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ロンドンをスタートして、英国をひたすら北へ、北へ。<br />イングランドの栄光を伝える名跡に息をのみ、<br />スコットランドの空の深さに感動しました。<br />ビートルズを聴きながら、遺産とモダンを訪ねた10日間。<br />そのうち前半5日分、イングランド編です。<br /><br />※訪問地~ロンドン、リヴァプール、ハワース

イングランド&スコットランド旅行記‘06 ~イングランド編

7いいね!

2006/10/21 - 2006/10/31

1244位(同エリア1832件中)

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33

arzaga10

arzaga10さん

ロンドンをスタートして、英国をひたすら北へ、北へ。
イングランドの栄光を伝える名跡に息をのみ、
スコットランドの空の深さに感動しました。
ビートルズを聴きながら、遺産とモダンを訪ねた10日間。
そのうち前半5日分、イングランド編です。

※訪問地~ロンドン、リヴァプール、ハワース

同行者
一人旅
一人あたり費用
25万円 - 30万円
交通手段
鉄道
航空会社
JAL
  •  最初に訪ねたのはロンドン塔。1988年に世界遺産に<br />登録されました。塔というより城塞です。軍事施設や<br />王宮としてより牢獄としての歴史が長く、なんと二次<br />大戦中、つまり20世紀まで現役の牢獄でした。<br /> 政治犯の幽閉・処刑が繰り返された舞台ですが、<br />中は開放的で観光客で賑やか。タワーと名のつく建物が立ち並んでいます。ぞーっとしたのは「ビーチャム・<br />タワー」の一室。石壁に、囚人が名前や家紋を彫り<br />つけた跡がくっきりと残っているのです…。

     最初に訪ねたのはロンドン塔。1988年に世界遺産に
    登録されました。塔というより城塞です。軍事施設や
    王宮としてより牢獄としての歴史が長く、なんと二次
    大戦中、つまり20世紀まで現役の牢獄でした。
     政治犯の幽閉・処刑が繰り返された舞台ですが、
    中は開放的で観光客で賑やか。タワーと名のつく建物が立ち並んでいます。ぞーっとしたのは「ビーチャム・
    タワー」の一室。石壁に、囚人が名前や家紋を彫り
    つけた跡がくっきりと残っているのです…。

  •  テムズ河沿いに建つロンドン塔。すぐそばには<br />跳ね橋、タワーブリッジが架かっています。これも<br />ロンドンを代表する景観です。<br /> ロンドン塔の後は、このタワーブリッジに向かい<br />ました。二本の塔は、内部に入ることができます。<br />そして塔内の長い階段を昇っていくと、空中に架かる<br />回廊を歩くことができ、テムズ河の空のお散歩を<br />楽しめます。

     テムズ河沿いに建つロンドン塔。すぐそばには
    跳ね橋、タワーブリッジが架かっています。これも
    ロンドンを代表する景観です。
     ロンドン塔の後は、このタワーブリッジに向かい
    ました。二本の塔は、内部に入ることができます。
    そして塔内の長い階段を昇っていくと、空中に架かる
    回廊を歩くことができ、テムズ河の空のお散歩を
    楽しめます。

  •  ロンドン塔の近くには、テムズ河を運行する船の<br />乗り場、ピアがあります。そこから船に乗って河を<br />西へ溯り、同じく世界遺産、ウェストミンスター宮殿<br />を目指します。船上ではいきなり強風とどしゃ降りの<br />雨に襲われました。英国の変わりやすい天気です。<br /> でも時計塔ビッグベンを備えた宮殿が迫りくると、<br />もうテンション上がりっぱなし。秀麗にして威圧的。<br />権威的にして絢爛。河の上から宮殿を眺めることが<br />できたのは、なんだか得した気分でした。

     ロンドン塔の近くには、テムズ河を運行する船の
    乗り場、ピアがあります。そこから船に乗って河を
    西へ溯り、同じく世界遺産、ウェストミンスター宮殿
    を目指します。船上ではいきなり強風とどしゃ降りの
    雨に襲われました。英国の変わりやすい天気です。
     でも時計塔ビッグベンを備えた宮殿が迫りくると、
    もうテンション上がりっぱなし。秀麗にして威圧的。
    権威的にして絢爛。河の上から宮殿を眺めることが
    できたのは、なんだか得した気分でした。

  •  船を下りても雨はしばらく続きました。ようやく<br />降り止んだ時、ふと東の空を振り返ると…。<br /> 信じられない大きさの虹でした。高さが135mある<br />世界最大の観覧車「BAロンドン・アイ」を軽々と<br />跨ぎ、写真にはとても収まりきりませんが、ぐるっと<br />180度の半円を描いていました。空の方位を測ろうと、<br />巨大な分度器を当てたみたいでした。<br /> 歓声とシャッターを切る音があふれました。そんな<br />輪の中に加わって、夢中でカメラに収めた一枚です。

