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「なぜ、そんなに長い間、旅に出ていたの?」<br /><br /> <br /><br /> 帰国してから一番よく聞かれる質問だ。普通に日本で暮らしている人からすれば、30半ばにして会社を突然辞めて、当てもなく長期放浪してきた僕のような人間は、不思議な存在に思えてならないのだろう。<br /><br /> <br /><br />「なんとなく旅に出たくなってね」と答えると、質問した人は「ええー、そんだけぇ?」と残念がる。実際に旅を始めた当初は、それくらい軽いレベルでしか旅について考えていなかった。でも、長い旅を終えて、日本の日常にどっぷり浸かった今なら、旅に出た理由をようやくきちんと答えることができる。<br /><br /> <br /><br /> 旅を始めた動機 ・・・ 僕は確かなものが欲しかったのだ。<br /><br /> <br /><br /> 旅以前の僕は、六本木のIT企業で働いていた。勤めていた会社は利益と株価をただ闇雲に追っていた。次々と移り変わっていく仕事に、慌しく忙殺されるだけの毎日。流行やらブランド、ネームバリューといった表層的なものが何よりも重視される世界。僕の担当する業界は、芸能事務所やテレビ局だったから、それは尚更であった。そんな生活自体に、僕はもう限界を感じてしまっていたのだろう。<br /><br /> <br /><br /> そのときに、僕は学生時代にアジアを放浪したことを思い出していた。<br /><br /> <br /><br />旅をしていた頃から、既に15年が経過していた。その記憶のほとんどを忘れかけてしまっていたのだが、なぜか15年も経ってから、その記憶のかけらが突然、思い起こされたのだった。<br /><br /> <br /><br /> バンコクの下町で嗅いだ醤油の腐ったような匂い。北京のデパートの屋上から眺めた吹雪のような黄砂の風。ベトナムの活気ある市場で、丸焼きの犬を買えという威勢のいいおばちゃん。インドのカンジス川から平然と流れてくるぷっくら膨らんだ子供の死体・・・。<br /><br /> <br /><br /> それらの光景が仕事中に瞼に現れてくるのだ。何の関連もないところで、ふとした拍子に、何の脈略もなく、頭の奥底から、断片的にフラッシュバックされていく。<br /><br /> <br /><br /> その投射される映像を見ながら、僕はふと思った。旅に戻れば、今の日常にはない、自分が望んでいる安らぎの世界が待ち受けてくれているのではなかろうかと。<br /><br /> <br /><br /> 現実逃避したい欲求がイメージとなって呼び起こされているに過ぎない。それが幻想であることは、自分でもよくわかっていた。にも関わらず、意識的にコントロールすることが利かなくなり、日増しにフラッシュバックする回数は増えていく。旅のおぼろげな記憶が、僕を包み込み、その度に動けなくさせるのだ。やがて頭の中は、旅への欲求でいっぱいになってしまっていた。<br /><br /> <br /><br /> 過去の旅の記憶を拭い去るには、新たな旅に出るしかないのではないだろうか。旅のなかに望んでいる安住の地があると思うのならば、そこに手を突っ込んで探してみればいいではないか。とにかく、此処ではない何処かへ行こう。<br /><br /> <br /><br /> 結局、その誘惑に負けて、僕は会社を辞めて、再び海外へ旅立つことになったわけだ。<br /><br /> <br /><br />今回の長期の旅で体験したことは、学生時代に味わった快さとはまったく違うものであった。20代前半のときに得られた驚きは、もはやこの歳では受けることは難しい。