2006/08/04 - 2006/08/04
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night-train298さん
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8月4日(金)Rorres 15.3km
朝焼けの山々はピンク色で、その合間を低く雲が浮いていて、何度も立ち止まるほど美しかった。
歩き出してすぐにbarに入ると、たくさんのリュックが置いてあった。
どうやら今までの状況とは違ってきたようだった。
新しい巡礼者が参加し始め、目立つようになってきた。
賑やかなBarで、いつものように私たちのグループは、カフェ・コン・レチェを三杯おかわりし、トーストで朝食をする。
終わった頃には、もう他のグループたちはすでに出発した後。
マリアは昨日マメをつぶした。今日は調子はいいが、かかとの上が痛いと言う。
今度はウシが来て、話をしながら並んで歩く。
ドイツでは、生物とスペイン語の先生をしている。
兄弟はおらず、両親は離婚して、母親は南スペインで、ドイツと同じ暮らしを持ち込んで生活していると言う。
同じようにスペインが大好きなのに、全く価値観が違い、話が合わず、めったに会わないと言う。
ドイツに住む父親は、三菱自動車を退職して、一人暮らしをしているが、病気で具合が悪いと言う。
ウシはクールである。
そのクールさに、私はなかなか彼女と打ち解けられなかった。
本当は優しいことを知っている。でも、彼女の表現は不器用であり、白か黒かに分けてしまう考えは、受け入れにくかった。
世の中にはグレーゾーンがたっぷりあるのに。
例えば
「日本人てよくわからないわ。父が三菱に勤めていた頃のことだけど、一週間くらい会社の人たちと旅行に行ったの。支店長の奥さんも来ていてね、私が何を言っても『イエェ〜〜〜ス』と答えるのよ、ニコニコしながら。ちょっと意地悪して、変な質問しても同じ調子で『イエェ〜〜〜ス』なのよ。何がYESなんだかわかんないし、なんでもかんでもYESなんておかしいわ。」
確かにおかしい。『No』とはっきり言うドイツ人にとって、摩訶不思議な返答だったに違いない。
でも私は、この支店長夫人に同情してしまう。
おそらく、おまり得意でない英語を駆使しなければならなかったのだろう。よく意味がわからなくてもそう答えてしまう気持ち。
そして、日本人が『No』と言えない背景には、優しい国民性も多いに関係しているのではないか。
相手への思いやりとして、『No』である事情があっても、それを『Yes』に変えてあげたい。出来ないことでも、出来るようにしてあげたい。
しかし悲しいかな・・・・NoならNoとはっきり言ってもらわなくては困る!と怒られてしまうのである。
それにしても、ここ数日の私は、『No』を連発していたので、新しい日本人のサンプルになったかもしれない。
また、別の時には
「今日から新しいドイツ人の仲間が来たね!」と言うと
「さっきあの人たちと話したけど、典型的なドイツ人よ。『あそこに行った?ここに行った?えっ、行ってないの?あなたも行った方がいいわよ。』・・・・・もう、聞いてて神経が逆立ってきちゃって。」
いつか暗がりの田舎町で出会った時に、彼女たちはアルベルゲに泊まらずに、テントを張ったのは、そこに居たドイツ人カップルから逃げたかったのかもしれない。アルベルゲの宿泊代など、たいした金額ではない。それを節約して暗がりを歩きテントを張るのは不自然だった。
スペイン人に対しては寛容だった。しかし何故スペイン人は喋り続けるのか?という話題になると・・・・・
「あの人たちは話した事を覚えていないのよ。だから何度も同じ事を話すの。覚えていたとしても、繰り返し話すのよ。」
笑ってしまうが、常にクールな分析をしているウシだった。
すべてに同意はできないけれど、この歩きで、私たちの距離がだいぶ縮まった。
今日のアルベルゲの周辺にはレストランもお店もない。
みんなでお金を出し合って、買い物をすることにした。
ワインやチーズやパンをたくさん買って、手分けして荷物を持った。
アルベルゲは、緑の丘の上にあり、のどかな景色の良い場所だった。
しかし!!!!!
すごい量のハエがいたのだ。床はハエの屍骸だらけ。マリアはほうきを持ってきて、部屋中を掃除し始めた。
最初にここに着いたのは、美人フランス人の二人だった。
彼女らは
「ここに着いた時は、ハエだらけで逃げようかと思ったけど、みんなが入ってくると不思議ね、ちゃんとアルベルゲらしくなったわ。」
彼女たちに見覚えがあった。昨日のアルベルゲでも一緒だった。
おしゃれな二人は、化粧室にいる時間が、やたら長かったから覚えていた。
後で三人組のスペイン人男性がやってきた。
最後にやってきたのは、ラウラと元カレのルーベンだった。
昨日のアルベルゲで、唯一新しい巡礼者と喋った相手はラウラだった。
大勢の見知らぬ人たちがいた中で、ユリアとオラヤのことは覚えたてだったので、トイレで会った時に、手の乾燥機でブーツを乾かしているオラヤをみつけた・・・つもりだったが、まだ名前を覚えていなかったので、
「名前はなんだっけ?」と聞いたら、ニコニコしながら感じ良く
「ラウラよ!」
あれ?初めて会った人だったんだぁ。スペイン人て皆同じように見えるから!!
ラウラも突然名前を聞かれてもびっくりしていない様子だったから良かったけれど。
昼食会は、アルベルゲの裏のベンチで始まった。
手際よくチーズを切り、その上に羊羹のようなものを乗せる。これはデザートだ。
羊羹はマルメリーダといい、フルーツを煮て固めたもので、酸味と甘み、そしてチーズのコクと塩味が混ざっておいしい。
昼食後は、アルベルゲの前に広がる緑の斜面でお昼寝だ。
みんなに習って寝ようと試みたけど、斜面がきつくて、しがみついていないと転がってしまいそう。
天気もさわやかで、気持ちのいいひと時だった。
フランス人の二人も、すっかり解放され、二人でマッサージをし合っている。
ロベルトが
「僕たちもトレイン・マッサージをしようよ。」
アルベルゲの前に椅子を一列に並べ、前の人の肩をマッサージ。今度は逆を向いてマッサージ。
ロベルトはさすがに上手。本当に器用な人だ。
指力のある私も、上手だと評判になってしまった。
近くではラウラとルーベンも互いにマッサージしている。
ルーベンがボトルを持って私たちの中に入ってきた。
彼はレオンの出身だと言うことで、おおいにレオンのBARの話で盛り上がった。
レオンでのおすすめタパスをノートに書いてもらったり、ルーベンもすっかり仲間になった。
ボトルは、野いちごのオルッホだった。
私はアニスのオルッホが好きだが、このレオン特性の木いちごのオルッホは、最高においしい!
ラウラとルーベンはオビエドから歩き始めたばかりで、明日の朝にはルーベンは『道』を離れると言う。
夕日が傾き始めた頃、ラウラとルーベンが巡礼にまつわる歌を歌ってくれた。
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