2008/02/02 - 2008/02/03
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baroloさん
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山裾の冬,ひとり来て
こう書き出すと,最近よく耳にする『吾亦紅』の一小節と,何とはなしに被っていたりして・・・
私は今,秋ならぬ冬の山裾,京都は嵯峨野に来ています。
歌の中では亡き母に逢いに来たようですが,私の場合は,亡き妻に逢いに来たというわけで,かなり被っちゃってます。
余りにも被り過ぎて洒落にならないので,カラオケで歌うのは,止めておいたほうがよさそうですね。
冬の嵯峨野といえば,雪のよく似合う,寒さの厳しいところというイメージがあったのですが,最近はめったに雪も降らないようで,なんとなく,晩秋といった感のある一日でした。
若い女性を中心に,観光地としては人気の高い場所なのに,案外,どこも見ていなかったことに気付いた私は,嵯峨野巡りをしようと思い立ち,お世話になっている『村雲別院』を基点にして,祇王寺〜小倉山二尊院〜常寂光寺〜落柿舎へと,嵯峨野の見所を一巡したのですが,
やはりというべきでしょうか?
流石というべきでしょうか?
数こそ少なけれ,冬とはいえど,散策する人々は結構いらっしゃるのですね〜。
さて,嵯峨野の次は,どこに参りましょう?
京都観光で外せない場所といえば,そう,祇園ですよね。
その祇園界隈は,2・3日の両日,八坂神社で節分(祇園さんの節分祭と呼ぶそうです。)の豆まきが行われるとかで,たいそうな人出です。
でも私の目的は,なんと,葛きりなのでありました。
京の老舗のこだわりは,名所旧跡に勝るとも劣らない,もう一つの京の魅力です。
『鍵善良房』
ここを外すわけには参りません。
というわけで,今回も頂きました,黒蜜に合わせる本物の吉野葛。
今回は,名所旧跡も訪れたし,名店・嵯峨野『森嘉』(京都の料亭御用達の豆腐屋さんです。)の絹ごしを熱々でいただく湯豆腐の昼食も賞味したし,定番のこだわりデザートも外さなかったし,何と充実した京都巡りでありましたことか・・・
(普通は,この辺りで終わると思うでしょ?)
というわけで,今日は,一日中たくさん歩いて,お腹もすいてきたことだし,夕飯はどういたしましょう?
(まだ食べるつもりですよ〜。)
最近,美味しいうどんに目のない私としては,銀閣寺隣の
『おめん』
に顔を出さずに帰ったとなれば,後悔することは必定です。
桜の季節には人々でごった返すのですが,さすがに彩の消えたこの時期には,行き交う人とてない哲学の道を目指します。
『おめん』については語るまでもありません。
写真をご参照ください。
芸術的ともいえる薬味の盛り付け(目の前で,職人さんが,一皿一皿ていねいに盛り付けていきます。),老舗のこだわりのなせる業であります。
本当に本当に,満ち足りた一日となりました。
(もう,そろそろ帰ると思いますよね?!)
月並みとはいえ,観光地めぐりはしたし,おいしいものも頂いたし・・・, 締め括りには,京の奥座敷,鞍馬温泉で一風呂浴びてから帰るとしましょうか!
