2008年スイス・ドロミテの旅（１４）ミラノに寄り道　ポルディー・ペッツォーリ美術館とドゥオーモ　

2008/07/23 - 2008/07/23

かみさんのミラノからの帰国日。列車遅延の心配を避けるために朝早くに出発し、ミラノでの余裕時間にポルディ・ペッツォリ美術館へ、いつでも行けると素通りしていたが今回やっと訪問できた。
私の興味のあるルネッサンス絵画に絞って鑑賞し写真を撮ったのでここにはルネッサンス絵画だけしか掲載できませんがお許しを。
かみさんを送り帰して今夜もヴェローナに泊る。空港からミラノへの道路が大渋滞で予定の列車に乗れず、遅くにヴェローナに着く。駅からタクシーにしようかと思ったが10分足らずの道なので警戒しながら歩いて帰る。明日は目的地ドロミテに向けて出発。

エリア ミラノ(イタリア)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 鉄道
• 航空会社: JAL

このポルディ・ペッツォリ美術館はミラノの貴族
ポルディ・ペッツォリの蒐集品（15・6世紀の北イタリア絵画以外に絨毯、工芸品も）を彼の邸宅に展示した静かで品のいい美術館。その後近くのドゥオーモに久しぶりに入る。

館内の小さいが華麗な飾りの部屋。ポルディー・ペッツォーリが好んだ部屋。

蒐集された16から19世紀の工芸品も展示されている。このコーナーは時計のコレクション

左は時計の、右はブロンズの工芸品のコレクション

アンドレア・ボッチチェルリ「書物の聖母子」
フィリッポ・リッピの影響が大きいといわれる。一方ボッチチェルリの特徴の静寂、エレガント、繊細はオリジナルなよさ。

左：アンブロージオ・ダ・ファッソーノの「聖母子と二人のエンジェル」
右：ヴィンチェンツォ・フォッソ「聖母子」
いずれもロンバルディア派
この博物館の特徴に（ブレラ美術館もそうだが）ロンバルディア派とヴェネチア派の作品が多い。

アンドリア・ソラリオ「エジプトへの逃避途中の休憩（聖母子とヨセフ）」ドンバルディア派としてのダ・ヴィンチの弟子

左：チェサーリ・ダ・セスト「聖母子」
右：ヴィンセント・フォッパ「ジョバンニ・フランチェスコ・ブリヴィオの肖像」　
バックを黒一色にするこの手法はマンテーニャを経てフランドル絵画に伝えられた。フォッパはロンバルディア派のリーダー

ジョバンニ・アントニオ・ボルトラフィーオ「聖母子」

ミラノに移ってからはダ・ヴィンチの第一の弟子。衣装のジャスミンと左下の薔薇は処女を暗示。

ピエロ・デル・ポライオーロ「夫人像」
この博物館で最も有名な15世紀の代表的ポートレート。
モデルはフィレンツェ貴族である銀行家ジョバンニ・ディ・バルディの妻といわれる

マンテーニャ「聖母子」

ジョバンニ・ダレマーニャ「二人のエンジェルと王座につく聖母子」

ベリーニ「棺より出る（復活の）キリスト」マンテーニャの影響が大きいとされる

ピエロ・デラ・フランチェスコ「トレンチーノの聖ニコラス」
ヴェネティア派で15世紀後半のイタリアルネッサンスでの重要な芸術家

サンドロ・ボッチチェリ「死せるキリストを悲しむ（ピエタ）」
ボッチチェリ晩年作。前出のや、フィレンツェの作品とは作風が異なる。晩年の宗教的な心情が変ったせいとか。

右：フランチェスコ・グアルディ「ヴェネツィアの干潟」

アンドレア・プレヴィターレ「男の肖像」。鏡に映る裏面は「死の警告」ヴェニスのベリーニ工房出身。若い男子の美しさとその死による消滅。
芸術の再生を意味するそうだ。

サン・バビーラ教会。エマニュエル大通りの終端の同盟の広場にある

エマニュエル大通りから見るドゥオーモ

ドゥオーモの華麗な塔群

外から見るステンドグラスと飾られた庇

身廊を前に進む

主祭壇。背後にもランセットと薔薇窓がある。

スケールの大きい５廊式の内部

華麗なステンドグラス

幻想的な献灯台

素晴らしいパターンの床面

この旅行記へのコメント （2）

• wiz さん 2009/03/17 10:15:05

  ミラノ　ポルディー・ペッツォーリ美術館

  4nobuさん、お久しぶりです。
  
  ボッティチェリ、たしかに
  フィレンツェのとは大分違いますね〜。
  下にあるグアルディのベネツィア風景画、私も好きで
  美術館で見つけると（カナレットと共に）撮ってしまいます(笑)
  
  今、私のブーム？は、
  イタリア・ルネサンス絵画（特にジオット）と
  フランドル絵画（特にヤン・ファン・エイク、
  他メムリンク、ボスなど･･･）なので、
  去年のベネルクスも再度拝見致しました。
  （去年のは既に投票済でできませんでした！）
  
  美術館の記事ありがとうございました♪
  
  wiz （ex.voodoo）
  
  

  4nobuさん からの返信 2009/03/17 22:16:46

  RE: ミラノ　ポルディー・ペッツォーリ美術館

  wizさん　ご無沙汰いたしておりました。相変わらず世界を飛び回っておられますね。
  専門家（と推定しておるのです）が私のようなついでに観る素人の駄文を見ていただいた上に投票までしていただいてありがとうございます。
  生齧りで恥ずかしいのですが、これからも努めて発表していこうと考えています、問題箇所もあると思いますが忌憚なくご指摘をお願いします。
  
  今貴方の旅行記を遅ればせながら拝見しました。おこがましいのですがスイスの美術館はまだ行かれておられないようですね。
  結構いい絵がありますよ。特に個人美術館に。それにスイスの画家の知識を得るためにもお薦めします。
  お節介失礼しました。
  
  4nobu（=しのぶ）