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2007年4月に、5日ほどロンドンを見てきました。<br />こんな人でも海外一人旅できるんだという気になると思います。<br />画像の二次使用、コピー等は自由です。

はじめてのロンドン

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2007/04/24 - 2007/04/29

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fujimotoai

fujimotoaiさん

2007年4月に、5日ほどロンドンを見てきました。
こんな人でも海外一人旅できるんだという気になると思います。
画像の二次使用、コピー等は自由です。

同行者
一人旅
一人あたり費用
15万円 - 20万円
交通手段
鉄道
航空会社
JAL

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  • 2007/04/24 日本<br /><br />6:30起床。今日からはじめての海外一人旅である。「ロンドン・パリ・ローマ 16日間」。<br />ほとんど、この10年夢見ていた計画だ。20代の終わりにようやく実現することができた。<br />旅費はホテルと飛行機代で約53万円。プラス17万円ほど持っていった。<br />この時所持していたほとんど全財産である。<br />たしかにGWの時期だからどうしても高い。しかもホテル延泊料金は2倍になってるので、<br />もっと安く上げることは全然可能と思う。<br />6ヶ月こきつかわれた派遣社員のルーティンワークとも昨日でおさらば。<br />ざまあみやがれ、しばらく高飛びさ。<br />なんてかっこつけて颯爽とGW前の通勤サラリーマンを見下しながらスーツケースをひいていたんだが、<br />ようすがおかしい。ぎゃー、カギが開いてる、なんとかバンドで押さえてるけどー。<br />このカバン壊れているのかー。荷物が入れすぎたのかー。<br />も一回荷つくりせなあかんやないかー。恥ずい!<br />…まあまあ、きっとこんな感じで、終始トラブルつづきなんだろう。<br />プロブレムソルヴィング、いやメイキングは俺の十八番だからな。<br />せいぜいヨーロッパでも都市破壊だぜ。<br />いつもの調子で世界を壊しまくるのじゃー。<br /><br />11:45 関空からJAL便でロンドン・ヒースロー空港へ。<br />乗ってみると12時間なんてすぐだ。<br />映画(デンゼル・ワシントン主演『デジャヴ』)みて、機内食2回食べて(いつも旨いのに、今回そうでもなかった。?。隣に日本見物からかえった英国の太ったお父さんがいたからか?いやそうではないだろう。たしかに夫婦で酒飲みまくってたけど。〈一番搾り〉口にあったかなあ。エールのほうがよっぽど旨いと思うけど。そうそう、そういえば、周りはイギリス人の団体さんばっかりだった。通路挟んだ隣にコリアンの女の子いて、旅慣れてるオーラを出してたけど、そうでもなかった。)、<br />時々ウトウトして(飛行機ではいつもあまり眠れない。前日も寝てなかったが。)、<br />ゲームやって(ぼくは子供以来、ゲーム機を持ってないので、<br />国際線乗ったときだけ、2,3年に1回だけ、TVゲームをやってみるのだった。)、<br />読書して(ドゥルーズ・ガタリの『アンチ・オイディプス』上文庫版を持っていった。<br />大学時代、図書館のハードカバーで挫折したものだ。こんどはとりあえず通読できるだろうか?<br />出発ロビーで読み始めたが、案外読める。理解は出来てないが。<br />「機械、機械、機械、機械、・・・」スピード感はあって、なんだか興奮はする。<br />元気が出ればなんでもいいや。)<br />トイレに並んで、<br />すっごい美人な金髪のイギリス人CAさんに見とれてたら、<br />12時間なんてすぐじゃん。<br />腕時計の針を9時間戻したら、<br />そこは紳士の国、古いヨーロッパ(ブッシュJr)、<br />UKである。<br /><br />今回、JTBのプランを利用したので、空港では送迎の車が待っていた。<br />入国審査がけっこう待たされたので、ドライバーは(たぶん友達か彼女と)電話してたが、きっとこの仕事が終わったら今日は終わりなんだろう。<br />それにしても送迎車はFordか。外国だから外車なのは当たり前かもしれないが、<br />革のシートだし、大変快適だった。<br /><br />市内に近づくにつれて、しだいに興奮してきた。<br />なんてチャーミングなレンガのお家。子豚の三男が作ったのはこんな家だったのではないか!<br />ぼくは子供のころ長いこと童話が好きで、こんなお家の子供に生まれたかったのだ。<br />実際にはうなぎの寝床のようなマンションだったけれど。<br />あと、毎日七五三みたいな格好したかったのだが、現実にはバザーで買い与えられたジャンパーだった。<br />しかも七五三の写真を撮った記憶などないという。<br />しかしいまや私はLondonにいる。自分で行き先を決めて、自分1人で来たのだ。<br />ついにこの年まで、だれもヨーロッパに連れて行ってくれませんでしたね。<br />悪いけれども、ぼくはもう身近な大人のだれも尊敬しないしだれにも感謝しない。いままで世話になった人々もたかが知れていたわけだ。