2007/08/09 - 2007/08/13
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フーテンの若さんさん
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カンボジアに入ってからの道は、舗装されていない悪路へと一変した。
ガタン、ゴトン、バコン。
噂には聞いていたけど、想像以上にこりゃ酷い。道路は砂利で穴ボコだらけ。もちろん信号も車線も道路規制もありゃしない。おまけに雨季で泥るんでいるため、後輪が時おりスリップする。
ガタン、ゴトン、バコン。
それでも、年代物のトヨタカリーナはスピードを一切緩めようとはしなかったから、車内は当然エライことだった。頭はガンガン天井に打ちつけるし、スプリングの利かない座席でケツはメタメタに痛い。これはもはや僕が知っているクルマの乗り心地ではない。まるでラクダか象とかの大型動物並みだ。
ガタン、ゴトン、バコン。
猛スピードで対向車が接近してきた。カリーナの運転車は焦ることなく、クラクションを鳴らしながらかわして行く。スリル満点という意味では遊園地のアトラクションのノリにも近い。
ガタン、ゴトン、バコン。
いつの間にか車窓の風景も変わっていた。何もない田んぼがただひたすら続いている。その上を黒い雲が不気味に覆っていた。
ガタン、ゴトン、バコン。
こりゃ来るなと思ったと同時に、激しく雨が降り始めてきた。目の前のスクーターバイクは、透明のビニル合羽を羽織って、雨に負けじと走っている。容赦なく激しいクラクションでスクーターを追い立てるカリーナの運転手。横をかすめるようにカリーナはびゅんとものすごいスピードで抜い抜いていった。
瞬間、立ち止まったスクーターの姿が見えた。旦那が運転し、後ろに奥さん、そして間を挟むようにして二人の小さな子供たちが乗っていた。間違いなく家族であろう。「ここは懐かしいアジアなのだ」。彼ら家族の逞しい姿を見て、現代のバンコクでは感じられかったその事実を、僕は突然思い出したのだった。
ガタン、ゴトン、バコン。
バラックの掘っ立て小屋が建ち並ぶ、ちょっとした村らしきものが目に入った。ペットボトルでガソリンを販売する屋台がぽつぽつある。田植え作業の終わりらしき自転車の農民集団がカリーナに追い越されていく。対抗には溢れんばかりに人が乗った乗り合いトラック。子供たちが道路脇で恐れることなく伸び伸び遊んでいる。やせ細った犬たちが道路を横切って轢かれそうになる。
ガタン、ゴトン、バコン。
通りの子供たちと目が合った。千切れんばかりに手を振るので僕も返す。すると、周りにいた大人たち、さらには近くにいた警官までみんな手を振ってくれるではないか。みな純粋な温かい笑顔で僕たちを見ている。
この道のりには間違いなく田舎の原風景がある。昭和初期の日本はこんなんだったんではなかろうか。歴史遺産のアンコールワットへと続く道には、昔から変わらないであろう風景と人々が今もなおずっと残っているのだ。
ガタン、ゴトン、バコン。
僕らにとってこの道は在り得ないものだが、この周りの人たちとってこの道はいつもの日常なのだ。懐かしい昔にタイプスリップするためには避けて通れないこの道。もしかして、この揺れはこんな道を忘れてしまった現代人のみが感じるギャップなのかもしれない。
とにかく震度5レベルの激しい立て揺れは、僕にはまだまだ続きそうだ。
ガタン、ゴトン、バコン。
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カンボジア・シェムリアップにあるアンコールトムの遺跡はとても混雑しています。
遠く離れたカンボジアの遺跡内でも日本のお盆休みと無関係ではありません。お盆になれば日本人の観光客はいつも以上にたくさん訪れるからです。
お盆休みで疲れをとるはずが、また疲れにきている。それでも休みを取って来てしまいます。これ悲しい日本人の性なのですね。
人は多いですけど、アンコールトムの素晴らしい装飾見て、リラックスして欲しいと思います。仕事で疲れた心を必ずリフレッシュしてくれるはずです。
えっ、あなたはお盆休みで来たのではない??たまたまこの時期に偶然、来ただけですか。
あなたは日本で何をしているのですか。
えっ、何も仕事してイナイ??
