2009/03 - 2009/03
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彷徨人MUさん
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1). 旅の始めに
兵(つわもの)の 儚き夢や 花蘇芳
安徽省の省都「合肥」は、「淮河」と「長江」の間に位置する街で、嘗て「蘆州」と呼ばれ、三国時代の古戦場として有名な「三国故地」ある。
清朝末期、この街出身の政治家に、「李鴻章」と言う人がいた。「太平天国の乱」を鎮圧し、「日清戦争」の終結のため、山口県で締結された「下関条約」の、清国代表を務めた政治家である。中国版新幹線の開通により、上海から比較的短時間で行くことが出来るようになったのを機に、「李鴻章」の生まれ故郷の「合肥」への旅を、思い立った。
2).安徽省「合肥」へ
午前7時10分「上海」発D478列車で、安徽省の省都「合肥」に向かった。「南京」までは、在来線に並行し、上海・南京間の高速鉄道(滬寧際鉄路)と、北京・上海間の新幹線(京滬快速火車)の工事が、始まっていた。
南京駅を発車して間もなく、列車は「長江」に架かる「南京大橋」を渡り、所謂「江北」に入るにつれ、次第に両側の風景が、変化してきた。『江南の橘(たちばな)、江北の枳殻(からたち)となる』との喩えからも、「長江」を挟んだ南と北では、環境がかなり異なるようだ。この日は、全体に霞み懸っていたが、「江北」に入るにつれ、菜の花畑が、広がり、車内も、次第に、花明かりの晴れやかな気分へと、変わって来た。
「江北」に入り、最初の停車駅の「全椒」駅あたりまでは、菜の花畑が広がっていた。途中転寝を重ねていた僕は、気が付けば、両側の風景は いつの間にか麦畑に変わっていた。やがて、その先に、疎らに集落が見え隠れしてきたが、次第に、工場や集合住宅群などが点在し始め、やがて、住宅などが密集する市街地の中を、列車は、速度を、更に落としながら、定刻の午前10時41分に、終点「合肥」駅に到着した。
3).清朝末期の宰相 「李鴻章」故居へ
街の中心地である「淮河路商店街」に向かった。そこは、歩行者天国になっており、その入り口付近に、「李鴻章故居」があった。「李鴻章」は、「日清戦争」の終結のため、山口県で締結された「下関条約」の、清国代表を務めた政治家である。この時、講和に反対する日本人暴漢に襲われ、負傷した。李鴻章は、講和条約を締結するや、直ちに国に戻っている。
「李鴻章故居」は、嘗ては、敷地2500㎡、建築面積1900㎡であったが、現在は、嘗ての規模の12分の1に過ぎない。大門を入ると、黒地の上に朱色で「福」と、書かれた塀に沿い、奥へと入って行った。
4).旅の終わりに
「李鴻章」は、1901年、北京の「賢良寺」で亡くなっている。「李鴻章享堂」と「墓地」が、故郷の合肥市合裕路の南側に、1902年建てられ、翌年北京から故郷に迎えられ、ここに埋葬されたのである。現在では、西には「墓地」、中央は「享堂」、そして東は「倉庫」の3つに分かれている。
中央の「享堂」に入ると、「前堂」には、血の付いた黄色の「馬褂」が置いてあった。下関で暴漢に襲われた時に着ていた「馬褂」である。これが、この場に、今も置かれているのは、「歴史を忘れてはならない」と、言う、李鴻章の想いを、次の世代に伝えるためなのであろう。(完)
表紙写真:近代的な合肥駅の駅舎と駅前広場
* Coordinator: H. Gu
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合肥の駅に到着した動車組列車
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市の中心、淮河路の歩行者天国にある李鴻章故居『李府』の正面である。嘗てはこの歩行者天国の半分が『李府』であったが、今では、往時の12分の1の大きさに過ぎない。
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李府正門、入り口の衝立には、「福」という字が書いてある。
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李府正面入り口付近にある「李鴻章家族住宅」と、彫ってある石碑
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「李府」内部(中庁)
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「李府」外観
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「李府」内部(小姐楼)
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「李府」内部
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歩行者天国と、「李府」正面
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「李府」の隣にある「明教寺」。ホコテン道路から5mほど高い壁があるが、これは「教弩台」の跡で、三国時代魏の曹操が、部下の将軍たちを指名して任務につかせた場所と言われている。曹操は、この地を、弓の名手に守らせ、呉の孫権の水軍に対抗したところである。
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「明教寺」内にある「鐘突き堂」、
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「明教寺」
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「逍遥津公園」
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「逍遥津公園」にある、魏の曹操の部下、「張遼」将軍の像。ここで、「張遼」は、800人の兵士で、呉の「孫権」の、10万の兵を破った。
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「逍遥津公園」の池の付近で、結婚写真を撮っている新婚夫婦。
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「逍遥津公園」で大きなスポンジの筆に水をつけて、地面で習字の練習?をしている市民
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「逍遥津公園」で、棒の先に大きなスポンジの着いたの筆2本を持ち、水をつけて、地面に文字を書く市民
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都心より南東方、合裕路にある、李鴻章の「享堂」(お墓)の正面入り口。
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李鴻章の享堂
梁啓超による李鴻章の評価:
「李鴻章の才能を敬い、李鴻章の知識を惜しみ、李鴻章の巡り合せを悲しむ」 -
李鴻章の「享堂」
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李鴻章の「享堂」
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李鴻章の「享堂」
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李鴻章の「享堂 」
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李鴻章の「享堂」
墓地 -
李鴻章の「享堂 」
墓地 -
合肥市内のグルメ街にある、「盛臣好世界」での夕食。
海木耳(ピータンの感触だが辛い) -
合肥市内のグルメ街にある、「盛臣好世界」での夕食。
白灼基尾蝦(蝦の蒸し物) -
合肥市内のグルメ街にある、「盛臣好世界」での夕食。
鉄板空芯菜 -
合肥のレストラン「盛臣好世界」
文蛤蒸蛋(蛤を入れた茶碗蒸し風) -
合肥のレストラン「盛臣好世界」
春筍焼肉(春筍と豚肉を一緒に煮たもの) -
上海の老舗「上海老飯店」(昼食)
冷たい前菜3品と蟹粉豆腐
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