ムーレイ・イドリスへ

2009/04/18 - 2009/04/18

フェス滞在３日目

フェスの町は、ほとんど見てないけれど、
この町はせわしなくて私には疲れてしまう

というわけで、
グランタクシーに乗ってムーレイ・イドリスという
小さな町まで向かう



ちなみにフェスの駅前のグランタクシーから
メクネスまで約１時間（２０ＤＨ）
そしてメクネスからまたグランタクシーに乗り
２０〜３０分（１０ＤＨ）

エリア ムーレイ・イドリス(モロッコ)

グランタクシーというのは
モロッコの乗合タクシーで、
セダンタイプの車に助手席２人、後部座席に４人、
そして運転手と７人乗りの長距離タクシーのこと

もちろん相当窮屈なのだけれど、
そこそこ安いし、電車のように時刻を気にしなくて
いいので、何度も何度もお世話になった


ただ今回、メクネスで乗った際、
私は助手席の窓側だったのだけれど、
私が乗り込んですぐ、グランタクシー乗り場の
係りの男性が力強くドアを閉めた時、
私の右手中指を挟まれてしまった

筆舌に尽くし難い痛みで、私が小さく悲鳴を
上げたので、隣の男性が急いでドアを開け
助けてくれたけれど、あまりの痛さに
お礼を言うとか、係りの男性に文句を言うとか
そういった事にまるで対応できず
ただただ痛みをこらえるのに精一杯

肝心の係りの男性は慌てて何度も謝ってきたけれど
もう何も言う気になれずにいる私を見て
そそくさと逃げてしまった


隣の方で運転手と隣の男性がいかに係りの男性が
不注意だったかを論じているようだったけれど
（アラビア語だから詳細は分からないけど）
私は痛さのあまり放心状態


爪が割れて血がにじむのを見ていたら
後ろのお客さんがティッシュを分けてくれた

非常に申しわけないけれど
お礼を述べる気力もなかった当時の私・・・

タクシーの中で
何度も中指の関節を曲げてみる

痛みはひどいし爪も割れているけど
骨は折れていない様子で
とりあえず一安心

モロッコの病院なんて行きたくもない



ほどなくムーレイ・イドリスの町に着いたものの、
テンションは非常に下がってしまった

テンションを無理やり上げて
写真でも撮ろうとするものの、
右手の中指が痛くて集中力が途切れるし、
カメラを構えるのも一苦労

これではペンも持てやしない・・・

広場を歩いていたら、
モロッコの若い女性と目が合い話し掛けられる

首都ラバトに住んでいるという女性は
写真の子供を連れて家族に会いに
ここに来たらしい

「モロッコに一人旅で怖くない？」と聞かれてしまった


ちっとも怖くないよ、と答えてみた

実際うんざりする事も多いけど、
その分親切な人も多いし、疲れることはあっても
怖いとはまるで思わなかった、

それはウソじゃない



「ラバトに寄るんだったら電話してね、
メールでもいいけど」と、連絡先を教えてくれた

旅行中一体何人のモロッコ人から同様の申し出と
連絡先を教えてもらった事だろうか・・・
片手では全然足りない

皆、本当に旅行者を迎え入れる事に
寛容なのだ

気を紛らわすために写真を撮っていたものの、
痛みは増すばかり

よく見ると内出血で、どす黒い色になっている
骨に痛みはないものの、これは何とかしないと・・・

とりあえずあちこちで見かける薬局の１つに
入ってみた
湿布なんてフラ語は分からないけど、
何かあるでしょう

初めて入った薬局は、狭い店内にもかかわらず
若い女性の店員が大勢待機していた

指を見せて、湿布が欲しい旨伝えてみる

「車のドアに挟んで、こんなになったの・・・
ほら、このくらいの大きさで
冷たい貼れる物が欲しいんだけど・・・」

ジェスチャーつきで話していても
全く通じない

そもそも湿布というものがパリにあるのかさえも
私は知らないし、ましてやここはモロッコ・・・

最終的に絆創膏を数枚と（なぜかばら売りも可）
傷口消毒のアルコールを少し（これも量り売り）
そして軟膏（バラのいい香り）を購入
２００円弱・・・高いのか安いのかよく分からない

とりあえずこれを駆使してみることにしよう

少し路地裏に入ってみる

この町は
目を引く落書が多かった

一体誰が書くんだろう

こんな場所でも某ネズミさんは人気のよう

思いっきり西洋文化の象徴なのにね

村の広場を更に上るようにして少し歩くと
たくさんのテントの店が・・・


これが毎週土曜日に立っているという
市場なのかしら？


メクネスから、おばあちゃんの家に遊びに来たという
かわいい女の子が話しかけてくれて
これがスークだと教えてくれた

モロッコの子供は好奇心がとても強いように思う

店を冷やかしながら歩いていると
何人の子供たちが寄って来て
「丘の上の眺めの素晴らしさ」を
説いてくれたけど、それを案内してもらったら
お金を請求するんでしょ、どうせ・・・