やはり、15年も経つと感じるものも変わってしまう(その詳細は過去の旅ブログを読んで欲しい)。<br /><br /> <br /><br />さらには、旅のなかで、僕が望むような安住の地や幸せのカタチを見つけることなど出来やしなかった。僕が求めた目に見える確かなものは、旅のなかには存在しなかった。<br /><br /> <br /><br />旅を終えてわかったことが一つだけある。次に僕が進むべきは、家族をつくるということ。<br /><br /> <br /><br /> 人間は所詮、動物に過ぎない。それが今回の旅で僕が肌で感じたことだった。動物の最大の使命は何か?それは子孫を残すこと。世界中、何処に住む人間も、そのことを疎かにする者はいなかった。<br /><br /> <br /><br /> 親が子供を可愛がる気持ち、子供が両親を敬う気持ち。それらは世界共通の、普遍の思いであった。何より心を打たれたのは、父親が家族のために必死になって働く姿だった。「少しでも子供にいい生活をさせてあげたい。家族を幸せにしていきたい」。彼らの働く動機は至ってシンプルで、明確なものだった。目の前にある仕事に文句も言わず、ただひたすら汗を流して働いている。特に、発展途上国で見た彼らの目は、一点の曇りも濁りも見られない真摯なものであった。<br /><br /> <br /><br />今までの僕には、その思いが決定的に欠けていたと思う。恥ずかしながら、いつも自分のことしか、これまでの僕は考えていなかった。自分にしか見えないであろう青い鳥が存在すると思っていた。もっと素晴らしい特別な何かが自分にだけは見つかるはずだと思って、ずっとそれを追い求めてばかりいた。<br /><br /> <br /><br /> 帰国後の実家で、生まれたばかりの姪を父親が抱いている姿を見て思った。<br /><br /> <br /><br />自分にも生まれたばかりの頃があって、自分の両親はこうして僕を抱いてくれたんだろうな。僕は泣き虫だったから、人一倍迷惑を掛けたに違いない。おぼろげな記憶ながら、泣き叫んでダダをこねていた記憶がある。やがて、はいはいをして、言葉を覚えて、歩けるようになった。幼稚園、小学生と成長していき、中学、高校、そして大学と面倒をみてくれた。今年で35歳になる自分。35年間も家族に育ててもらった自分が今こうして生きている。家族の愛情に育まれて、僕は生きてこれたのだ。姪もまた成長し、やがて結婚をし、子供を産んで、育てていく。綿々とこの生の連鎖はリレーのように続いていく。<br /><br /> <br /><br /> 子供を生み、家族をつくる。何処にでもある家族の団らん。小さな家族の幸せ。これこそが動物でもある、人間の当たり前の営みであって、それを自分も父親として担っていかなくてはならない。<br /><br /> <br /><br /> 様々な人に出会って、異文化に接して、何度も考え抜いて、つまり1年4ヶ月の旅の経験を経て、そんな当然の自然の摂理をようやく僕は理解できたらしい。<br /><br /> <br /><br /> 「たいせつなことは目にみえないんだよ・・・」星の王子様は自分の星に戻る前にこう漏らしている。<br /><br /> <br /><br />もう二度と、僕は長期で一人旅に出ることはしないであろう。たいせつなことが充分にわかったのだから。<br /><br /> <br /><br />目に見えないたいせつなもの。それは家族の安らぎである。<br /><br /> <br /><br />未来の自分の進むべき道が、今になってようやくわかった気がしている。これからの僕は、そのための準備に取り掛からなければならない。<br />

