2006/10/21 - 2006/10/31
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arzaga10さん
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ロンドンをスタートして、英国をひたすら北へ、北へ。
イングランドの栄光を伝える名跡に息をのみ、
スコットランドの空の深さに感動しました。
ビートルズを聴きながら、遺産とモダンを訪ねた10日間。
そのうち前半5日分、イングランド編です。
※訪問地~ロンドン、リヴァプール、ハワース
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- JAL
-
最初に訪ねたのはロンドン塔。1988年に世界遺産に
登録されました。塔というより城塞です。軍事施設や
王宮としてより牢獄としての歴史が長く、なんと二次
大戦中、つまり20世紀まで現役の牢獄でした。
政治犯の幽閉・処刑が繰り返された舞台ですが、
中は開放的で観光客で賑やか。タワーと名のつく建物が立ち並んでいます。ぞーっとしたのは「ビーチャム・
タワー」の一室。石壁に、囚人が名前や家紋を彫り
つけた跡がくっきりと残っているのです…。 -
テムズ河沿いに建つロンドン塔。すぐそばには
跳ね橋、タワーブリッジが架かっています。これも
ロンドンを代表する景観です。
ロンドン塔の後は、このタワーブリッジに向かい
ました。二本の塔は、内部に入ることができます。
そして塔内の長い階段を昇っていくと、空中に架かる
回廊を歩くことができ、テムズ河の空のお散歩を
楽しめます。 -
ロンドン塔の近くには、テムズ河を運行する船の
乗り場、ピアがあります。そこから船に乗って河を
西へ溯り、同じく世界遺産、ウェストミンスター宮殿
を目指します。船上ではいきなり強風とどしゃ降りの
雨に襲われました。英国の変わりやすい天気です。
でも時計塔ビッグベンを備えた宮殿が迫りくると、
もうテンション上がりっぱなし。秀麗にして威圧的。
権威的にして絢爛。河の上から宮殿を眺めることが
できたのは、なんだか得した気分でした。 -
船を下りても雨はしばらく続きました。ようやく
降り止んだ時、ふと東の空を振り返ると…。
信じられない大きさの虹でした。高さが135mある
世界最大の観覧車「BAロンドン・アイ」を軽々と
跨ぎ、写真にはとても収まりきりませんが、ぐるっと
180度の半円を描いていました。空の方位を測ろうと、
巨大な分度器を当てたみたいでした。
歓声とシャッターを切る音があふれました。そんな
輪の中に加わって、夢中でカメラに収めた一枚です。 -
宮殿の時計塔ビッグベンに見入りました。鐘には
大小あり、15分ごとに小さな鐘が、正時ごとに大きな
鐘が鳴ります。宮殿は「世界一豪華な国会議事堂」。
隣のウェストミンスター大聖堂とセント・マーガレット
聖堂とともに1987年に世界遺産に登録されました。
それにしても、地下鉄の標識やら大観覧車やらと
世界遺産とが混在しているのを見と、改めてこの街の
ごった煮ぶりを実感します。モダンの中でも澄ました
顔の老紳士のようで、その気品がお茶目な気も…。。 -
2日目の朝。宿泊はユースホステル(YHA)の
セント・パンクラスでした。ゴシック様式の美しい
セント・パンクラス駅のすぐ向かいです。
ホステルとしてはかなり清潔で、宿泊費は朝食付き
一泊24ポンド(≒5400)。ホテルの高いロンドンの
中心部でこの値段は助かります。朝食をとるカフェ
からは、駅(写真)が一望できます。
今回の10日間の旅で、宿泊はすべて各地のYHA
でした。30歳手前で、ユースもないですが…。 -
2日目。きょうもテムズ河畔をぶらぶらしようと、
地下鉄でウェストミンスター宮殿付近へ向かいます。
ただし地下鉄ウェストミンスター駅は整備のためか
営業しておらず、隣のエンバンクメント駅から歩き
ました。
やがてウェストミンスター大聖堂に到着。でも日曜
礼拝で中に入れませんでした。天気は曇りから雨へ。
寒々しい空の下、ある意味よりロンドンらしくなった
景色の中を、河沿いに散策することにしました。 -
宮殿側から河を渡りウォータルー駅に向かう途中、
河畔でストリート・パフォーマーに出会いました。
この扮装でピクリとも動かないのが芸。なりきり彫像
です。性別不詳のメイクでまばたきもせず、一角獣
