2007/07/10 - 2007/07/10
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フーテンの若さんさん
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ローマでもサーフィンできるらしい。
という不確かな情報を複数の人たちから聞いていた。モロッコ以来、ここ2ヶ月サーフィンはずっとご無沙汰している。体が「久しぶりに波乗りしたいぞ〜」とウズウズしているのがわかる。とにかく現地に行って確かめてみようではないか。そう考え、テルミニ駅から電車で1時間掛けて「サンタ・マリネーラ」というビーチに向かった。もちろんS君を伴ってである。
期待した「サンタ・マリネーラ」の波は、これっぽっちもなかった。さらに、夏の湘南のようにパラソルとチェアが立ち並び、狭いビーチは足の踏み場もない状態でぎっしり埋め尽くされていた。しかも、家族連れやでっぷりした老人ばかりが、ゴロンとトドのように転がっている。「若いトップレス女性がいるかもよ」という殺し文句でS君を連れてきただけに、見るからに彼は機嫌が悪そうだ。こりゃ、あかん。
「とにかく南下してもっといい、隠れ家チックなビーチを歩いて探そう」
という戦略を僕は打ち出した。反対する理由のないS君はすぐに同意する。こうして僕らは海岸線に沿って理想のビーチを探し求める旅に出たのだった。
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この辺はほとんどプライベートビーチで、勝手に入ろうとするとダメダメと断られたり、パラソルやチェアを借りるお金が必要らしかった。歩けど探せど、どこのビーチも似たり寄ったりで、ほとんど代わり映えがしない。肝心の波は、膝どころか踝サイズもなく、スーパーフラットな状態。こりゃ、今日はサーフィンは無理だ。「とにかくビーチでまったり時間を過ごす」という方針に転換することにした。
歩き始めて1時間30分。もう暑くて我慢できんという理由で適当なビーチに飛び込んだ。海水は意外と冷たく、水はそれほど綺麗ではなかった。若い女性はいるのだが、全員カップルで白昼堂々とチューしていた。パンチラ王のS君は、カップルのイヤらしい行為にはまったく興味がないもよう。1時間ほど体を焼いた後はやることもなく、そのビーチをとっとと去ることにした。
さあ、もう帰ろうか。かなり駅から歩いたので、次の駅「サンタ・セヴェーラ」まで歩いてしまおう。おそらくそれほど離れていないはずだ。そう思って、そのまま更に海岸線を南下して歩いていく。歩道などなく車道の脇を歩くので、スレスレに車が横切っていく。途中にバンザイビーチ(BANZAI)というサーフィン大会が行われるというビーチにも寄ってみるが、ここにも波はなかった。
歩く、歩く、歩く。照りつける太陽はひたすら暑い。上半身裸になって黙々と歩いた。お喋りなS君を黙らさせるほど、僕らは体力を消耗し切っていた。もはや二人に会話はない。歩くのを止めて、早くお家でガリガリ君アイスをほうばりたい。
歩き始めて計5時間近く。しかし、さっぱり駅らしきものが見えてこない。さすがに不安に思い始めて、周りの人に駅の場所を尋ねてみるのだが、みんな言うことがバラバラで当てにはならない。なかには来た道を5キロ戻れという奴までいて、僕らは路頭に迷っていった。
もう足の筋肉は限界で、これ以上歩けそうにない。今日は日曜日だからローマまでの終電の時間が早かったはず。どうしようか?車をヒッチするしかないかもしれない。それとも降りた駅に戻る方が賢明だろうか。僕は途方に暮れて考えていた。戻るべきか、このまま進むべきか・・・。うん?あの先にバス停らしきものがみえるぞ。
「サイは投げられた!あのバスで帰ろう!!」
こうして、ようやく僕らはローマへ向かうバスに乗ることができた。何行きに乗ればよいのかなんてわからなかったけど、南に向かうバスはとにかくローマに行くだろう。そう、「全ての道はローマに通ず」のはずなのだ。波についてはまた今度来たときに行こうと思う。「ローマ(の波)は一日してならず」ぢゃもんね。
バスの中でS君はほとんど無言だった。今日一日、僕に振り回されたS君に裏切られ、カエサルのように「オマエもか・・・」と僕が最後に言ったか、言わなかったかは定かではない。
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