旅の総括 ~おぼろげな記憶@バンコク→名古屋

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2007/09/01 - 2007/09/01

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フーテンの若さん

フーテンの若さんさん

「なぜ、そんなに長い間、旅に出ていたの?」



 帰国してから一番よく聞かれる質問だ。普通に日本で暮らしている人からすれば、30半ばにして会社を突然辞めて、当てもなく長期放浪してきた僕のような人間は、不思議な存在に思えてならないのだろう。



「なんとなく旅に出たくなってね」と答えると、質問した人は「ええー、そんだけぇ?」と残念がる。実際に旅を始めた当初は、それくらい軽いレベルでしか旅について考えていなかった。でも、長い旅を終えて、日本の日常にどっぷり浸かった今なら、旅に出た理由をようやくきちんと答えることができる。



 旅を始めた動機 ・・・ 僕は確かなものが欲しかったのだ。



 旅以前の僕は、六本木のIT企業で働いていた。勤めていた会社は利益と株価をただ闇雲に追っていた。次々と移り変わっていく仕事に、慌しく忙殺されるだけの毎日。流行やらブランド、ネームバリューといった表層的なものが何よりも重視される世界。僕の担当する業界は、芸能事務所やテレビ局だったから、それは尚更であった。そんな生活自体に、僕はもう限界を感じてしまっていたのだろう。



 そのときに、僕は学生時代にアジアを放浪したことを思い出していた。



旅をしていた頃から、既に15年が経過していた。その記憶のほとんどを忘れかけてしまっていたのだが、なぜか15年も経ってから、その記憶のかけらが突然、思い起こされたのだった。



 バンコクの下町で嗅いだ醤油の腐ったような匂い。北京のデパートの屋上から眺めた吹雪のような黄砂の風。ベトナムの活気ある市場で、丸焼きの犬を買えという威勢のいいおばちゃん。インドのカンジス川から平然と流れてくるぷっくら膨らんだ子供の死体・・・。



 それらの光景が仕事中に瞼に現れてくるのだ。何の関連もないところで、ふとした拍子に、何の脈略もなく、頭の奥底から、断片的にフラッシュバックされていく。



 その投射される映像を見ながら、僕はふと思った。旅に戻れば、今の日常にはない、自分が望んでいる安らぎの世界が待ち受けてくれているのではなかろうかと。



 現実逃避したい欲求がイメージとなって呼び起こされているに過ぎない。それが幻想であることは、自分でもよくわかっていた。にも関わらず、意識的にコントロールすることが利かなくなり、日増しにフラッシュバックする回数は増えていく。旅のおぼろげな記憶が、僕を包み込み、その度に動けなくさせるのだ。やがて頭の中は、旅への欲求でいっぱいになってしまっていた。



 過去の旅の記憶を拭い去るには、新たな旅に出るしかないのではないだろうか。旅のなかに望んでいる安住の地があると思うのならば、そこに手を突っ込んで探してみればいいではないか。とにかく、此処ではない何処かへ行こう。



 結局、その誘惑に負けて、僕は会社を辞めて、再び海外へ旅立つことになったわけだ。



今回の長期の旅で体験したことは、学生時代に味わった快さとはまったく違うものであった。20代前半のときに得られた驚きは、もはやこの歳では受けることは難しい。やはり、15年も経つと感じるものも変わってしまう(その詳細は過去の旅ブログを読んで欲しい)。



さらには、旅のなかで、僕が望むような安住の地や幸せのカタチを見つけることなど出来やしなかった。僕が求めた目に見える確かなものは、旅のなかには存在しなかった。



旅を終えてわかったことが一つだけある。次に僕が進むべきは、家族をつくるということ。



 人間は所詮、動物に過ぎない。それが今回の旅で僕が肌で感じたことだった。動物の最大の使命は何か?それは子孫を残すこと。世界中、何処に住む人間も、そのことを疎かにする者はいなかった。



 親が子供を可愛がる気持ち、子供が両親を敬う気持ち。それらは世界共通の、普遍の思いであった。何より心を打たれたのは、父親が家族のために必死になって働く姿だった。「少しでも子供にいい生活をさせてあげたい。家族を幸せにしていきたい」。彼らの働く動機は至ってシンプルで、明確なものだった。目の前にある仕事に文句も言わず、ただひたすら汗を流して働いている。特に、発展途上国で見た彼らの目は、一点の曇りも濁りも見られない真摯なものであった。



