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< 地獄の入口は見そこなう > Cascais (6月8日) <br /><br />この旅行の最後のしめくくりに、ちょうどおあつらえ向きに、残っていたのがCascais. 一つ手前のEstorilには、この国で最大と言われるカジノがあるそうだが、どんなにがんばっても儲かりそうにないので、敬遠する。  <br /><br />旅の最後を海沿いの宿でユックリ、爽やかに過ごそうとSodreから電車に乗る。 外務省発行のポルトガル危険情報によれば、この線で十数人の若者が電車の乗客達を脅して、金品を巻き上げる事件が最近あったとのこと。 <br /><br />今回の旅行では、いやな目、危険な目にはついぞ会わなかったが、そんな情報を知っているとなんとなくいやなものだ。 知らなければ、無用心になるおそれもあるし、知っているに越したことはないのだが。 考えてみれば、スペインでもポルトガルでも警察官のパトロールをよくやっていることが、悪い奴の出現にブレーキをかけているものと思われる。我々は、それをいいことに、警察官と見れば道を聞いていた。 <br /><br />そんな訳で、ホドホドに用心しながら電車に乗ることになるが、車窓から眺める景色のスバラシサに、いつしかそんなことも忘れてしまう。ほぼ一時間足らずでCascaisへ到着。 <br /><br />駅が工事中で、またかと思うが、街中は観光地らしく立派な店が並んでいる。 まずは宿を決めようと、散歩がてらに歩く。 中心部に海側に広いバルコニーのついたホテルを見つけたが、車の音がうるさそうなので敬遠する。 小さな入江があったり、突き出た岬があったり、どんどん街をはずれて歩く。 <br /><br />ヨットハーバーを通り越して、人家が途切れた灯台の近くにそれらしい建物がある。 見れば、Estalagemと書いてあるだけで、なじみのない単語だが、星が四つ並んでいるので、ホテルと考える。時代がかった建物で、海側にプールも見える。 ここまで歩いた甲斐があったというもの。 <br /><br />フロントで一泊のみと言うと、怪訝そうな顔になった。 ダメかなと思っていると部屋を見るかと言う。  思ったとうりの古めかしい広い部屋で海に向かった、バルコニーからの眺望も抜群。 決めた。 <br /><br />プールにはすでに二組のカプルがいる。 暑い日差しの中で、チェアーに横になっている様は、背景の海とマッチングして絵になるようだ。我々が中に入ればぶち壊し間違いない。 仕方なく、部屋のプールで汗を流すことにする。 <br /><br />ヒルメシはエビの塩ゆでと勝手に決めて、海辺のレストランにはいる。スープを頼んで、ひたすらエビと格闘することになった。 パンも独特の固さと味で言うことなし。 ワインでほろ酔いとなってウィンドウショッピングを楽しむ。  <br /><br />宿へ戻ると、階段の踊り場にある骨董品がかった古めかしいピアノの脇で年老いた婦人が古めかしい本を開いている。 うっかり、「ボン・デイア」と挨拶すると、ニコッと笑いながら「ボア・タルデ」と言う。 それで、お決まりの会話になる。  「新聞で読んだけれど今度のコイズミというプライム・ミニスターは評判が良いようだね」と言う。 コイズミという名前が出たのにはいささか驚いた。    <br /><br />生まれはブラジルで、米国で育ち、今はデンマークと米国の間を行ったり来たりしているとか。  今は、米国からデンマークへ行く途中で、ポルトガルでユックリしているところだそうだ。  聞き取れなかったが、ブラジルの何とか言う名門の一族だと、さらりと言う。  自慢しているようないやらしさは感じられない。 お育ちがいいようで。   <br /><br />まだ行っていない日本へも行ってみたいと、言うので、「ぜひどうぞ。 ただ物価が高くて大変ですよ」といらんことを口走って、相棒につつかれた。所詮、大金持ちとは話が合わないことを思い知る。   夢うつつで、波の音を聞いていたが、目覚めてみると雨の音であった。歩いて行ける距離に「地獄の入り口」と呼ばれる、断崖絶壁があって、朝の散歩と予定していたが、 この雨では行けない。 駅までのタクシーでチョット廻ろうかとも考えたが、「天国の入り口」ではないので、そうまですることもないと、諦めた<br />

