ガリーシア地方旅行記(ブログ) 一覧に戻る
<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />8月10日(木)Frioz 26km<br /><br /><br />朝の支度をみんながゴソゴソ始める中で、オラヤとユリアはまだベッドでゆっくりしていた。<br />彼女たちのバスの時間までには、まだ早いからだった。<br />ユリアは元気よくベッドから出てきた。<br />そしてビデオを撮影しようとすると、フラメンコを踊り出してくれた。そばに横になっていたオラヤが、ハミングで伴奏をつけてくれる。<br />早朝まだ寝ている人もいるので、静かに始めたが、回りのみんなも大受けである。<br />次に、横になっているオラヤにカメラを向けた。<br />優しい口調で話し始めた。<br />「この『道』を歩いていて、暑さと山道の厳しさに嫌になってしまったのよ。これは私たちが求めているものではないと思ったの。これからサンティアゴに行って、そこからフェンステーレまで歩き始めるわ。あなたに会えて良かったわ。あなたはみんなの太陽よ。」<br />嬉しいメッセージをカメラに残してくれた。<br />二人がいなくなるのはとても寂しいことだった。<br />私にとっては、それこそ大きな「太陽」を二つ失うようだった。<br /><br />そしてこの『道』を離れる人がもう一人いた。<br />昨日それを打ち明けてくれたミンケだった。<br /><br />出発は、ロベルト、ビンゲン、ラウラ、ドロータ、アギー、ラウロ、フェルナンド、二人のスペイン男性とフランス女性、ミンケ、私の12人だった。<br />誰もガイドを持っていない。ガイドブックにはないコースだから。<br />だからみんな一緒に離れないように歩いている。<br />しばらく歩くと道の分岐点に来た。<br />ここでミンケとフランス人の女性は別れる。彼女らが行くその道は、『フランスの道』へ続くのだった。<br />写真を撮り合いハッピーな別れだった。<br /><br />それからが大変だった。<br />山に入ってかなりの距離を歩いた。<br />アギーとラウロは、かわりばんこに次々に質問をしてきた。<br />質問のパターンはこうである。<br />「日本では○○だって聞いたんだけど、それって本当なの?」<br />二人は日本についての情報を、良く知っていた。<br />内容は、お寿司に付くワサビの話から自殺の話まで。<br />二人は興味津々だった。<br />アギーは<br />「私、あなたたちのグループが大好きなの。だから仲間に入れてね!」<br />こうしてサンティアゴまでは10人のグループが一丸となって歩くことになった。<br /><br />道にはどこにも矢印はない。<br />どこまで行っても出口はなかった。<br />今日は26kmということだったが、おそらく40km以上は歩いたどろうというのがみんなの感想だった。<br /><br />やっとのことで、なんとか、Barがある小さな村に入ることが出来た。<br />すでに4時だった。<br />ここで昼食を食べることになった。<br />もうSantiagoは間近かだし、今日の出口の見えない山越えは終わったし、開放感でいっぱいだった。<br />まだ、ここから今日の目的地までは13kmほどあるのだが。<br />Barのお姉さんも気っ風のいい女性で、精一杯の給仕をしてくれた。<br /><br />目的地のFrioz に着いた。<br />ここにはアルベルゲはない。体育館があり、そこで寝泊まりできるかどうかは、あらかじめビンゲンが電話をして調べておいてくれた。<br />そこには高校生の巡礼大集団がいた。<br />スペインじゅうから集められた集団のようで、賑やかなることこの上ない。<br /><br />アギーとバルに行くと、みんなが揃っていて乾杯をした。<br />昨日は遠慮していたドロータとアギーが、名前を漢字で書いて欲しいと言ってきた。<br />アギーは、漢字変換に悩む名前だが、本名のアグネスにしてもらい、なんとか切り抜けた。<br />絵のような漢字の文字もうれしいらしいが、意味を説明すると、益々喜んでくれた。<br /><br />早めにbarを切り上げ、アギーと一緒に、体育館で留守番をしていたラウラとロベルトにマッサージをしてあげた。<br />そしてアギーが言った。<br />「あなたってマッサージのプロなんでしょ?実はリュックが重くて肩がこっているんだけど、明日マッサージをしてもらえるかしら?」<br />???<br />私はいつのまにか、プロのマッサージ師になっていた。<br />上手だからそう言われているのかというと、そうでもない。けっこう自分でいい加減なことを言いふらしていたからかもしれない。<br />こんな清純なお嬢さんには、軽口は通用しない。<br />でも、なんでハタチの彼女にマッサージしなきゃならないのか、疑問がないこともなかったが・・・・・・・。<br /><br />

スペイン巡礼「北の道28」8月10日(木)Frioz 26km

1いいね!