     船を下りても雨はしばらく続きました。ようやく
    降り止んだ時、ふと東の空を振り返ると…。
     信じられない大きさの虹でした。高さが135mある
    世界最大の観覧車「BAロンドン・アイ」を軽々と
    跨ぎ、写真にはとても収まりきりませんが、ぐるっと
    180度の半円を描いていました。空の方位を測ろうと、
    巨大な分度器を当てたみたいでした。
     歓声とシャッターを切る音があふれました。そんな
    輪の中に加わって、夢中でカメラに収めた一枚です。

  •  宮殿の時計塔ビッグベンに見入りました。鐘には<br />大小あり、15分ごとに小さな鐘が、正時ごとに大きな<br />鐘が鳴ります。宮殿は「世界一豪華な国会議事堂」。<br />隣のウェストミンスター大聖堂とセント・マーガレット<br />聖堂とともに1987年に世界遺産に登録されました。<br /> それにしても、地下鉄の標識やら大観覧車やらと<br />世界遺産とが混在しているのを見と、改めてこの街の<br />ごった煮ぶりを実感します。モダンの中でも澄ました<br />顔の老紳士のようで、その気品がお茶目な気も…。。

     宮殿の時計塔ビッグベンに見入りました。鐘には
    大小あり、15分ごとに小さな鐘が、正時ごとに大きな
    鐘が鳴ります。宮殿は「世界一豪華な国会議事堂」。
    隣のウェストミンスター大聖堂とセント・マーガレット
    聖堂とともに1987年に世界遺産に登録されました。
     それにしても、地下鉄の標識やら大観覧車やらと
    世界遺産とが混在しているのを見と、改めてこの街の
    ごった煮ぶりを実感します。モダンの中でも澄ました
    顔の老紳士のようで、その気品がお茶目な気も…。。

  •  2日目の朝。宿泊はユースホステル(YHA)の<br />セント・パンクラスでした。ゴシック様式の美しい<br />セント・パンクラス駅のすぐ向かいです。<br /> ホステルとしてはかなり清潔で、宿泊費は朝食付き<br />一泊24ポンド(≒5400)。ホテルの高いロンドンの<br />中心部でこの値段は助かります。朝食をとるカフェ<br />からは、駅(写真)が一望できます。<br /> 今回の10日間の旅で、宿泊はすべて各地のYHA<br />でした。30歳手前で、ユースもないですが…。

     2日目の朝。宿泊はユースホステル(YHA)の
    セント・パンクラスでした。ゴシック様式の美しい
    セント・パンクラス駅のすぐ向かいです。
     ホステルとしてはかなり清潔で、宿泊費は朝食付き
    一泊24ポンド(≒5400)。ホテルの高いロンドンの
    中心部でこの値段は助かります。朝食をとるカフェ
    からは、駅(写真)が一望できます。
     今回の10日間の旅で、宿泊はすべて各地のYHA
    でした。30歳手前で、ユースもないですが…。

  •  2日目。きょうもテムズ河畔をぶらぶらしようと、<br />地下鉄でウェストミンスター宮殿付近へ向かいます。<br />ただし地下鉄ウェストミンスター駅は整備のためか<br />営業しておらず、隣のエンバンクメント駅から歩き<br />ました。<br /> やがてウェストミンスター大聖堂に到着。でも日曜<br />礼拝で中に入れませんでした。天気は曇りから雨へ。<br />寒々しい空の下、ある意味よりロンドンらしくなった<br />景色の中を、河沿いに散策することにしました。

     2日目。きょうもテムズ河畔をぶらぶらしようと、
    地下鉄でウェストミンスター宮殿付近へ向かいます。
    ただし地下鉄ウェストミンスター駅は整備のためか
    営業しておらず、隣のエンバンクメント駅から歩き
    ました。
     やがてウェストミンスター大聖堂に到着。でも日曜
    礼拝で中に入れませんでした。天気は曇りから雨へ。
    寒々しい空の下、ある意味よりロンドンらしくなった
    景色の中を、河沿いに散策することにしました。

  •  宮殿側から河を渡りウォータルー駅に向かう途中、<br />河畔でストリート・パフォーマーに出会いました。<br />この扮装でピクリとも動かないのが芸。なりきり彫像<br />です。性別不詳のメイクでまばたきもせず、一角獣<br />(ユニコーン)を従えて佇んでいます。なりきっては<br />いても、雨は雨。きっちりフツーの傘をさしてるのが<br />なんかキュートでした(笑)。<br /> 隣にいた観客のおばあさんに「あのユニコーン、<br />どうやって手なずけたんでしょう?」と話しかけたら<br />笑ってました。むう、今イチだったか・・・。。

