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<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />8月11日(金)Sobrado dos Monxes 26km<br /><br />今日もみんなで一緒に離れないように歩く。<br />山道はだいぶ減り、村も多くなってきたので、何度もBarに立ち寄りながら進んで行く。<br />ラウラがグループに入ってからは、Barでのお茶は、しっかり割り勘になっていた。<br />すぐに彼女が計算をしてくれるのだ。<br /><br />道はカルテラ(舗装道)になってきた。そんな道を20kmほど歩く。<br />退屈な道なので、ipodを聞きながら歩いていると、ロベルトがそれを横取りした。<br />「日本の歌っていいね。帰ったらCDを送ってね。」<br />ラウラも一緒に聴き始めた。<br />二人で片耳づつヘッドフォンを分け合って、ニコニコしながら歩いている。<br />勢いのある曲では足取りも軽快に、スローな曲ではうっとりしながら聴いていた。<br />EnyaのPilgrimがかかると二人は目を瞑り、ふわふわしながら歩き始めた。<br /><br />今日のアルベルゲは久しぶりに修道院だった。<br />Sobrado dos Monxes<br />美しい修道院だ。<br /><br />町に出てレストランを探そう。<br />ラウロ、フェルナンド、アギーも加わった。<br />ここのところガリシアに入ってからは、魚介類のメニューが増えていた。<br />今日はパエリアとタラのフライだった。<br />バレンシアに住んでいるロベルトは囁いた。<br />「バレンシアに来たら、もっと本物のパエリアが食べられるぞ!」<br />それでも、お米が食べられるのってうれしい。<br /><br />広場では、お祭りなのか民族服を着た老若男女が踊っている。<br />それを見ていたロベルトが、足さばきよろしく、音楽に合わせて踊り始めた。<br />その横でラウラとビンゲンが、明日のコースについてまじめな顔をして話し合っている。<br />そのコントラストが可笑しく、ビデオを回した。<br /><br />今日の修道院アルベルゲはかなりの収容数であった。<br />見知らぬ人がたくさんいたが、それはすでに La Costa の道と合流したためだった。<br />ビンゲンが行きたかったのは、この修道院なのだろう。<br />Primitiboの道から、フランスの道に入るはずが、少し遠回りして、この修道院に辿り着いたには、こうした訳があった。<br />その甲斐が充分にあるコースだった。<br />また、巡礼者で混み合う「フランスの道」をなるべく避けたいというのはみんなの共通の考えであった。<br /><br /><br />食事から戻ると、修道院の見学が始まった。<br />回廊の他に、大きな教会があり、付属の古い台所があったり、修道士が泊まる部屋があったり。<br />中央にはサンティアゴのカテドラルの縮尺モデルが飾ってあった。<br />ビンゲンが説明してくれる。<br />何でも知っているから、ガイドブックが要らない。<br />ビンゲンがある日息子さんに電話をしていることがあった。<br />とても優しく話をしていたっけ。奥さんとは離婚したということだった。<br />住まいはバスク地方の、今回私たちが通ってきた町だった。<br />ロベルトが<br />「ほら、あそこだよ、みんなでイワシを食べた港のある町。」<br />「あっ、公園でルルデスと一緒にエンパナーダを食べた所ね。」<br />へぇ〜っ、あんな素敵な町に住んでいるんだぁ。<br /><br />ラウラと中庭に出た。<br />緑の芝生、花の手入れも行き届いていて、すべてが素晴らしい修道院だった。<br />ラウラは私のスケッチブックを取り上げると、庭をスケッチし始めた。<br />どこからか、ロベルトの声が聞こえる。<br />電話をしているようだ。<br />別のところでは、巡礼者が寝っころがって休んでいる。<br />天気はさわやか。晴れているが暑くはない。<br /><br />ラウラにマッサージをしてあげることにした。<br />彼女はいつも私のために、歩きながら歌を歌ってくれるから、そのお礼だ。<br />電話が終わったロベルトがやってきた。<br />ラウラへのマッサージをする私に、ロベルトが背中に回り、マッサージを始めた。昨日のお返しだった。<br />日だまりの中、平和な気持ちで三人で並んでおしゃべりをした。<br />「今電話で話していたのは、仕事関係の人なんだ。帰ってからの仕事がうまくいきそうなんで、安心したところだよ。」<br />ロベルトは三年前まではvo○a phoneのエンジニアをしていた。<br />毎日パソコンと向き合って仕事をしてきた。(だから彼の携帯はvo○a phoneの最新機種だったんだ!)<br />三年前にBio Dance と出会って、習い、教え始めたのだと言う。<br />生徒も集まり順調に教室を営んできたが、ところがこの巡礼に出発する前日に、借りていた場所が閉鎖になることになってしまったと言うのだ。<br />電話は、そのことについての朗報があったと言うので、ロベルトも嬉しそうだった。<br /><br />夜になると、修道士の一人が宿代の集金に来た。<br />その人から Monastereo de Zenarruza に行ったか聞かれた。そこは私の最も印象的な場所であり、あの四人組と、初めて出会った場所だった。今では、遠い昔のことのような気がする。<br />そして、ここにいる別の修道士は、兵庫県の教会に居たことがあると教えてくれた。<br /><br />今日は流星群が見える日である。スペインでは「星の雨」と言い、響きが良い。<br />私たちも一度外に出てみた。<br />さっきの修道士によると、なるべく暗い所まで行った方がいいと言う。<br />しかし寒さに耐えきれず戻ってくると、アギーとフェルナンドが、美しい回廊の中庭に寝袋を持参して空を見ていた。<br />四角い空にたくさんの星が輝いていた。ここは暗さが充分ではないけれど、回廊に囲まれて、それだけで星が美しく見えた。<br />私もしばらくそれにつきあって星空を見ながら仰向けに横たわった。

