夕張はどうなっているのだろう

2009/08/09 - 2009/08/09

財政破綻の夕張市。
でも、花畑牧場がキャラメルを作り始めたり、
ゆるきゃらの「夕張夫妻」がカンヌ国際広告祭で受賞したり、
なぜかよく耳にする。
ということで行ってみました。

表紙は『幸せの黄色いハンカチ』の家。

エリア 夕張(北海道)

そもそも夕張は炭鉱の町でした。

こんな炭鉱住宅が並んで、ヤマの男たちが命を張って石炭を掘り出していました。

やがてエネルギー転換により、ヤマは閉山され、鉱業拠点は観光拠点に転身をはかります。
中田鉄治夕張市長は「炭鉱から観光へ」をスローガンにテーマパーク石炭の歴史村を建設します。

また夕張メロンも石炭に変わる夕張の大きな収入源でした。

中田市長は1990年から「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」を開催し成功を収めます。

＜この写真は、パブリックドメインで著作権を放棄し提供されているものです。＞
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Yubari2009-shimkaikan2009-02-27-1.jpg

映画祭にあわせ、夕張はメイン商店街に映画看板のディスプレーを施しました

ヘップバーンのシャレード

モンローの帰らざる河

マイフェアレディと誰がために鐘はなる

荒野の七人

寅さん

東京物語

猿の惑星

ほとんど朽ちかけた木造家屋にも多くの看板が取り付けられました。

商工業とともに衰退した商工会議所にも君の名はの看板が

しかしこのような努力もかなわず、夕張は財政破綻に追い込まれたのです。

しかし夕張市は転んでもただではおきません。
これは、夕張の隣駅、鹿の谷駅前の公衆便所。
この便所の6ヶ月間の上下水道料金・電気料金・２日に一度の一般的な清掃・月に一度の業者による清掃を実施する管理費相当額をまかなうため、半年間４０万円で命名権のスポンサーを募集したのです。

京都市の料亭、兵庫県の文具事務用品会社など5社から応募があったが、抽選で市内の福祉施設も運営している建設会社が当選し「夕張汽笛が聞こえる夕張支援公衆便所」というながいめいしょうとなりました。

清潔なトイレです。

入り口にはサイネージが表示されています。

建設会社が運営しているグループホームの広告が表示されていました。

行政サービス水準を引き下げ、ネーミングライツなどで雑収入を増やす努力を行う一方、夕張市は「夕張夫妻」というゆるキャラを制作し、キャラクターグッズの販売を試みました。

夕張夫妻とはいうまでも無く負債のシャレ。
夕張市の離婚率が全国一低いことに目をつけ、お金は無いけど愛があるというコンセプトを打ち出したのです。

演歌も作られています。

さて、疲弊した夕張に雇用を引っさげて乗り込んできたのが田中義剛の花畑牧場。

石炭村の一角にキャラメル工場を開設。地元の労働力を利用し始めました。

日曜というのに多くの従業員がガラスの向こう側でキャラメルを作っています。

こんなにスタッフが必要なのでしょうか。

キャラメル販売所は多くの人で溢れています。

石炭村に行く人はほとんど見られず、みんな花畑牧場に行きます。

ソフトクリームも大人気。

つくづく花畑牧場は商売上手です。

全国にさまざまな情報を発信しつつ寂れていった夕張市。これからいったいどうなっていくのでしょう。