雲南省・南ルートの旅 　（40） 昆明・雲南民族村?・イ族

2008/08/22 - 2008/08/31

中国雲南各地の少数民族の民居・村落を移築、中国雲南の少数民族の村落そして文化を集中展示している、中国雲南民族村に出かけた。

エリア 昆明(中国)

• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 航空会社: 上海航空

2008年8月　雲南民族村
イ族民族の村を訪問した。
イ族は、主に中国の南西地域の雲南、四川、貴州の3省に分布している、イ族は中国の少数民族の中で人口が多い民族の一つであり、悠久な歴史があり、支系も多く、暮らしている地域も広い。

イ族は、総人口が６５７万８５２４人（１９９０年）で、中国の少数民族中第６位、イ語系の少数民族のなかでは最大の人口を有する。
言語は、漢・チベット語系のチベット･ミャンマー語族イ語分支に属する彝族語を使用。
6種類の方言があり、イ文字と呼ばれる表音文字を持っている。

イ族の源流は陜西、甘粛、青海の西北高原に住んでいた羌族と言われており、その分派が南下して現在の南西地域の原住民と融合して形成された。
隋・唐代には“烏蛮（ウーマン）”、元・明以降は“羅羅（ラーラー）”と呼ばれていた。
地域によって“諾蘇”、“納蘇”、“羅武”、“羅羅”、“米撒溌”、“撒尼”、“阿細”、“阿西”など多くの自称がある。
新中国成立まで一部の地域では奴隷社会が続き、外部との接触も殆んどなかった。

イ族では黒は人間世界の色、白は精神世界の色とされ、奴隷主だった黒イ族は衣類から日常の生活用品まですべて黒で揃える。

イ族はプライドが高く、人情、信義と義理を重んじ、客を大切にする礼儀正しい民族。
来客があると、さっと駆けつけて出迎えの歌を歌いながら酒を勧め、囲炉裏端の上座に座らせる。

イ族の男性は女性をののしったり殴ったりしてはいけないという決まりがあり、“立派な男なら妻を殴らない”ということわざもあり、たとえ敵でも女性は殺さない、という掟がある。

嫁に行く娘の脚が地面につくと災いを招くという言い伝えがあり、背負われて嫁入りする“背負い婚”が行われている。
かつぐのは新郎の弟で、結婚式の３日前に嫁入り道具一式と共に新郎の家に運ぶ。

結婚式では充分に飲んだり食べたりした後、新婦側と新郎側双方対等の人数で“婚礼相撲”が行われる。

最も盛んな祝日はたいまつ祭で、旧暦6月24日から行われる、厄除けと豊作を祈願する祭り。
闘牛あり、ファイヤーあり、レスリングありの2日間。祭りでは着飾った若い男女のフォークダンスもあり、一種のお見合いの場ともなっている。

イ族の漢方薬は非常に有名で、中でも白薬は景東県の曲氏秘方によって作られた、止血作用のある薬で、海外でも販売され、よく売れている。

木の葉で作った草笛を吹く女性。
旋律は日本の草笛に似ている、両民族はどこかでつながっているのかもしれない。

中国イ族は、雲南にその9割弱が住んでいる。
イ族には支系が多いが、「黒イ」系と「白イ」系の二つに分かれる。
イ語には違いの大きな6つの方言がある。
それぞれの支系の民族衣装どおし、これが一つの民族だろうかと思えるほど違ったものである。

黒イは、体つきも大柄で、女性は大きな帽子に、プリーツスカートを穿いている。
白イは小柄で、女性はズボンを穿いている。

どうやら彼女達は白イ族のようだ。

イ族は山地農耕と牧畜をやっていて、祭りの時など山羊鍋を作って食べる。
ナイフ一本だけで山羊を解体する。

イ族社会は、奴隷主階級と奴隷階級の２つにはっきり分かれている階級社会であった。

奴隷主階級は黒イと呼ばれ､イ族社会の７％で、自由民･支配者･統治者であり、一方、奴隷階級は白イと呼ばれ、イ族社会の９３％を構成していた。

イ族の衣装は、ミャオ族と並んで衣装のバリエーションが多い、地方によってかなり差がある。

民族舞踊「左脚舞」を踊る。

「左脚舞」はイ族の代表的な踊りであり、現在イ族の居住地域で広く普及し、影響力のある踊りの１つ。
１千年以上前から伝わるもので、イ族文化の「生きた化石」とも呼ばれている。

歌舞は素朴かつリズミカルである。

父系の出自集団で共通の父系先祖を持ちイ族は、父子連名の系譜をもっており、婚姻では家支外婚が貫がれた。
イ族の人々は大の客好き、酒好きである。客人には大事な豚を殺して供し、客人の持参した酒には福があるとして、その場にい合わせた人全てが回し飲む習慣がある。