     宮殿側から河を渡りウォータルー駅に向かう途中、
    河畔でストリート・パフォーマーに出会いました。
    この扮装でピクリとも動かないのが芸。なりきり彫像
    です。性別不詳のメイクでまばたきもせず、一角獣
    (ユニコーン)を従えて佇んでいます。なりきっては
    いても、雨は雨。きっちりフツーの傘をさしてるのが
    なんかキュートでした(笑)。
     隣にいた観客のおばあさんに「あのユニコーン、
    どうやって手なずけたんでしょう?」と話しかけたら
    笑ってました。むう、今イチだったか・・・。。

  •  ウォータルー駅からは地下鉄に乗って、セント・<br />ジョンズ・ウッド駅へ。ビートルズ最後のアルバム<br />「アビー・ロード」のジャケット写真が撮影された<br />横断歩道の最寄り駅です。おそらく、世界一有名な<br />横断歩道。10年来ビートルズを聴き続けている私が、<br />訪問を夢にまで見た場所のひとつでした。<br /> 横断歩道の端にはドイツ人の家族がいて、渡る私の<br />写真を撮ってくれました。ビートルズのファンだと、<br />世界中の人たちと話題を共有できるのが嬉しいです。

     ウォータルー駅からは地下鉄に乗って、セント・
    ジョンズ・ウッド駅へ。ビートルズ最後のアルバム
    「アビー・ロード」のジャケット写真が撮影された
    横断歩道の最寄り駅です。おそらく、世界一有名な
    横断歩道。10年来ビートルズを聴き続けている私が、
    訪問を夢にまで見た場所のひとつでした。
     横断歩道の端にはドイツ人の家族がいて、渡る私の
    写真を撮ってくれました。ビートルズのファンだと、
    世界中の人たちと話題を共有できるのが嬉しいです。

  •  続いてコヴェント・ガーデンへ。ショッピングモール<br />を中心に、カフェやショップが建ち並ぶエリアです。<br />かつては修道士が野菜を作った菜園で、その後卸売<br />市場になったのを改修してモールを作ったそうです。<br /> 付近には大道芸人やアマチュアミュージシャンが<br />多く、眺めているだけでも飽きません。面白いのは、<br />「おひねり」をわざと露骨に要求する芸人が多いこと。<br />弦楽器のバンドが箱を足でつつき、観客に近付けて<br />演奏するのには笑ってしまいました。潔いです(笑)。

     続いてコヴェント・ガーデンへ。ショッピングモール
    を中心に、カフェやショップが建ち並ぶエリアです。
    かつては修道士が野菜を作った菜園で、その後卸売
    市場になったのを改修してモールを作ったそうです。
     付近には大道芸人やアマチュアミュージシャンが
    多く、眺めているだけでも飽きません。面白いのは、
    「おひねり」をわざと露骨に要求する芸人が多いこと。
    弦楽器のバンドが箱を足でつつき、観客に近付けて
    演奏するのには笑ってしまいました。潔いです(笑)。

  •  そしてナショナル・ギャラリーへ。世界中の名画を<br />無料で楽しむことができます。入った瞬間、鳥肌が<br />立ちました。高い天井の下、静寂の中を名画に囲まれ<br />てこみ上げてくる興奮。クセになりそうです。。<br /> めあては、17世紀のオランダの画家フェルメール。<br />現存する作品30点あまりのうち4点が英国に、更に<br />うち2点がここにあります。「ヴァージナルの前に立つ<br />女」と、「ヴァージナルの前に座る女」。特有の陰影に<br />感じ入りながら鑑賞しました。

     そしてナショナル・ギャラリーへ。世界中の名画を
    無料で楽しむことができます。入った瞬間、鳥肌が
    立ちました。高い天井の下、静寂の中を名画に囲まれ
    てこみ上げてくる興奮。クセになりそうです。。
     めあては、17世紀のオランダの画家フェルメール。
    現存する作品30点あまりのうち4点が英国に、更に
    うち2点がここにあります。「ヴァージナルの前に立つ
    女」と、「ヴァージナルの前に座る女」。特有の陰影に
    感じ入りながら鑑賞しました。

  •  首都の散策を満喫した2日間でした。その締めは、<br />テムズ河の対岸から望むウェストミンスター宮殿の<br />ライトアップ。もはや呆れるほど壮麗です…。7時の<br />大きな鐘の音を聴いてからYHAに戻りました。<br /> あすからは北イングランドへ。ビートルズの故郷、<br />リヴァプールに向かいます。

