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 90キロ近くまで増加した体重を3年がかりで75キロまで落としたにもかかわらず、またぞろ体重増加に転じ半年、何時の間にやら80キロ台半ば近くまで戻ってしまった。体重の著しい増減は、体に良くないのだろうと思いながらも、食事制限はなかなか難しく、どうしたものかと思案していたのだが、入りを制限できないとすれば、エネルギーの使用量を増やすしかないという、ごく当たり前の結論にたどり着いた。<br /> というようなわけで、思い立ってふらりと蒜山に出かけたのは、体育の日のことだった。塩釜の湧水のところにあるロッジの駐車場に車を停めて、中蒜山に登るつもりで出かけたのだが、行ってみるとウォーキング・フェスティバルというイベントが予定され、駐車場にはいすや机が並べられ、大勢の人だかりがあり、イベントの準備が進められていた。これはいかん、ということで、目的地を下蒜山に変更。犬挟り峠をめざして走ることしばし。峠の手前、犬挟り湿原の脇の広場に車をとめ、下蒜山をめざす。家を7時40分に出発し、9時45分に登山口に着いたのだが、すでに車が10台ほど停められており、みな下蒜山をめざして登り始めているようである。<br /> ウォーキングシューズに履き替え、ストックの用意をして、9時50分登頂開始。湿原を通過し木立の間に整備された登山路を進む。じきに勾配がきつくなる。10分で最初の標識、下蒜山山頂まで1時間40分とある。3合目を過ぎ、5合目の手前まで木立の中を登る。途中の急登箇所には鎖やロープが張られており、鎖を持って体を引き上げる。久しぶりの登山で心臓が悲鳴を上げる。鈍っているなぁ。<br /> 木立を抜けると5合目の標識が見える。そして、標識の向うには下蒜山の山頂付近を遠望することができた。ここで休憩、水分を補給する。ここから先、登山路は笹を分けるように延びており、展望もよく体の奥から新しいエネルギーがわきあがってくるような気がする。僕は、ピークハンターではないので、のんびり花の写真などを撮りながら登っていく。10時50分、雲居平着。この先に鎖場があり、最後の急登となるので、もう一度休憩をとり水分を補給する。<br /> 鎖場の急登を喘ぎながら登り切ると老夫婦に出会う。頂上まで行くのを断念して下山するのだという。この急登で力尽きたか・・・。「大丈夫ですか」と声をかけると「ゆっくり下りるので大丈夫です」との返事。気になりながらも頂上を目指すとすぐに9合目の標識。ここで息を整えて頂上までの最後の登坂に臨む。11時30分1,100mの下蒜山山頂に到達。<br /> 山頂には7人ほどの登山者が休憩しており、ビールを片手に竹輪をかじるオヤジ、夫婦かな(?)で記念撮影をし、そそくさと中蒜山をめざす妙齢のカップル、夫婦二組の4人のグループは、調子が良ければ上蒜山まで足を延ばそうなどと話しながら中蒜山目指して下って行った。<br /> 僕は、山頂の標識をカメラに収め、バナナ三本の昼食を済ませ、登ってきたルートを引き返すことにした。11時45分山頂を後にする。山頂をめざす最後の急坂辺りで、20人以上の大パーティとすれ違う。脇によけて道を譲ったのだが、歩くスピードにかなり差があるようで、パーティは長くのび随分待たされた。9合目を過ぎ鎖場の上で子ども二人を連れた親子、鎖場の途中で犬を含む一団とすれ違い、雲居平で60歳代半ばくらいの夫婦と出会う。<br /> 一気に5合目まで下り木立の中の道に入っていくと、すぐに登る途中でであった高齢の夫婦に追いついた。「お先に失礼します。」と声をかけ追い抜いたのだが、スローペースで下りる妻を気遣いながらゆっくり歩いている夫の方が気になって、僕もペースダウン。何かあったら担いで降りようと決意し、二人の声が聞こえる距離を守りながら、ゆっくり下る。途中スギヒラタケを発見。写真を撮る。このキノコは食用とされてきたが、2004年秋、急性脳症を発症する症例が相次ぎ報告され、17人が死亡した。毒性分の特定がされていないため、現在、食べてはいけないキノコに分類されている。<br /> 結局、標準タイムが1時間とされているところを、1時間30分かけて下りた。ゆっくり下ってかえって疲労感が残ったのだった。湿原脇の小屋で帰り支度をしていると、奥方が小さな声で「お気遣いありがとうございます。」と声をかけてくれた。あー、この人はわかっているんだなと思うと、何だか嬉しかったのだ。<br /><br />【登山の相棒】<br /> ウォーキングシューズは、KEENの『TARGHEE ? MID』を昨年の11月に買って、そのまま使わずにいた。だいたいそのあたりに、決意と実践の間にずれがあるのだが、それは置いておき、今回の登山で履き下ろすことにしたのだが、この靴は、登山靴というよりは、ウォーキングに力点を置かれている靴のようである。というのも、下り坂で靴の中で足が前に滑り、つま先が当たって少し痛かったり、靴底が柔らかいので岩場の急登ではなんとなく頼りない感じがした。自然歩道を歩くような旅には向いているが、登山用に使用するにはいくつか課題があるように思われた。<br /> ストックは、つい最近アルパインポール・ ベントグリップを購入した。日ごろの運動不足を考えると、足の疲労軽減につながるストックの使用は必要不可欠であると考え、いろいろ調べた結果、この15度の角度のついたベントグリップが気に入って買い求めたのだが、実際に使ってみると、15度の角度がついていることで手首に無理なくより前方にストックの先を伸ばすことができ、僕には使いやすいストックだった。ストックを使って山に登ると、上半身に疲労感が残るのを感じる。つまり、それだけ足の筋肉は疲労軽減されているということだと思う。先日、杖を忘れたときの登山では、足の筋肉痛と疲労感が1週間ほど残っていたが、今回は3日ほどで疲労感は消えた。その違いは大きいといわざるを得ない。

