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岩と荒野が好きな僕は、暇があれば岩と荒野がいっぱいのアリゾナやユタに行きたいと思っている。2005年の夏に国立公園のハシゴ(グランド・キャニオン⇒モニュメント・バレー⇒アーチズ⇒ブライス⇒ザイオン)に出かけたが、そのとき時間が足りなくて端折ったことをずっと後悔していた。 <br /><br />それで今回、3年前の取りこぼしを拾い上げるため、5月末のメモリアル・デイを利用してかの地を再訪することにした。<br /><br />出発の朝、折しも僕らの住む地域でガソリンがついにガロン4ドルを突破。今回1,800マイル走るとすると、燃料費だけで360ドルもかかってしまう。いまではガロン1ドルだった時代(ふた昔ほど前ですが)が夢のようだ。 <br /><br />■ラスベガス〜ザイオン〜ペイジ <br /><br />ロサンゼルスからラスベガスまでは高速で約4時間半、距離にして300マイルくらいである。僕らの行程に罪悪の街は含まれていなかったが、トイレ休憩のため立ち寄ることになった。通称「ストリップ」と呼ばれる目抜きは来るたび前より多くの車で溢れかえっている。パリスの前で渋滞に引っかかっていたら、突然叩きつけるような激しい雨が降ってきた。普段雨には無頓着なアメリカ人が、この土砂降りからは頭を覆いながら、てんでに逃げ惑っているのがちょっと可笑しかった。<br /><br />ベガスからもう2時間走ったところでをおり、ユタ州道を東に向かう。実はこの道は東に抜ける唯一の道であり、ザイオン国立公園を貫通している。このため、意図せずザイオンプチ観光が日程に加わることになった。僕らは年間パスを持っていたので通行無料だったが、この道路を通るには公園入場料10ドルが必要だ。<br /><br />初日の宿泊地アリゾナ州ペイジには、まだ日が高い午後6時半ごろ到着した。 <br /><br />■アンテロウプ・キャニオン <br /><br />アリゾナ州ペイジは、コロラド川を堰き止めて造った人造湖パウエル湖の畔にある人口7千人足らずの小さな街だ。ペイジ界隈は昔から映画撮影によく使われているが、とりわけ「猿の惑星」(1969)の冒頭で、チャールトン・ヘストンさんたちの宇宙船が不時着する未知の惑星の湖として描かれたパウエル湖はとても印象的だった。しかし今回僕らは他に見るものがあって、ここにやってきた。<br /><br />翌朝9時半、僕らはペイジの中心地にあるスロット・キャニオン(幅の狭い洞窟のような峡谷)ツアーの待ち合わせ場所にいた。街のすぐ外れにアンテロウプ・キャニオンという名のスロット・キャニオンがあるが、そのツアーのひとつに予約を入れてあったのである。 <br /><br />その峡谷はナバホの土地にあるため、ツアーはナバホ族の独占事業である。いくつかのツアーがあるが、どれも同じ、というわけではないらしい。僕らは事前に調べて評判のいいツアーを申し込んであった。 <br /><br />僕らのツアーは他の13人の観光客とナバホの女性ガイド・サンドラさんが運転するモンスタートラックに乗り込むところから始まった。たまたま僕らの前で荷台の座席が満席になったおかげで助手席に座れることになり、ガイドご本人からいろいろと詳しく話を聞くチャンスができた。<br /><br />トラックは5分くらいでナバホ族の有料地域に入り、そこから許可車(つまりツアーのトラック)のみ入れる赤土の荒くれ道を15分ほど走って目的地の峡谷に到着。目の前の岩山に縦の割れ目が走っている。<br /><br />アンテロウプ・キャニオンは、赤い岩と光が織りなす自然の造形だ。とにかく写真を見ていただこう。 <br /><br />僕らが申し込んだツアーは一日7便出発しているが、一番人気は11時半発のツアーらしい。というのは、岩の切れ目から光が差し込みいっそう幻想的な雰囲気を醸し出してくれるチャンスが高まるからだ。一方、それをアテにした観光客がキャニオンに溢れかえって写真撮影どころではなくなるという話も聞く。僕らは次の予定もあり9時半のツアーを選んだが、日頃の行いがよかったのか幸運に恵まれたようである。サンドラさんによるとここ数日曇り空で全く太陽が出なかったそうなので、かなりの善行だったようだ。 <br /><br />11時過ぎにトラックで集合、点呼のうえ出発点に向かった。帰り道、僕らがロサンゼルスから来たという話になって、去年サンドラさんが息子に会いにカリフォルニアに行ったとき、生まれて初めて海を見て涙が出たと聞いた。なぜかジ〜ンとなってしまった。 <br /><br />気さくなガイドさんに丁寧に感謝の気持ちを伝えてお別れしたあと、次の目的地、5時間先のユタ州キャニオンランズ国立公園に向かった。 <br /><br />【http://4travel.jp/traveler/marktanaka/album/10252680/につづく】

アリゾナとユタ その1

3いいね!

