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◆まずは一言◆<br /> 私が高校時代、吉祥寺〜三鷹をよく闊歩していましたが、当時はそこが太宰の住居近くであるという意識はまったくありませんでした。太宰が散策した井の頭公園を私も散策し、太宰が住居としていた三鷹駅付近を私も歩いたことを後に知り、感慨深い気持ちになりました。当時その事実に気づいていれば、もっと違った角度から町を歩くことができたのに・・・と思っても後の祭り。<br /> 明治42年6月19日に青森の金木町に生まれ、昭和23年6月19日に武蔵野市で(現在の井の頭公園付近の玉川上水)死亡した奇妙な巡り合わせを持った太宰は、ある種特異な人生だったといえるでしょう。彼は、裕福な家庭に生まれ何一つ不自由なく生活できる環境にいながら、自分の性格とのギャップに悩み苦しみ、道化という形で自己表現することで、ある種の安堵感を得ていたようです。彼が幼少の頃から、そして弘前高校〜東京大学・仏文専攻の学生の時もずっと変わらず自分を表現することを苦手としてきたようです。<br /> 太宰という名字はペンネームで彼の本名は津島修治です。津軽弁でなまって自己紹介した際に馬鹿にされたのがきっかけで、彼はペンネームを持つようになりました。ドイツ語で&quot;Da sein&quot;日本語では「私はそこにいる」。太宰はおそらく&quot;da&quot;→「そこ」に自分の存在価値を見出したかったのでしょう。<br /> 太宰は、4度の自殺未遂と5度目の自殺で絶命しました。6月13日の夜、玉川上水・むらさき橋付近から入水し、6日後の19日(土曜日)の明け方、下流の新橋の近くの明星学園前で学園の若い教師が発見したそうです。二人は紐でしっかり結ばれていたそうです。この紐は”太宰を離さない”という”身も心も捧げた”山崎富栄の”最後の意地”だったのかもしれませんね。心中自殺でした。文学者には愛人がいる場合が多いようですが、太宰も同様でした。愛人の存在を当時の正妻も認めていたようですが・・・・なんとも心許ない。<br /> 『花吹雪』のなかで次の文章を太宰は書いています。「この寺の裏には、森鴎外の墓がある。どういうわけで、鴎外の墓がこんな東京府下の三鷹町にあるのか、私にはわからない。けれども、ここの墓所は清潔で、鴎外の文章の片影がある。私の汚い骨も、こんな小綺麗な墓地の片隅に埋められたら、死後の救いがあるかも知れないと、ひそかに甘い空想をした日も無いではなかったが、今はもう、気持ちが畏縮してしまって、そんな空想など雲散霧消した。」妻の津島美知子は、この気持ちを汲んで、三鷹の禅林寺に太宰のお墓を建てたのです。<br /> 6月19日の命日に、太宰を偲んで桜桃忌がこの禅林寺にて開かれています。今年こそは参加し、太宰の冥福を祈りたいと思っています。<br /><br />◆表紙の写真◆<br />三鷹市禅林寺内にある太宰治の墓地

☆むらさき橋と太宰治☆

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2008/05/05 - 2008/05/05

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iriso

irisoさん

◆まずは一言◆
 私が高校時代、吉祥寺〜三鷹をよく闊歩していましたが、当時はそこが太宰の住居近くであるという意識はまったくありませんでした。太宰が散策した井の頭公園を私も散策し、太宰が住居としていた三鷹駅付近を私も歩いたことを後に知り、感慨深い気持ちになりました。当時その事実に気づいていれば、もっと違った角度から町を歩くことができたのに・・・と思っても後の祭り。
 明治42年6月19日に青森の金木町に生まれ、昭和23年6月19日に武蔵野市で(現在の井の頭公園付近の玉川上水)死亡した奇妙な巡り合わせを持った太宰は、ある種特異な人生だったといえるでしょう。彼は、裕福な家庭に生まれ何一つ不自由なく生活できる環境にいながら、自分の性格とのギャップに悩み苦しみ、道化という形で自己表現することで、ある種の安堵感を得ていたようです。彼が幼少の頃から、そして弘前高校〜東京大学・仏文専攻の学生の時もずっと変わらず自分を表現することを苦手としてきたようです。
 太宰という名字はペンネームで彼の本名は津島修治です。津軽弁でなまって自己紹介した際に馬鹿にされたのがきっかけで、彼はペンネームを持つようになりました。ドイツ語で"Da sein"日本語では「私はそこにいる」。太宰はおそらく"da"→「そこ」に自分の存在価値を見出したかったのでしょう。
 太宰は、4度の自殺未遂と5度目の自殺で絶命しました。6月13日の夜、玉川上水・むらさき橋付近から入水し、6日後の19日(土曜日)の明け方、下流の新橋の近くの明星学園前で学園の若い教師が発見したそうです。二人は紐でしっかり結ばれていたそうです。この紐は”太宰を離さない”という”身も心も捧げた”山崎富栄の”最後の意地”だったのかもしれませんね。心中自殺でした。文学者には愛人がいる場合が多いようですが、太宰も同様でした。愛人の存在を当時の正妻も認めていたようですが・・・・なんとも心許ない。
 『花吹雪』のなかで次の文章を太宰は書いています。「この寺の裏には、森鴎外の墓がある。どういうわけで、鴎外の墓がこんな東京府下の三鷹町にあるのか、私にはわからない。けれども、ここの墓所は清潔で、鴎外の文章の片影がある。私の汚い骨も、こんな小綺麗な墓地の片隅に埋められたら、死後の救いがあるかも知れないと、ひそかに甘い空想をした日も無いではなかったが、今はもう、気持ちが畏縮してしまって、そんな空想など雲散霧消した。」妻の津島美知子は、この気持ちを汲んで、三鷹の禅林寺に太宰のお墓を建てたのです。
 6月19日の命日に、太宰を偲んで桜桃忌がこの禅林寺にて開かれています。今年こそは参加し、太宰の冥福を祈りたいと思っています。