(ユニコーン)を従えて佇んでいます。なりきっては
いても、雨は雨。きっちりフツーの傘をさしてるのが
なんかキュートでした(笑)。
隣にいた観客のおばあさんに「あのユニコーン、
どうやって手なずけたんでしょう?」と話しかけたら
笑ってました。むう、今イチだったか・・・。。 -
ウォータルー駅からは地下鉄に乗って、セント・
ジョンズ・ウッド駅へ。ビートルズ最後のアルバム
「アビー・ロード」のジャケット写真が撮影された
横断歩道の最寄り駅です。おそらく、世界一有名な
横断歩道。10年来ビートルズを聴き続けている私が、
訪問を夢にまで見た場所のひとつでした。
横断歩道の端にはドイツ人の家族がいて、渡る私の
写真を撮ってくれました。ビートルズのファンだと、
世界中の人たちと話題を共有できるのが嬉しいです。 -
続いてコヴェント・ガーデンへ。ショッピングモール
を中心に、カフェやショップが建ち並ぶエリアです。
かつては修道士が野菜を作った菜園で、その後卸売
市場になったのを改修してモールを作ったそうです。
付近には大道芸人やアマチュアミュージシャンが
多く、眺めているだけでも飽きません。面白いのは、
「おひねり」をわざと露骨に要求する芸人が多いこと。
弦楽器のバンドが箱を足でつつき、観客に近付けて
演奏するのには笑ってしまいました。潔いです(笑)。 -
そしてナショナル・ギャラリーへ。世界中の名画を
無料で楽しむことができます。入った瞬間、鳥肌が
立ちました。高い天井の下、静寂の中を名画に囲まれ
てこみ上げてくる興奮。クセになりそうです。。
めあては、17世紀のオランダの画家フェルメール。
現存する作品30点あまりのうち4点が英国に、更に
うち2点がここにあります。「ヴァージナルの前に立つ
女」と、「ヴァージナルの前に座る女」。特有の陰影に
感じ入りながら鑑賞しました。 -
首都の散策を満喫した2日間でした。その締めは、
テムズ河の対岸から望むウェストミンスター宮殿の
ライトアップ。もはや呆れるほど壮麗です…。7時の
大きな鐘の音を聴いてからYHAに戻りました。
あすからは北イングランドへ。ビートルズの故郷、
リヴァプールに向かいます。 -
3日目。朝イチでロンドンのユーストン駅から、
ヴァージン・レイルウェイの列車に揺られ2時間半。
夢にまで見たマージーサイド、リヴァプール。心の
バイブル、ビートルズの故郷です―。
ジョンにインスピレーションを与えたストロベリー・
フィールドが本当に「永遠なるもの」かを確かめに、
ポールが振り仰いだペニー・レインの「郊外の空」を
感じに、「地球を横切って」やってきました。
引用を始めると長いので、このへんで・・・。 -
この日のハイライトは、ビートルズゆかりの名所を
バスで訪ねるマジカル・ミステリー・ツアーへの
参加。宿に荷物を置き、発車まで市内観光です。
まず港にある「アルバート・ドック」へ。煉瓦倉庫
をショップなどに改装した複合施設です。土産物屋や
カフェ、バーなどはもちろん、現代美術館や、我らが
ビートルズの博物館も揃えています。港の雰囲気が
物寂しくもあり。ロックの故郷はこうでなくちゃ! -
ビートルズに気をとられて書き忘れていましたが、
リヴァプールは世界遺産都市です。18世紀、中南米と
の貿易拠点として大英帝国の繁栄に貢献したためと、
悪名高き奴隷貿易の記憶を留めるため、マージー河
沿いの地区が2004年、世界遺産に登録されました。
写真奥に見えるのは街を象徴する景観で、海商都市
としての歴史に深くかかわる3つの建造物が連なった
もの。「三美神」と呼ばれ、世界遺産登録地区です。 -
そのマージー河。まあ、きったない川ですわ(笑)。
貿易港リヴァプールにはいつも、米国の最新の音楽が
船乗りによって運ばれてきました。それらが英国の
トラディショナルと溶け合って生まれたといわれる
のが、リヴァプール発の個性的なポップス、いわゆる
「マージー・ビート」です。
この川に乗せられてきたリズムが、若きビートルの
拠り所となったのか・・・。ロックを生み出した水運の
ほとりに佇み、しばし物思いに耽りました。 -
そしていよいよあこがれのマジカル・ミステリー・
ツアーに参加。観光案内所に集合すると、30歳過ぎ
くらいの伊達男風のガイドの掛け声で出発です。
“Roll up for the Magical Mystery Tour,
step right this way !”
