2006/08/01 - 2006/08/01
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night-train298さん
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8月1日(火)Oviedo 26.9km
出だしから霧が小雨に変わった。
一軒めのbarでゆっくりと休む。
みんなは大きなコーヒーを三杯づつ飲み、私は胃に優しいココラカオ(ココア)。
ここは私が奢ることにしよう。
このグループは、いつも誰かが奢ってくれるのだ。それはいつもビンゲンかウシか私だった。
たいていの場合は、割り勘である。私は特に主張はしないので、その時々のルールに従っているまでだった。
気分は浮かない。
天気のせいかもしれないけれど、みんなとは、何故かチグハグであり、ロンリーな気分なのだった。
この先が不安で仕方なかった。
小雨が降る中、ウシは私のすぐ後ろに付いてゆっくり歩いている。
マリアは何度も振り返ってくれる。
二人とも、すごくやさしい人なのだ。
なのにそれが私にとっては負担になるのだった。
押し黙って雨具も着ないでゆっくり歩くウシに対し、思いきって、先に行くように促すと
無表情で一歩前をゆっくり歩きはじめた。
真のやさしさなのか。私にはわからなかった。
オビエドまで5km地点で休憩。
その後も長かった。
景色なんてどうでも良かった。
早く目的地に着きたかった。そう思うと、余計に時間が長く感じるものだ。
オビエドは、大きな街だった。
アルベルゲに着くと、オープンは7時からとある。
二軒となりのbarで遅い昼食をすることにした。
遅いと言っても、スペインでは普通なのだが、すでに四時だった。
白インゲンのスープや肉を食べて栄養を付けると、今日一日のマイナス思考から脱却することができるなんて、ゲンキンなものである。
親切にも、そのbarで荷物を預かってくれることになり、私たちはアルベルゲがオープンする7時までの観光に繰り出した。
ビンゲンは以前にもこの街に来たことがあると言うことで、地理にも郷土の歴史にも詳しかった。
正直言って、まじめで固そうなビンゲンとは、なかなか打ち解けなかった。
英語は全く話せないので、私の変なスペイン語で話すしかない。
ビンゲンは、ビルバオ大学の統計学の教授で、見るからに偉そうなのだった。
威厳がある顔というのか。その彼が何故かロベルトとウマが合うのであった。
さて、この街には見所が多いが、私たちにとって重要な、この「北の道・Primitibo」を初めて歩いた・・・
いや、元祖Camino de Santiagoを歩いたアルフォンソ二世の像がある。829年のことだと言う。
ビンゲンに付いて行けば、賢いガイドさんといるのと同じで、詳しい説明をしてくれる。
もっとスペイン語がわかったら、どんなに良いだろう。
カミーノの歴史なんて、なかなか日本では紹介されていない。
Primitiboのコースは、一番古いカミーノ(道)であると聞いて、私たちは少しだけ誇りを持つのである。
7時近くになったのでアルベルゲに戻ると、入り口に20人以上の受付をする巡礼者が、が待っていた。
ここから歩き始める人が多いため、知らない顔ばかりが並んでいた。
大変だ!
せっかく早くに来ていたのに、ベッドがないかもしれない。
受付時間の7時になると、おじさんが出てきて説明をはじめた。
「ベッドは20個しかありません。まず優先権があるのは、ここまで歩いて来た人です。」
ほとんどが今日から始める人たちばかりの中、つまりは私たちに優先権があるのだ!
しかし私たちの荷物はbarに置いてあったので、おじさんからは認めてもらえなかった。
そこで登場するのは、交渉上手のロベルトである。
頭がいい上、口が達者で、物腰も柔らかいから説得力があるのだ。
一度は断られた私たちだったが、ロベルトのお陰で、私たちはなんとか全員ベッドを確保することができた。
しかし、こんな大きな街で、ここから巡礼を始める人も多いというのに、ベッドは少ないし、オープンの時間は遅いなんて変だ。
あっという間にベッドは埋まり、多くの人がホステルを紹介されて出ていった。
ベッドを確保した中に、知っている顔があった。
以前にも会ったことがあるベルギー人夫妻だった。
受付をすることになった。
ロベルトと並んで前の人を待っていると、んんんっ?まずい!生年月日を聞かれている。しかもパスポートを見せろと言われている。
私はいつも適当な年齢を申請してきた。
ロベルトたちの前では、若そうにしていたのに、バレちゃったら大変だ!
「ロベルト、あなた先に受付しなよ。」
となりでロベルトが書類に書き込んでいる。
今日の宿代を請求されると、二人とも手ぶらで並んでしまい、お金を持ち合わせていない。
ロベルトが荷物のある部屋まで行って戻ってくる間に、私の書類の書き込みをしてしまおう。
案の定受付のおじさんは、パスポートを見せてくれと言う。そしてパスポートを取り上げ、書類に書き込んでいる。
ちょうど終了した頃、ロベルトは宿代の5ユーロ札を握りしめて戻ってきた。
おっ、やばい!早く追い払わなくっちゃ!
私はその5ユーロをもぎ取り、
「グラシャス!(ありがと!)」と言っておじさんに出した。
ロベルトはあっけにとられながら、笑っている。
「それ、僕のお金だよ。」
「うん、私の分も取ってきて!」
「はっ???」
こんなわけのわからないやり取りに、二人で大笑いしながら今日も無事に若者になりすますことに成功(!?)したのだった。
こうしている間にも、次々と新しい巡礼者がやってくる。
みな、落胆しながら出て行く様子が気の毒だった。
今後のアルベルゲは、今までのようにはいかないことが予想された。
おりしも8月1日、今日からホリデーが始まるスペイン人が多いことと、ここオビエドあたりからサンティアゴを目指して歩く人が多いのだった。
数日前から出来はじめたマメを、ロベルトに頼んで治療してもらうことになった。
ロベルトは自信ありげにいつも、マメには、針で糸お通しておくのがいいと言っていた。
サン・ヴィセンテのソフィアの治療はマメを悪化させてしまっていた。
ここできちんと直しておきたかった。
ロベルトは針と糸を持ってきた。
今年は『my針』を持っていなかったので、ロベルトの針を使うことになり、かなり抵抗感があった。
ロベルト・・・・変な病気とか持ってんじゃないの?
相変わらず、私は彼に対し厳しかった。こんなにも優しくいい人で、悪い面を一度も見ていないのに、何故か信用できないのだ。
私は針を出来る限り消毒した。
そして後は彼に任せた。
ロベルトは、何をやらせても器用で、痛みをまるで感じさせずにマメに糸を貫通させ、糸を適当な長さに切って、そのままにしておくのがいいと言う。
二日後に糸を抜けばいいと言うのだ。皮膚とは言え、体の一部に糸が入っているなんて、気持ち悪かったが仕方ない。
みんなは夕食に行くという。
私は一緒に出て、ヨーグルトや果物を買って済ませることにした。
遅めの昼食が終わったばかりだったので、私は一人で残って5日分の日記を書くことにしたのだ。
時間があるようで、一人きりの時間というのは、歩いている時以外にはなかなかない。
ふと見ると、ベルギーのおじさんとおばさんも部屋にいたので、ヨーグルトを一つづつ分けてあげると、お返しにチョコレートをくれた。
二人と初めて出会ったのは、一昨日のあの分かれ道の、アルベルゲだった。
いつも仲良く二人の時間を過ごしている。
今日こそは、早めに寝るつもりが、日記を書き終わると、みんながどやどやと帰ってきた!
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