下蒜山、単独行

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2009/10/12 - 2009/10/12

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山菜迷人

山菜迷人さん

 90キロ近くまで増加した体重を3年がかりで75キロまで落としたにもかかわらず、またぞろ体重増加に転じ半年、何時の間にやら80キロ台半ば近くまで戻ってしまった。体重の著しい増減は、体に良くないのだろうと思いながらも、食事制限はなかなか難しく、どうしたものかと思案していたのだが、入りを制限できないとすれば、エネルギーの使用量を増やすしかないという、ごく当たり前の結論にたどり着いた。
 というようなわけで、思い立ってふらりと蒜山に出かけたのは、体育の日のことだった。塩釜の湧水のところにあるロッジの駐車場に車を停めて、中蒜山に登るつもりで出かけたのだが、行ってみるとウォーキング・フェスティバルというイベントが予定され、駐車場にはいすや机が並べられ、大勢の人だかりがあり、イベントの準備が進められていた。これはいかん、ということで、目的地を下蒜山に変更。犬挟り峠をめざして走ることしばし。峠の手前、犬挟り湿原の脇の広場に車をとめ、下蒜山をめざす。家を7時40分に出発し、9時45分に登山口に着いたのだが、すでに車が10台ほど停められており、みな下蒜山をめざして登り始めているようである。
 ウォーキングシューズに履き替え、ストックの用意をして、9時50分登頂開始。湿原を通過し木立の間に整備された登山路を進む。じきに勾配がきつくなる。10分で最初の標識、下蒜山山頂まで1時間40分とある。3合目を過ぎ、5合目の手前まで木立の中を登る。途中の急登箇所には鎖やロープが張られており、鎖を持って体を引き上げる。久しぶりの登山で心臓が悲鳴を上げる。鈍っているなぁ。
 木立を抜けると5合目の標識が見える。そして、標識の向うには下蒜山の山頂付近を遠望することができた。ここで休憩、水分を補給する。ここから先、登山路は笹を分けるように延びており、展望もよく体の奥から新しいエネルギーがわきあがってくるような気がする。僕は、ピークハンターではないので、のんびり花の写真などを撮りながら登っていく。10時50分、雲居平着。この先に鎖場があり、最後の急登となるので、もう一度休憩をとり水分を補給する。
 鎖場の急登を喘ぎながら登り切ると老夫婦に出会う。頂上まで行くのを断念して下山するのだという。この急登で力尽きたか・・・。「大丈夫ですか」と声をかけると「ゆっくり下りるので大丈夫です」との返事。気になりながらも頂上を目指すとすぐに9合目の標識。ここで息を整えて頂上までの最後の登坂に臨む。11時30分1,100mの下蒜山山頂に到達。
 山頂には7人ほどの登山者が休憩しており、ビールを片手に竹輪をかじるオヤジ、夫婦かな(?)で記念撮影をし、そそくさと中蒜山をめざす妙齢のカップル、夫婦二組の4人のグループは、調子が良ければ上蒜山まで足を延ばそうなどと話しながら中蒜山目指して下って行った。
 僕は、山頂の標識をカメラに収め、バナナ三本の昼食を済ませ、登ってきたルートを引き返すことにした。11時45分山頂を後にする。山頂をめざす最後の急坂辺りで、20人以上の大パーティとすれ違う。脇によけて道を譲ったのだが、歩くスピードにかなり差があるようで、パーティは長くのび随分待たされた。9合目を過ぎ鎖場の上で子ども二人を連れた親子、鎖場の途中で犬を含む一団とすれ違い、雲居平で60歳代半ばくらいの夫婦と出会う。
 一気に5合目まで下り木立の中の道に入っていくと、すぐに登る途中でであった高齢の夫婦に追いついた。「お先に失礼します。」と声をかけ追い抜いたのだが、スローペースで下りる妻を気遣いながらゆっくり歩いている夫の方が気になって、僕もペースダウン。何かあったら担いで降りようと決意し、二人の声が聞こえる距離を守りながら、ゆっくり下る。途中スギヒラタケを発見。写真を撮る。このキノコは食用とされてきたが、2004年秋、急性脳症を発症する症例が相次ぎ報告され、17人が死亡した。毒性分の特定がされていないため、現在、食べてはいけないキノコに分類されている。
 結局、標準タイムが1時間とされているところを、1時間30分かけて下りた。ゆっくり下ってかえって疲労感が残ったのだった。湿原脇の小屋で帰り支度をしていると、奥方が小さな声で「お気遣いありがとうございます。」と声をかけてくれた。あー、この人はわかっているんだなと思うと、何だか嬉しかったのだ。