…と、歌詞のまんま(笑)。さすがに気が利いてます。
ところが、バスが来ません。「ミステリーが始まっ
ちゃったよ」と苦笑するガイド氏。ツアーは2時間の
駆け足なので、じっくり見たい所は再訪すべきです。 -
バスは50人近い客を乗せて発進。ガイド氏の話す
英語は、ビートルズと同じようなアクセントでした。
郊外にある4人の生家を見て「ペニー・レイン」へ。
住宅街の一角で、歌に出てくる銀行や理容店がある
賑やかな通りからは離れた所です。「ストロベリー・
フィールド」にも立ち寄りました。ジョンの遊び場
だった元孤児院です。そして中心部の「マシュー・
ストリート」へ。4人がギグを重ねた「キャヴァーン・
クラブ」でカードのお土産をもらっておしまいです。 -
キャヴァーン・クラブの向かいの「キャヴァーン・
パブ」の壁には、これまでにクラブでギグを行った
ミュージシャンの名前が彫られています。ビートルズ
は言うに及ばず、ストーンズやフーも、ツェッペリン
もクイーンも、U2、オアシス、コールドプレイも。
壁の中央(写真上)にはビートルズのメンバー。
ジョン、ポール、ジョージ、リンゴと、初期ドラマー
のピート、同じく元ベーシストのスチュの6人は、
ファーストネームのみで記されています。じ〜ん…。 -
この時期の英国はサマータイムも終盤。夕方5時を
過ぎると、急に暗くなります。写真は先ほど書いた
三美神のひとつ「ロイヤル・リヴァー・ビルディング」。
夕飯はパブでフィッシュ&チップス。店員と客の
全員がスキンヘッドでビビり、さらに店員の言葉を
聞き取れずにオドオド。「ふぉしゅん・ちょっぷ」
言われても…。えらいこっちゃ。 -
4日目。リヴァプールでの宿泊もYHAでした。
駅からは少し離れていて、アルバート・ドックの近く。
99年のオープンで新しく、清潔です。
同室になったポーランド人の労働者と坊ちゃん風の
ブラジル人青年と仲良くなり、W杯談義で盛り上がり
ました。「リヴァプールではバスのことをブスって発音
するけど、日本人の女の子には言っちゃだめ」などと、
会話はやっぱり男子校的。YHAの醍醐味が分かって
きた…かな? -
この日の最初は、リヴァプール大聖堂。住宅地の
中にどーんと聳える威容です。完成したのは1974年。
中央のタワーはなんと地上101mで、英国で一番高い
大聖堂だそうです。その巨大さには畏怖がこみ上げ
ました。ウェストミンスター大聖堂のような壮麗さ
ではなく、ひたすら大きさを追求したみたいでした。
エレベーターと階段で「英国の天井」に上がると、
リヴァプール全域はもちろん、ウェールズまで見渡す
ことができました。 -
大聖堂から見渡した港周辺です。左にアルバート・
ドック、右には三美神が見え、その奥がマージー河
です。新人のビートルズはきっとここから修行の地、
ドイツ・ハンブルクに旅立ったんですね・・・。
大きなクレーンが見えますが、この時は町じゅう
工事中でした。2008年の欧州文化都市に決まり、街を
大改装しているのだそうです。工事現場の貼り紙に
よると、その名も「パラダイス・プロジェクト」。
なんと華麗にして淫靡なネーミングでしょう…。 -
再びアルバート・ドックへ。ビートルズの博物館、
「ザ・ビートルズ・ストーリー」です。誕生から解散
までの年代ごとに展示を見ていきます。ハンブルクの
路地裏やキャヴァーン・クラブのステージ、「ペパー」
のジャケット写真の撮影現場などなど、4人の活躍の
舞台が再現されていて、彼らの生きた世界を疑似体験
できる感じです。日本語のオーディオ・ガイドを聴き
ながら、何度か感極まって泣きそうになりました…。 -
陽が傾きだす頃、前日のツアーではゆっくり見られ
なかったストロベリー・フィールドを再訪しました。
ジョンが少年時代を送った住宅街の、緩やかな坂道の
途中に門があります。その佇まいはマジカルでも
ミステリアスでもなく、昔からある場所として当たり
前のように横たわっていました。寺院や聖堂みたいな
存在感ではなく、穏やかで霊的な空気がありました。
孤児院としては05年に閉鎖され、修道施設として