     首都の散策を満喫した2日間でした。その締めは、
    テムズ河の対岸から望むウェストミンスター宮殿の
    ライトアップ。もはや呆れるほど壮麗です…。7時の
    大きな鐘の音を聴いてからYHAに戻りました。
     あすからは北イングランドへ。ビートルズの故郷、
    リヴァプールに向かいます。

  •  3日目。朝イチでロンドンのユーストン駅から、<br />ヴァージン・レイルウェイの列車に揺られ2時間半。<br />夢にまで見たマージーサイド、リヴァプール。心の<br />バイブル、ビートルズの故郷です―。<br /> ジョンにインスピレーションを与えたストロベリー・<br />フィールドが本当に「永遠なるもの」かを確かめに、<br />ポールが振り仰いだペニー・レインの「郊外の空」を<br />感じに、「地球を横切って」やってきました。<br /> 引用を始めると長いので、このへんで・・・。

     3日目。朝イチでロンドンのユーストン駅から、
    ヴァージン・レイルウェイの列車に揺られ2時間半。
    夢にまで見たマージーサイド、リヴァプール。心の
    バイブル、ビートルズの故郷です―。
     ジョンにインスピレーションを与えたストロベリー・
    フィールドが本当に「永遠なるもの」かを確かめに、
    ポールが振り仰いだペニー・レインの「郊外の空」を
    感じに、「地球を横切って」やってきました。
     引用を始めると長いので、このへんで・・・。

  •  この日のハイライトは、ビートルズゆかりの名所を<br />バスで訪ねるマジカル・ミステリー・ツアーへの<br />参加。宿に荷物を置き、発車まで市内観光です。<br /> まず港にある「アルバート・ドック」へ。煉瓦倉庫<br />をショップなどに改装した複合施設です。土産物屋や<br />カフェ、バーなどはもちろん、現代美術館や、我らが<br />ビートルズの博物館も揃えています。港の雰囲気が<br />物寂しくもあり。ロックの故郷はこうでなくちゃ!

     この日のハイライトは、ビートルズゆかりの名所を
    バスで訪ねるマジカル・ミステリー・ツアーへの
    参加。宿に荷物を置き、発車まで市内観光です。
     まず港にある「アルバート・ドック」へ。煉瓦倉庫
    をショップなどに改装した複合施設です。土産物屋や
    カフェ、バーなどはもちろん、現代美術館や、我らが
    ビートルズの博物館も揃えています。港の雰囲気が
    物寂しくもあり。ロックの故郷はこうでなくちゃ!

  •  ビートルズに気をとられて書き忘れていましたが、<br />リヴァプールは世界遺産都市です。18世紀、中南米と<br />の貿易拠点として大英帝国の繁栄に貢献したためと、<br />悪名高き奴隷貿易の記憶を留めるため、マージー河<br />沿いの地区が2004年、世界遺産に登録されました。<br /> 写真奥に見えるのは街を象徴する景観で、海商都市<br />としての歴史に深くかかわる3つの建造物が連なった<br />もの。「三美神」と呼ばれ、世界遺産登録地区です。

     ビートルズに気をとられて書き忘れていましたが、
    リヴァプールは世界遺産都市です。18世紀、中南米と
    の貿易拠点として大英帝国の繁栄に貢献したためと、
    悪名高き奴隷貿易の記憶を留めるため、マージー河
    沿いの地区が2004年、世界遺産に登録されました。
     写真奥に見えるのは街を象徴する景観で、海商都市
    としての歴史に深くかかわる3つの建造物が連なった
    もの。「三美神」と呼ばれ、世界遺産登録地区です。

  •  そのマージー河。まあ、きったない川ですわ(笑)。<br />貿易港リヴァプールにはいつも、米国の最新の音楽が<br />船乗りによって運ばれてきました。それらが英国の<br />トラディショナルと溶け合って生まれたといわれる<br />のが、リヴァプール発の個性的なポップス、いわゆる<br />「マージー・ビート」です。<br /> この川に乗せられてきたリズムが、若きビートルの<br />拠り所となったのか・・・。ロックを生み出した水運の<br />ほとりに佇み、しばし物思いに耽りました。

     そのマージー河。まあ、きったない川ですわ(笑)。
    貿易港リヴァプールにはいつも、米国の最新の音楽が
    船乗りによって運ばれてきました。それらが英国の
    トラディショナルと溶け合って生まれたといわれる
    のが、リヴァプール発の個性的なポップス、いわゆる
    「マージー・ビート」です。
     この川に乗せられてきたリズムが、若きビートルの
    拠り所となったのか・・・。ロックを生み出した水運の
    ほとりに佇み、しばし物思いに耽りました。