<br />この旅行は全部分が独力にささえられており、そのことをぼくはぼくの自信にさせてもらおう。<br /><br />建築に戻る。だんだん中心部に近づいてきた。<br />なにこの感覚?よく、日本の明治期の擬洋風というのはヨーロッパのコピーでダメだ、といわれるが、<br />周辺部にはそんな2,3流ばっかりある。しかも、日本のはよくやってるじゃない。コピーだが非常によく勉強されたコピーじゃない。で、あのレトロ建築の違和感って、近代建築のあいだにポコンと残ってるから違和感だと思ってたけど、こうずらっと整って並んでてもやはり違和感がある。これはなんだ?<br />けれど、中心部の建物(具体的に確認できたのは《ヴィクトリア&アルバートミュージアム》や《リージェントストリ−ト》)はさすがに密度といい重厚さといい、座りがいいのだった。<br />けれど、あの2流の違和感は面白い。気になる。<br />とにかくあのとき感じた胸騒ぎは、あえていえば、12年前に経験した阪神淡路大震災のとき感じたものに近かった。「この町が私の町である」という安心感が崩壊してゆく感覚、「いままで世界と思ってきたものだけが世界ではない」、それが崩れていく感覚、というか。<br />まちがいない、ぼくはヨーロッパに上陸したのだろう。<br /><br />いつの間にかホテルへ。<br />またまたJTBの日本人スタッフが活躍。ツインの所をホテルが手違いでシングルでとっていたらしく、<br />『別にいいですよ』といってもよかったのだが、<br />ここはプロに任せよう、ってことで、<br />やりとりをリスニングがてら見てたんだが、<br />結局ちゃんとツインの部屋をとってくださった。<br />車といいホテルの一件といい、JTBさんありがとう。<br /><br />あと、喉が渇いてきたな、ってタイミングで<br />エビアンを運んでくれるJALさんありがとう。<br />大きな不祥事を何度か報道でみかけたが、<br />少なくとも今回の旅行は大変快適だった。<br />現場レベルではみんなよくやってると思った。<br /><br />ブログって、カウンターなメディアだから、スキあらばJTB批判、JAL批判のひとつもしてやろうと思ってたんだが、とくに不満なかった。むしろこの場を借りて、お礼を書きました。<br /><br />ってか、まだ市内に出てないや。<br /><br />やっと、着いた、ここはホテルの部屋。<br />このときぼくがどんなに嬉しい気持ちだったことか!<br />これから5日間、ここがぼくのアドレスなのだから。<br />イェーイ。<br />大学時代、東京で1人暮らししてた以来だ。<br />しかもここはロンドン。窓からはきれいな集合住宅がいくつもみえるぜ。<br />ホテル選びも代理店任せだったが、あんがいカッコイイ街じゃないか。<br />このオールド・ストリートという所については、あとでまた書く機会があるだろう。<br /><br />それにしてもやはり嬉しい。これが自由か。これからほんの5日だが、<br />なにをやってもいいのだ。ぼくだけの120時間だ。<br />しかし豪華すぎないかこのホテル。いっちゃん安いBグレードを申し込んでも、<br />4つ星ホテルを取ってくれるとは!<br />ズボンプレッサーなんてあんじゃん。はじめて見た。早速使おうー。<br />おおっとバスルームはどうなっているんだ?<br />蛇口が金色だ。床が市松模様じゃないか。好み!<br />こういうの好きなんだよねー。ばっちり好みだ。<br />あー、大英帝国に来たんだねえ。楽しいねえ。ダイエーじゃねえぞ。<br />ちょっとだけ休んだら、お外に出よう。<br />しかしもうすぐ日が暮れるし(ロンドンは9時頃まで明るかった)、<br />今日は食事して帰ってこよう。<br /><br />そう、その前にsafety BOXにパスポートと航空券を預けるのだ。<br />インド系の可愛らしい女の子にやってもらった。<br />しかし出来ない英語をほとんどはじめて使ったのですっごい緊張した。<br />でも大体通じたみたいだ。いろんな客と接しているからだろうか?<br />みんな働いてる。働く人たちって、いいなあ。<br />それよりあの子部屋を取り直してもらった子だけど、機嫌直ったかな?<br /><br />もらったホテル周辺の地図をてがかりに歩いてみる。<br />こことここに〈パブ〉か、絶対行く。食後いく。<br />ここはフィッシュ・アンド・チップスか。今日はそんなんにしとくか。<br />ほとんどそこは通りを挟んで、ホテルの隣なのだが、<br />コの字型に建物に囲まれた四角い小さい広場の、L字型の集合住宅の残り一辺のならびがレストランだった。<br />しかし表のメニューをみると、高いじゃないか。<br />フィッシュ・アンド・チップスなんてファストフードじゃなかったのか。<br />スターターとかあんじゃん。<br />そういえば、わりと年齢の高い白人客ばっかりだ。ここだけか?<br />しかし少なくともここじゃ高いや。<br />だけど他はテイクアウェイしかないないなあ。フライドチキンかピザか。<br />うわこのレストラン閉まってる。うお、あの居酒屋フットボールみてる男ばっかり20人くらいいるじゃないか。さすがに入れない。<br />どうしよどうしよ。もう真っ暗だしスーパーでなんか買って帰ろうかなー、ってかんじで入ったのだが、まともな食べ物はなんにもない。<br />調理しないで食べれそうなのはパンかお菓子くらい。<br /><br />とりあえずばんそうこうを買いたかったのだが、これがおかしかった。