◆表紙の写真◆
三鷹市禅林寺内にある太宰治の墓地

同行者
一人旅
交通手段
自家用車
  • 禅林寺の入口です。ここをくぐって行くと

    禅林寺の入口です。ここをくぐって行くと

  • 左側になにやら鳥居が・・お寺なのに何故??以前の神仏習合の名残でしょうか

    左側になにやら鳥居が・・お寺なのに何故??以前の神仏習合の名残でしょうか

  • 稲荷ということは、ウカノミカマノ神が祭られています。キツネは神様のつかいです。

    稲荷ということは、ウカノミカマノ神が祭られています。キツネは神様のつかいです。

  • さらに先に進むとこのような表示がありました。きっと太宰のお墓にお参りの客が多いからでしょう。

    さらに先に進むとこのような表示がありました。きっと太宰のお墓にお参りの客が多いからでしょう。

  • ここをくぐって右に曲がり進んでいくと

    ここをくぐって右に曲がり進んでいくと

  • この長い小道に出ます。ここをさらに進んでいくと

    この長い小道に出ます。ここをさらに進んでいくと

  • 太宰のお墓が見えてきました。以前は墓前に太宰が嗜好していたゴールデンバットや日本酒がおいてありましたが、今回はお花だけでした。

    太宰のお墓が見えてきました。以前は墓前に太宰が嗜好していたゴールデンバットや日本酒がおいてありましたが、今回はお花だけでした。

  • 森鴎外の墓の斜め前に、太宰治の墓があります。太宰の死後、美知子夫人が夫の気持ちを酌んでここに葬ったようです。ちなみに墓石の文字は、太宰が書いた文字を墓石用に彫ったものです。

    森鴎外の墓の斜め前に、太宰治の墓があります。太宰の死後、美知子夫人が夫の気持ちを酌んでここに葬ったようです。ちなみに墓石の文字は、太宰が書いた文字を墓石用に彫ったものです。

  • 左側にある墓石には津島と掘られていました。太宰の本家のお墓です。第一回の桜桃忌が禅林寺で開かれたのは、太宰の死の翌年、昭和24年6月19日。6月19日に太宰の死体が発見され、奇しくもその日が太宰の39歳の誕生日にあたったことにちなんでいます。 

    左側にある墓石には津島と掘られていました。太宰の本家のお墓です。第一回の桜桃忌が禅林寺で開かれたのは、太宰の死の翌年、昭和24年6月19日。6月19日に太宰の死体が発見され、奇しくもその日が太宰の39歳の誕生日にあたったことにちなんでいます。 

  • 禅林寺の門に桜桃がデザインされています。きっと桜桃忌にちなんでなんでしょう。

    禅林寺の門に桜桃がデザインされています。きっと桜桃忌にちなんでなんでしょう。

  • 太宰は深夜11時30分頃、むらさき橋付近から入水したといわれています。心中の相手は山崎富栄といい、一説によると太宰は心中の直前に、入水を拒んだが山崎が無理やり引き連れていったとも・・・!?

    太宰は深夜11時30分頃、むらさき橋付近から入水したといわれています。心中の相手は山崎富栄といい、一説によると太宰は心中の直前に、入水を拒んだが山崎が無理やり引き連れていったとも・・・!?

  • 現在は水かさはたいしてなかったが、当時は大雨が降り続きかなりの激流だったとか・・

    現在は水かさはたいしてなかったが、当時は大雨が降り続きかなりの激流だったとか・・

  • 帰りに立ち寄った深大寺そば。ゴールデンウイーク中だったのでどこも待ち状態でした。

    帰りに立ち寄った深大寺そば。ゴールデンウイーク中だったのでどこも待ち状態でした。

  • 私は大抵このお蕎麦や・玉喜に立ち寄ります。

    私は大抵このお蕎麦や・玉喜に立ち寄ります。

  • おいしかったです。蕎麦湯までしっかりと頂きました。

    おいしかったです。蕎麦湯までしっかりと頂きました。

  • 外はこんな感じ。

    外はこんな感じ。

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