再オープンしました。「フォーエバー」と祈ります。 -
夜は再びマシュー・ストリート。「キャヴァーン・
パブ」でサイダー(林檎酒)を飲み、リヴァプール
最後の夜を惜しみました。
パブの壁にはジョンの像。右の柱のマークは、街の
象徴で「リーヴェル・バード」という鳥です。両者が
並んでいるのを見て、ビートルズは街の歴史なんだと
実感しました。かつて英国は世界を制しましたが、
人の心まで奪うことはできなかったと思います。でも
4人は世界を虜にしました。それがビートルズです。 -
5日目。朝一番の列車でリヴァプールを発ち、イン
グランド北部、ヨークシャー地方の村、ハワースを
訪ねました。小説「嵐が丘」の作者エミリー・ブロンテ
の故郷で、作品のモデルともなった場所です。
男女のすさまじい愛憎が飛び交う、昼ドラの母と
でもいうべき(笑)ベストセラーの舞台はどんな所か。
英国の田舎らしい田園風景の中を歩き、原野に風の
吹きすさぶ作品の世界を感じてみたいと思いました。
その思いは、後でこってり味わうことになりました。 -
貴族の邸宅を改装したYHAに荷物を預け、村の
中心部まで散歩。起伏の多い牧草地の道を行くと、
坂道に石畳を敷いた中心部に出ます。15分もあれば
歩ける広さですが、B&Bや雑貨屋の作る街並みは
可愛らしく、時間をかけて見ても飽きませんでした。
店先には花が飾られ、石作りの建物の色調に彩りを
添えます。ブロンテ一家も通った教会などを見て、
いよいよ物語のモデルになったムーアと呼ばれる荒野
に向かいます。 -
雨が心配な空模様でしたが、午後、ついに本格的
に降り出しました。でも荒れてこそ「嵐が丘」だよな、
などという考えもあったので、以前、屋久島の豪雨の
中を歩いた時のトレッキング装備を揃えていました。
上下別のレインコートを着こみ、バックパックに
雨よけカバーを装着。どこの山だよ?ってな格好で、
教会の裏手からムーアへ通じる散策路に入りました。
物語の舞台といわれる「トップ・ウィズンズ」と
いう場所までは、往復5時間かかるとのことでした。 -
英国では、ウォーキングは身近なレジャーだそう
です。「パブリック・フットパス」という散策路が
全国に整備されていて、時には私有地の中をも通り
抜けながら歩くことができます。今回歩く道もそう。
地元の愛好家に混じって散策を楽しみ、英国ならでは
の思い出にしようと計画していました。
ところが雨は強風を伴って勢いを増し、いよいよ
「嵐が丘」の様相に。てくてく歩いている人なんて
ほとんどなく、孤独な散歩になってしまいました…。 -
市街地を抜けると、「ペニストン・ヒル」という
荒野に出ます。大地を覆っている茶色いものは、英国
の高緯度地域でよく群生が見られるヒース(ヘザー)
という植物です。「嵐が丘」の主人公ヒースクリフは
「ヒースの崖」と訳せるので、物語の世界に似つかわ
しい光景といえるのではないでしょうか。
冬枯れのような色合いのせいで、遠目には奇怪な
岩肌が露出しているようにも見えます。ふいに、異国
を歩いている実感と孤独感がこみ上げてしました。 -
ヒースの野を抜けると、延々と牧草地。ヒツジが
放牧されていて、フットパスの近くを歩いています。
おかしなもので、牧草地に家畜という取り合わせは
自然とはまるで逆の人工的な景観なのに、草は青く、
動物があまりにいきいきとしているため、つい自然
だと錯覚してしまいます。いずれにせよ都市から来た
身には、雨を差し引いても余るようなのどかさが心地
良かったです。 -
丘を越えた先には、廃墟が広がっていました。
「トップ・ウィズンズ」です。風は雨を叩きつけて
くるほど強く、霧まで出てきました。「嵐が丘」です。
ロマンチックな感慨とは程遠い無の世界でした。
荒れるに任せた遺構の存在が、今は何もないという
感覚を際立たせました。街に戻ったのは3時間後。
歩いたと話すと、土産物屋の店主が驚いていました。
イングランドの旅はここまで。翌朝から、いよいよ
スコットランドに向かいます。
(後編につづく)
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