2007/10/20 - 2007/10/26
6位(同エリア11件中)
BO/Mさん
ベトナム側で行くとドンダン、中国側で言うと浦乍(プージャイ)は、友誼関に隣接した、地元の物資流通が国境を通して行われる、いわゆる辺境貿易の窓口で、あまり外国人には知られていない筈である。 何度かの中越国境往訪で、浦乍(プージャイ)を知った。 中越両国の地元民で限られた「通行証」保持者が辺境貿易のルートとして使用する。 だから、普通外国人は立ち入らないし、行ってもパスポートで国境を跨ぐ事が出来ない(地場の通行証のみ有効)為、知られていないのではないか、とレポートする。
-
「友誼関に隣接する辺境貿易の窓口って、知ってます?」
それを教えてくれたのは、在ハノイが比較的長い先輩駐在員。
「友誼関って、中越回廊の要衝として、皆ご存知ですが、隣接する辺境貿易口が有るって、結構知られていないんですよ」 彼の話は続いた。
そして、僕は一度行ってみたい、と思った。
凭祥(ピンシャン)市からの帰り道、高速道路は物流園・凭祥南の出口を示し、更に友誼関方面へ進むと、インディケーションは、「友誼関・浦乍」となった。 -
友誼関と浦乍、がインディケーションに見えます。 ともに3km、普段は友誼関を通って、普通にベトナムへ戻りますが今回は浦乍へ。 何故なら、浦乍が辺境貿易の要衝だからです。
-
浦乍方面へ向かいます。 友誼関は表舞台、浦乍は地元の交易に供する、言わばもうひとつのゲート、外国人は殆ど行かない場所だと思われます。 何故なら、行ってもそこを通って国境越え出来ない場所だからです。
-
浦乍に向かう道は、表玄関である友誼関に比べると未舗装であり、整備途上です。 中国の金の掛け方は、効果的な演出が出来る場所に投下し、実質的に地元民が行き来する裏側の整備は、後回しなのだろうか、と感じます。
-
ここは、チェックゲートでしょうが、建造中の様子です。
-
未舗装ですが、道自体は平坦に整備されています。 こんな道が暫く続きます。
-
この道も、来春頃には舗装されて行くのではないかと思います。 中国は経済成長著しく、高い成長率をこの数年続けています。 貿易黒字も増し、そこで得た利益を国土整備に向けている様に思われます。
-
そう長くはない道のりですが、暫くこんな道が続きます。
-
もう一つのゲートが見えてきました。 ここを通る時に分かりましたが、ベトナム税関員が不正貨物輸出入が無いかどうかのチェックをしている様でした。 丁度、成田空港に入る際に車のトランクを開けてチェックするのと同じ様に、トランクを開けさせたりして、不正に貨物往来が無いかどうか、を検査している様でした。
-
このゲートを越えると、もうすぐ国境に到達します。
-
中国側から来る、貨物を満載したトラックが見られます。 主に果実、野菜と言った一次産品が運ばれている様です。
-
黄色いナンバーは中国側の車両。 と言う子とはベトナム側で貨物を積載して持ってくるのではないかと思われます。 ベトナム側からも見てみたいと思いました。 友誼関は大型設備(橋梁部材、輸送機器、建設機器等)の商業輸送に供し、こちらは主に周辺住民の食材往来に供しているのではないかと思われます。
-
紅木家具、と言うジャンルの家具が有ります。 中国家具で珍重されるのが紅木(ホンムー)家具で、ムクの重い木で、彫刻が施されたものです。 実は、多くの紅木家具はベトナムで作られ、そして中国へ輸入されている事が、浦乍にある「批発店」(卸売り店)によって分かります。 ハノイ近郊のザーラム地区の方に、ドンキーという場所が有ります。 主幹道路からちょっと入った所にドンキーは有り、木製家具の一大集散地で、まさにこうした紅木家具ばかり作っている場所です。 その木材は、実は他国より輸入されています。
-
よく見ると、この道の左右に紅木家具の卸売り店が並んでいます。 この辺境ゲートを経て、ベトナム側から多くの家具が入っている事を示しています。
-
紅木家具批発店の群を越えると、いよいよ国境地帯です。 様々な物品を取り扱う卸売店が並んだ建物が見えて来ます。
-
特に賑わった印象は受けませんが、地元交易の落ち着いた感じが伝わってきます。
-
国境に近付くと、異様に大きな建物が迫ってきました。 この建物が、中国側の国威を示すが如く、ベトナム側に向かってそびえ建っています。