2006/08/10 - 2006/08/10

124位(同エリア138件中)

0

29

night-train298

night-train298さん













8月10日(木)Frioz 26km


朝の支度をみんながゴソゴソ始める中で、オラヤとユリアはまだベッドでゆっくりしていた。
彼女たちのバスの時間までには、まだ早いからだった。
ユリアは元気よくベッドから出てきた。
そしてビデオを撮影しようとすると、フラメンコを踊り出してくれた。そばに横になっていたオラヤが、ハミングで伴奏をつけてくれる。
早朝まだ寝ている人もいるので、静かに始めたが、回りのみんなも大受けである。
次に、横になっているオラヤにカメラを向けた。
優しい口調で話し始めた。
「この『道』を歩いていて、暑さと山道の厳しさに嫌になってしまったのよ。これは私たちが求めているものではないと思ったの。これからサンティアゴに行って、そこからフェンステーレまで歩き始めるわ。あなたに会えて良かったわ。あなたはみんなの太陽よ。」
嬉しいメッセージをカメラに残してくれた。
二人がいなくなるのはとても寂しいことだった。
私にとっては、それこそ大きな「太陽」を二つ失うようだった。

そしてこの『道』を離れる人がもう一人いた。
昨日それを打ち明けてくれたミンケだった。

出発は、ロベルト、ビンゲン、ラウラ、ドロータ、アギー、ラウロ、フェルナンド、二人のスペイン男性とフランス女性、ミンケ、私の12人だった。
誰もガイドを持っていない。ガイドブックにはないコースだから。
だからみんな一緒に離れないように歩いている。
しばらく歩くと道の分岐点に来た。
ここでミンケとフランス人の女性は別れる。彼女らが行くその道は、『フランスの道』へ続くのだった。
写真を撮り合いハッピーな別れだった。

それからが大変だった。
山に入ってかなりの距離を歩いた。
アギーとラウロは、かわりばんこに次々に質問をしてきた。
質問のパターンはこうである。
「日本では○○だって聞いたんだけど、それって本当なの?」
二人は日本についての情報を、良く知っていた。
内容は、お寿司に付くワサビの話から自殺の話まで。
二人は興味津々だった。
アギーは
「私、あなたたちのグループが大好きなの。だから仲間に入れてね!」
こうしてサンティアゴまでは10人のグループが一丸となって歩くことになった。

道にはどこにも矢印はない。
どこまで行っても出口はなかった。
今日は26kmということだったが、おそらく40km以上は歩いたどろうというのがみんなの感想だった。

やっとのことで、なんとか、Barがある小さな村に入ることが出来た。
すでに4時だった。
ここで昼食を食べることになった。
もうSantiagoは間近かだし、今日の出口の見えない山越えは終わったし、開放感でいっぱいだった。
まだ、ここから今日の目的地までは13kmほどあるのだが。
Barのお姉さんも気っ風のいい女性で、精一杯の給仕をしてくれた。

目的地のFrioz に着いた。
ここにはアルベルゲはない。体育館があり、そこで寝泊まりできるかどうかは、あらかじめビンゲンが電話をして調べておいてくれた。
そこには高校生の巡礼大集団がいた。
スペインじゅうから集められた集団のようで、賑やかなることこの上ない。

アギーとバルに行くと、みんなが揃っていて乾杯をした。
昨日は遠慮していたドロータとアギーが、名前を漢字で書いて欲しいと言ってきた。
アギーは、漢字変換に悩む名前だが、本名のアグネスにしてもらい、なんとか切り抜けた。
絵のような漢字の文字もうれしいらしいが、意味を説明すると、益々喜んでくれた。

早めにbarを切り上げ、アギーと一緒に、体育館で留守番をしていたラウラとロベルトにマッサージをしてあげた。
そしてアギーが言った。
「あなたってマッサージのプロなんでしょ?実はリュックが重くて肩がこっているんだけど、明日マッサージをしてもらえるかしら?」
???
私はいつのまにか、プロのマッサージ師になっていた。
上手だからそう言われているのかというと、そうでもない。けっこう自分でいい加減なことを言いふらしていたからかもしれない。
こんな清純なお嬢さんには、軽口は通用しない。
でも、なんでハタチの彼女にマッサージしなきゃならないのか、疑問がないこともなかったが・・・・・・・。

PR

この旅行記のタグ

1いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

スペインで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
スペイン最安 286円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

スペインの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから海外旅行記(ブログ)を探す

PAGE TOP