2006/10/21 - 2006/10/31
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arzaga10さん
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ロンドンをスタートして、英国をひたすら北へ、北へ。
イングランドの栄光を伝える名跡に息をのみ、
スコットランドの空の深さに感動しました。
ビートルズを聴きながら、遺産とモダンを訪ねた10日間。
そのうち後半5日分、スコットランド編です。
※訪問地~エディンバラ、スターリング、セント・アンドリューズ、ネス湖
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- JAL
-
旅は後半、スコットランドに入ります。列車は北海
沿いに北へ。英国最初のフットボールクラブを生んだ
ニューキャッスルを過ぎると、国境はすぐそこです。
スコットランドは元は一個の王国で、イングランドに
よる侵攻や統合に対し、独立をかけて戦い続けてきま
した。人々は自国の文化に強い矜持があるそうです。
「首都」はエディンバラ。田園風景と北海に挟まれた
車窓の景色が落ち着くと、世界遺産でもある旧市街の
高層建築が見上げる先に聳え立っていました。 -
王国の都だったエディンバラの中心部には、城や
王宮周辺の旧市街と、人口増加のため都市計画に
則って作られた新市街があります。対比を描く歴史的
景観が、1995年に世界遺産に登録されました。
写真は、中心街のプリンスィズ・ストリートから
見た新市街。またしても虹です。お婆さんに道を尋ね
たら、「虹は神様のご加護よ」と言っていました。
実は旅の中で、二日に一度は虹を見ました。雨が多い
この国は、実は神様に守られているのかも。 -
そしてスコットランドといえばこれ。民族衣装の
キルトに身を包んだストリートパフォーマーが、
伝統楽器バグパイプを響かせていました。軽く目を
伏せ、片足でステップを踏んでリズムをとりながら、
「アメイジング・グレイス」を黙々と演奏。コインを
投げると、小さくお辞儀を返してくれました。
なんかもう観光客が思い描くままのスコットランド
ですな(笑)。でもこういう場面の一つ一つが、ここは
もう「異国」なんだということを実感させてくれます。 -
旧市街の目抜き通り「ロイヤル・マイル」の坂を
上って行くと、エディンバラ城です。街を見渡す岩山
に築かれた堅牢な砦。ぜひ見たかったのは、城内に
ある「運命の石」。王が戴冠の際に腰掛けた石です。
切り出した石材に取っ手を付けただけのような代物
でした。13世紀にイングランドに征服された時、石は
持ち去られました。返還の悲願が叶ったのは、なんと
1996年。ついこの間じゃありませんか!素通りする
観光客が多い中、しばし石を見つめていました。 -
エディンバラ城から市内を望みました。中世から
近世にかけての面影が色濃く、地形が変化に富んで
いて、眺望が美しい街だと感じました。
城が建つ丘の麓は緑地公園に、その北側(左奥)に
新市街が見えます。更にその奥には海が広がって
います。写真右、水平線の上に塔が突き出て見える
高台が「カールトン・ヒル」。ここも見晴らしの良い
公園です。 -
エディンバラは夜のウォーキングツアーも充実して
います。「ゴースツ&ゴールズ・ツアー」に参加。
夜7時に集合場所の旧市街を訪れると、闇に溶ける
ような石造りの街並みが、すでに「出そうな」気配
プンプンでした。やがて黒衣の案内人が現れます。
案内人:『おまえらが見たいのは何だ?!』
参加者:『血が見たい!!』と唱和して(笑)出発。
人気のない路地や地下道を巡り、拷問や怪談など、
都の暗い歴史について聞きます。まあまあ満足(笑)。 -
7日目、スコットランド2日目は、エディンバラから
電車で1時間ほどのスターリングに日帰り旅行です。
