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近年、旅行者の間で激しい論争を巻き起こしているのが、海外旅行に適した下着として、トランクスがいいかブリーフがいいかという大問題だ。<br />これを考えてみたい。<br />トランクス支持派にはもっともらしい論拠が沢山ある。<br /><br />「暑い所では、ショートパンツ代わりにして外出着になる」<br />「四角に畳んで使うとハンカチーフ代わりになる」<br />「海で遭難した時には、旗の代わりに立てられる」<br /><br />それに対して、ブリーフ支持派にはたった一つしか理由がない。<br />「夜寝る時、ヘアネット代わりに頭にかぶれば、髪に寝癖がつくのを防げる」<br /><br />これではどう考えてもブリーフ派の方が弱い。<br />でも、上の論拠はすべて頭で考えただけのものだ。<br /><br />旅の話はすべて実際の体験で語られなければ意味がない。<br />僕個人の海外旅行経験でズバリと結論を出して置こう。<br />僕がシリア北西部の都市、トルコ国境に近いアレッポを旅した時の話だ。<br /><br />朝4時に起きて荷物をまとめ、パルミラ遺跡の横にある「ゼノビアホテル」をチェックアウトして、真っ暗な中バスをやっと見つけ、砂漠の中の遺跡パルミラを出たのが午前6時。<br />ホムスのバスターミナルでクーラーのないがたがたのローカルバスを乗り換えて、焼けつく砂漠の道を信じられない速さでとばして、アレッポに着いたのは正午だった。<br /><br />砂漠の町の真昼の異常な暑さの中で、15キロのバックパックを背負ったままホテルを5軒当たって、やっと1泊5ドルの安宿に部屋を決める。<br />部屋にはクーラーはおろか扇風機もない。<br /><br />部屋にはじっとりと汗ばむ熱気がこもっている。<br />喉が猛烈に渇いて、ホテルにあった大きな瓶に入った備えつけの水を、コップに5杯立て続けに飲む。<br /><br />それでもちょっと外に出るとすぐのどが渇く。<br />冷えたビールを捜して町一番の高級ホテル「アミールホテル」へ。<br /><br />ここは冷房がサービスだと思っているのか、Tシャツではぶるぶる寒いほどに冷房がきいている。<br />ホテルの喫茶店で、芯まで冷えたアムステルビールの大ビンを1本、きゅーっとひっかける。<br /><br />そのままそこで休んでいると冷房の効き過ぎで今度は身体が冷えてしまい、ホットコーヒーを飲む。<br />その後、スークをひやかして歩いたが、あまりの暑さに耐え切れず、道端で売っていた毒々しいオレンジ色のソフトクリームを1個、地元のおじさんから買って、まとわりつく子供たちと一緒に歩きながら食べる。<br /><br />そろそろ帰ろうと、道を探しながらホテルの方向へ歩いていた時、突然おなかが苦しくなった。<br />ちびりそうだ!<br /><br />ウンコが漏れそうだ!<br /><br />肛門をぎゅっと閉める。<br />身体が硬直したが、気力で、出かかったウンコをちょっとひっこめる。<br /><br />歩き方をソフトにして、できるだけ下腹部に響かない様に、手を建物につきながら身体を斜めにして、くねくねと前進する。<br />脂汗が出てくる。<br /><br />日は照りつけているのに、体はその熱さを感じない。<br />子供たちがワイワイ声をかけても、そんなことは気にしてられない。<br /><br />この町にも日本人旅行者が来たことがあるだろう。<br />でも道端でウンコをちびった日本人はいないはずだ。<br /><br />道の脇でジーンズをおろして、一気に気持ちよく排出したい欲求にとらわれたが、ここでぶりぶりとやったら、日本人として末代までの恥だ。<br />日本人がそういう人間だと思われたら、中東和平にも影響が出るかも知れない。<br /><br />日本人としての名誉を賭けて、僕はゆっくりと少しずつホテルへ進んだ。<br />10分くらい我慢して歩き、やっとホテルから30メートルほどに近づいて、ホテルが見えた時、気が緩んだのか一気に漏れ出した。<br /><br />こうなったらゆっくり歩く意味がない。<br />お尻から漏らしながら最後の力を振り絞り、ホテルの玄関に、人を突き飛ばしながら走り込む。<br /><br />階段を駆け上がり、2階のアラブ式トイレに駆け込む。<br />ズボンを下ろすと、パンツやジーンズが汚れている。<br /><br />僕はビチグソをちびりながら、アレッポの繁華街を走ったのだ。<br />アラブ文字で書かれた明日の朝刊が目に浮かぶ。<br /><br />「日本人ウンコをしながら走る!」<br /><br />アラブの習慣は解らないが、何かの罪になることはないだろうか?<br />しかし、おなかがちょっと落ち着いて調べてみたら、ウンコはブリーフでいったんくい止められてジーンズのすそからは漏れていなかった。<br /><br />ブリーフがお尻を包んでいるのでここから漏れるには時間がかかる。<br />トランクスならばそのままジーンズの裾から漏れ出し、僕がどこに逃げ込んだのか、大通りいた人たちにいい目印を作っていてくれたことだろう。<br /><br />それが避けられたのは僕がブリーフを履いていたからなのだ。<br />さてこれだけの経験があって、初めて言えることがある。<br /><br />「トランクスより、ブリーフがいい!」<br /><br />【旅行哲学】熱いもの冷たいものを連続して飲むとおなかを壊す怖れがある。<br /><br />http://www.midokutsu.com/asia/aleppo.htm<br /><br />

