2006/08/03 - 2006/08/03
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night-train298さん
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8月3日(木)Tineo 29.3km
結局ゆうべ、アルベルゲに泊まったのは、私たち5人とオラヤたち3人のスペイン人、そしてベルギーの夫妻だけだった。
朝食もキッチンにあったパンをもらい、コーヒーを飲んで出発した。
朝から小雨。
そして本格的な雨へ。
やっと辿り着いた最初の村でみんなが集っていそうなbarを探したがみつからない。
とうとう村の出口まで来てしまった。
そこでオラヤとユリアに会い、二人はパンを買いに行くということなので、一緒についていった。
パンを買ったはいいけれど、近くのBarは閉まっていて、軒下のテーブルに座って食べることにした。
みんなはどこにいるんだろう?
一人で歩くならそれでいい。でも、もし私のことを待っていてくれたら、そこへ行かなくてはならない。
みんなを探すのだって苦労なのだ。
お陰でこんな雨の中、閉店のBarの軒下で暖かい飲み物もなく、パンをかじらなくてはいけないのだ。
そこにどこかのBarですでに休んだ4人がやってきた。
巡礼路から小道に入ったBarに居たと言う。
それじゃあ、探してもわからないはずだ。
4人に悪気はない。
ロベルトは
「僕のこと、怒っている?」
「うん。」
ロベルトに対して怒っているわけではなかった。
彼らと一緒に歩くのか、そうでないのか。中途半端な状況になってしまった。
ここで、今の自分の気持ちをぶちまけた。
ロベルトのことは大好きだった。たぶん前世で、彼は私のお父さんだったに違いない。
なんでも彼には言うことができるのだ。
大好きなロベルトに、自分の最も見せたくない部分をさらし出すのは抵抗があったが、いつでも彼は、大真面目に聞いてくれた。
話すことで、救われていくのがわかる。
「今までの巡礼では、楽しい思い出ばかりなのに、今回はなぜかロンリーでミゼラブルなの。天気のせいかもしれないけれど。」
「きっと巡礼が終わって、日本に帰ってから思うよ、『いい巡礼』だったって。」
その後の道は、雨でぬかるんで大変だった。
目の前に、大きな水たまりがある。どうやってこれを渡ろうか。考えるのもけっこう楽しいひとときだった。
結局、最初の2~3歩はうまくいったものの、続かない。どぼどぼっと柔らかい土に足を埋める。
くるぶしまで泥に浸かっていく。
もうお手上げだ。
話すことで気持ちが軽くなったせいか、はたまたヤケクソか、気にしないでどんどんぬかるみに入っていく。
山道が終わる頃、ロベルトから電話が入った。
アルベルゲまでの近道を教えてくれたのだ。
サッカー場を越えたらその横の道を入っていく。
アルベルゲは丘の中腹にあり、眺めの良い場所だった。
中に入ると、泥だらけのブーツがたくさん並んでいる。
そこへロベルトが出てきて、
「ベッドが一つだけ足りないんだ。」
廊下の隅にあったマッサージ用ベッドを指して、これしか残っていないから、自分がここに寝ると言う。
見れば少々小さくて、私にぴったりのサイズである。
「私がここで寝るよ。だってサイズがちょうどいいもん。」
ここには見知らぬ巡礼者がたくさんいた。
オラヤとユリアもいた。
ベルギーの夫妻もいて、テーブルで食事をしていたら、ワインを分けてくれた。
彼ら以外の大多数は、初めて見た面々だった。
外に出ると、下の景色が見渡せ、山々も見える。
ここで2件の電話をすることにした。
最初はヤスミーナという、巡礼後にボランティアを予定しているアルベルゲの管理人だ。
今月の15日にはそこへ着く約束になっていたが、今まで頑張って急いで歩いてきたのに、ここ数日はスピードを落としているので、どうなるかわからなかったからである。
「ヤスミーナ、お願いがあるんだけど・・・・。」
「なぁに?私ができることならなんでも協力するわよ。」
「あのね、もし『15日に巡礼宿に着けない』って言ったら困る?」
「そうね、ちょうどボーイフレンドが19日までいるから心配しないで。だいじょうぶよ!」
良かった!もっと早く電話して、聞いておけばよかったくらいだった。
そしてもう一件は、二年前の巡礼の道で出会ったフェルナンドであった。
フェルナンドとは、その後冬に会ったり、メールや電話でずっと交友が続いていたが、今回は何度電話をしても繋がらなかったが、ここでやっと繋がった。
フェルナンドのお父さんが先月亡くなって、忙しかったようだった。
去年の暮れにセビリアで会った時に、すでに病院通いや手術をしていたのだった。
「今どこに居るの?」
「えっと、どこだ?」
そばにいたユリアに受話器を渡し、地名だけを言ってもらった。
「じゃあ、来週ラ・コルーニャにホリデーに行くから、もしかしたら会いに行けるかもしれないよ。わからないけれど。」
どちらにせよ、巡礼後のボランティア先はフェルナンドの家に近いので、どちらにせよ、そのうち会うことになるだろう。
二本の電話によって、気持ちもすっかり明るくなった。
マッサージ用のベッドは、廊下の隅にあり、洗面所に近かったので、出入りが少々うるさかったが、室内の方が、誰かの大きなイビキで大変だったそうである。
ベッドはなかなかの寝心地であったし、熟睡することが出来た。
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