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アラブ人=イスラム教=テロ。この図式は安直すぎるが、近年アラブ人に対して恐ろしいイメージを持っている人は少なくない。<br /><br />俺も今回初のアラブ国家、シリアに入る時は、多少の緊張感を持っていた。トルコから国境を越え、アレッポという街に入った。バスを降りてすぐ、一人のおっさんが近寄って来た。「ホテルはあるのか?腹減ってないか?」。またいつもと同じだ。バスを降りてすぐに話しかけて来る奴にろくな奴はいない。物価がわからないうちにぼったくるのを狙っているのがほとんどだ。<br /><br />でも右も左も分からない状態だったので、とりあえずホテルの値段だけでも聞いてみようと思ってついて行った。行った先は“Spring Flower Hotel”。【地球の歩き方】にも載っている人気の安宿だ。言われた料金も情報ノート通り。気付いたら、もうそのおっさんはいない。あれ、もうおしまい?ひょっとして、ただの親切??<br /><br />アレッポの街を散歩してみた。シリア第2の都市だと言うのに、拍子抜けするような中心部だ。地方都市ともいえないくらい。道ですれ違う人はほぼ全員、俺の顔をジロジロ見る。10mに一人は笑顔で「ハロー」と言ってくる。ガキの集団が寄ってきた。一人の優等生っぽい代表者が話しかけて来る。<br /><br /> 少年 「ハロー」 <br />俺 「ハロー」 <br />少年 「ウェアアーユーフロム」 <br />俺 「ジャパン」 <br />全員 「オオオオッ、ウェルカムトゥシリア」 <br /><br />実に可愛い。この「ウェルカムトゥ、シリア」という言葉は、シリアで何度も耳にする事になった。<br /><br />シリアでは英語を話す人が少ないばかりか、アルファベットの表記さえもほとんどない。バスターミナルでもそれは同じだ。行き先が全てアラビア語で書かれているのだ。<br /><br />アレッポのバスターミナルでキョロキョロしていると、「どうした、どうした?」ってな感じでおっさんが寄ってきた。俺は、「ハマ!ハマ!(次の目的地)」と言ってみた。すると俺の手を引いて、あるバス会社の事務所に連れて行く。そこでまた、「ハマ!」と言うと、今度はバス会社の人が俺の手を引いてバスまで連れて行く。訳が分からないままバスに乗せられ、約2時間後、バスの運転手に降りろと言われる。<br /><br />そこはハマだった。<br /><br />ハマはちょっとした田舎だ。アレッポ以上に珍しがられる。公園でアラビックコーヒーを飲んでいると、どんどん人が集まってきた。<br /><br />おっさん 「ヤーポン?」 <br />俺 「イエス」 <br />おっさん 「※◎□△×・・・・」 <br />俺 「ウゥゥゥッ、ノーアラビック、ソーリィ」 <br />おっさん 「×□◎※○△・・・・・」 <br />俺 「だからおっさん、全然わかんないっつーの」<br />こっちも日本語だ。でも向こうは全くお構いなし。  <br />おっさん 「※◎□△×・・・・、あっはっはっ!」 <br /><br />群がっていた人達も「あっはっはっ!」。俺も笑うしかない。<br /><br />ハマ名物の4つの水車を見に行こうとしたら、チャリに乗ったガキ二人が先導してくれた。途中、ある家の前で数人のガキが遊んでいた。一人が突然、家の中に駆け込んだかと思ったら、中から何人ものガキが出て来て大騒ぎとなった。<br /><br />バスが横を通り過ぎた。窓側に座っていた一人が俺に気付き、「ジャパーン!」と叫びながら大きく手を振ってきた。俺も笑って手を振り返す。どこに行ってもそんな調子だ。シリア一番の観光地であるパルミラでも、メインストリートは多少観光ずれはしているが、一本裏通りへ入れば同じような待遇を受ける。<br /><br />さすがに大都市ダマスカスはそうは行かない。他の都市にはない喧騒と、忙しさがあり、滅多に人も寄って来ない。これが普通と言えば普通なのだが、なんだか少し物足りない。そう感じてしまう俺は、もうすっかりシリアにはまってしまっているのだろうか。。<br />