<br />5×8cmくらいのが基本単位なんだろうか。<br />そればっかり入ってるのとか、それを手でハサミで1/4にしたのが5枚、1/3がご5枚、<br />ってかんじで売られている。<br />たしかに考えてみれば、バンドエイド1枚1枚が全部ピシッとくるいなく同じ寸法、サイズである必要はない。<br />そこまでの精度はたしかに誰も求めてないわけだ。<br />半年大企業にCADオペレータとして派遣されてたが、<br />「こんな細かい図面のズレ、打ち出したらもちろん、画面上でも相当拡大しないと<br />わかんないじゃん」っていう細かな仕事のしかたが気になっていた。<br />もちろん、それが日本の技術力を支えてもいるのだろうが、<br />あそこまでのハイレギュレーションは、いったい誰のためのものなのかとも疑問におもった。<br />しょっちゅう「適当にやってんの?」と言われたのだが、けしてそういうつもりはなかった。<br />イギリス人の内職だってそうだろう。<br />あのばんそうこう、毎日10時間くらい歩いてたから全部使っちゃったけど、<br />妙に自分の感覚にフィットする、とってもラブリーなばんそうこうだった。<br /><br />*話が脱線するが、CADオペは「おいしい」。<br />時給1350円。手取りは月約23万円だった。<br />もちろん福利厚生もボーナスもないが、上司も部下もしがらみもない。楽チン。<br />私はこれで旅費をつくりました。あなたはどうする?<br /><br />店内での珍事に戻ろう。「Milk」ある、って聞いたんだけど、これが通じない。<br />相当発音ひどいんだろう。空港やホテルではけっこう通じたのに。不安だ。<br />ほかにブリティッシュビールを買ってみたけど、おれはこれだけ飲む気か?<br />レストランを探さないと。<br /><br />地図にないとこまでフラフラ歩いてたら、またパブだ。<br />いいかんじだなー。入っちゃうか。<br />「Half paint of ale,please」といったつもりなんだけど、<br />さっぱり通じない。<br />おかみさんは少々耳が遠いらしいが、気のよさそうなひとで、<br />一生懸命聞き取ろうとしてくれる。<br />おかみ「mineral water?」<br />ぼく「no.Ale」<br />お「mineral?」<br />ぼ「no,beer」<br />お「oh,beer.」「glass?」<br />ぼ「half」<br />お「which one?(指差しで)soft,strong」<br />というから、ソフトなのをたのむ。<br />金額をいわれたが聞き取れない。<br />コインを出すが、足らなかったらしい。<br />だいたいスーパーでは関空で円からエクスチェンジした紙幣を出したので、<br />ポンドとペンスのコインは渡しながらうまれてはじめてみる体たらく。<br />どれが1ポンドかもわからない。5ポンドと5ペンスの区別なんか当然つかない。<br />いっぱい渡して、精算してもらった。<br />で銘柄忘れたが、ちょっとトロピカルなデザインのビールをのむ。<br />するするノドに入ってくる。なにこれ?うまい!<br />とっても爽やかで甘酸っぱくておいしいじゃん!<br />日本のビールは重くて苦くてどうもニガテなんだけど、女性はそう思ってる人多いだろうけど、<br />おすすめ。ぜひ飲んでみて。<br /><br />だが、すきっ腹には、こたえるのだった。<br />ビール一杯で、カウンターでいつまでもくつろいでるわけにもいかないし。<br />そろそろ出ないと。いままで気づかなかったけど、絨毯の床にシーズーみたいな犬がいる。<br />が、ここを出ないと。<br /><br />出たらもうテイクアウェイの店も仕舞いだった。<br />どうしよう、ってコンビニしかないわけだが。<br />で、はいってみると、貧乏学生や、日本人の旅行者や、移民系のジャージの女の子2人組やらが、<br />パンやバーガーを買っている。<br />なるほど、日本で最近聞く「格差」なんて、ここではもっと大きいんだろう。<br />貧困層はみんなこんな食生活なんだろう。なぜか店長は蝶ネクタイの英国老紳士だけど。<br />べつにぼくなんかなんでもいいんだが、それにしてもロクなものが置いてない。<br />日本のコンビニ弁当ってけっこう豪華でヘルシーなんだが、<br />なんだこのつめたいサンドイッチは!こんなものが3ポンドもするのか!(1ポンド=250円)<br />物価が高い!!北京やクアラルンプールが懐かしい。<br />しばらく住んでみたいなあとか憧れてたが、これは生活するには大変な国である。<br />ホテルの部屋で、まずいサンドイッチを食べながら思ったのだった。<br />みたことないTWININGのティーバックが美味しかったのは救いだけれど、<br />あのビールどうしよう。冷蔵庫ないぞ。<br />そんなことより眠らないといけなかったのだが、眠れない。<br />ぼくは自分の家のベッドでもしょっちゅう不眠症になる。これはどうしようもないのだ。<br />BBCに合わせると、ブッシュがアフリカ太鼓を叩いている。<br />・・・<br />AM3:30 また起きたらまた汗びっしょりだ。<br />TVをつけてみる。アジアンビューティーな女の子が、手話で、ドラムンベースの歴史を解説している。<br />不思議不思議。だけど明日は朝から建築と美術行脚である。無理やり眠るのだ。