今までの僕には、その思いが決定的に欠けていたと思う。恥ずかしながら、いつも自分のことしか、これまでの僕は考えていなかった。自分にしか見えないであろう青い鳥が存在すると思っていた。もっと素晴らしい特別な何かが自分にだけは見つかるはずだと思って、ずっとそれを追い求めてばかりいた。



 帰国後の実家で、生まれたばかりの姪を父親が抱いている姿を見て思った。



自分にも生まれたばかりの頃があって、自分の両親はこうして僕を抱いてくれたんだろうな。僕は泣き虫だったから、人一倍迷惑を掛けたに違いない。おぼろげな記憶ながら、泣き叫んでダダをこねていた記憶がある。やがて、はいはいをして、言葉を覚えて、歩けるようになった。幼稚園、小学生と成長していき、中学、高校、そして大学と面倒をみてくれた。今年で35歳になる自分。35年間も家族に育ててもらった自分が今こうして生きている。家族の愛情に育まれて、僕は生きてこれたのだ。姪もまた成長し、やがて結婚をし、子供を産んで、育てていく。綿々とこの生の連鎖はリレーのように続いていく。



 子供を生み、家族をつくる。何処にでもある家族の団らん。小さな家族の幸せ。これこそが動物でもある、人間の当たり前の営みであって、それを自分も父親として担っていかなくてはならない。



 様々な人に出会って、異文化に接して、何度も考え抜いて、つまり1年4ヶ月の旅の経験を経て、そんな当然の自然の摂理をようやく僕は理解できたらしい。



 「たいせつなことは目にみえないんだよ・・・」星の王子様は自分の星に戻る前にこう漏らしている。



もう二度と、僕は長期で一人旅に出ることはしないであろう。たいせつなことが充分にわかったのだから。



目に見えないたいせつなもの。それは家族の安らぎである。



未来の自分の進むべき道が、今になってようやくわかった気がしている。これからの僕は、そのための準備に取り掛からなければならない。

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この旅行記へのコメント (6)

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  • べ〜こんさん 2009/03/15 16:22:04
    拝見させていただきました
    フーテンの若さんさん様

    はじめまして、こんにちは kaigaitabiと申します


    フーテンの若さんさん様の仰る”心の素直な叫び”に共感を覚えた1人です

    kaigaitabiも問答してみました!


    >「なぜ、そんなに長い間、旅に出ていたの?」

    kaigaitabi…自分力を試せるから


    >帰国してから一番よく聞かれる質問だ。普通に日本で暮らしている人からすれば、30半ばにして会社を突然辞めて、当てもなく長期放浪してきた僕のような人間は、不思議な存在に思えてならないのだろう。

    kaigaitabi…人は、日常生活文化圏にドップリつかってしまうと、観えてくるものまで、観えなくなってしまう・・・



    「なんとなく旅に出たくなってね」と答えると、質問した人は「ええー、そんだけぇ?」と残念がる。実際に旅を始めた当初は、それくらい軽いレベルでしか旅について考えていなかった。でも、長い旅を終えて、日本の日常にどっぷり浸かった今なら、旅に出た理由をようやくきちんと答えることができる。

    >旅を始めた動機 ・・・ 僕は確かなものが欲しかったのだ。

    kaigaitabi…やはり、”自分力試し”だったのではないだろうか?



    >旅以前の僕は、六本木のIT企業で働いていた。勤めていた会社は利益と株価をただ闇雲に追っていた。次々と移り変わっていく仕事に、慌しく忙殺されるだけの毎日。流行やらブランド、ネームバリューといった表層的なものが何よりも重視される世界。僕の担当する業界は、芸能事務所やテレビ局だったから、それは尚更であった。そんな生活自体に、僕はもう限界を感じてしまっていたのだろう。

    kaigaitabi…人間は、不易と流行のバランスを、自分の中で自然にとっているのかもしれない!