  •  そしていよいよあこがれのマジカル・ミステリー・<br />ツアーに参加。観光案内所に集合すると、30歳過ぎ<br />くらいの伊達男風のガイドの掛け声で出発です。<br /> “Roll up for the Magical Mystery Tour,<br />                   step right this way !”<br />…と、歌詞のまんま(笑)。さすがに気が利いてます。<br /> ところが、バスが来ません。「ミステリーが始まっ<br />ちゃったよ」と苦笑するガイド氏。ツアーは2時間の<br />駆け足なので、じっくり見たい所は再訪すべきです。

     そしていよいよあこがれのマジカル・ミステリー・
    ツアーに参加。観光案内所に集合すると、30歳過ぎ
    くらいの伊達男風のガイドの掛け声で出発です。
     “Roll up for the Magical Mystery Tour,
                  step right this way !”
    …と、歌詞のまんま(笑)。さすがに気が利いてます。
     ところが、バスが来ません。「ミステリーが始まっ
    ちゃったよ」と苦笑するガイド氏。ツアーは2時間の
    駆け足なので、じっくり見たい所は再訪すべきです。

  •  バスは50人近い客を乗せて発進。ガイド氏の話す<br />英語は、ビートルズと同じようなアクセントでした。<br /> 郊外にある4人の生家を見て「ペニー・レイン」へ。<br />住宅街の一角で、歌に出てくる銀行や理容店がある<br />賑やかな通りからは離れた所です。「ストロベリー・<br />フィールド」にも立ち寄りました。ジョンの遊び場<br />だった元孤児院です。そして中心部の「マシュー・<br />ストリート」へ。4人がギグを重ねた「キャヴァーン・<br />クラブ」でカードのお土産をもらっておしまいです。

     バスは50人近い客を乗せて発進。ガイド氏の話す
    英語は、ビートルズと同じようなアクセントでした。
     郊外にある4人の生家を見て「ペニー・レイン」へ。
    住宅街の一角で、歌に出てくる銀行や理容店がある
    賑やかな通りからは離れた所です。「ストロベリー・
    フィールド」にも立ち寄りました。ジョンの遊び場
    だった元孤児院です。そして中心部の「マシュー・
    ストリート」へ。4人がギグを重ねた「キャヴァーン・
    クラブ」でカードのお土産をもらっておしまいです。

  •  キャヴァーン・クラブの向かいの「キャヴァーン・<br />パブ」の壁には、これまでにクラブでギグを行った<br />ミュージシャンの名前が彫られています。ビートルズ<br />は言うに及ばず、ストーンズやフーも、ツェッペリン<br />もクイーンも、U2、オアシス、コールドプレイも。<br /> 壁の中央(写真上)にはビートルズのメンバー。<br />ジョン、ポール、ジョージ、リンゴと、初期ドラマー<br />のピート、同じく元ベーシストのスチュの6人は、<br />ファーストネームのみで記されています。じ〜ん…。

     キャヴァーン・クラブの向かいの「キャヴァーン・
    パブ」の壁には、これまでにクラブでギグを行った
    ミュージシャンの名前が彫られています。ビートルズ
    は言うに及ばず、ストーンズやフーも、ツェッペリン
    もクイーンも、U2、オアシス、コールドプレイも。
     壁の中央(写真上)にはビートルズのメンバー。
    ジョン、ポール、ジョージ、リンゴと、初期ドラマー
    のピート、同じく元ベーシストのスチュの6人は、
    ファーストネームのみで記されています。じ〜ん…。

  •  この時期の英国はサマータイムも終盤。夕方5時を<br />過ぎると、急に暗くなります。写真は先ほど書いた<br />三美神のひとつ「ロイヤル・リヴァー・ビルディング」。<br /> 夕飯はパブでフィッシュ&チップス。店員と客の<br />全員がスキンヘッドでビビり、さらに店員の言葉を<br />聞き取れずにオドオド。「ふぉしゅん・ちょっぷ」<br />言われても…。えらいこっちゃ。

     この時期の英国はサマータイムも終盤。夕方5時を
    過ぎると、急に暗くなります。写真は先ほど書いた
    三美神のひとつ「ロイヤル・リヴァー・ビルディング」。
     夕飯はパブでフィッシュ&チップス。店員と客の
    全員がスキンヘッドでビビり、さらに店員の言葉を
    聞き取れずにオドオド。「ふぉしゅん・ちょっぷ」
    言われても…。えらいこっちゃ。

  •  4日目。リヴァプールでの宿泊もYHAでした。<br />駅からは少し離れていて、アルバート・ドックの近く。<br />99年のオープンで新しく、清潔です。<br /> 同室になったポーランド人の労働者と坊ちゃん風の<br />ブラジル人青年と仲良くなり、W杯談義で盛り上がり<br />ました。「リヴァプールではバスのことをブスって発音<br />するけど、日本人の女の子には言っちゃだめ」などと、<br />会話はやっぱり男子校的。YHAの醍醐味が分かって<br />きた…かな?