    2007/04/24 日本

    6:30起床。今日からはじめての海外一人旅である。「ロンドン・パリ・ローマ 16日間」。
    ほとんど、この10年夢見ていた計画だ。20代の終わりにようやく実現することができた。
    旅費はホテルと飛行機代で約53万円。プラス17万円ほど持っていった。
    この時所持していたほとんど全財産である。
    たしかにGWの時期だからどうしても高い。しかもホテル延泊料金は2倍になってるので、
    もっと安く上げることは全然可能と思う。
    6ヶ月こきつかわれた派遣社員のルーティンワークとも昨日でおさらば。
    ざまあみやがれ、しばらく高飛びさ。
    なんてかっこつけて颯爽とGW前の通勤サラリーマンを見下しながらスーツケースをひいていたんだが、
    ようすがおかしい。ぎゃー、カギが開いてる、なんとかバンドで押さえてるけどー。
    このカバン壊れているのかー。荷物が入れすぎたのかー。
    も一回荷つくりせなあかんやないかー。恥ずい!
    …まあまあ、きっとこんな感じで、終始トラブルつづきなんだろう。
    プロブレムソルヴィング、いやメイキングは俺の十八番だからな。
    せいぜいヨーロッパでも都市破壊だぜ。
    いつもの調子で世界を壊しまくるのじゃー。

    11:45 関空からJAL便でロンドン・ヒースロー空港へ。
    乗ってみると12時間なんてすぐだ。
    映画(デンゼル・ワシントン主演『デジャヴ』)みて、機内食2回食べて(いつも旨いのに、今回そうでもなかった。?。隣に日本見物からかえった英国の太ったお父さんがいたからか?いやそうではないだろう。たしかに夫婦で酒飲みまくってたけど。〈一番搾り〉口にあったかなあ。エールのほうがよっぽど旨いと思うけど。そうそう、そういえば、周りはイギリス人の団体さんばっかりだった。通路挟んだ隣にコリアンの女の子いて、旅慣れてるオーラを出してたけど、そうでもなかった。)、
    時々ウトウトして(飛行機ではいつもあまり眠れない。前日も寝てなかったが。)、
    ゲームやって(ぼくは子供以来、ゲーム機を持ってないので、
    国際線乗ったときだけ、2,3年に1回だけ、TVゲームをやってみるのだった。)、
    読書して(ドゥルーズ・ガタリの『アンチ・オイディプス』上文庫版を持っていった。
    大学時代、図書館のハードカバーで挫折したものだ。こんどはとりあえず通読できるだろうか?
    出発ロビーで読み始めたが、案外読める。理解は出来てないが。
    「機械、機械、機械、機械、・・・」スピード感はあって、なんだか興奮はする。
    元気が出ればなんでもいいや。)
    トイレに並んで、
    すっごい美人な金髪のイギリス人CAさんに見とれてたら、
    12時間なんてすぐじゃん。
    腕時計の針を9時間戻したら、
    そこは紳士の国、古いヨーロッパ(ブッシュJr)、
    UKである。