    >そのときに、僕は学生時代にアジアを放浪したことを思い出していた。
    旅をしていた頃から、既に15年が経過していた。その記憶のほとんどを忘れかけてしまっていたのだが、なぜか15年も経ってから、その記憶のかけらが突然、思い起こされたのだった。

    >バンコクの下町で嗅いだ醤油の腐ったような匂い。北京のデパートの屋上から眺めた吹雪のような黄砂の風。ベトナムの活気ある市場で、丸焼きの犬を買えという威勢のいいおばちゃん。インドのカンジス川から平然と流れてくるぷっくら膨らんだ子供の死体・・・。

    >それらの光景が仕事中に瞼に現れてくるのだ。何の関連もないところで、ふとした拍子に、何の脈略もなく、頭の奥底から、断片的にフラッシュバックされていく。

    >その投射される映像を見ながら、僕はふと思った。旅に戻れば、今の日常にはない、自分が望んでいる安らぎの世界が待ち受けてくれているのではなかろうかと。

    kaigaitabi…”旅への眼差し”がしっかり形成されていく様子が表現されていて、わかり易いと思います



    >現実逃避したい欲求がイメージとなって呼び起こされているに過ぎない。それが幻想であることは、自分でもよくわかっていた。にも関わらず、意識的にコントロールすることが利かなくなり、日増しにフラッシュバックする回数は増えていく。旅のおぼろげな記憶が、僕を包み込み、その度に動けなくさせるのだ。やがて頭の中は、旅への欲求でいっぱいになってしまっていた。

    kaigaitabi…例え、現実逃避であろうとも、自己実現に向けた欲求を、旅という活動的で社会的に容認された異文化交流ヘ眼差しを向けられるフーテンの若さんさん様は、異常行動に走るストレス解消・発散パターンより、正常ではないだろうか?と感じました



    >過去の旅の記憶を拭い去るには、新たな旅に出るしかないのではないだろうか。旅のなかに望んでいる安住の地があると思うのならば、そこに手を突っ込んで探してみればいいではないか。とにかく、此処ではない何処かへ行こう。

    kaigaitabi…ここでも、”自分試し”につながると感じました


    >結局、その誘惑に負けて、僕は会社を辞めて、再び海外へ旅立つことになったわけだ。

    kaigaitabi…会社を退職するのが”悪”ではない!あくまでも自分が主役なのが人生だと感じます!



    >今回の長期の旅で体験したことは、学生時代に味わった快さとはまったく違うものであった。20代前半のときに得られた驚きは、もはやこの歳では受けることは難しい。やはり、15年も経つと感じるものも変わってしまう(その詳細は過去の旅ブログを読んで欲しい)。


    kaigaitabi…自分の旅先に対する、眼差しが変化してきていることを確認できたんだと思いました


    >さらには、旅のなかで、僕が望むような安住の地や幸せのカタチを見つけることなど出来やしなかった。僕が求めた目に見える確かなものは、旅のなかには存在しなかった。


    kaigaitabi…社会経験と日常の忙殺された現実社会経験が、眼差しを変化させたものだと感じました
    訪問先は、どこかへ言っちゃったりしていないので、自分が変化しただけでしょうか


    >旅を終えてわかったことが一つだけある。次に僕が進むべきは、家族をつくるということ。

    kaigaitabi…海外旅は自分力試し、自分探し、自分を見つめ、いかに生きるかを気づかせてくれる体験だと感じました



    >人間は所詮、動物に過ぎない。それが今回の旅で僕が肌で感じたことだった。動物の最大の使命は何か?それは子孫を残すこと。世界中、何処に住む人間も、そのことを疎かにする者はいなかった。

    kaigaitabi…すばらしいことだと思います



    >親が子供を可愛がる気持ち、子供が両親を敬う気持ち。それらは世界共通の、普遍の思いであった。何より心を打たれたのは、父親が家族のために必死になって働く姿だった。「少しでも子供にいい生活をさせてあげたい。家族を幸せにしていきたい」。彼らの働く動機は至ってシンプルで、明確なものだった。目の前にある仕事に文句も言わず、ただひたすら汗を流して働いている。特に、発展途上国で見た彼らの目は、一点の曇りも濁りも見られない真摯なものであった。

    kaigaitabi…文明が発達して、アジア諸国より経済的文化的に恵まれた位置づけの日本では、さまざまな親が子に対する欲求(親の欲求を子供に転化する・・・受験競争・学歴社会)が存在します
    親は親・子供は子供という、突き放した価値観、眼差しをこの旅から吸収できたらよろしいのではないでしょうか


