アーチーズ国立公園周辺旅行記(ブログ) 一覧に戻る
【http://4travel.jp/traveler/marktanaka/album/10252680/から続く】 <br /><br />■アーチズ国立公園 <br /><br />アーチズは、3年前にぐるっと車で回っただけなのに、僕の中に異常なまでに強烈な印象を残した公園だ。青い空に映える赤い奇岩の数々。今回は、岩好きの天国で心おきなく時間が過ごせるよう、もう一日有給まで取ってある。 <br /><br />ホテルで朝食を食べると早速アーチズへ急行した。街とアーチズの間には、コロラド川が流れているが、この川はいつ見てもコーヒー牛乳色だ。<br /><br />アーチズ公園の入口ゲイトでは、車の待ち行列ができていた。連休だけあって、なかなか盛況だ。こんなに岩好きがいるなんて、ちょっとうれしい。<br /><br />元気なうちに、今回のお題目のデリケト・アーチに向かうことで意見一致した。しかし僕には次々と現れる奇岩を無視することはできない。その岩のいくつかをご紹介したい。<br /><br />まず最初に登場するのは「パークアベニュー」。ニューヨークのオフィスビル街にちなむ命名だ。<br /><br />この先の角を曲がったところに立つ「三人の噂好き」。なるほど額を寄せてゴシップの真っ最中である。 <br /><br />道路の反対側に聳えるコートハウス・タワーズ(聳える庁舎)と呼ばれる岩の塊(写真右)と、遙か前方には「バベルの塔」が立ちはだかる。 <br /><br />朝からたいへん恵まれた好天で、真っ青な空が爽やかだ。さらに進むと前回訪問時に逆光のお粗末な写真を撮ったバランスト・ロックが現れた。例の剣玉の岩である。相変わらず大人気で、一般車のほか大きなバスが入って駐車場は満車だった。 <br /><br />今回は後悔のないよう岩の麓を巡る短いトレイルを歩いて、順光の角度から何枚も写真を撮影した。掲示板によると、かつて隣に同じような剣玉状の岩があったそうだが、数十年前に岩が転げ落ちて割れてしまったそうだ。 <br /><br />やがて、本日のメイン・エベント、デリケト・アーチへ向かうトレイルの出発点に到着。ここも凄い人気で、そこそこ広い駐車場は満員御礼だ。暫く順番を待っていると幸い目の前のスペイスが空いた。いいぞ!いざボトル水を持って出発! <br /><br />往復5キロのトレイルは、思ったより楽ちんなコースだ。驚いたことに年端もいかないお子ちゃまや足腰がそれほど達者には見えないお年寄りたちも楽しそうに坂を登っている。約1時間後、デリケト・アーチに到着。 <br /><br />アーチの向こうは絶壁になっていて、下から吹き上げて来る風が強かった。前回は、その遙か下の岩からこのアーチを見上げたのである。 <br /><br />僕らがついたころはまだ人も少なく、アーチを背景にした写真撮影の交代は大変スムーズ。ピーク時には人で溢れかえり、アーチに近づくこともできないらしい。念願のアーチを目の前に見て感動もひとしおだ。これでまたひとつ記憶に残る体験が増えた。 <br /><br />アーチからの帰り道、絶壁のトレイルにて写真撮影。腰が引けている。 <br /><br />このころから「吹けよ風、呼べよ嵐」という雰囲気に変わり、出発点の駐車場に戻ったころには上空を次々と厚い雲が流れて行った。日陰に入ったときのくすんだ茶色の岩は、ただでさえ不気味な格好をしているのに、いっそうこの世のものとは思えない様相に豹変した。雲をやり過ごす時間を利用して、近場の短いトレイルを歩くことにした。 <br /><br />ちょうどサボテンの開花期で、ピンク、黄色、オレンジの花がけなげに咲いている。砂漠にも春の訪れ。 <br /><br />トレイルの先にあったブロウクン・アーチ。もうこのころにはややアーチに対する感動が麻痺している。 <br /><br />公園の一番北に、前回歩いたデビルズ・ガーデンと呼ばれる区域を通るトレイルがある。例のリボンのような優雅なランドスケイプ・アーチがあるところだ。少なくともランドスケイプまでは歩くつもりで駐車場まで行ったが、折からの風が強くなり砂埃を巻き上げている。車の中で待機している間に、うとうと眠りこんでしまった。 <br /><br />結局デビルズ・ガーデンは諦め、ウインドウズ・セクションに向かった。上は通りすがりに見かけたスカイライン・アーチ。高い岩山の上にある巨大なアーチだ。1940年に大きな岩の塊が穴から落下し、一挙に穴のサイズが倍になったらしい。落ちた巨岩は麓でバラバラになっていた。 <br /><br />ウインドウズ・セクションは、上の写真にある南北二つのアーチを「窓」に見立てた命名だ。比較的容易なトレイルを歩きながら有名なアーチをいくつか見たり登ったりできるので、人気が高い区域である。インディアナ・ジョウンズの三作目の冒頭の撮影を行ったダブルアーチもこの地域にある。 <br /><br />上はタレット・アーチをトレイルの裏から見た写真で、わかりにくいが手前のアーチ越しに北ウインドウが二重に見えている。マニアックなアングルですみません。 <br /><br />夕方まで岩巡りをしたあとひとまず街に戻り夕食にした。食後、それだけでは気が済まなかったので、9時頃にまた24時間開園のアーチズに戻った。夜の国立公園では、現代の生活では珍しい漆黒の闇が体験できる。アーチスにはコヨーテや羊はいても、くまやオオカミはいないので安心。 <br /><br />西の空の残照が徐々に薄れていくにつれ、空にひとつ、ふたつ、星が姿を現す。やがて満天に星が灯り、暗闇の荒野のまっただ中でただ聞こえるのは風の音だけ。最後にこんなふうに星座を見上げたのは、2年前のヨセミテの山頂だったか。今回も星座を辿っているうちにたくさん人工衛星を見つけ、流れ星もいくつか見た。このおまけが最近自然公園に来た時の密かな楽しみになっている。 <br /><br />翌日は朝8時にモアブを出発、一路ロサンゼルスに向かった。丸々路上で過ごす有給の一日である。