    今回、JTBのプランを利用したので、空港では送迎の車が待っていた。
    入国審査がけっこう待たされたので、ドライバーは(たぶん友達か彼女と)電話してたが、きっとこの仕事が終わったら今日は終わりなんだろう。
    それにしても送迎車はFordか。外国だから外車なのは当たり前かもしれないが、
    革のシートだし、大変快適だった。

    市内に近づくにつれて、しだいに興奮してきた。
    なんてチャーミングなレンガのお家。子豚の三男が作ったのはこんな家だったのではないか!
    ぼくは子供のころ長いこと童話が好きで、こんなお家の子供に生まれたかったのだ。
    実際にはうなぎの寝床のようなマンションだったけれど。
    あと、毎日七五三みたいな格好したかったのだが、現実にはバザーで買い与えられたジャンパーだった。
    しかも七五三の写真を撮った記憶などないという。
    しかしいまや私はLondonにいる。自分で行き先を決めて、自分1人で来たのだ。
    ついにこの年まで、だれもヨーロッパに連れて行ってくれませんでしたね。
    悪いけれども、ぼくはもう身近な大人のだれも尊敬しないしだれにも感謝しない。いままで世話になった人々もたかが知れていたわけだ。
    この旅行は全部分が独力にささえられており、そのことをぼくはぼくの自信にさせてもらおう。

    建築に戻る。だんだん中心部に近づいてきた。
    なにこの感覚?よく、日本の明治期の擬洋風というのはヨーロッパのコピーでダメだ、といわれるが、
    周辺部にはそんな2,3流ばっかりある。しかも、日本のはよくやってるじゃない。コピーだが非常によく勉強されたコピーじゃない。で、あのレトロ建築の違和感って、近代建築のあいだにポコンと残ってるから違和感だと思ってたけど、こうずらっと整って並んでてもやはり違和感がある。これはなんだ?
    けれど、中心部の建物(具体的に確認できたのは《ヴィクトリア&アルバートミュージアム》や《リージェントストリ−ト》)はさすがに密度といい重厚さといい、座りがいいのだった。
    けれど、あの2流の違和感は面白い。気になる。
    とにかくあのとき感じた胸騒ぎは、あえていえば、12年前に経験した阪神淡路大震災のとき感じたものに近かった。「この町が私の町である」という安心感が崩壊してゆく感覚、「いままで世界と思ってきたものだけが世界ではない」、それが崩れていく感覚、というか。
    まちがいない、ぼくはヨーロッパに上陸したのだろう。

    いつの間にかホテルへ。
    またまたJTBの日本人スタッフが活躍。ツインの所をホテルが手違いでシングルでとっていたらしく、
    『別にいいですよ』といってもよかったのだが、
    ここはプロに任せよう、ってことで、
    やりとりをリスニングがてら見てたんだが、
    結局ちゃんとツインの部屋をとってくださった。
    車といいホテルの一件といい、JTBさんありがとう。

    あと、喉が渇いてきたな、ってタイミングで
    エビアンを運んでくれるJALさんありがとう。
    大きな不祥事を何度か報道でみかけたが、
    少なくとも今回の旅行は大変快適だった。
    現場レベルではみんなよくやってると思った。

    ブログって、カウンターなメディアだから、スキあらばJTB批判、JAL批判のひとつもしてやろうと思ってたんだが、とくに不満なかった。むしろこの場を借りて、お礼を書きました。

    ってか、まだ市内に出てないや。

    やっと、着いた、ここはホテルの部屋。
    このときぼくがどんなに嬉しい気持ちだったことか!
    これから5日間、ここがぼくのアドレスなのだから。
    イェーイ。
    大学時代、東京で1人暮らししてた以来だ。
    しかもここはロンドン。窓からはきれいな集合住宅がいくつもみえるぜ。
    ホテル選びも代理店任せだったが、あんがいカッコイイ街じゃないか。
    このオールド・ストリートという所については、あとでまた書く機会があるだろう。

    それにしてもやはり嬉しい。これが自由か。これからほんの5日だが、
    なにをやってもいいのだ。ぼくだけの120時間だ。
    しかし豪華すぎないかこのホテル。いっちゃん安いBグレードを申し込んでも、
    4つ星ホテルを取ってくれるとは!
    ズボンプレッサーなんてあんじゃん。はじめて見た。早速使おうー。
    おおっとバスルームはどうなっているんだ?
    蛇口が金色だ。床が市松模様じゃないか。好み!
    こういうの好きなんだよねー。ばっちり好みだ。
    あー、大英帝国に来たんだねえ。楽しいねえ。ダイエーじゃねえぞ。
    ちょっとだけ休んだら、お外に出よう。
    しかしもうすぐ日が暮れるし(ロンドンは9時頃まで明るかった)、
    今日は食事して帰ってこよう。

    そう、その前にsafety BOXにパスポートと航空券を預けるのだ。
    インド系の可愛らしい女の子にやってもらった。
    しかし出来ない英語をほとんどはじめて使ったのですっごい緊張した。
    でも大体通じたみたいだ。いろんな客と接しているからだろうか?
    みんな働いてる。働く人たちって、いいなあ。
    それよりあの子部屋を取り直してもらった子だけど、機嫌直ったかな?