    >今までの僕には、その思いが決定的に欠けていたと思う。恥ずかしながら、いつも自分のことしか、これまでの僕は考えていなかった。自分にしか見えないであろう青い鳥が存在すると思っていた。もっと素晴らしい特別な何かが自分にだけは見つかるはずだと思って、ずっとそれを追い求めてばかりいた。

    kaigaitabi…恥を公開すること、自己内部をさらけ出す勇気が、自分をさらに成長させてくれる・・・読んだ者にも、共感を与えてくれます


    >帰国後の実家で、生まれたばかりの姪を父親が抱いている姿を見て思った。

    >自分にも生まれたばかりの頃があって、自分の両親はこうして僕を抱いてくれたんだろうな。僕は泣き虫だったから、人一倍迷惑を掛けたに違いない。おぼろげな記憶ながら、泣き叫んでダダをこねていた記憶がある。やがて、はいはいをして、言葉を覚えて、歩けるようになった。幼稚園、小学生と成長していき、中学、高校、そして大学と面倒をみてくれた。今年で35歳になる自分。35年間も家族に育ててもらった自分が今こうして生きている。家族の愛情に育まれて、僕は生きてこれたのだ。姪もまた成長し、やがて結婚をし、子供を産んで、育てていく。綿々とこの生の連鎖はリレーのように続いていく。

    >子供を生み、家族をつくる。何処にでもある家族の団らん。小さな家族の幸せ。これこそが動物でもある、人間の当たり前の営みであって、それを自分も父親として担っていかなくてはならない。

    >様々な人に出会って、異文化に接して、何度も考え抜いて、つまり1年4ヶ月の旅の経験を経て、そんな当然の自然の摂理をようやく僕は理解できたらしい。

    >「たいせつなことは目にみえないんだよ・・・」星の王子様は自分の星に戻る前にこう漏らしている。

    >もう二度と、僕は長期で一人旅に出ることはしないであろう。たいせつなことが充分にわかったのだから。

    >目に見えないたいせつなもの。それは家族の安らぎである。


    >未来の自分の進むべき道が、今になってようやくわかった気がしている。これからの僕は、そのための準備に取り掛からなければならない。


    kaigaitabi…わたしはバツイチ(離婚経験があります)です
    理想と現実、パートナー女性との協同するという眼差し、気持ち、交流持続は、世界観を共有できるかどうか・・・大変奥深く、移ろいやすい人間心理が反映される先が見えない旅を続けるようなものでもあります

    未来に幸あれ!!  2009.3.15 kaigaitabi
  • TAKAさん 2008/03/10 14:13:31
    最高でした☆
    実は以前から拝見させていただいておりましたが、若さんの世界旅行が終わってしまっていて少し悲しくなりましたが、旅行の総括でなぜか泣きそうになりました。。。

    若さんのブログでの冒険シーンがよみがえってきたからでしょうか。。。

    これほどのファンがいた事を心に留めて頂ければ幸いです☆

    同じ団塊ジュニア&サーファーとして心より御多幸をお祈りしております☆☆

  • おにっこさん 2007/10/27 01:58:26
    はじめまして。
    はじめまして。おにです。
    わかさん長旅はどうでしたか?
    久々の日本のおふろは最高ですよね。
    実は自分も長い旅に出ようとしています。
    ・・・だけど・・・少しばかり臆病になっていた自分がいたりして、
    そんなときにわかさんのリアルタイムの旅日記を読むと「よし!行こう!」
    とかなり単純に影響を受けまくっていた日本人の一人です。世界をみるってやっぱりなかなかできないしうらやましいですね。
    普通は旅の途中にいろいろ質問とかするのに・・・。久しぶりにブログをみようかなと思ったら帰国しててびっくり!でした。
    よーし!私も重い腰をそろそろあげてみます。