アリゾナとユタ その3

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2008/05/24 - 2008/05/27

173位(同エリア204件中)

旅行記グループ アリゾナとユタの旅(2008)

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20

Mark & Risbeau

Mark & Risbeauさん

http://4travel.jp/traveler/marktanaka/album/10252680/から続く】

■アーチズ国立公園

アーチズは、3年前にぐるっと車で回っただけなのに、僕の中に異常なまでに強烈な印象を残した公園だ。青い空に映える赤い奇岩の数々。今回は、岩好きの天国で心おきなく時間が過ごせるよう、もう一日有給まで取ってある。

ホテルで朝食を食べると早速アーチズへ急行した。街とアーチズの間には、コロラド川が流れているが、この川はいつ見てもコーヒー牛乳色だ。

アーチズ公園の入口ゲイトでは、車の待ち行列ができていた。連休だけあって、なかなか盛況だ。こんなに岩好きがいるなんて、ちょっとうれしい。

元気なうちに、今回のお題目のデリケト・アーチに向かうことで意見一致した。しかし僕には次々と現れる奇岩を無視することはできない。その岩のいくつかをご紹介したい。

まず最初に登場するのは「パークアベニュー」。ニューヨークのオフィスビル街にちなむ命名だ。

この先の角を曲がったところに立つ「三人の噂好き」。なるほど額を寄せてゴシップの真っ最中である。

道路の反対側に聳えるコートハウス・タワーズ(聳える庁舎)と呼ばれる岩の塊(写真右)と、遙か前方には「バベルの塔」が立ちはだかる。

朝からたいへん恵まれた好天で、真っ青な空が爽やかだ。さらに進むと前回訪問時に逆光のお粗末な写真を撮ったバランスト・ロックが現れた。例の剣玉の岩である。相変わらず大人気で、一般車のほか大きなバスが入って駐車場は満車だった。

今回は後悔のないよう岩の麓を巡る短いトレイルを歩いて、順光の角度から何枚も写真を撮影した。掲示板によると、かつて隣に同じような剣玉状の岩があったそうだが、数十年前に岩が転げ落ちて割れてしまったそうだ。

やがて、本日のメイン・エベント、デリケト・アーチへ向かうトレイルの出発点に到着。ここも凄い人気で、そこそこ広い駐車場は満員御礼だ。暫く順番を待っていると幸い目の前のスペイスが空いた。いいぞ!いざボトル水を持って出発!