アラブの人々 ~街歩き編~

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2003/09 - 2003/09

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captainkoji

captainkojiさん

アラブ人=イスラム教=テロ。この図式は安直すぎるが、近年アラブ人に対して恐ろしいイメージを持っている人は少なくない。

俺も今回初のアラブ国家、シリアに入る時は、多少の緊張感を持っていた。トルコから国境を越え、アレッポという街に入った。バスを降りてすぐ、一人のおっさんが近寄って来た。「ホテルはあるのか?腹減ってないか?」。またいつもと同じだ。バスを降りてすぐに話しかけて来る奴にろくな奴はいない。物価がわからないうちにぼったくるのを狙っているのがほとんどだ。

でも右も左も分からない状態だったので、とりあえずホテルの値段だけでも聞いてみようと思ってついて行った。行った先は“Spring Flower Hotel”。【地球の歩き方】にも載っている人気の安宿だ。言われた料金も情報ノート通り。気付いたら、もうそのおっさんはいない。あれ、もうおしまい?ひょっとして、ただの親切??

アレッポの街を散歩してみた。シリア第2の都市だと言うのに、拍子抜けするような中心部だ。地方都市ともいえないくらい。道ですれ違う人はほぼ全員、俺の顔をジロジロ見る。10mに一人は笑顔で「ハロー」と言ってくる。ガキの集団が寄ってきた。一人の優等生っぽい代表者が話しかけて来る。

少年 「ハロー」
俺 「ハロー」
少年 「ウェアアーユーフロム」
俺 「ジャパン」
全員 「オオオオッ、ウェルカムトゥシリア」

実に可愛い。この「ウェルカムトゥ、シリア」という言葉は、シリアで何度も耳にする事になった。

シリアでは英語を話す人が少ないばかりか、アルファベットの表記さえもほとんどない。バスターミナルでもそれは同じだ。行き先が全てアラビア語で書かれているのだ。

アレッポのバスターミナルでキョロキョロしていると、「どうした、どうした?」ってな感じでおっさんが寄ってきた。俺は、「ハマ!ハマ!(次の目的地)」と言ってみた。すると俺の手を引いて、あるバス会社の事務所に連れて行く。そこでまた、「ハマ!」と言うと、今度はバス会社の人が俺の手を引いてバスまで連れて行く。訳が分からないままバスに乗せられ、約2時間後、バスの運転手に降りろと言われる。

そこはハマだった。

ハマはちょっとした田舎だ。アレッポ以上に珍しがられる。公園でアラビックコーヒーを飲んでいると、どんどん人が集まってきた。

おっさん 「ヤーポン?」
俺 「イエス」
おっさん 「※◎□△×・・・・」
俺 「ウゥゥゥッ、ノーアラビック、ソーリィ」
おっさん 「×□◎※○△・・・・・」
俺 「だからおっさん、全然わかんないっつーの」
こっちも日本語だ。でも向こうは全くお構いなし。
おっさん 「※◎□△×・・・・、あっはっはっ!」

群がっていた人達も「あっはっはっ!」。俺も笑うしかない。

ハマ名物の4つの水車を見に行こうとしたら、チャリに乗ったガキ二人が先導してくれた。途中、ある家の前で数人のガキが遊んでいた。一人が突然、家の中に駆け込んだかと思ったら、中から何人ものガキが出て来て大騒ぎとなった。

バスが横を通り過ぎた。窓側に座っていた一人が俺に気付き、「ジャパーン!」と叫びながら大きく手を振ってきた。俺も笑って手を振り返す。どこに行ってもそんな調子だ。シリア一番の観光地であるパルミラでも、メインストリートは多少観光ずれはしているが、一本裏通りへ入れば同じような待遇を受ける。

さすがに大都市ダマスカスはそうは行かない。他の都市にはない喧騒と、忙しさがあり、滅多に人も寄って来ない。これが普通と言えば普通なのだが、なんだか少し物足りない。そう感じてしまう俺は、もうすっかりシリアにはまってしまっているのだろうか。。

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