きれいな景色もいいけれど、
私はこうやって住人達の生活が営なわれているのを
見ているのが楽しいんだけどな

偶然辿り付いた丘の上の景色

きっと住人には、さらに秘密のビューポイントが
あるのかもしれないけど、私は満足

広場でランチ

隣のイタリア人たちと同じものを食べているに
違いないのに、彼らは２５ＤＨ、
私は３５ＤＨ請求される

元気ならここでイヤミの１つも言うところだけれど
指の痛みがその気力をも奪う

もう１０ＤＨ（１００円強）なんて
どうでもよくなってしまう





旅行中盤以降は、
モロカンたちの図々しさや厚顔っぷりに
段々腹に据えかねて１０円単位の交渉まで
粘り強くすることになるのだけれど、
この頃の私は、まだ旅行序盤というせいもあり
実に太っ腹だったといえよう・・・

幸運を呼ぶ
ファティマの手のついたドア


ムーレイ・イドリスは
聖者の町と呼ばれる古都

古都にはジュラバがよく似合う

市場の皆は写真に関してとても寛容
そして感じも良くて、なんだかホッとした

グランタクシーに乗って
フェスに戻ろう


手を挟まないように
くれぐれも気をつけないとね

この旅行記へのコメント （4）

• ishicameraさん 2009/06/28 21:37:20

  似ている・・・

  Lahiriちゃん　こんばんは。
  
  う〜ん、モロッコの風景いいですね。
  階段や、密集して建つ家々、路地裏。
  
  なんだか、イエメンやトルコの田舎でみた風景を思い出しました。
  イスラム独特の感性が街に宿っているのかなぁ。。。
  不思議だ。
  
  優しい人々の笑顔、
  古びた壁、
  鮮やかな扉、
  
  なんだか私も彼の地の路地を旅している気持ちになれました。
  
  素敵な旅をありがとう。
  
  
  ishi
  

  Lahiriさん からの返信 2009/07/30 10:27:07

  RE: 似ている・・・

  ishiさん、こんばんは
  
  お久しぶりです
  返信がすっかり遅くなっちゃいました、
  ごめんなさい････
  ちょっと家を留守にしてました
  
  イエメンやトルコの田舎も
  モロッコと雰囲気が似てるんですね
  人々が皆穏やかそうでいいな
  
  どちらも行ってみたいなぁ〜
  私もishiさんの旅行記を見て、
  旅行に行った気分にさせてもらいますね
  
  ishiさんも夏休みにどこかに行かれるのかな？？
  
  
  Lahiri

  ishicameraさん からの返信 2009/07/30 21:52:41

  お帰りなさーーい

  Lahiriちゃんおかえりなさーーい。
  
  Lahiriちゃんの夏のご予定は？
  写真楽しみにしてるまぁーーす。
  バカンスで、そろそろパリもガランとしてきたのかな？？？
  
  私は来週からタイに行ってきまぁーーーす。
  今回はのんびりと遺跡見物するつもりです。
  
  
  本当は、モロッコとか行きたかったんですけどね。
  しばらく遠出はおあずけなんです。。。涙
  
  ishi

  Lahiriさん からの返信 2009/07/31 05:22:02

  RE: お帰りなさーーい

  ishiさん、ただいまです〜
  
  来週からタイなんですね！
  行った事ないけど、ishiさん視線の遺跡の写真、
  きっと迫力ありそう〜
  タイの人も皆素朴そうだし、いい被写体になってくれそうですね！
  
  タイ料理も大好き、いいなぁ〜
  旅行記、楽しみにしてますね☆
  
  
  
  > 本当は、モロッコとか行きたかったんですけどね。
  > しばらく遠出はおあずけなんです。。。涙
  
  
  ishiさんのモロッコ写真も見たかったけど、
  しばらくお預けですね、ちょっと残念！
  モロッコといえばフランスのTGV（新幹線）を導入するそうですよ
  近い将来・・・実際は数年後みたいですが、
  そうなると移動が相当スムーズになるので、
  時間の節約になるんですが、いつになるやら・・・
  
  
  パリは家の近所はかなりガランとしてきましたよ
  市場なんて行くと規模が半分くらいになってます
  至る所で「バカンスの予定はいつから？」
  なんていう話をあちこちで耳にします
  ひきかえ中心地は旅行者で賑わってます
  
  私は早くも旅行してきちゃったので、
  ８月は家で大人しくしてます・・・
  
  
  ではでは、旅行お気をつけて、
  ＢＯＮ　ＶＯＹＡＧＥ！
  
  
  
  Lahiri