
両替はここ、郵便局はあそこ、メディナはあっち、と、いいところを突いてきます。
適当なホテルに入って、なんとか振り切りました。 -
うっとうしい赤シャツが去るのを見届けて、また坂道へ。
城壁に囲まれたメディナが現れました。
世界遺産のテトワン旧市街。
この古びた入口は『トゥット門』です。 -
くぐったところは魚屋さんが並ぶ、食料品のスーク(区画)。
誰もがシャウエンよりもずっと慌しそうで、急ぎ足。
ボヤボヤしていると人にぶつかってしまいます。
誰も、ブラブラ歩きの観光客になど目もくれません。 -
道路のぬかるみ、壁の汚れ、真剣なやり取り。
生活の音と匂いが充満しています。
横路から奥をのぞくと、ずいぶん深くて広そうです。
いったん迷い込むと、出てくるまでにけっこう時間がかかりそう。 -
それで、壁に沿って東へ進みます。
このへんは「金物のスーク」です。 -
やがて、モスクが見える小さな広場へ。
カメラを嫌がる人も多く、つい遠慮してしまいます。 -
中央のおじさんは紳士的でした。
たまたま写ってしまったことを謝ると、
「オー、ドンウォリー、ドンウォリー (Don't worry)」。
自分を「教授になる寸前の学者」と自己紹介し、
「行く方向が同じだから」と、道々あれこれ説明をしてくれます。 -
ちょっとこっちへ、と示されるままに横路を入った一角は、毛皮を造るスークでした。
城壁際の、目立たない場所に作られていました。
格子状に仕切られた洗い場が縦横に並んでいて、中には水が張ってあります。
ここで獣の皮を剥ぐのか、洗うのか。 -
獣の匂いと、毛と、よく見ると黒ずんだ血の痕もあります。
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横の壁は階段で登れるようになっていて、
「眺めがいいですよ。」と先に上がってゆきます。
なるほど、町全体とは行きませんが、それなりに雰囲気はつかめます。
そしたら、「もっと高いところがあります。」
“また、始まったな”と思いました。
テトワンに着いて以来、2人目の“勝手ガイド”です。 -
案の定、露地を入った絨毯屋の屋上へと“定番コース”。
大した景色でもありませんが、ざっと眺めたら今度は店の主人による絨毯のセールスです。
怖いとも危険とも感じないのは、彼らがホントの親切心でやっているフシがあるからです。
ただ対価を要求するだけなのです、それも遠慮がちに。 -
絨毯を抱えて旅行するわけにも行かず、丁重にお断りして、また壁伝いに歩きます。
それにしても、あんなやり方で誰か絨毯を買うのでしょうか。「両国の友好のため、特別に普段の半値」とか、笑いをこらえるのがたいへんです。
現役時代の“営業力”を見せてやりたい気がしました。
まあそんな風で、今度はいい香りがする「果物のスーク」に出ました。 -
いちばん端の果物屋さん。三兄弟は少しヒマそうです。
写真を撮っていいかと了解をもらい、ついでに一緒に写ったりしました。 -
その先の王宮広場は、人も警備もいっぱいです。
モロッコは、国王モハメッド6世を戴く立憲君主国。国王は最近日本を訪れており、そういえばその様子を自宅のテレビで見かけたナ、と思い出しました。 -
2時間ほど散策したので、だいたい様子が分かりました。
メディナを出て、タバコ屋を探しながら歩いていると・・・
この角で、声を掛けられました。 -
なんと、入国時に検問所でヘルプしてくれた大男の補助員さんです。今日は休日で、暇つぶしにコーヒーを飲みに来たところだといいます。
自己紹介で“ナディム”と聞こえましたが、正確でないかもしれません。私より二歳下で、そろそろ引退を考えている、とも言っていました。
彼は、国境で私のパスポートを見ています。
「今日はどこに行った?」「何を見てきた?」と聞くのでひと通り話したら、「素人だな」とバッサリ。
「ちょっと案内でもするか・・・」と立ち上がりました。
以前はこの町でガイドをしていたそうです。 -
なぜか、“また始まったな”とは思いませんでした。
瞬間で、気が合い、友人になれる相手だと感じたからです。
