龍安寺：遅めの桜と枯山水

2006/04 - 2006/04

世界遺産、龍安寺に行ってきました。

このあたりは、龍安寺、妙心寺、仁和寺、等持院といった有名寺院が集中するエリアであるにもかかわらず、平日ということもあって観光客の姿もあまり見受けられませんでした。
桜の時期には少し遅かったのですが、龍安寺の中で湯豆腐も食べれたし、半日がかりでゆっくりと堪能することができて満足でした。

エリア 今出川・北大路・北野(京都)

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 私鉄

京福電鉄四条大宮から帷子ノ辻で乗り換えて、竜安寺道で降りると、そこは観光地らしからぬ住宅街。民家の間をブラブラと北へ歩くこと10分、「大雲山龍安寺」の石碑が見えました。

龍安寺の中に入ると、まずは先に昼食にしました。
今日のお目当ての一つは、龍安寺境内にある末寺・西源院で湯豆腐を食べること。

中に入ると、すぐに円卓がたくさん置いてある大広間があります。春や秋のシーズンやお昼時分になると観光客で大混雑しているらしいのですが、少し遅めに行ったために、私たちの他にお客さんはパラパラ。おかげで、縁側に面したいい席に座らせて貰えました。

「精進料理つき七草湯どうふ」（3,300円）を注文。内容は、焚き合わせ、ごま豆腐、白和え、山菜のおひたし、香の物、ご飯。
ゆっくり味わえば、お腹もふくれるし、究極のスローフードです。

そして、七草湯どうふもやってきました。
つるんとした喉越しの豆腐に、おだしをかけて食べます。
世界遺産で湯豆腐をいただけるなんて、最高の贅沢ですよね。

ちなみに、ここは朝１０時から開いているので、少しお腹をすかせて行って、朝食をここで食べるのも優雅な感じでいいですね。

縁側の席に座ると、このような庭園を眺めながらの食事が楽しめます。少し障子を開ければ、そこには満開の桜が...。箸を止めて庭を鑑賞するのも悪くない。

外国人観光客の方も、湯豆腐を食べながら、庭園と桜の花を堪能していたみたいです。

これも庭の景色。一本だけ、もみじの木が真っ赤に色づいていました。自然とは、不思議なものです。

この赤い毛氈の右側の間が、食事をする部屋です。想像していた以上に、よい時間を過ごすことができました。

西源院を出て、いよいよ石庭のある方丈へ。

龍安寺についての説明文。

京都のお寺は大体そうですが、ここも応仁の乱などで焼失と再建を繰り返し、現在の方丈は１６０６年に建立された西源院の方丈を移築したもの。

なにより有名なのがこの石庭。２５ｍ×１０ｍほどの狭い敷地に大小15個の石を配置しただけのシンプルな庭。

１５個の石を数えようと思っても、全部は無理。どこから見ても、１５個全部は見られないようになっているんです。そのココロは...１５個目は“心眼”で見ろとのこと。

１９７５年にエリザベス女王が龍安寺に訪れた際、この石庭を絶賛。ＢＢＣで龍安寺が大きく紹介されたことから、「Rock Garden」として有名になったらしいです。

石庭の反対側にあるこれも有名なつくばい。「我唯足るを知る」。これ、かなりいいデザインだと思うんです。
水戸光圀公の寄進らしいのですが、一般の人が見ることのできるのは、実はレプリカ。本物は非公開。

皆それぞれ思いを巡らせながら、枯山水を眺めています。難しいことを考えずに、自分なりの解釈をするのが一番楽しい鑑賞方法なんですよね。

石庭以外にも、見どころはたくさんある龍安寺です。まだまだきれいに花を咲かす木もありました。

満開ではありませんでしたが、風が吹くたび地面に散らばる花びらも見ものです。

空から降ってくるような桜の花々。見事です。

帰りは、京福電鉄御室駅から。

夕食は、四条の「コロナ洋食店」に。昭和２０年に開店した老舗の洋食屋さんですが、当時のままの店とメニューが人気で、いつも満席です。
店内はとにかく狭い。二人で行くと、当然相席になります。客層は、学生〜３０代ぐらいが多いでしょうか。店の雰囲気だけじゃなく、味も懐かしい感じがして、とても美味しかったです。

店の看板の電気が消えているのは、私たちが食べている最中に、店で使うパンがなくなったということで、買出しに行くために店を閉めたから。そんなゆるいところも、人気の秘訣なんじゃないでしょうかね。