2008/05/24 - 2008/05/27

228位(同エリア265件中)

旅行記グループ アリゾナとユタの旅(2008)

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12

Mark & Risbeau

Mark & Risbeauさん

岩と荒野が好きな僕は、暇があれば岩と荒野がいっぱいのアリゾナやユタに行きたいと思っている。2005年の夏に国立公園のハシゴ(グランド・キャニオン⇒モニュメント・バレー⇒アーチズ⇒ブライス⇒ザイオン)に出かけたが、そのとき時間が足りなくて端折ったことをずっと後悔していた。

それで今回、3年前の取りこぼしを拾い上げるため、5月末のメモリアル・デイを利用してかの地を再訪することにした。

出発の朝、折しも僕らの住む地域でガソリンがついにガロン4ドルを突破。今回1,800マイル走るとすると、燃料費だけで360ドルもかかってしまう。いまではガロン1ドルだった時代(ふた昔ほど前ですが)が夢のようだ。

■ラスベガス〜ザイオン〜ペイジ

ロサンゼルスからラスベガスまでは高速で約4時間半、距離にして300マイルくらいである。僕らの行程に罪悪の街は含まれていなかったが、トイレ休憩のため立ち寄ることになった。通称「ストリップ」と呼ばれる目抜きは来るたび前より多くの車で溢れかえっている。パリスの前で渋滞に引っかかっていたら、突然叩きつけるような激しい雨が降ってきた。普段雨には無頓着なアメリカ人が、この土砂降りからは頭を覆いながら、てんでに逃げ惑っているのがちょっと可笑しかった。

ベガスからもう2時間走ったところでをおり、ユタ州道を東に向かう。実はこの道は東に抜ける唯一の道であり、ザイオン国立公園を貫通している。このため、意図せずザイオンプチ観光が日程に加わることになった。僕らは年間パスを持っていたので通行無料だったが、この道路を通るには公園入場料10ドルが必要だ。

初日の宿泊地アリゾナ州ペイジには、まだ日が高い午後6時半ごろ到着した。

■アンテロウプ・キャニオン

アリゾナ州ペイジは、コロラド川を堰き止めて造った人造湖パウエル湖の畔にある人口7千人足らずの小さな街だ。ペイジ界隈は昔から映画撮影によく使われているが、とりわけ「猿の惑星」(1969)の冒頭で、チャールトン・ヘストンさんたちの宇宙船が不時着する未知の惑星の湖として描かれたパウエル湖はとても印象的だった。しかし今回僕らは他に見るものがあって、ここにやってきた。

翌朝9時半、僕らはペイジの中心地にあるスロット・キャニオン(幅の狭い洞窟のような峡谷)ツアーの待ち合わせ場所にいた。街のすぐ外れにアンテロウプ・キャニオンという名のスロット・キャニオンがあるが、そのツアーのひとつに予約を入れてあったのである。

その峡谷はナバホの土地にあるため、ツアーはナバホ族の独占事業である。いくつかのツアーがあるが、どれも同じ、というわけではないらしい。僕らは事前に調べて評判のいいツアーを申し込んであった。

僕らのツアーは他の13人の観光客とナバホの女性ガイド・サンドラさんが運転するモンスタートラックに乗り込むところから始まった。たまたま僕らの前で荷台の座席が満席になったおかげで助手席に座れることになり、ガイドご本人からいろいろと詳しく話を聞くチャンスができた。

トラックは5分くらいでナバホ族の有料地域に入り、そこから許可車(つまりツアーのトラック)のみ入れる赤土の荒くれ道を15分ほど走って目的地の峡谷に到着。目の前の岩山に縦の割れ目が走っている。

アンテロウプ・キャニオンは、赤い岩と光が織りなす自然の造形だ。とにかく写真を見ていただこう。

僕らが申し込んだツアーは一日7便出発しているが、一番人気は11時半発のツアーらしい。というのは、岩の切れ目から光が差し込みいっそう幻想的な雰囲気を醸し出してくれるチャンスが高まるからだ。一方、それをアテにした観光客がキャニオンに溢れかえって写真撮影どころではなくなるという話も聞く。僕らは次の予定もあり9時半のツアーを選んだが、日頃の行いがよかったのか幸運に恵まれたようである。サンドラさんによるとここ数日曇り空で全く太陽が出なかったそうなので、かなりの善行だったようだ。

11時過ぎにトラックで集合、点呼のうえ出発点に向かった。帰り道、僕らがロサンゼルスから来たという話になって、去年サンドラさんが息子に会いにカリフォルニアに行ったとき、生まれて初めて海を見て涙が出たと聞いた。なぜかジ〜ンとなってしまった。

気さくなガイドさんに丁寧に感謝の気持ちを伝えてお別れしたあと、次の目的地、5時間先のユタ州キャニオンランズ国立公園に向かった。

http://4travel.jp/traveler/marktanaka/album/10252680/につづく】

同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
1万円 - 3万円

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  • タイミングを計ったかのようにガロン4ドル突破

    タイミングを計ったかのようにガロン4ドル突破

  • レドンドからペイジまで

    レドンドからペイジまで

  • Paris dans la douche de pluie

    Paris dans la douche de pluie

  • ザイオンでは年間パスのおかげで渋滞をバイパス

    ザイオンでは年間パスのおかげで渋滞をバイパス

  • コロラド川はこの先グランド・キャニオンになる

    コロラド川はこの先グランド・キャニオンになる

  • 四駆でないと通れない荒くれ道を15分

    四駆でないと通れない荒くれ道を15分

  • アッパー・キャニオンに到着

    アッパー・キャニオンに到着

  • まるで蝋燭のよう

    まるで蝋燭のよう

  • 感動中

    感動中

  • 岩になめらかな模様

    岩になめらかな模様

  • 岩と光の芸術

    岩と光の芸術

  • 誰もが差し込む光を見たがるらしい

    誰もが差し込む光を見たがるらしい

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