古着や旧型の家電が山のように積みあがった「中古品スーク」の脇から、再びメディナへ入ります。 -
彼は細く暗い路地を抜けて、メディナの深い方へどんどん歩いてゆきます。
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最初に寄ったのが、手作りのお茶を出す店。
昔ながらの設備とワザが創りだすミントティーの豊かな味わいは、地元の人に人気だそうです。 -
手づくりパン屋さんの工場。
これも“絶滅寸前”の見事な技能だということでした。
そのあと、皮の工芸品づくりや着物の職人さんをじっくり見学。
質問をしてみたらどうか、と、何度も言われました。 -
さらに奥へ進んで・・・
もう、どこをどう歩いているのか良く分かりません。
ナディムさんは実に顔が利き、すれ違う人ごとに挨拶を受け、立ち話をします。私を友人と紹介し、出合ったいきさつを説明したりもしていたようです。
ガイド仲間は私にこっそり「いくら払うんだ?」と聞いてきたりします。「彼はいちばんのベテラン、10ユーロは下らないぜ。」などとも。
案内されながら、私の中にも多少の迷いはありました。これは“3番目のガイド”と考えるべきか・・・
彼の中にもいくばくかの葛藤があったことでしょう。
でもお互い、そぶりは見せません。 -
観光用ではない、という地元の人が集うモスク。
これは立派なつくりですが、露地のあちこちに小さくて質素なモスクがたくさんありました。
イスラム教はモロッコの国教です。 -
典型的なモロッコ風の邸宅は、レストランになっていました。この時間はは営業していません。
アラブの家は、外側は質素でも中は広くて豪華です。
外敵の目を欺く知恵だったのでしょう。 -
そして定番の、絨毯屋さん。
どういうつもりか、とナディムさんを見たら、
「ここが出すミントティーは、タダで美味しい。」
買う気などまったくない客の前で、店の人は次々と絨毯を広げます。頑張れ、アラブ商人!
この店は老舗らしく、構えも商品もこれまで見たお店よりずっと豪華でした。 -
結構なお茶をいただき、絨毯もたっぷり鑑賞。
そのうえ屋上を拝見し、トイレまで貸していただきました。
精一杯の感謝を表しておいとましました。
両国の友好、永遠なれ! -
16時の船でアルへシラスに向かうことにして、そろそろお別れです。
ナディムさんとどう別れようか、ずっと気になっていました。考えていたことがあるのです。
両替をしないまま持っていたモロッコ紙幣を「受け取ってほしい」と差し出しました。ちょうど100DH(10ユーロ相当)くらい残っています。
「そんな気じゃないんだ」と、やっぱりノーの答え。
「友人として案内しただけ」と言い張ります。
“支払い”じゃなく、もう自分には使えないものを“置いてゆくだけ"と説得し、何とか受け取ってもらいました。
納得してからポケットに入れる素早さは見事でした。 -
名前も住所も良く分からないままですが、いい友人ができると心が温まります。
テトワンのガソリンスタンド横から乗りこんだグランタクシーは、一路スペイン国境に向かいます。
料金の20DHはズボンのポケットに、あらかじめ別にしておいたものです。
20分ほど走ると、地中海が見えてきました。 -
検問所近くの、きれいな海辺の町を通過します。
グーグルマップには Restinga という町の名が載っていますが、定かではありません。
ここから道は海に沿って走ります。 -
モロッコ検問所の脇から見た、セウタの町並み。
この先は例によって、撮影禁止。
帰路の検問ですが、往路に『無職』と書いてややこしかったので、思いつきで『カメラマン』と書きました。
「テレビ? 新聞?」と興味本位な質問から「本当に観光目的なの?」と危ない方向へ行きかけましが、何とかセーフ。『入る』より『出る』方がいつも簡単です。
何もチェックしないスペイン検問を素通りして、30分で通過できました。 -
検問所はチェックを受ける人の長い列。
検問所を避けて、すぐ横の丘を小走りで駆け抜ける男女がいます。これは往路でも見かけました。捕まって警官に怒鳴られている人もいて、よく分からない光景です。
