2006/10 - 2006/10
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shikiさん
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事の始まりはこの日から遡ること3年前。青春18きっぷのぶらぶら旅行で只見線に乗っていたら、それまで晴天の下を走っていたのにいきなり薄暗い駅に到着。途中下車してみたくて仕方なかったのだが、只見線は一日四本しか走っていないこともあり、スケジュールの都合でやむなく断念。
そしてこの日、次の只見駅付近の民宿を予約してあったので、満を持して田子倉駅で下車。去り行く車両の最後部から首を出した車掌がずっとこっちを見ている。あ、お前今薄く笑っただろ。
只見の宿までは徒歩。とは言っても僅か一駅分だし下りだし、のんびりお散歩気分で出発したのが大間違いであった。
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ホームから出口へ向かう階段を上り、外へ出て振り向いてパチリ、って何だこれ。
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どう見ても体育倉庫である。
「駅ってなんだろう」と考えずにはいられない。 -
天気は芳しくないものの、雨が降る雲ではないのでひとまず安心。
さすがに景色は良い。これで景色まで悪かったら飛び降りているとことである。 -
しばらく歩くと駅の全貌が見える。
あとから聞いた話だと、ここらは豪雪地帯で、冬季は道路が閉鎖されるそうである。 -
スノーシェード(これも後で知った)の下を歩く。スノーシェードの柱が車の崖からの落下を防いでいるためか、ガードレールなどない。うっかり足でも滑らせようものなら、死亡さえ確認されずにこの世から存在が抹消されること請け合い。
てゆーかここ、歩行者がいるなんてまるっきり想定していないみたいですね。 -
目的地の只見方面を撮ったもの。
歩行者にとっては結構絶望的な風景である。 -
途中にある田子倉ダム。ここまでですでに1時間は歩いている。なかなか立派なダムだ。
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ダムから目的地方面を望む。自分は、大自然の中に忽然と浮かび上がる土木建築物、という画が大好物の変態であるからしてこの景色には感動した。
只見は写真左上のあたり。絶望的風景その2。 -
ダムの土産物屋でなぜかブルーベリー酢なるものを購入し、すっかり荷物が重くなったところで気を取り直してお散歩再開。
田子倉から只見まで、このようなトンネルをいくつか通り抜ける必要があった。これが道中もっとも恐ろしく危険な地帯である。トンネル内に照明を設置する必要がない程度で、一つ一つはさほど長くないのだが、それはあくまで車でのお話。徒歩だと長い長い。
出口の光が点となって見えるものの、周囲は真っ暗なのですぐに自分がどこにいるのかわからなくなり、車とすれ違う際に壁にへばりつこうとすると、壁の位置把握を誤って肩から激しく衝突、といったことが起こる。
また、車とすれ違うのがあまりに怖いのでとにかく早く抜けようとして走るのだが、これがまた前に進んでいるのかいないのかがわからない、まるで夢の中にいるような感覚。 -
下山途中のヘアピンカーブで猿と遭遇。このような場所で猿と巡り合うのは珍しくもないが、徒歩、すなわち丸腰で対峙するのは初めてであり、襲われないかとちょっと緊張。
しかしこの猿は襲いかかってくることも逃げ出すこともなく、ひたすらこちらをガン見。目を合わせながらすれ違うという妙な構図に。私、誰かに似てますか。 -
すれ違ったバイクの集団に親指立てられたり、後ろから来た親切な車に「どうしたんですか? 只見まで送りましょうか?」なんて遭難者と間違えられたりしながらようやく下山。これで行程の半分くらいだっただろうか。
あとは平坦な道をひたすら歩く。 -
下から望む田子倉ダム。いやあ荘厳。世界遺産級!
この頃かなり頭が壊れはじめている。 -
やった、歩道だ……!
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山の上からずっと見えていた只見ダム。これは先ほどの田子倉ダムとは工法の異なるロックフィルダムといい、その名の通り石を積み上げて……って、どうでもいいですね。
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歩くこと3時間、ようやく只見の町に入る。
この向こうに湧水があると、少し手前の看板に書いてあったので寄り道してみる。水があったのは写真中央に小さく見える鳥居の向こう。ほぼ道なき道を進む。 -
「縁結びの三石清水」だそうである。縁結びと湧水がどうつながるのか分からない、少なくとも汗まみれのむさいヤローが単独で飲みに来ても何の効果もないことだけはよく分かる。
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宿の少し手前にある学校。つか日が暮れやがった……
寄り道含めて歩くこと4時間、ヘトヘトになりながら宿に入る。「あら、駅から電話してくれたら迎えにいったのに」と言われたので「いやあ、実は田子倉駅から歩いてきまして」と今までの行程を説明したら「お兄さん、それ不審人物」と一刀両断にされました。返す言葉もございません。
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