何もしてイナイのに旅行している。あなたはお金持ちですね。とても羨ましいです。
えっ、お金がもうナイ??
それ、嘘です。お金いっぱい持っています。たくさんの日本人はお金いっぱい持って来ています。
えっ、本当の本当にお金がもうナイ???
仕事ないのにお盆に来る。お金ないのに旅行する。ワタシの日本語がマダマダだからよく意味がわからない。
やはり日本語難しいです。これからも日本語勉強しないといけないです。これからもワタシ頑張ってガイド続けます〜。
だからチップお願いしますね。
お金がナイというのはもう通用しませんよ! -
シェムリアップから北東へ60キロにあるベンメリア寺院。「天空の城ラピュタ」のイメージに似ていると口コミで噂が広がった人気遺跡だ。
台風の影響で原型の想像がつかないほど、寺院そのものは徹底的に破壊されていた。遺跡というよりも廃墟という表現が相応しい。蔓草が至るところに絡みつき、建物のなかを巨木が背を伸ばして大きな根を生やしている。そして、崩壊した屋根の石には苔が生えまくっていた。
シェムリアップから距離が離れているからだろう。訪れる観光客もアンコールワットに比べると全然少なく、とても静かに鑑賞することができた。緑と静寂の世界。緑と廃墟が自然と混ざり合う姿は神秘的であった。ジャングルのなか、迷路のような廃墟をあちこち歩いていると、この空間だけ古代からずっと時間が止まってしまったかのような印象を受ける。なるほど確かにここは「天空の城ラピュタ」に出てきそうな風景かもしれない。
30分ほどあちこち歩き回っただろうか。あー、そろそろ腹減ってきたよ。そういえば、苔が生い茂る石群は、抹茶の生チョコを思い起こさせる。だから、さっきから生唾が止まんないんだっ。気が付けばもうお昼の時間。ランチを食べるためにそろそろ戻ろうか〜。
腹が減って、現世に戻る。時間が再び動き出すのはあっさり早かった。 -
ガイドのソヴァさんは日本語がとってもお上手。僕らの横にピッタリくっ付いて、アンコールワットについて事細かに説明してくれるのであった。
とはいっても、やはりイントネーションそのものは日本人と異なるため、文章の意味を理解するのに疲れを感じずにはいられない。また、説明の内容自体もカンボジアの古い歴史や装飾に描かれた物語など真面目な話ばかりだったので、ウンチクにそれほど興味のない僕は10分も経たないうちにガイドの案内に飽き飽きしてしまっていた。
しばらく経って、ガイドのソヴァさんと少し距離を置き、別行動を取った(なら最初からガイドツアーなどに参加するなと思われるかもしれないが、自分でもそう思う)。僕は、一人で行動する旅のスタイルなので、ガイドのペースに合わせるのがちょっとシンドイのだ。
しかし、一つだけ気になることがあって、どうしてもガイドさんに確認したいことがあった。それは「何故にしてアンコールワットの女体像の乳は黒いのか?」という疑問である。
アンコールワット内にある装飾の女体像の乳はなぜか本当に黒いのだ。それは、まるで黒いブラジャーを着けているかのようにも見えないでもない。こんな僕の奇問に、ガイドのソヴァさんはどんな答えを返してくれるのだろう・・・。
気になって我慢できずに、ソヴァさんに聞きに行った。女体像を指差しながら、僕は興奮して聞く。「な、な、なぜなんですか?ソヴァさん」 -
ソヴァさんはちょっとだけニヤケタ顔になって、「それはですね、いっぱいオトコの人に揉まれたからです。オッパイは揉むと、とっても黒くなりますです。はい」と期待通りの面白い答えを返してくれた。
「ほ、本当ですか?ソヴァさん!黒くなるんですか!!」
久しぶりに興奮した僕は、話をさらに引っ張ろうとして絡んだ。ところが、ソヴァさんはもう元のガイドの顔に戻っている。
「それでは先にいきましょう」
何事もなかったかのように、ソヴァさん以下ツアーのみんなもゾロゾロ歩いて行く。
「ソヴァさん、ソヴァさんの彼女のオッパイはいったいどうなんですか?ちょっと聞いています?ソヴァさんってば・・・」