-
まだ建造中の様です。 この高い建物が、中国の方がエライんだぞ、スゴイんだぞ、と言いたいが如くそびえ立っており、国力の違いを見せ付けている様です。
-
先程の大きな建物がこの画像の右側、この先が国境ゲートとなります。
-
まだ建造中ですが、これは石碑、「浦乍」の文字が赤く書かれており、多分この石をこれから刻み、字を彫るのだと思われます。
-
先程の異様な建物に再び目を向けます。 まさに、ベトナムに向かってそびえ立つ、絶対的な国力の違い、を無言で示していると僕には感じられました。 ベトナム側は辺境地にこれだけの金を掛けるだけの国力は無く、また中国に対して、それだけの国威を示す立場にも無いのか、または考え方の違いか、色々な考えがよぎります。
-
中国国民は、ベトナムに行って賭博をするな、したら厳罰に処す、と言う看板、イコール、如何に多くの中国人がベトナムでギャンブルに興じているか、が分かります。 ギャンブルだけでなく、色々、国内では捕まる事を、羽目を外してやっている様です。 国境を越えると中国の法律が適用されない為、場所によってはかなり風紀の乱れた地区も有ると聞きます。 最南部の国境、モンカイと東興(ドンシン)では、ベトナム側に中国人の金を如何に「落とさせるか」の為に中国人専門の賭場や歓楽街が有ると聞きます。
-
まさに、そびえ立つ中国の国威発揚、国力の差を見せ付ける建物。 いかにも中国式です。 どうだ、参ったかと言わんばかりだと、僕に亜感じられます。
-
ここが、国境ゲートです。 広西チワン族自治区のこの地区人民で、辺境交易を行う者だけが、パス(通行証)を発行され、また、ベトナム側も同様だと思われます。 ここではパスポートによる国境越えは出来ず、唯一辺境交易を行う地元民のみが行き来する事が出来るのです。 大八車に貨物を満載して、それぞれに特徴のある産物を往来させます。
-
ここは、あくまでも地元民の往来、交流、交易に使用される為、ゲートでもあまり厳めしい警備は見られません。 友誼関では、武警が警備し、自動小銃やピストルを携帯していますが、ここではそうした威嚇的な武装は見られません。
-
トラックでの通過も見られます。 ここでの貨物往来は国対国の交易、商業貨物、と言うよりも、地元の食材等の往来が中心の様です。
-
さて、もう一度、国境ギリギリから振り返って見た建物。 ざっと12階程度は有るでしょうか。 次はベトナム側からこの異様を拝んでみたいと思いました。 この建物が完成すると、幾つもの交易公司がオフィスとしてこの中に入り、また一部はホテル機能となります。
-
国門大酒店、と見えます。 このホテルが辺境貿易に供する人々の投宿に役立つのか?? それは若干疑問だと僕は個人的に考えます。 新たな観光名所にでも仕立てて、歓楽を含めての金儲けを目論んでいるのかな、と少しうがった考えをしてしまうのは、東興/モンカイの噂を聞いているからでしょうか。
-
再び、国境です。 ハッキリと確認出来ませんでしたが、簡単な定期の様なパスを見せて通過している様でした。
-
振り返って、来た道を撮りました。 少なくとも、現時点では観光客は皆無です。 要は袋小路、行き止まりであり、かつ特に何が有る訳では無いので、観光客、外国人が来る環境に無いからでしょう。
-
この門の向こう側がベトナムです。
-
驚いた事に、川崎汽船のリーファーコンテナ(冷蔵コンテナ)が辺境貿易に使われていました。 発電機を稼働させて冷蔵機能を動かしていたかは分かりませんが、通常海上輸送以外での利用は、国際コンテナ規約に違反していますので、多分不正利用、と言う事になります。 後日、ハノイの川崎汽船の方に聞いてみましたが、国境を越えて陸路海上コンテナを使用させる事は船会社として一般的では無い事、実際そうした許諾を与えていない事から、不正利用である事は間違い無い様です。
-
そろそろ、浦乍国境地帯から離れて、ベトナムへ帰る友誼関へと向かう事とします。
-
来た道を戻り始めます。
-
これだけの建物が卸売り業者の為に用意されている上、更に国威発揚の大規模建造物を国境地区に造る必要が有るのか?? 若干疑問では有りますが、今後更に浦乍国境は発展して行くのでしょう。
-
裏側から見た、国門大酒店が入った大建造物。