    もらったホテル周辺の地図をてがかりに歩いてみる。
    こことここに〈パブ〉か、絶対行く。食後いく。
    ここはフィッシュ・アンド・チップスか。今日はそんなんにしとくか。
    ほとんどそこは通りを挟んで、ホテルの隣なのだが、
    コの字型に建物に囲まれた四角い小さい広場の、L字型の集合住宅の残り一辺のならびがレストランだった。
    しかし表のメニューをみると、高いじゃないか。
    フィッシュ・アンド・チップスなんてファストフードじゃなかったのか。
    スターターとかあんじゃん。
    そういえば、わりと年齢の高い白人客ばっかりだ。ここだけか?
    しかし少なくともここじゃ高いや。
    だけど他はテイクアウェイしかないないなあ。フライドチキンかピザか。
    うわこのレストラン閉まってる。うお、あの居酒屋フットボールみてる男ばっかり20人くらいいるじゃないか。さすがに入れない。
    どうしよどうしよ。もう真っ暗だしスーパーでなんか買って帰ろうかなー、ってかんじで入ったのだが、まともな食べ物はなんにもない。
    調理しないで食べれそうなのはパンかお菓子くらい。

    とりあえずばんそうこうを買いたかったのだが、これがおかしかった。
    5×8cmくらいのが基本単位なんだろうか。
    そればっかり入ってるのとか、それを手でハサミで1/4にしたのが5枚、1/3がご5枚、
    ってかんじで売られている。
    たしかに考えてみれば、バンドエイド1枚1枚が全部ピシッとくるいなく同じ寸法、サイズである必要はない。
    そこまでの精度はたしかに誰も求めてないわけだ。
    半年大企業にCADオペレータとして派遣されてたが、
    「こんな細かい図面のズレ、打ち出したらもちろん、画面上でも相当拡大しないと
    わかんないじゃん」っていう細かな仕事のしかたが気になっていた。
    もちろん、それが日本の技術力を支えてもいるのだろうが、
    あそこまでのハイレギュレーションは、いったい誰のためのものなのかとも疑問におもった。
    しょっちゅう「適当にやってんの?」と言われたのだが、けしてそういうつもりはなかった。
    イギリス人の内職だってそうだろう。
    あのばんそうこう、毎日10時間くらい歩いてたから全部使っちゃったけど、
    妙に自分の感覚にフィットする、とってもラブリーなばんそうこうだった。

    *話が脱線するが、CADオペは「おいしい」。
    時給1350円。手取りは月約23万円だった。
    もちろん福利厚生もボーナスもないが、上司も部下もしがらみもない。楽チン。
    私はこれで旅費をつくりました。あなたはどうする?

    店内での珍事に戻ろう。「Milk」ある、って聞いたんだけど、これが通じない。
    相当発音ひどいんだろう。空港やホテルではけっこう通じたのに。不安だ。
    ほかにブリティッシュビールを買ってみたけど、おれはこれだけ飲む気か?
    レストランを探さないと。

    地図にないとこまでフラフラ歩いてたら、またパブだ。
    いいかんじだなー。入っちゃうか。
    「Half paint of ale,please」といったつもりなんだけど、
    さっぱり通じない。
    おかみさんは少々耳が遠いらしいが、気のよさそうなひとで、
    一生懸命聞き取ろうとしてくれる。
    おかみ「mineral water?」
    ぼく「no.Ale」
    お「mineral?」
    ぼ「no,beer」
    お「oh,beer.」「glass?」
    ぼ「half」
    お「which one?(指差しで)soft,strong」
    というから、ソフトなのをたのむ。
    金額をいわれたが聞き取れない。
    コインを出すが、足らなかったらしい。
    だいたいスーパーでは関空で円からエクスチェンジした紙幣を出したので、
    ポンドとペンスのコインは渡しながらうまれてはじめてみる体たらく。
    どれが1ポンドかもわからない。5ポンドと5ペンスの区別なんか当然つかない。
    いっぱい渡して、精算してもらった。
    で銘柄忘れたが、ちょっとトロピカルなデザインのビールをのむ。
    するするノドに入ってくる。なにこれ?うまい!
    とっても爽やかで甘酸っぱくておいしいじゃん!
    日本のビールは重くて苦くてどうもニガテなんだけど、女性はそう思ってる人多いだろうけど、
    おすすめ。ぜひ飲んでみて。

