2004/09/30 - 2004/10/02
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ギリシャ/スケッチ旅さん
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エーゲ海に浮かぶ島々は地図にのっていても、実際に行ってみないとどういう所かは未知の世界だった。ギリシャに入るのが西ヨーロッパの他国よりも一歩遅れたのはギリシャ語という日本ではめったに耳にしない言葉が影響している。
やはり少しは学んでからとの気持ちと予備知識など心の余裕が必要だった。そして語学教室に通ったりして何とか概要を掴んでから、3年前のイドラ、スペツェス、ミコノス、サントリーニに続いて、今回は2回目のギリシャ入りだった。
しかしギリシャ語は難しい。基本的な旅行用語は話せてもそれ以上はよほどの向上心か目的を持っていないと先には進めない。
ミティリニでも表通りに建っているホテルか観光客相手のお土産屋では英語が通じるが、安宿を探そうと一歩奥に入るともう意志の疎通が難しくなる。この時の2晩のホテル探しも少し冒険したので苦労してしまった。
さて私はレスヴォス島西端の小さな漁村から県庁所在地ミティリニに引き返す。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船
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あまり寝られなかった。夜遅くまで出発の準備をし、そして5時には起きるようにずっと時間を気にしながら。
6時10分前頃から今にバスがやって来ないかと、ベランダから身を乗り出して停留所を睨んでいた。
6時にはバスらしき姿は現れなかった。夜は明けてなくてまだあたりは薄暗い。
やはりホテルの主人の言った7時発の方が正しかったのか‥‥。
部屋に戻りベランダの椅子でウトウトし始めた時、右方から大きなエンジン音がやって来て、その物体はバス停の前でゆっくりと旋回した。
「バスだ!」 とっさに私は3階から階段を転がるように駆け下り走り寄った。暗い車内には運転手と前ににじり寄るように座っている数人の客の顔が見えた。
「このバスはミティリニに行きますか?」 「そうだ。」
「何時に出発しますか? 7時ですか?」 「いや、今だよ」、「今すぐに出発するよ」数人の乗客が口をそろえて言った。
「えッ」私は焦ってしまった。「待ってもらえますか、急いでホテルから荷物を取って来ますから。いますぐに!」
「いいよ、待っているから」
出発されたら大変!と、また夢中で3階まで駆け登り、荷物を引っ提げてドタバタと階段を走り転げてバスに乗り込んだ。恐らく2階で寝ているホテル管理人が私のただ事でない足音にビックリしているだろうな、と感じながら。 -
バスはすぐに発車した。腕時計を見ると6時15分だった。いったい正しい発車時刻はどうなっているのだろう。とにかく乗れて良かった。このバスを逃すとタクシーでミティリニまで一万円以上かかる。
間もなく日が昇り初め、外が明るくなって周りの景色が楽しめるようになった。途中で南から来るバスの客を待合わせるための停車。前方はるか山頂にはポツンと修道院が見えている。後席に座っていたおばあさんがそちらに向かって大きな声でお祈りを始めた。乗客の皆も手を合わせ数分間お祈りをする。
ミティリニのバス営業所に着くと、そうだこの際だから正確な時刻を見て置こうと時刻表を探した。ちゃんとそこには時間が板に書き込まれていた。「シグリ──ミティリニ」ルートのシグリ発時刻は…え〜と。……6:15(月、木)と。
この私を虜にした村のホームページは
http://www.lesvos.com/sigri.html
夏のバカンス・シーズンにはバスは毎日走っていても、観光客が少ないこの時期になるとある日を境にガラッと時刻表が別のものに代わる。そういうことも旅を経験して分かることだ。 -
再びミティリニに帰って来た。
聖Therapon教会を真正面に見る。
相変わらず美しい光景だ。 -
港には、色んな種類の魚がたくさん泳いでいた。 -
部屋に落ち着いて身支度をした後、午後からタクシーを利用してミティリニ郊外にある、ギリシアのルソーと呼ばれる素朴放浪画家セオフィロス・ハジミハイルの作品を展示した「セオフィロス美術館」と下記の「テリアード美術館」を訪れる。運転手は正確な所在地を知っていた。が到着した時間はあいにく昼休みで(日本では考えられないことだが)辺りを散策することにする。この美術館は当日が今年最後の開館(9/30)ということで滑り込みセーフの閲覧だった。
セオフィロス美術館HP
http://www.lesvos.com/museums.html -
印象派画家の版画やデッサンをたくさん展示した「テリアード美術館」はよくこれだけの作品が集まったものだと思うほど見るべき作品が多かった。テリアードはこれら収集した作品の印象派画家とは直接的に交際があったようだ。これら2つの美術館は同じ敷地内に建てられている。
テリアード美術館については同上HP、第2段落の
The Teriade Library and Museum of Modern Art を参照 -
美術館に到着した時は昼休み時間だったので、その周辺を散策したのだが、なかなかの高級住宅が集まっていた。大きな敷地にゆったりと生活している。高額所得者はこのような郊外に住むのだろう。自家用車はトヨタのハイレベルカーが見えた。
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美術館の周りを散策していたら海に出た。ミティリニ港へ出入りの大型船が盛んに行き来している。
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セオフィロス・ハジミハイル美術館のバス停付近は猫がとてもたくさん集まっていた。よっぽど住み心地が良いのだろうか。
こちらの猫はとても人懐っこい。足に甘えるように絡まれ困ってしまった。 -
これらの美術館はミティリニ郊外に位置していたので、ホテルまで辺りの様子を見ながら歩いて帰ることにした。レスヴォスは島とは名ばかりで、立派などっしりとした大地のように思えた。どこの土地に於いてもそこに住んでる人たちはそれぞれに人生を組み立てそれぞれに楽しんでいるのだなぁと思った。当然のことではあるが。
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翌日はミティリニでスケッチ・市内観光や買物を楽しみ、翌々日朝に出港しようとするリムノス島方向行きフェリー船の送迎人たち。乗船客の中にはリムノス島を経由し、テッサロニキなどギリシャ本土北部に渡って行く人も多い。
(フェリー船甲板デッキより撮影) -
リムノス島まで乗った大型フェリー。
船内にはレストランや娯楽施設もあり、ゆったりした時間の旅が出来る。 -
たっぷりとエーゲ色に染められながら。
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