小雨に煙っているのは、スターリング城。侵略を狙う
イングランドとの間で争奪戦が繰り返された城です。
スターリングはスコットランドを制する上で重要な
「スコットランドへの鍵」と呼ばれたそうです。
城は復元作業の真最中でした。調査を元に往時の
姿を研究しているそうです。部屋の構造にも謎が多い
らしいです。 -
城から眺めた市街地です。スターリングはスコット
ランド史において栄光の舞台として名高いそうです。
イングランドからの独立につながる大勝利を収めた
戦いがあったからです。映画「ブレイブハート」で
描かれた、ウィリアム・ウォレス指揮による戦いです。
農民兵を束ね、イングランド軍を跳ね返したウォレス
は、独立の父として敬愛されています。その栄誉を
称えて作られたのが、写真右の丘に建つ塔「ウォレス・
モニュメント」。次はここを訪ねます。 -
スコットランド独立戦争でウォレスたちが最初に
大勝利を手にしたのが、このスターリング・ブリッジに
おける1297年の戦いです。ここを渡ってモニュメントを
めざします。
もちろん当時と同じ橋ではありませんが、ここは
歴史的な場所。ウォレスの功績と戦いについて敷石に
刻まれています。犬を連れて歩いていたおじさんと
「ブレイブ・ハート」について立ち話をしたら、この場所を
教えてくれました。 -
バスは小高い丘を上り、モニュメントの入り口へ。
ちょっとビミョーなウォレスの石像が迎えてくれました。
メル・ギブソンに見えなくもありませんが、実は映画
公開後、彼をモデルに作られたのだそうです。
塔の頂上までは、246段の螺旋階段。途中には
いくつかのフロアがあり、ウォレスが使ったという
巨大な剣などが展示されています。オーディオガイド
(英語)を借りましたが、聞くのに疲れてしまい、
黙々と階段を上っていきました。 -
高さ67メートルのモニュメントからの眺望です。塔は
丘の上に建てられているので、実際は更に高い所から
見渡すことができます。
もっとも、そんなに高い所まで上がらなくても見渡
せるような、平らで広々とした、緑の美しい街です。
文字通り大蛇がうねるように蛇行するフォース河が、
堤防も護岸工事もないまま原始的な姿で横たわって
います。なんだか老後に住んでみたい気がしました。 -
スコットランド3日目は、セント・アンドリューズを
半日観光。ゴルフ発祥の地、聖地として非常に有名
ですが街は小さく、かつて古都として栄えた痕跡を、
打ち破られ廃墟と化した城や教会が伝えています。
セント・アンドリューズ城が面しているのは北海。
北海道じゃありません(笑)。遠くへ来たもんだという
感慨が押し寄せてきました。 -
そもそもセント・アンドリューズとは、キリストの
十二使徒の一人、聖アンドリューに由来しています。
アンドリューはスコットランドの守護聖人。守護聖人
という概念はよく分からないのですが、4世紀頃、
ここに彼の遺骨が持ち込まれたのだそうです。
かつて多くの巡礼者が訪れたという大聖堂は宗教
改革によって打ち壊されました。骨格だけを残した
ような遺構に芝が青々と生えています。潮風を心地
良く浴びながら、のんびり散策しました。 -
セント・アンドリューズは大学都市です。街は小さい
ですが若者の活気があります。昼食に入ったパブで、
気さくな学生の従業員に「観光?それとも留学?」と
訊かれたほどです。土産物屋では、東洋系の店員と
しばらく喋った末にお互い日本人と分かり、日本語に
切り替えると、留学生でバイトだと言っていました。
空と北海の色、そして学生たちの若々しさから、
私の中では青がこの街のイメージカラーになりました。
…と、書いてて老けた気分になってきました(笑)。 -
大学の裏手、敷地の周りの塀沿いに伸びる道です。
右手には北海。11月も近いというのに芝が青々として
いるのは、暖流や温かい風のおかげなのでしょう。