    だが、すきっ腹には、こたえるのだった。
    ビール一杯で、カウンターでいつまでもくつろいでるわけにもいかないし。
    そろそろ出ないと。いままで気づかなかったけど、絨毯の床にシーズーみたいな犬がいる。
    が、ここを出ないと。

    出たらもうテイクアウェイの店も仕舞いだった。
    どうしよう、ってコンビニしかないわけだが。
    で、はいってみると、貧乏学生や、日本人の旅行者や、移民系のジャージの女の子2人組やらが、
    パンやバーガーを買っている。
    なるほど、日本で最近聞く「格差」なんて、ここではもっと大きいんだろう。
    貧困層はみんなこんな食生活なんだろう。なぜか店長は蝶ネクタイの英国老紳士だけど。
    べつにぼくなんかなんでもいいんだが、それにしてもロクなものが置いてない。
    日本のコンビニ弁当ってけっこう豪華でヘルシーなんだが、
    なんだこのつめたいサンドイッチは!こんなものが3ポンドもするのか!(1ポンド=250円)
    物価が高い!!北京やクアラルンプールが懐かしい。
    しばらく住んでみたいなあとか憧れてたが、これは生活するには大変な国である。
    ホテルの部屋で、まずいサンドイッチを食べながら思ったのだった。
    みたことないTWININGのティーバックが美味しかったのは救いだけれど、
    あのビールどうしよう。冷蔵庫ないぞ。
    そんなことより眠らないといけなかったのだが、眠れない。
    ぼくは自分の家のベッドでもしょっちゅう不眠症になる。これはどうしようもないのだ。
    BBCに合わせると、ブッシュがアフリカ太鼓を叩いている。
    ・・・
    AM3:30 また起きたらまた汗びっしょりだ。
    TVをつけてみる。アジアンビューティーな女の子が、手話で、ドラムンベースの歴史を解説している。
    不思議不思議。だけど明日は朝から建築と美術行脚である。無理やり眠るのだ。

  • 25/04/2007 <br /><br />朝食のためにGrand Floorへ。<br />エレベーターがしゃべってる。<br />コーヒーを入れてもらったら、ヒッタヒタに注いでくれた。これがヨーロッパ式かもと思ったが、ウェイトレスさんミスった顔してた。イギリス人はブレックファーストをしっかり摂るらしいからそれに従おう。<br />とはいえ、ゆっくりしているわけにはいかねえ。外へ、さらに外へでるのだ。<br />tubeの最寄り駅 old street駅に通じる大通りにでる。<br />おー、いいじゃんいいじゃん、かっこいい建物あんじゃん。<br />画像は、とっても可愛らしい集合住宅。<br />ここは毎日通ってて、何日目か、光の状態が一番よかったときに撮ったもの。<br /><br />そしてやっと駅。あっそぶぞー。<br />エッ?入り口に女の子がうずくまっている。<br />なにがあったのだ?<br />お母さんが息子に、「近寄っちゃダメでしょ」とかいっている。<br />ああ、この子はホームレスなのか。<br />とりあえず50ペンスくらい缶々に入れたら、力なく「thank you」といった。<br />何人だろうか。西アジア(ウクライナとかカザフとか)っぽい骨っぽい顔立ちだった。<br />実は、この後、どこの都市に行っても女性のホームレスをみかけることになる。<br />すごい大通りに地べたに座って、どうみても20代の女の子が赤ちゃんにおっぱいをあげたりしていて、あれはたまらない。「何でも見てやろう」と思って行ってるわけで、要領良くオプティミスティックな面だけを見てくる呑気な観光旅行にするつもりなど毛頭なかったので、そのたびにペンスやセントが無くなっていったのだった。<br />あと、よくホテルの朝食には、あれなんていうのかな、袋入りのパンとビスケットの中間みたいな食べ物があるが、あれをポケットにいれて外にでることにしていた。赤ちゃんはこっちの方がよろこんでたようだった。これは万国のツーリストに推薦できるやりかたである。<br />がしかし、どのブログをみても、こうしたことは一切書かれていない。いったい何を見てきたんだろう。いままでの日本人旅行者は何をやってきたのだ!<br />このエコノミックアニマルは!!<br /><br />さて、DAY TRAVEL CARDを駆使してtubeを乗りたおすのがやはり貧乏人のロンドン見物者には一番経済的ではなかろうか。ちなみに、地下鉄の切符は4pound。バスは1pound。黒タクシー(一度くらい乗っとくんだった)は初乗り2pound。ロンドンの地下鉄、気をつけないと非常に高い乗り物である。しかし、なぜか1日パスだと5.5pound。不思議だ。これでバス(赤いダブルデッカー)にも乗れちゃう。<br /><br />はじめは戸惑う。地下鉄網の複雑さは東京並だし英語。でも5日もいたら後半は余裕だった。しかし人の多さは東京の比ではない。あと、1日1回は止まったり遅れたり。<br />そういえば、Londonと東京は似ているとか、<br />「ヨーロッパの中でロンドンだけはあまり外国という気がしない」(松田達の日記http://www.cybermetric.org/jacques_ta2/より)とか言われるが、<br />東京がイギリスの都市計画の理論をそのまんまもってきて設計されたわけだから、似ているのはそりゃ当たり前というものだ。左通行とかね。<br /><br />●《ウェストミンスター宮殿 the Palace of  Westmindter》<br /><br />路線図の塗り分けられた色彩だけを手がかりに、迷いに迷いつつ(大きいターミナル駅での接続より、2線くらいが交わってる駅での乗り換えをすすめる)、westminster駅へ。地上へ出るとあまりにもクリシェなあの「ビッグベン」。しかし、こうも真下で見上げるとさすがに鳥肌ものである(鐘の音はショボいんだけど。対照的にフィレンツェの《サンタ・マリア・デル・フィオーレ》の鐘は町中に響いていた。まあ、町が小さいということもあるが)。この国会議事堂、正式には《ウェストミンスター宮殿》は、『王子とこじき』の舞台だ。美術史の教科書にもゴシックリヴァイヴァルの代表作として登場してくる。この建築の面白さは、平たくいえば、テムズ河沿いにマッスが水平的にのびつつ、縦に小さなとんがりがいくつも立ってるところだろう。絵葉書でみなれているはずだが、ここにしかない建築である。もう少しはなれれば新しくできた観覧車《ロンドン・アイ》もフレームに収まるから、修学旅行生の記念撮影もそれはそれはヒートするのだった。<br />(つづく)<br /><br /><br />