スペイン巡礼「北の道29」8月11日(金)Sobrado dos Monxes 26km

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2006/08/11 - 2006/08/11

124位(同エリア138件中)

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70

night-train298

night-train298さん















8月11日(金)Sobrado dos Monxes 26km

今日もみんなで一緒に離れないように歩く。
山道はだいぶ減り、村も多くなってきたので、何度もBarに立ち寄りながら進んで行く。
ラウラがグループに入ってからは、Barでのお茶は、しっかり割り勘になっていた。
すぐに彼女が計算をしてくれるのだ。

道はカルテラ(舗装道)になってきた。そんな道を20kmほど歩く。
退屈な道なので、ipodを聞きながら歩いていると、ロベルトがそれを横取りした。
「日本の歌っていいね。帰ったらCDを送ってね。」
ラウラも一緒に聴き始めた。
二人で片耳づつヘッドフォンを分け合って、ニコニコしながら歩いている。
勢いのある曲では足取りも軽快に、スローな曲ではうっとりしながら聴いていた。
EnyaのPilgrimがかかると二人は目を瞑り、ふわふわしながら歩き始めた。

今日のアルベルゲは久しぶりに修道院だった。
Sobrado dos Monxes
美しい修道院だ。

町に出てレストランを探そう。
ラウロ、フェルナンド、アギーも加わった。
ここのところガリシアに入ってからは、魚介類のメニューが増えていた。
今日はパエリアとタラのフライだった。
バレンシアに住んでいるロベルトは囁いた。
「バレンシアに来たら、もっと本物のパエリアが食べられるぞ!」
それでも、お米が食べられるのってうれしい。

広場では、お祭りなのか民族服を着た老若男女が踊っている。
それを見ていたロベルトが、足さばきよろしく、音楽に合わせて踊り始めた。
その横でラウラとビンゲンが、明日のコースについてまじめな顔をして話し合っている。
そのコントラストが可笑しく、ビデオを回した。

今日の修道院アルベルゲはかなりの収容数であった。
見知らぬ人がたくさんいたが、それはすでに La Costa の道と合流したためだった。
ビンゲンが行きたかったのは、この修道院なのだろう。
Primitiboの道から、フランスの道に入るはずが、少し遠回りして、この修道院に辿り着いたには、こうした訳があった。
その甲斐が充分にあるコースだった。
また、巡礼者で混み合う「フランスの道」をなるべく避けたいというのはみんなの共通の考えであった。


食事から戻ると、修道院の見学が始まった。
回廊の他に、大きな教会があり、付属の古い台所があったり、修道士が泊まる部屋があったり。
中央にはサンティアゴのカテドラルの縮尺モデルが飾ってあった。
ビンゲンが説明してくれる。
何でも知っているから、ガイドブックが要らない。
ビンゲンがある日息子さんに電話をしていることがあった。
とても優しく話をしていたっけ。奥さんとは離婚したということだった。
住まいはバスク地方の、今回私たちが通ってきた町だった。
ロベルトが
「ほら、あそこだよ、みんなでイワシを食べた港のある町。」
「あっ、公園でルルデスと一緒にエンパナーダを食べた所ね。」
へぇ〜っ、あんな素敵な町に住んでいるんだぁ。

ラウラと中庭に出た。
緑の芝生、花の手入れも行き届いていて、すべてが素晴らしい修道院だった。
ラウラは私のスケッチブックを取り上げると、庭をスケッチし始めた。
どこからか、ロベルトの声が聞こえる。
電話をしているようだ。
別のところでは、巡礼者が寝っころがって休んでいる。
天気はさわやか。晴れているが暑くはない。

ラウラにマッサージをしてあげることにした。
彼女はいつも私のために、歩きながら歌を歌ってくれるから、そのお礼だ。
電話が終わったロベルトがやってきた。
ラウラへのマッサージをする私に、ロベルトが背中に回り、マッサージを始めた。昨日のお返しだった。
日だまりの中、平和な気持ちで三人で並んでおしゃべりをした。
「今電話で話していたのは、仕事関係の人なんだ。帰ってからの仕事がうまくいきそうなんで、安心したところだよ。」
ロベルトは三年前まではvo○a phoneのエンジニアをしていた。
毎日パソコンと向き合って仕事をしてきた。(だから彼の携帯はvo○a phoneの最新機種だったんだ!)
三年前にBio Dance と出会って、習い、教え始めたのだと言う。
生徒も集まり順調に教室を営んできたが、ところがこの巡礼に出発する前日に、借りていた場所が閉鎖になることになってしまったと言うのだ。
電話は、そのことについての朗報があったと言うので、ロベルトも嬉しそうだった。

夜になると、修道士の一人が宿代の集金に来た。
その人から Monastereo de Zenarruza に行ったか聞かれた。そこは私の最も印象的な場所であり、あの四人組と、初めて出会った場所だった。今では、遠い昔のことのような気がする。
そして、ここにいる別の修道士は、兵庫県の教会に居たことがあると教えてくれた。

今日は流星群が見える日である。スペインでは「星の雨」と言い、響きが良い。
私たちも一度外に出てみた。
さっきの修道士によると、なるべく暗い所まで行った方がいいと言う。
しかし寒さに耐えきれず戻ってくると、アギーとフェルナンドが、美しい回廊の中庭に寝袋を持参して空を見ていた。
四角い空にたくさんの星が輝いていた。ここは暗さが充分ではないけれど、回廊に囲まれて、それだけで星が美しく見えた。
私もしばらくそれにつきあって星空を見ながら仰向けに横たわった。

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