この塀の向こうには、きっとたくさんの青春があるん
ですね。吹奏楽の演奏が塀越しに聞こえてくるのを、
うらやましい気持ちになりながら散歩しました。
観光スポットを巡った後にゆっくりとそぞろ歩くのは、
旅先で時間がある時だけの贅沢だと思います。 -
北海道じゃないなんて言いましたが、北海沿いに
北海道との共通点を発見!海沿いを歩いていると、
道端に見覚えのあるトゲトゲの植物が…。丸々とした
赤い実をつけている低木。日本では北海道の花に
なっているハマナスです。以前に住んでいた釧路で
よく見ました。バラ科で、実はジャムにもなります。
ベンチにいた地元のおばちゃんに「なんて植物?」と
聞いたら、「Rose!」と言っていました。遠い外国で、
懐かしく、文字通り甘酸っぱい気分になりました。 -
セント・アンドリューズから更に北へ。9日目、今回の
旅の北の終着地、インヴァネスにやって来ました。
街の名は「ネス河の入り江」に由来しているそうです。
写真右下に見える橋が架かっているのがネス河。
その源流にあたるのが、「ロッホ・ネス・モンスター」、
ネッシーの噂で有名な、ご存知、ネス湖です。
駅からのバスツアーで、さいはての湖を訪ねました。 -
インヴァネスからツアーバスで30分ほど。ネス湖の
ほとりに着くと、ツアーのクルージングボートが待って
いました。LOCHはロッホと発音し、スコットランドの
言葉で湖の意味です。
ツアーではクルージングを楽しむだけでなく、少し
離れた湖畔にある古城を訪ねます。バス・ボートの
運賃と城の観覧料が、ツアー料金にすべて含まれて
います。効率的でリーズナブル。ガイド兼運転手の
おっちゃんも気さくで、文句なしでした。 -
風を切る船の上では寒さを心配していましたが、
セーターにツイードのジャケットでしのげました。
写真は船の最後尾から見た湖面。分かりづらい
ですが、湖の水はウィスキーのような色をしています。
これは泥炭、倒れた草木が腐りきらずに炭化した物の
影響だそうです。スクリューで泡立つ色も、ほんのりと
した琥珀色。不思議な感じです。この水の色が、
ネッシーの存在を想像させる理由のひとつなのかも
しれません。 -
湖畔に佇む廃城、アーカード城で下船。13世紀、
征服王ことイングランドのエドワードI世に攻め込まれ
破壊されたままになっています。エディンバラ城の
「運命の石」を持ち去ったのもエドワードI世です。
「ブレイブハート」で憎憎しげに描かれている理由を
垣間見たような…。
ともあれネス湖のほとりに横たわる廃城は、はじめ
からそこにあったような一体感のある景観を作り出し
ていました。 -
アーカード城内の芝生にて。ネス湖は緯度でいえば
サハリンの北端あたりと同じなのですが、やはり芝は
青々としています。芝の色で高緯度を実感することは
ありませんが、自分の影を見てびっくりしました。
まだ昼過ぎだというのに、ご覧のとおりです。サマー
タイムが終わった翌日で、太陽が高くは昇らないの
です。スコットランドでは、日中に写真を撮ろうと
するとビカビカの順光か強烈な逆光になることが
多かったのですが、やっとその理由に気づきました。 -
城のタワーから見下ろした湖面。両脇をなだらかな
山並みに挟まれて、細長く伸びるネス湖の姿が分かり
ます。晴れていた空が曇りだしました。湖面が波打つ
様子が、なんだか不吉に見えてきたりもします。
結局モンスターは現れませんでした(笑)。というか、
モンスターの影を探したくなるような風情は、実は
それほど感じられませんでした。ただ、街のすぐ外に
悠然と広がる自然の存在感が、どっしりと伝わって
きました。スコットランドに出会えて良かった。。。 -
ついに旅の最終日、10日目。再びエディンバラを
訪ねました。旧市街のメインストリート、「ロイヤル・
マイル」です。ちょうど1マイルに渡って街を走る
通りで、両端に王室に関わる重要な建物があります。