往復5キロのトレイルは、思ったより楽ちんなコースだ。驚いたことに年端もいかないお子ちゃまや足腰がそれほど達者には見えないお年寄りたちも楽しそうに坂を登っている。約1時間後、デリケト・アーチに到着。

アーチの向こうは絶壁になっていて、下から吹き上げて来る風が強かった。前回は、その遙か下の岩からこのアーチを見上げたのである。

僕らがついたころはまだ人も少なく、アーチを背景にした写真撮影の交代は大変スムーズ。ピーク時には人で溢れかえり、アーチに近づくこともできないらしい。念願のアーチを目の前に見て感動もひとしおだ。これでまたひとつ記憶に残る体験が増えた。

アーチからの帰り道、絶壁のトレイルにて写真撮影。腰が引けている。

このころから「吹けよ風、呼べよ嵐」という雰囲気に変わり、出発点の駐車場に戻ったころには上空を次々と厚い雲が流れて行った。日陰に入ったときのくすんだ茶色の岩は、ただでさえ不気味な格好をしているのに、いっそうこの世のものとは思えない様相に豹変した。雲をやり過ごす時間を利用して、近場の短いトレイルを歩くことにした。

ちょうどサボテンの開花期で、ピンク、黄色、オレンジの花がけなげに咲いている。砂漠にも春の訪れ。

トレイルの先にあったブロウクン・アーチ。もうこのころにはややアーチに対する感動が麻痺している。

公園の一番北に、前回歩いたデビルズ・ガーデンと呼ばれる区域を通るトレイルがある。例のリボンのような優雅なランドスケイプ・アーチがあるところだ。少なくともランドスケイプまでは歩くつもりで駐車場まで行ったが、折からの風が強くなり砂埃を巻き上げている。車の中で待機している間に、うとうと眠りこんでしまった。

結局デビルズ・ガーデンは諦め、ウインドウズ・セクションに向かった。上は通りすがりに見かけたスカイライン・アーチ。高い岩山の上にある巨大なアーチだ。1940年に大きな岩の塊が穴から落下し、一挙に穴のサイズが倍になったらしい。落ちた巨岩は麓でバラバラになっていた。

ウインドウズ・セクションは、上の写真にある南北二つのアーチを「窓」に見立てた命名だ。比較的容易なトレイルを歩きながら有名なアーチをいくつか見たり登ったりできるので、人気が高い区域である。インディアナ・ジョウンズの三作目の冒頭の撮影を行ったダブルアーチもこの地域にある。

上はタレット・アーチをトレイルの裏から見た写真で、わかりにくいが手前のアーチ越しに北ウインドウが二重に見えている。マニアックなアングルですみません。

夕方まで岩巡りをしたあとひとまず街に戻り夕食にした。食後、それだけでは気が済まなかったので、9時頃にまた24時間開園のアーチズに戻った。夜の国立公園では、現代の生活では珍しい漆黒の闇が体験できる。アーチスにはコヨーテや羊はいても、くまやオオカミはいないので安心。

西の空の残照が徐々に薄れていくにつれ、空にひとつ、ふたつ、星が姿を現す。やがて満天に星が灯り、暗闇の荒野のまっただ中でただ聞こえるのは風の音だけ。最後にこんなふうに星座を見上げたのは、2年前のヨセミテの山頂だったか。今回も星座を辿っているうちにたくさん人工衛星を見つけ、流れ星もいくつか見た。このおまけが最近自然公園に来た時の密かな楽しみになっている。

翌日は朝8時にモアブを出発、一路ロサンゼルスに向かった。丸々路上で過ごす有給の一日である。

同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
1万円 - 3万円
  • コロラド川とは「赤い川」のこと

    コロラド川とは「赤い川」のこと

  • またまた来ました!

    またまた来ました!

  • 「パーク・アベニュー」にて

    「パーク・アベニュー」にて

  • 「三人の噂好き」

    「三人の噂好き」

  • 「コートハウス・タワーズ」

    「コートハウス・タワーズ」

  • 剣玉こと「バランスト・ロック」

    剣玉こと「バランスト・ロック」

  • バランスト・ロック遠景

    バランスト・ロック遠景

  • 岩場を登攀中

    岩場を登攀中

  • アーチの下に写っているのが僕

    アーチの下に写っているのが僕

  • アートの麓から朝越えて来た丘を見渡す

    アートの麓から朝越えて来た丘を見渡す

  • 交代してアーチに向かうりす坊

    交代してアーチに向かうりす坊

  • 下り道の絶壁にて

    下り道の絶壁にて

  • 俄にかき曇ってきた

    俄にかき曇ってきた

  • 砂漠に咲くサボテンの花

    砂漠に咲くサボテンの花

  • 「ブロウクン・アーチ」

    「ブロウクン・アーチ」

  • 「スカイライン・アーチ」

    「スカイライン・アーチ」

  • 「ウインドウズ」

    「ウインドウズ」

  • 「タレット・アーチ」を裏側から

    「タレット・アーチ」を裏側から

  • 「パーク・アベニュー」を反対側から

    「パーク・アベニュー」を反対側から

  • 夕暮れのアーチス

    夕暮れのアーチス

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