-
辺境貿易で、ベトナムから積来された大量の野菜類だと思われる貨物。 過積載とか言う概念は、この際忘れましょう、としか言いようのない積載量。
-
暫く、戻り道画像が続きます。
-
先程のチェック・ゲート。 ここで、不正貨物往来が無いか、書類と貨物の対査が行われます。
-
一台ずつ、トランクを開けられ、隠し持って通過しようとする貨物が無いかを調べます。 タクシーの僕らは、特に調べられる事無く、通過しました。
-
友誼関へ向かう道、が暫く画像として続きます。
-
-
-
-
-
-
-
線路を通過します。 3本の鉄路が見られますが、フランス式のメートル線路(狭隘線=ナロー・ゲージ)と中国式のワイド・ゲージ双方が敷設されています。 ザーラム駅まで、中国のワイド・ゲージが直接商業貨物輸送の為に引き入れられているからだそうです。 但し、ナロー・ゲージの色を見ると分かる通り、使われていないか、使う頻度が低い事がうかがえます。
-
南友高速入口、のインディケーションが見えます。 南友、とは南寧と友誼関、を指します。
-
暫く行くと・・・先程の1km先、の表示が、
-
500m、の表示となりました
-
更に行くと、南友高速と友誼関の分岐点に行き当たります。
-
友誼関ゲートに戻ってきました。 友誼関へ向かうゲートから振り返って見ると、南友高速のインディケーションが見られます。
-
友誼関への道を徒歩で上って行きます。
-
元々の友誼関(と言うか、これを友誼関と呼称しますが)が見えて来ます。
-
友誼関を越えて・・・
-
中国側のパスポート・コントロール・オフィスにたどり着きます。
-
そして、中国出国イミグレを通過し、徒歩でベトナムへ戻りました。 ベトナム側のパスポート・コントロール・オフィスは中国側に比べると質素で、中国側は2005年頃から大金を掛けて国威を誇る大建造物を友誼関でも建立し、国力の違いを示しています。 南寧もここ数年で大金を掛けて再開発をしているのと平行して、辺境での都市整備を進めている中国側の動きを感じます。 それは、国際貿易で大きく黒字を重ね外貨を獲得している情況、ここ数年で地力を蓄えている中国の勢いを如実に示していると感じます。 それは、世界の生産拠点から、一気に一段上の国家レベルにステップ・アップしようとしている意識、でもあると僕には感じられます。 2008年オリンピック(北京、一部海上競技は青島)、2010年上海万国博覧会、と国家級イベントが続く中国では、この時期に勢いを借りて一挙に先進国への仲間入りをしようとしている、と考えます。 沿岸部を中心として一大消費地へと変貌しようとしている中国では、給与上昇が止まらず、労働単価が上がる事で労働集約型産業が沿岸部から「西部開拓」政策とともに奥地へ、奥地へと向かわざるを得ない情況です。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- アリヤンさん 2007/11/01 13:30:49
- 中越国境、辺境貿易 「浦乍」(プージャイ)
- BO/Mさん、
こんにちわ。
さすが現地にお住まいのヒト!普通では行かない、行けない場面のレポート、非常に興味深く拝見しました。
これで東興ーモンカイ国境を渡る時の基礎知識が少し得られたように思います。
このようなレポート、今後とも期待しております。
- BO/Mさん からの返信 2007/11/02 01:45:25
- 恐れ入ります
- 浦乍(プージャイ)は、外国人にとっては袋小路の突き当たり、引き返すしか無いドンヅマリなので、なかなか行く機会が無いでしょう。 でも、辺境貿易をやっている「地元の交流通路」と聞き、つい調査したくなった、と言う所です。 今後も、流通経路、物流調査は仕事上必要な為、中越交易路は隈無く調べて行きたいと考えております。
また、中越に限らず、ラオス/ベトナム、カンボジア/ベトナムの交易路にも範囲を広げて調べてゆく積もりですので、その際には新たにこちらにアップして行けたらと考えております。
今後とも、ひとつ宜しくお願いします。
また、「お気に入り」ご登録有難うございました。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
58