一方はエディンバラ城。そしてもう一方は「ホリルード
ハウス宮殿」です。宮殿もエディンバラ観光で外せない
スポット。最終日の観光はここから始めます。 -
旧市街特有の高層建築です。中世、人口が増え
続けたために、フロアを上に上に積んでいきました。
庶民から貴族まで異なる階級の人たちが、各階ごとに
分かれて同じ建物に住むという、珍しい住居でした。
高層建築にまつわる恐ろしい話がひとつ。下水道の
なかった当時、用を足したものは容器に溜められ、
窓から道に投げ捨てられていたそうです。中世は
どこの都市も同じだったと思いますが、4階5階から
投下するのは、さぞ威力があったことでしょう…。 -
ホリルードハウス宮殿です。内部は写真撮影禁止。
元はもちろんスコットランド王室の宮殿ですが、連合
王国となった今は、英国王室が夏場を過ごす御用邸
のように使われています。
豪華なインテリア、居並ぶ王室の肖像画、装飾品の
数々…。その絢爛たる様は、現役の王宮をそのまま
展示しているからこそ。というか民が王を、つまり人が
人をきらびやかに飾り奉るという行為のエネルギーが
どこからここまで湧くのかと感心しました…。 -
宮殿には、廃墟が隣り合っています。ホリルード
ハウス寺院です。12世紀に建てられ、歴代のスコット
ランド王の婚礼が行われてきた由緒ある寺院です。
しかし絢爛な王宮だけが今の王室に引き継がれ、
スコットランドにとって宗教的・儀礼的に重要だった
寺院だけが打ち捨てられているということが物悲しい
です。きらびやかな宮殿の敷地の中で、ここだけが
霊的な雰囲気に包まれていました。 -
宮殿に続いては、市内を一望するカールトン・ヒルと
いう丘に上がりました。公園になっていて、徒歩で
気軽に行けるビューポイント。クラシカルな旧市街、
整然と建物が並ぶ新市街、更には海を見ることもでき
ます。写真は主に旧市街。エディンバラは塔の多い
街だと気付きました。
そうそう、昼間から酔っ払っていた土産物屋のおっ
ちゃんが、「あそこは夜は男の好きな痴漢が出るから
危ないぞ」と言ってました。ほんまかいな。。 -
ロンドンと同じく、エディンバラにも「ナショナル・
ギャラリー」があります。フェルメールの作品がここ
にもあり、最大の目当てでした。なかなか見つから
ないので学芸員に場所を聞くと“Here!”と目の前を
指されました。そこには大きなカンバスに描かれた
キリストの姿が。「マリアとマルタの家のキリスト」
です。驚きました。聞けば現存する中でいちばん古く、
サイズは最大で、しかも唯一の宗教画と、異色の作品
なのでした。学芸員はロンドンより気さくでした(笑)。 -
ナショナル・ギャラリーの前で、素敵な出来事があり
ました。石畳に座った青年が弾いているのは、インド
の楽器シタール。エスニックな音色が大きく反響し、
旧市街を背に流れていました。一曲終わるのを待って
声を掛けました。「シタールだね」「よく知ってるね!」
「ビートルズ聴くから。ジョージが弾いてたでしょ」
「あーはいはい、これね」…と、彼が弾きだしたのは
『ノルウェイの森』。痺れました…(笑)。そのあとには
試し弾きまでさせてくれました。最高の思い出です。 -
旅の最後の夜が更けていきます。エディンバラ城の
イルミネーションを見ながら、スタバで物思いに耽り
ました。初めての海外一人旅。サラリーマンにとって
破竹の10日間、移動込み13日間の長い旅は、普段の
生活だったら1年分にあたるくらいの刺激が詰まった
日々でした。ロンドンからネス湖まで、ブリテン島を
縦断。今回は個人手配で思うままに旅程を作れた
のが、たくさんの思い出につながりました。
翌早朝に飛行機でロンドンに発ち、帰国しました。
(おわり)
※最後まで読んでくださった皆様、
どうもありがとうございました!
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