熟年夫婦の珍道中  Cascais/Portugal

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2001/06/08 - 2001/06/09

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oiwasan

oiwasanさん

< 地獄の入口は見そこなう > Cascais (6月8日)

この旅行の最後のしめくくりに、ちょうどおあつらえ向きに、残っていたのがCascais. 一つ手前のEstorilには、この国で最大と言われるカジノがあるそうだが、どんなにがんばっても儲かりそうにないので、敬遠する。 

旅の最後を海沿いの宿でユックリ、爽やかに過ごそうとSodreから電車に乗る。 外務省発行のポルトガル危険情報によれば、この線で十数人の若者が電車の乗客達を脅して、金品を巻き上げる事件が最近あったとのこと。

今回の旅行では、いやな目、危険な目にはついぞ会わなかったが、そんな情報を知っているとなんとなくいやなものだ。 知らなければ、無用心になるおそれもあるし、知っているに越したことはないのだが。 考えてみれば、スペインでもポルトガルでも警察官のパトロールをよくやっていることが、悪い奴の出現にブレーキをかけているものと思われる。我々は、それをいいことに、警察官と見れば道を聞いていた。

そんな訳で、ホドホドに用心しながら電車に乗ることになるが、車窓から眺める景色のスバラシサに、いつしかそんなことも忘れてしまう。ほぼ一時間足らずでCascaisへ到着。

駅が工事中で、またかと思うが、街中は観光地らしく立派な店が並んでいる。 まずは宿を決めようと、散歩がてらに歩く。 中心部に海側に広いバルコニーのついたホテルを見つけたが、車の音がうるさそうなので敬遠する。 小さな入江があったり、突き出た岬があったり、どんどん街をはずれて歩く。

ヨットハーバーを通り越して、人家が途切れた灯台の近くにそれらしい建物がある。 見れば、Estalagemと書いてあるだけで、なじみのない単語だが、星が四つ並んでいるので、ホテルと考える。時代がかった建物で、海側にプールも見える。 ここまで歩いた甲斐があったというもの。

フロントで一泊のみと言うと、怪訝そうな顔になった。 ダメかなと思っていると部屋を見るかと言う。  思ったとうりの古めかしい広い部屋で海に向かった、バルコニーからの眺望も抜群。 決めた。

プールにはすでに二組のカプルがいる。 暑い日差しの中で、チェアーに横になっている様は、背景の海とマッチングして絵になるようだ。我々が中に入ればぶち壊し間違いない。 仕方なく、部屋のプールで汗を流すことにする。

ヒルメシはエビの塩ゆでと勝手に決めて、海辺のレストランにはいる。スープを頼んで、ひたすらエビと格闘することになった。 パンも独特の固さと味で言うことなし。 ワインでほろ酔いとなってウィンドウショッピングを楽しむ。 

宿へ戻ると、階段の踊り場にある骨董品がかった古めかしいピアノの脇で年老いた婦人が古めかしい本を開いている。 うっかり、「ボン・デイア」と挨拶すると、ニコッと笑いながら「ボア・タルデ」と言う。 それで、お決まりの会話になる。  「新聞で読んだけれど今度のコイズミというプライム・ミニスターは評判が良いようだね」と言う。 コイズミという名前が出たのにはいささか驚いた。   

生まれはブラジルで、米国で育ち、今はデンマークと米国の間を行ったり来たりしているとか。  今は、米国からデンマークへ行く途中で、ポルトガルでユックリしているところだそうだ。  聞き取れなかったが、ブラジルの何とか言う名門の一族だと、さらりと言う。  自慢しているようないやらしさは感じられない。 お育ちがいいようで。  

まだ行っていない日本へも行ってみたいと、言うので、「ぜひどうぞ。 ただ物価が高くて大変ですよ」といらんことを口走って、相棒につつかれた。所詮、大金持ちとは話が合わないことを思い知る。   夢うつつで、波の音を聞いていたが、目覚めてみると雨の音であった。歩いて行ける距離に「地獄の入り口」と呼ばれる、断崖絶壁があって、朝の散歩と予定していたが、 この雨では行けない。 駅までのタクシーでチョット廻ろうかとも考えたが、「天国の入り口」ではないので、そうまですることもないと、諦めた

同行者
カップル・夫婦
交通手段
鉄道

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