    フーテンの若さん

    フーテンの若さんさん からの返信 2007/11/01 12:47:23
    RE: はじめまして。
    おにっこさん

    はじめまして!若です。

    書き込みありがとうございます。旅は今振り返ると一瞬のものでした。帰国して2ヶ月で早くも日本に感化されつつあります。

    でもしたか・しなかったか、どっちがよかったかというと、断然したほうがよかったと私は思います。

    おにっこさんもあんまり後先深く考えずとりあえず一歩踏み出しちゃってみてはいかがでしょうか。

    心配しなくとも途中帰国したくなれば、心の声が自然と聞こえてくるはずです。

    それではよい旅を!!


  • アル中さん 2007/10/21 16:32:49
    無事の帰国おめでとうございます!
    無事の帰国及び旅のゴールおめでとうございます。
    ご両親も喜んでいることでしょうね。

    旅行の総括は家庭を持つ事ですか。
    きっと大地に根を生やして生きるのが、向いているのでしょうね。
    旅をしていると、逆のタイプの人達もよく見かけますよね〜
    旅に暮らしている人達。
    そういう人達を見ていると、うらやましい反面、自分にはなかなか難しいかな
    っと言う見方もしてしまいます。

    それにしたも、結婚か〜
    やばいな〜、自分も!!
    最近、周囲から突っつかれて結婚を意識し始めて来ました。
    う〜ん、しかしこればかりは・・・
    でも、結婚って何となくしようと思っているだけでは出来ないとも言われました。
    結構、努力しないとダメなのかもしれませんね。
    ハイ、してません。

    30代になると月日が経つのが恐ろしく早くてビックリします。
    単調な毎日を過ごしているからだと思います。
    明らかに、20代より早いです!
    この早い流れに気持ちよく乗っているとあっと言う間に40、50才になりそうです。
    自分も、なんとかしなくてはと思わされた総括の旅行記でした。

    では、次は若さんのハネムーン旅行記でお会いしましよう!!


    フーテンの若さん

    フーテンの若さんさん からの返信 2007/10/24 11:28:29
    RE: 無事の帰国おめでとうございます!
    アル中さん

    いつもコメントや励ましのお言葉を頂きまして本当にありがとうございました!!!旅中にも何度とそのお言葉で励まされました!!!

    僕の旅行の総括は家庭を持ちたい、働きたいということに落ち着いてしまいました。

    旅をしていると、逆のタイプの人達(エグザイル)もよく見かけますよね〜今回の旅の中でも5年、10年と日本を離れ放浪している人たちをよく見かけました。アル中さんと同じく、自分もなかなかできないものだと思いました。逆に、やっぱり地に足着いた生き方をしなければと思うようになったんですよ。


    帰国後の僕もまったく努力していないのですが、それはモノが溢れている日本のせいでもあると思うのです。これだけTVやネットやらゲームが溢れている日本では別に奥さんがいなくてもいいやと思ってしまいます。しかし、僕は一人旅しているなか、何度寂しい思いをしたことでしょうか。。。


    僕の場合はまずは彼女をつくることが新しい旅なのです(かなり敷居高い!)。そのためにまず社会復帰ということで現在は就職活動中です。

    アル中さんもがんばってください!お互いのハネムーン旅行記を読み合いたいですね。


    PS.帰国後にDVDで「結婚できない男」を見ました。アル中さん語存知ですか?このDVD面白いですよ。ぜひ見てみてください!

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