太陽にほえレナイ＠カイロ

2007/07/13 - 2007/07/13

暑い、暑い、暑い。７月のカイロはとにかく暑いのだ。

　日中の気温は３５°を優に超えていて、まるでサウナ風呂に入っているような蒸し暑さ。１分経たぬうちにじわっと背中が汗ばんできて、日の当る所に立ち止まってなどいられない。サングラスをしていても、眩しく感じる太陽の光。カラッと乾燥しているので、喉はいつもカラカラになる。そのため、片時も水は手放せない。それでもオシッコがほとんど出ないのは、汗によって大量の水分発散が行われているからだろう。

　よく「太陽を間近に感じる」なんていうけれど、「間近」なんて悠長なものではなく、数キロ先に太陽が「迫っている」ほどの威圧感を受ける。太陽の威力とはこれほど凄まじいものなのか。太陽の前では人間なんて小さな生き物なのだろう。そう思わせるほど、初めて受けるカイロの太陽は凄まじいものであった。

　なので太陽の力が増す午後にもなると、３０分も出歩くことなんてデキナかった。宿や茶店でまずは休憩が必要だ。水浴びをして火照った体を冷やし、生ジュースかビールなんかを飲んで、とりあえず一服する。その後、雑誌や漫画を読んだり、駄弁ったりして心を落ち着かせ、夕方になってまたシャワーを浴びてサッパリする。また汗をかかぬよう、できるだけ近所で夕飯を済ませ、速やかに寝る。夜になれば、気温は少しは下がるので寝付けなくはないのだ。そして目が覚めると、あららすっかりいい時間になっている。

　こうした怠惰な生活を繰り返し、気が付くと既に３日が過ぎていた。















　「北風と太陽」の勝負では、太陽が最後に勝利した。カイロに来て、そりゃ太陽の方が強いわと改めて思う。だって人をこれだけ無気力にさせるんだもの。観光に行く気力、美味しいものを食べに行こうという気力、ショッピングをして楽しむ気力、何よりも次の目的地へ移動する気力を全て失わせるのだ。カイロに沈没者（長期滞在すること）が多いことと、カイロの太陽力が強いことは因果関係があるに違いない。カイロに灼熱の太陽がある限り、僕ら旅人は裸同然となり、何もすることはできなくなってしまうのだ。

　それは文書を書くという作業とて例外ではない。これまで不定期ながらも随時更新してきた、このブログを・書く意欲・すら・無くなって・きた・ようだ。と・いう・こと・で・しばらく・この日記・を・お休み・する・ことに・な・る・予定・か・も。

　僕・だって・続け・たい。しかし、あーたまが・まっーたく・はたらか・なーい・の・です。こ・れ・が・ふ・か・こう・りょく・といーう・もの・なーの・だな。

　えじぷと・の・たいようねつ・は・のうをー・ふっとう・させーる・ほど・とーにかく・あつーいのだあ・ーー・あーー・あーー。あー・ーーーーー・・・

エリア カイロ(エジプト)

イースター島で５ヶ月前に知り合ったＩさんとカイロで再会した。

　彼はサファリホテル、僕はスルタンホテルというお互い日本人の溜まり場宿に泊まっていたのだが、そこは同じビルの階違いにあった。ある日、彼が僕の宿にメッセージカードを残してくれて、それでめでたく再会することができたのだった。

Ｉさんは、僕と同じくワン・ワールド周遊券を持って、東回りで世界一周の旅をしている。今や大人気のワン・ワールドの世界周遊チケット。このチケットを使っている旅行者同士は、かなり高い確率で出会うことが出来る。航空ルートが限られているので、予期せぬ場所で再会することが往々にしてよくあるのだ。

　ワン・ワールド旅行者にも２パターンあって、会社を辞めて１年オープンをフルに利用する人と卒業旅行目的のように短期で利用する人とで、はっきりタイプが分かれていた（Ｉさんも僕ももちろん前者のタイプ）。

　先月、僕がパリで再会したＹさんもワン・ワールド旅行者。実は、ＩさんとＹさんは大学時代の先輩・後輩の間柄。最初、ＩさんとＹさんは南米まで一緒に旅していたのだが、途中で別れて今は別々のルートで旅しているという。しかし、途中の中米や北米の所々では再会していたようだ。ルートを同じにせず、旅のノリでくっ付いたり、離れたりするというのはとても面白い。それも世界を股に架けての再会なのだから、何ともスケールが大きい話だ。　

　彼ら二人がまた海外で再会することはあるのだろうか。それとも帰国後に日本で再会することになるのだろうか。そして、僕は彼らのどちらかとまた再会することになるのだろうか。こうした再会を楽しむ旅も、ワン・ワールド周遊チケットを利用する醍醐味の一つだろう。

　

ちなみに僕は、彼らより半年早く海外に出たのにまだエジプトにいる。ワン・ワールド周遊チケットの有効期限は丸１年。あと１０日ぐらいで僕のチケットの期限は切れてしまうのだ！期限は守れずとも、少なくとも彼らより早く帰国しなくては！！

　と焦る思いとは裏腹に、僕らはまだカイロのスルタンホテルでダランと寝転がっているのであった。