     4日目。リヴァプールでの宿泊もYHAでした。
    駅からは少し離れていて、アルバート・ドックの近く。
    99年のオープンで新しく、清潔です。
     同室になったポーランド人の労働者と坊ちゃん風の
    ブラジル人青年と仲良くなり、W杯談義で盛り上がり
    ました。「リヴァプールではバスのことをブスって発音
    するけど、日本人の女の子には言っちゃだめ」などと、
    会話はやっぱり男子校的。YHAの醍醐味が分かって
    きた…かな?

  •  この日の最初は、リヴァプール大聖堂。住宅地の<br />中にどーんと聳える威容です。完成したのは1974年。<br />中央のタワーはなんと地上101mで、英国で一番高い<br />大聖堂だそうです。その巨大さには畏怖がこみ上げ<br />ました。ウェストミンスター大聖堂のような壮麗さ<br />ではなく、ひたすら大きさを追求したみたいでした。<br /> エレベーターと階段で「英国の天井」に上がると、<br />リヴァプール全域はもちろん、ウェールズまで見渡す<br />ことができました。

     この日の最初は、リヴァプール大聖堂。住宅地の
    中にどーんと聳える威容です。完成したのは1974年。
    中央のタワーはなんと地上101mで、英国で一番高い
    大聖堂だそうです。その巨大さには畏怖がこみ上げ
    ました。ウェストミンスター大聖堂のような壮麗さ
    ではなく、ひたすら大きさを追求したみたいでした。
     エレベーターと階段で「英国の天井」に上がると、
    リヴァプール全域はもちろん、ウェールズまで見渡す
    ことができました。

  •  大聖堂から見渡した港周辺です。左にアルバート・<br />ドック、右には三美神が見え、その奥がマージー河<br />です。新人のビートルズはきっとここから修行の地、<br />ドイツ・ハンブルクに旅立ったんですね・・・。<br /> 大きなクレーンが見えますが、この時は町じゅう<br />工事中でした。2008年の欧州文化都市に決まり、街を<br />大改装しているのだそうです。工事現場の貼り紙に<br />よると、その名も「パラダイス・プロジェクト」。<br />なんと華麗にして淫靡なネーミングでしょう…。

     大聖堂から見渡した港周辺です。左にアルバート・
    ドック、右には三美神が見え、その奥がマージー河
    です。新人のビートルズはきっとここから修行の地、
    ドイツ・ハンブルクに旅立ったんですね・・・。
     大きなクレーンが見えますが、この時は町じゅう
    工事中でした。2008年の欧州文化都市に決まり、街を
    大改装しているのだそうです。工事現場の貼り紙に
    よると、その名も「パラダイス・プロジェクト」。
    なんと華麗にして淫靡なネーミングでしょう…。

  •  再びアルバート・ドックへ。ビートルズの博物館、<br />「ザ・ビートルズ・ストーリー」です。誕生から解散<br />までの年代ごとに展示を見ていきます。ハンブルクの<br />路地裏やキャヴァーン・クラブのステージ、「ペパー」<br />のジャケット写真の撮影現場などなど、4人の活躍の<br />舞台が再現されていて、彼らの生きた世界を疑似体験<br />できる感じです。日本語のオーディオ・ガイドを聴き<br />ながら、何度か感極まって泣きそうになりました…。

     再びアルバート・ドックへ。ビートルズの博物館、
    「ザ・ビートルズ・ストーリー」です。誕生から解散
    までの年代ごとに展示を見ていきます。ハンブルクの
    路地裏やキャヴァーン・クラブのステージ、「ペパー」
    のジャケット写真の撮影現場などなど、4人の活躍の
    舞台が再現されていて、彼らの生きた世界を疑似体験
    できる感じです。日本語のオーディオ・ガイドを聴き
    ながら、何度か感極まって泣きそうになりました…。

  •  陽が傾きだす頃、前日のツアーではゆっくり見られ<br />なかったストロベリー・フィールドを再訪しました。<br />ジョンが少年時代を送った住宅街の、緩やかな坂道の<br />途中に門があります。その佇まいはマジカルでも<br />ミステリアスでもなく、昔からある場所として当たり<br />前のように横たわっていました。寺院や聖堂みたいな<br />存在感ではなく、穏やかで霊的な空気がありました。<br /> 孤児院としては05年に閉鎖され、修道施設として<br />再オープンしました。「フォーエバー」と祈ります。