国境通過後、久しぶりスペインのタクシーでセウタの港へ急ぎます。予定より一本早い 15:00 発のフェリーに乗れそうです。 -
ギリギリで桟橋到着。
次の船でも良かったのですが、カウンターの前にいた男性が「早く、早く」と一緒に乗り場まで走ってくれて間に合いました。
ゲートをくぐる寸前、「余っているモロッコ・コインをくれないか?」
面白い、実に面白いところです。 -
アルへシラス行きの高速フェリー。
乗船時のチェックで、若い係官が「パスポートと顔が違いすぎる」と言い出しました。ちょっと手間取りましたが、「髭が生えただけじゃないか」で無事通過。
往復で買っておいたチケットを見せて、出航です。
船内はバーやゲーム室もあって、なかなか豪華。
ただし、喫煙はデッキのみでした。 -
45分の航海後、アルへシラス到着。
桟橋のすぐ前、マリーナ通りに建つ「ホテル・マレ」に戻りました。
モロッコ出発前に泊まった宿です。
顔を覚えていてくれたフロントに「おかえり」と言われ、預かってもらったソフトキャリーも無事回収。 -
部屋は前と異なっていましたが、レイアウトはほとんど変わらない、広くてシンプルな造り。
ちょっと殺風景ではありますが清潔で、なんら問題はありません。
一泊37ユーロ、朝食付きです。
大きなバスタブはお湯の出も良く、今回の旅行で3度湯舟に漬かったうちの、2度はこのホテルでした。 -
大きな窓からは、アルへシラスの街並みが一望できます。
海と波止場は左側、バスターミナルと鉄道駅は右下の方向です。 -
夕方5時前にホテルを出て、水やビールを買いがてら散策することにしました。
ホテルのすぐ裏側には安宿やバー、小さなスーパーなどが密集していて、大抵のことは間に合います。
でも今は、もっと街中に出てみます。
街の中心は、タイル装飾がきれいな『アルタ広場』。
ホテルでもらった地図では、教会は
Iglesia Ntra.Sra.de la Palma と言うそうです。 -
アルタ広場の噴水。
ディテールを見ればそれなりの特徴もありますが、目立つ観光スポットはないようです。
カメラを持って出ましたが、写したいという“食指”が動きません。
街が「つまらない」というのではなく、観光めあてにウロウロする場所ではないと言う意味です。
街自体はきれいに整備されて、むしろオシャレな装いをしていました。 -
広場周辺に何本かある、ショッピングストリート。
ブティックやレストラン、アイスクリームにマクドナルドのハンバーガー。
道路工事も盛んで、あちこち掘り返していました。
予算が余ったのでしょうか。
この日の夕食は、大きなハンバーガ2個と冷えたビールを持ち帰り、部屋で済ませました。
そのあと大きな湯舟に身体を沈めて足腰をほぐし、ホテルのバーでも覘こうかと思ううちに、気持ちのいい睡魔が襲ってきました。
そのまま熟睡です。 -
さて、ホテル・マレの朝食はアメリカ風バイキング。
数種類のパンに、玉子、ハム、チーズ、ヨーグルト、果物など、ひと通りそろっていてビジネスホテル並みの勝手の良さ。
朝6時半から、というのも港町ならではでしょう。 -
宿泊した2日とも、朝食を終える頃に陽が昇って来ました。
食堂から見た、美しい夜明けです。
この桟橋から、毎日たくさんの船がアフリカとの間を往来し、たくさんの人が2つの大陸を行き来します。
私の場合はフリーで行きましたが、
時間や準備が十分でない場合には、船会社や旅行会社からたくさんのツアーが用意されていました。
日帰りで、あるいは一泊でタンジェやテトワンを巡り、手軽にアフリカを体験することもできるようです。 -
翌朝9時すこし前、ホテルをチェックアウト。
バスターミナルへ向かいます。
ターミナルはホテルの南側の道を、海と反対方向へ10分ほど歩いたところ。
鉄道駅は、そのすぐ向かいにあります。 -
9:30のマラガ(Malaga)行きで海沿いの町エステポナ(Estepona)まで行き、
そこから次の目的地カサレス(Casares)をめざします。(完)
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