(えっ, まだ寄るの?? という声が聞こえてきそうです。)
わずかとはいえ,いまだ残雪の消えぬ鞍馬山を目指して北上すること,わずか30分余りで鞍馬温泉に到着です。
立ち寄り入浴のつもりで受付を訪れると,その脇には,『本日 空室あります。』の看板が・・・,思わず,「泊まれますか?」と聞いてしまったのでありました。
天気予報によると,近畿から関東にかけて,明日は『雪』となっていることでもありますし,ここは一つ,雪の京都を愛でるのも一興かと思う私でした。
一夜が明けて
早朝6時,カーテンを開けて表を見渡すと,なんとなんと,一面が銀世界になっているではありませんか。
あまりにも出来過ぎで,うれしいやら,こわいやら・・・
だって,鞍馬寺では,『節分の雪』と称されるほどなのですから。
朝食もそこそこにして,鞍馬寺に向かったのは,言うまでもありません。
白銀に包まれた,歴史に名高いこの山は,凛とした風情を湛えておりました。
本堂から,さらに800mの急な山道を辿って,奥の院を目指したのはよいのですが,下山してみると,ふくらはぎの筋肉が悲鳴を上げておりまして,日ごろの運動不足を痛感した次第です。
もう,そろそろ家に帰りましょうかね。
鞍馬山から京都市内に下ってまいりまして,京を離れる前にお茶でも一服いただきましょうと,再び祇園へ足を運んだのでありましたが・・・
お茶だけのつもりが,人の波に流されて,たどり着いたところは,なんと,昨日はパスした八坂神社ではありませんか。
時は今ちょうど12時。
午後1時から,舞妓さんも参加しての豆まきが行われるとかで,舞台の周りには,福を貰おうとする人々が集まり始めておりました。
まだ1時間もあるのになんと酔狂な,と思いつつも,気がつくと,私自身,舞台の最前列に張り付いているのです。
それからの1時間をどのようにして過ごしたのやらは定かでありません・・・
やがて時が来て,
祇園甲部の舞妓さん3人による奉納舞がおこなわれた後,年男・年女に舞妓さん・芸妓さんも加わっての豆まきが行われました。
その時私はといいますと,福豆をキャッチするゆとりもなく,ただ只管,シャッターを押し続けているのでありました。
福豆は手にすることができませんでしたが,十分に幸せな気分に浸ることができました。
顧みれば,気まぐれに誘われるがまま京に来て,今までで最も充実した旅を味わえるとは・・・・
最後に,一句啓上
落柿舎(らくししゃ)や
落ちぬ冬柿
めじろ恋ひ
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祇王寺にて
かの清盛が愛した白拍子『祇王』が,清盛の寵愛を失った後,清盛の仕打ちへの無言の抗議の意をこめて,母,妹とともに落飾し,隠棲した小さな庵です。
派手さ・賑やかさはありませんが,苔むす庭園とかわいらしい庵が,心を癒してくれます。 -
最近の地球温暖化の影響を受けてか,京の寺社では,名園の風情を醸し出す名わき役の【苔】がダメージを受けていて,早晩,苔寺などは立ち行かなくなるのでは,と危惧されておりますが・・・
ここ左京区の山裾は,西日の影響を受けることが少ないせいか,見事なまでに生き生きとした,庭園一面の苔が目を休ませ,楽しませてくれています。 -
優しい心遣いが感じられます。
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常寂光寺にて
ここは小倉山のふもとにて,小倉百人一首とは切っても切り離せない地として有名です。
作家,瀬戸内寂聴さんとも深い縁があります。 -
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落柿舎にて
芭蕉の門人,向井去来の庵です。
手前の田んぼは,景観維持のため,市が所有権を取得し管理しているそうです。
嵯峨野の面影が,最も色濃く残る場所のひとつです。 -
落柿舎といえば,柿がなくては始まりません。
茅葺屋根に柿とくれば,一句浮かびませんか?
かの松尾芭蕉も止宿しています。 -
落柿舎や
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落ちぬ冬柿
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めじろ恋ひ
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名代の葛きり,お一ついかがどす?
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祇園『鍵善良房』
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銀閣寺『おめん』
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こだわりの薬味盛り合わせ
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雪の鞍馬寺
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赤い欄干が,叡山を遠くに望む雪景色によく映えて。。。
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凛として
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祇園さんの節分祭−奉納舞
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京舞の妙
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この舞妓さんたち,昨春の『都をどり』以来の再会(?)です。
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だ〜ら〜り〜の〜〜,帯よ〜〜〜。
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祇園さんの節分祭−福はうち
私の後ろは,人・人・人 -
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こっち,頂戴〜
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残りの福に幸多かれ!
最後まで,愛嬌一杯振りまいてくれました。
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