トランクスよりブリーフがオススメ @アレッポ/シリア

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1988/08 - 1988/08

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みどりのくつした

みどりのくつしたさん

近年、旅行者の間で激しい論争を巻き起こしているのが、海外旅行に適した下着として、トランクスがいいかブリーフがいいかという大問題だ。
これを考えてみたい。
トランクス支持派にはもっともらしい論拠が沢山ある。

「暑い所では、ショートパンツ代わりにして外出着になる」
「四角に畳んで使うとハンカチーフ代わりになる」
「海で遭難した時には、旗の代わりに立てられる」

それに対して、ブリーフ支持派にはたった一つしか理由がない。
「夜寝る時、ヘアネット代わりに頭にかぶれば、髪に寝癖がつくのを防げる」

これではどう考えてもブリーフ派の方が弱い。
でも、上の論拠はすべて頭で考えただけのものだ。

旅の話はすべて実際の体験で語られなければ意味がない。
僕個人の海外旅行経験でズバリと結論を出して置こう。
僕がシリア北西部の都市、トルコ国境に近いアレッポを旅した時の話だ。

朝4時に起きて荷物をまとめ、パルミラ遺跡の横にある「ゼノビアホテル」をチェックアウトして、真っ暗な中バスをやっと見つけ、砂漠の中の遺跡パルミラを出たのが午前6時。
ホムスのバスターミナルでクーラーのないがたがたのローカルバスを乗り換えて、焼けつく砂漠の道を信じられない速さでとばして、アレッポに着いたのは正午だった。

砂漠の町の真昼の異常な暑さの中で、15キロのバックパックを背負ったままホテルを5軒当たって、やっと1泊5ドルの安宿に部屋を決める。
部屋にはクーラーはおろか扇風機もない。

部屋にはじっとりと汗ばむ熱気がこもっている。
喉が猛烈に渇いて、ホテルにあった大きな瓶に入った備えつけの水を、コップに5杯立て続けに飲む。

それでもちょっと外に出るとすぐのどが渇く。
冷えたビールを捜して町一番の高級ホテル「アミールホテル」へ。

ここは冷房がサービスだと思っているのか、Tシャツではぶるぶる寒いほどに冷房がきいている。
ホテルの喫茶店で、芯まで冷えたアムステルビールの大ビンを1本、きゅーっとひっかける。

そのままそこで休んでいると冷房の効き過ぎで今度は身体が冷えてしまい、ホットコーヒーを飲む。
その後、スークをひやかして歩いたが、あまりの暑さに耐え切れず、道端で売っていた毒々しいオレンジ色のソフトクリームを1個、地元のおじさんから買って、まとわりつく子供たちと一緒に歩きながら食べる。

そろそろ帰ろうと、道を探しながらホテルの方向へ歩いていた時、突然おなかが苦しくなった。
ちびりそうだ!

ウンコが漏れそうだ!

肛門をぎゅっと閉める。
身体が硬直したが、気力で、出かかったウンコをちょっとひっこめる。

歩き方をソフトにして、できるだけ下腹部に響かない様に、手を建物につきながら身体を斜めにして、くねくねと前進する。
脂汗が出てくる。

日は照りつけているのに、体はその熱さを感じない。
子供たちがワイワイ声をかけても、そんなことは気にしてられない。

この町にも日本人旅行者が来たことがあるだろう。
でも道端でウンコをちびった日本人はいないはずだ。

道の脇でジーンズをおろして、一気に気持ちよく排出したい欲求にとらわれたが、ここでぶりぶりとやったら、日本人として末代までの恥だ。
日本人がそういう人間だと思われたら、中東和平にも影響が出るかも知れない。

日本人としての名誉を賭けて、僕はゆっくりと少しずつホテルへ進んだ。
10分くらい我慢して歩き、やっとホテルから30メートルほどに近づいて、ホテルが見えた時、気が緩んだのか一気に漏れ出した。

こうなったらゆっくり歩く意味がない。
お尻から漏らしながら最後の力を振り絞り、ホテルの玄関に、人を突き飛ばしながら走り込む。

階段を駆け上がり、2階のアラブ式トイレに駆け込む。
ズボンを下ろすと、パンツやジーンズが汚れている。

僕はビチグソをちびりながら、アレッポの繁華街を走ったのだ。
アラブ文字で書かれた明日の朝刊が目に浮かぶ。

「日本人ウンコをしながら走る!」

アラブの習慣は解らないが、何かの罪になることはないだろうか?
しかし、おなかがちょっと落ち着いて調べてみたら、ウンコはブリーフでいったんくい止められてジーンズのすそからは漏れていなかった。

ブリーフがお尻を包んでいるのでここから漏れるには時間がかかる。
トランクスならばそのままジーンズの裾から漏れ出し、僕がどこに逃げ込んだのか、大通りいた人たちにいい目印を作っていてくれたことだろう。

それが避けられたのは僕がブリーフを履いていたからなのだ。
さてこれだけの経験があって、初めて言えることがある。

「トランクスより、ブリーフがいい!」

【旅行哲学】熱いもの冷たいものを連続して飲むとおなかを壊す怖れがある。

http://www.midokutsu.com/asia/aleppo.htm

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