     陽が傾きだす頃、前日のツアーではゆっくり見られ
    なかったストロベリー・フィールドを再訪しました。
    ジョンが少年時代を送った住宅街の、緩やかな坂道の
    途中に門があります。その佇まいはマジカルでも
    ミステリアスでもなく、昔からある場所として当たり
    前のように横たわっていました。寺院や聖堂みたいな
    存在感ではなく、穏やかで霊的な空気がありました。
     孤児院としては05年に閉鎖され、修道施設として
    再オープンしました。「フォーエバー」と祈ります。

  •  夜は再びマシュー・ストリート。「キャヴァーン・<br />パブ」でサイダー(林檎酒)を飲み、リヴァプール<br />最後の夜を惜しみました。<br /> パブの壁にはジョンの像。右の柱のマークは、街の<br />象徴で「リーヴェル・バード」という鳥です。両者が<br />並んでいるのを見て、ビートルズは街の歴史なんだと<br />実感しました。かつて英国は世界を制しましたが、<br />人の心まで奪うことはできなかったと思います。でも<br />4人は世界を虜にしました。それがビートルズです。

     夜は再びマシュー・ストリート。「キャヴァーン・
    パブ」でサイダー(林檎酒)を飲み、リヴァプール
    最後の夜を惜しみました。
     パブの壁にはジョンの像。右の柱のマークは、街の
    象徴で「リーヴェル・バード」という鳥です。両者が
    並んでいるのを見て、ビートルズは街の歴史なんだと
    実感しました。かつて英国は世界を制しましたが、
    人の心まで奪うことはできなかったと思います。でも
    4人は世界を虜にしました。それがビートルズです。

  •  5日目。朝一番の列車でリヴァプールを発ち、イン<br />グランド北部、ヨークシャー地方の村、ハワースを<br />訪ねました。小説「嵐が丘」の作者エミリー・ブロンテ<br />の故郷で、作品のモデルともなった場所です。<br /> 男女のすさまじい愛憎が飛び交う、昼ドラの母と<br />でもいうべき(笑)ベストセラーの舞台はどんな所か。<br />英国の田舎らしい田園風景の中を歩き、原野に風の<br />吹きすさぶ作品の世界を感じてみたいと思いました。<br />その思いは、後でこってり味わうことになりました。

     5日目。朝一番の列車でリヴァプールを発ち、イン
    グランド北部、ヨークシャー地方の村、ハワースを
    訪ねました。小説「嵐が丘」の作者エミリー・ブロンテ
    の故郷で、作品のモデルともなった場所です。
     男女のすさまじい愛憎が飛び交う、昼ドラの母と
    でもいうべき(笑)ベストセラーの舞台はどんな所か。
    英国の田舎らしい田園風景の中を歩き、原野に風の
    吹きすさぶ作品の世界を感じてみたいと思いました。
    その思いは、後でこってり味わうことになりました。

  •  貴族の邸宅を改装したYHAに荷物を預け、村の<br />中心部まで散歩。起伏の多い牧草地の道を行くと、<br />坂道に石畳を敷いた中心部に出ます。15分もあれば<br />歩ける広さですが、B&Bや雑貨屋の作る街並みは<br />可愛らしく、時間をかけて見ても飽きませんでした。<br /> 店先には花が飾られ、石作りの建物の色調に彩りを<br />添えます。ブロンテ一家も通った教会などを見て、<br />いよいよ物語のモデルになったムーアと呼ばれる荒野<br />に向かいます。

     貴族の邸宅を改装したYHAに荷物を預け、村の
    中心部まで散歩。起伏の多い牧草地の道を行くと、
    坂道に石畳を敷いた中心部に出ます。15分もあれば
    歩ける広さですが、B&Bや雑貨屋の作る街並みは
    可愛らしく、時間をかけて見ても飽きませんでした。
     店先には花が飾られ、石作りの建物の色調に彩りを
    添えます。ブロンテ一家も通った教会などを見て、
    いよいよ物語のモデルになったムーアと呼ばれる荒野
    に向かいます。

  •  雨が心配な空模様でしたが、午後、ついに本格的<br />に降り出しました。でも荒れてこそ「嵐が丘」だよな、<br />などという考えもあったので、以前、屋久島の豪雨の<br />中を歩いた時のトレッキング装備を揃えていました。<br /> 上下別のレインコートを着こみ、バックパックに<br />雨よけカバーを装着。どこの山だよ?ってな格好で、<br />教会の裏手からムーアへ通じる散策路に入りました。<br /> 物語の舞台といわれる「トップ・ウィズンズ」と<br />いう場所までは、往復5時間かかるとのことでした。