梨本レポーターのようにしつこく質問を浴びせる僕の問いには答えずに、先に進んでいくソヴァさん。そういえば修学旅行のときに必ずいたよなー。ガイドさんにしょーもない質問をして困らせるお調子者が。
そんなことを思い出しながら、ひとり残って女体像の乳の写真を撮りまくっているとツアーのみんなの姿はまったく見えなくなっていた。
ち、ちょっと待ってくださいよ。僕を置いてかないでくださいよ!ソヴァさん、ソヴァさんったらどこですかーーー!そういえばいたよな、修学旅行で逸れる集団行動できないヒネクレ者が。 -
再び陸路でバンコクへ戻る。あの激しいアップダウンの凸凹道をまた経験しなければならないと思うとウンザリだ。でも、国境を越えるには、避けては通れない道だから仕方がない。覚悟を決めてオンボロバスにいざ乗り込んだ。
このツアーで一緒になったKさんが隣の席に座った。
Kさんは元々医者をしていたという、旅行者では珍しい経歴を持っていた。まだ今年30歳と若いのに、アジアの他にも世界中様々な場所へ訪れている根っからの旅行好きだった。
Kさんは今とても悩んでいることがあるという。それは今の彼女と結婚するかどうかということ。相手の彼女は、Kさんよりも年上で、そろそろ世間体も気になる年頃らしい。
「何とかしてあげないといけないと思う反面、それが愛なのか情なのかはっきりまだ確信がもてないんですよ。だから悩んでいるんです」
相手の彼女は田舎に住んでいる。もし将来に離婚とかの問題が起これば、大変なことになる。彼女の両親の将来のことも考える必要があるだろう。Kさんは長男だから、実家を継いでいく責任もある。色々踏まえた上で、次の仕事をどうするかも考えていかなくてはならない。
仕事、結婚、家族、老後。
30歳前後になると、誰でも当たり前のように悩む疑問をKさんは今回のアジアの旅で、そしてカンボジアからタイへの国境を越えるバスの中で、深く真剣に悩んでいるのであった。Kさんは結婚は人生の分岐路だという。
僕は人生の先輩ではあるが、未婚のため適切なアドバイスはできない(こういう問題は僕の一番苦手なケースなのだ。ああ悲しき30半ばの独身バックパッカー)。だから、Kさんの話を黙って頷き、ずっと聞き入っていた。
ふと窓の景色を眺めると、道沿いに住んでいるカンボジア人家族の姿が目に入った。
バラックのような家は外から丸見えで、お婆ちゃんに気持ちよさそうに耳掻きしてもらっているお父さんの姿があった。ハンモックに揺られ、うたた寝している奥さん。周りにいる子供たちは泥だらけになって元気に遊んでいる。
ふと思った。カンボジア人たちは、「仕事、結婚、家族、老後」といったことで日本人のように深く悩むことがあるのだろうかと。
ついこの間まで内戦をしていた彼らにとって、今の平和はとてつもなく有難いものと思っているのではなかろうか。どうなるかわからない遠い将来のことより目先の幸せ。今が幸福であればいいじゃないの。未来を考えることよりも、目の前にある幸せを掴み取っていくことの方が大事なのよ。
そんな印象をカンボジアの人たちからは受ける。彼らの無邪気な飛びっきりの笑顔がそう言っているような気がするのだ。
カンボジア人たちと比較すると、日本人はいつからこんなに頭デッカチになってしまったのだろう。世間体やら周りの評判やらを気にして、見えない将来の紐に縛られて。彼らのように目先の幸せを掴むだけの毎日を過ごせたらどんなに楽しいだろうかと思う。
凸凹道は延々に続くと思われるぐらい、国境のゲートはまだまだ見えてこなかった。
人生も同じで、これから至る所に凸凹があるのかもしれない。長い先の道のことはわからない。だから、そのとき一番いいと思える道を選んで進むしかない。今できること、今思うことを素直にやろう。道のりも人生もたぶんそんなもんなのさ。
カンボジアはそんなことを最後に教えてくれたような気がする。
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