【登山の相棒】
 ウォーキングシューズは、KEENの『TARGHEE ? MID』を昨年の11月に買って、そのまま使わずにいた。だいたいそのあたりに、決意と実践の間にずれがあるのだが、それは置いておき、今回の登山で履き下ろすことにしたのだが、この靴は、登山靴というよりは、ウォーキングに力点を置かれている靴のようである。というのも、下り坂で靴の中で足が前に滑り、つま先が当たって少し痛かったり、靴底が柔らかいので岩場の急登ではなんとなく頼りない感じがした。自然歩道を歩くような旅には向いているが、登山用に使用するにはいくつか課題があるように思われた。
 ストックは、つい最近アルパインポール・ ベントグリップを購入した。日ごろの運動不足を考えると、足の疲労軽減につながるストックの使用は必要不可欠であると考え、いろいろ調べた結果、この15度の角度のついたベントグリップが気に入って買い求めたのだが、実際に使ってみると、15度の角度がついていることで手首に無理なくより前方にストックの先を伸ばすことができ、僕には使いやすいストックだった。ストックを使って山に登ると、上半身に疲労感が残るのを感じる。つまり、それだけ足の筋肉は疲労軽減されているということだと思う。先日、杖を忘れたときの登山では、足の筋肉痛と疲労感が1週間ほど残っていたが、今回は3日ほどで疲労感は消えた。その違いは大きいといわざるを得ない。

同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
  • 犬挟り湿原。木道に続く下蒜山登山口。

    犬挟り湿原。木道に続く下蒜山登山口。

  • 灌木の中に三合目の標識。登山路は木立の中。木漏れ日が暖かい。

    灌木の中に三合目の標識。登山路は木立の中。木漏れ日が暖かい。

  • 木立の中をのんびり歩く。

    木立の中をのんびり歩く。

  • 木立が消えたかと思ったら五合目の標識が見える。<br />

    木立が消えたかと思ったら五合目の標識が見える。

  • 五合目を過ぎると山頂が良く見える。

    五合目を過ぎると山頂が良く見える。

  • 雲居平から山頂をめざす登山者の後姿を見上げる。下蒜山は青空に浮かぶ。

    雲居平から山頂をめざす登山者の後姿を見上げる。下蒜山は青空に浮かぶ。

  • 雲居平

    雲居平

  • 花の蜜を求めて蜂が舞う。翅はすごい速さで動いているんだなぁ。

    花の蜜を求めて蜂が舞う。翅はすごい速さで動いているんだなぁ。

  • 鎖場の急登を登り切って登山路を見下ろす。

    鎖場の急登を登り切って登山路を見下ろす。

  • 9合目から山頂を望む。

    9合目から山頂を望む。

  • 最後の登坂

    最後の登坂

  • 山頂は青空と白い雲

    山頂は青空と白い雲

  • 下蒜山

    下蒜山

  • 山頂で乾杯

    山頂で乾杯

  • スギヒラタケ

    スギヒラタケ

  • 写真の稜線に沿って右から左手の山頂に向けて登ったのだ。さようなら、下蒜山。

    写真の稜線に沿って右から左手の山頂に向けて登ったのだ。さようなら、下蒜山。

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