     雨が心配な空模様でしたが、午後、ついに本格的
    に降り出しました。でも荒れてこそ「嵐が丘」だよな、
    などという考えもあったので、以前、屋久島の豪雨の
    中を歩いた時のトレッキング装備を揃えていました。
     上下別のレインコートを着こみ、バックパックに
    雨よけカバーを装着。どこの山だよ?ってな格好で、
    教会の裏手からムーアへ通じる散策路に入りました。
     物語の舞台といわれる「トップ・ウィズンズ」と
    いう場所までは、往復5時間かかるとのことでした。

  •  英国では、ウォーキングは身近なレジャーだそう<br />です。「パブリック・フットパス」という散策路が<br />全国に整備されていて、時には私有地の中をも通り<br />抜けながら歩くことができます。今回歩く道もそう。<br />地元の愛好家に混じって散策を楽しみ、英国ならでは<br />の思い出にしようと計画していました。<br /> ところが雨は強風を伴って勢いを増し、いよいよ<br />「嵐が丘」の様相に。てくてく歩いている人なんて<br />ほとんどなく、孤独な散歩になってしまいました…。

     英国では、ウォーキングは身近なレジャーだそう
    です。「パブリック・フットパス」という散策路が
    全国に整備されていて、時には私有地の中をも通り
    抜けながら歩くことができます。今回歩く道もそう。
    地元の愛好家に混じって散策を楽しみ、英国ならでは
    の思い出にしようと計画していました。
     ところが雨は強風を伴って勢いを増し、いよいよ
    「嵐が丘」の様相に。てくてく歩いている人なんて
    ほとんどなく、孤独な散歩になってしまいました…。

  •  市街地を抜けると、「ペニストン・ヒル」という<br />荒野に出ます。大地を覆っている茶色いものは、英国<br />の高緯度地域でよく群生が見られるヒース(ヘザー)<br />という植物です。「嵐が丘」の主人公ヒースクリフは<br />「ヒースの崖」と訳せるので、物語の世界に似つかわ<br />しい光景といえるのではないでしょうか。<br /> 冬枯れのような色合いのせいで、遠目には奇怪な<br />岩肌が露出しているようにも見えます。ふいに、異国<br />を歩いている実感と孤独感がこみ上げてしました。

     市街地を抜けると、「ペニストン・ヒル」という
    荒野に出ます。大地を覆っている茶色いものは、英国
    の高緯度地域でよく群生が見られるヒース(ヘザー)
    という植物です。「嵐が丘」の主人公ヒースクリフは
    「ヒースの崖」と訳せるので、物語の世界に似つかわ
    しい光景といえるのではないでしょうか。
     冬枯れのような色合いのせいで、遠目には奇怪な
    岩肌が露出しているようにも見えます。ふいに、異国
    を歩いている実感と孤独感がこみ上げてしました。

  •  ヒースの野を抜けると、延々と牧草地。ヒツジが<br />放牧されていて、フットパスの近くを歩いています。<br /> おかしなもので、牧草地に家畜という取り合わせは<br />自然とはまるで逆の人工的な景観なのに、草は青く、<br />動物があまりにいきいきとしているため、つい自然<br />だと錯覚してしまいます。いずれにせよ都市から来た<br />身には、雨を差し引いても余るようなのどかさが心地<br />良かったです。

     ヒースの野を抜けると、延々と牧草地。ヒツジが
    放牧されていて、フットパスの近くを歩いています。
     おかしなもので、牧草地に家畜という取り合わせは
    自然とはまるで逆の人工的な景観なのに、草は青く、
    動物があまりにいきいきとしているため、つい自然
    だと錯覚してしまいます。いずれにせよ都市から来た
    身には、雨を差し引いても余るようなのどかさが心地
    良かったです。

  •  丘を越えた先には、廃墟が広がっていました。<br />「トップ・ウィズンズ」です。風は雨を叩きつけて<br />くるほど強く、霧まで出てきました。「嵐が丘」です。<br /> ロマンチックな感慨とは程遠い無の世界でした。<br />荒れるに任せた遺構の存在が、今は何もないという<br />感覚を際立たせました。街に戻ったのは3時間後。<br />歩いたと話すと、土産物屋の店主が驚いていました。<br /> イングランドの旅はここまで。翌朝から、いよいよ<br />スコットランドに向かいます。<br />                     (後編につづく)

     丘を越えた先には、廃墟が広がっていました。
    「トップ・ウィズンズ」です。風は雨を叩きつけて
    くるほど強く、霧まで出てきました。「嵐が丘」です。
     ロマンチックな感慨とは程遠い無の世界でした。
    荒れるに任せた遺構の存在が、今は何もないという
    感覚を際立たせました。街に戻ったのは3時間後。
    歩いたと話すと、土産物屋の店主が驚いていました。
     イングランドの旅はここまで。翌朝から、いよいよ
    スコットランドに向かいます。
                         (後編につづく)

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