    25/04/2007 

    朝食のためにGrand Floorへ。
    エレベーターがしゃべってる。
    コーヒーを入れてもらったら、ヒッタヒタに注いでくれた。これがヨーロッパ式かもと思ったが、ウェイトレスさんミスった顔してた。イギリス人はブレックファーストをしっかり摂るらしいからそれに従おう。
    とはいえ、ゆっくりしているわけにはいかねえ。外へ、さらに外へでるのだ。
    tubeの最寄り駅 old street駅に通じる大通りにでる。
    おー、いいじゃんいいじゃん、かっこいい建物あんじゃん。
    画像は、とっても可愛らしい集合住宅。
    ここは毎日通ってて、何日目か、光の状態が一番よかったときに撮ったもの。

    そしてやっと駅。あっそぶぞー。
    エッ?入り口に女の子がうずくまっている。
    なにがあったのだ?
    お母さんが息子に、「近寄っちゃダメでしょ」とかいっている。
    ああ、この子はホームレスなのか。
    とりあえず50ペンスくらい缶々に入れたら、力なく「thank you」といった。
    何人だろうか。西アジア(ウクライナとかカザフとか)っぽい骨っぽい顔立ちだった。
    実は、この後、どこの都市に行っても女性のホームレスをみかけることになる。
    すごい大通りに地べたに座って、どうみても20代の女の子が赤ちゃんにおっぱいをあげたりしていて、あれはたまらない。「何でも見てやろう」と思って行ってるわけで、要領良くオプティミスティックな面だけを見てくる呑気な観光旅行にするつもりなど毛頭なかったので、そのたびにペンスやセントが無くなっていったのだった。
    あと、よくホテルの朝食には、あれなんていうのかな、袋入りのパンとビスケットの中間みたいな食べ物があるが、あれをポケットにいれて外にでることにしていた。赤ちゃんはこっちの方がよろこんでたようだった。これは万国のツーリストに推薦できるやりかたである。
    がしかし、どのブログをみても、こうしたことは一切書かれていない。いったい何を見てきたんだろう。いままでの日本人旅行者は何をやってきたのだ!
    このエコノミックアニマルは!!

    さて、DAY TRAVEL CARDを駆使してtubeを乗りたおすのがやはり貧乏人のロンドン見物者には一番経済的ではなかろうか。ちなみに、地下鉄の切符は4pound。バスは1pound。黒タクシー(一度くらい乗っとくんだった)は初乗り2pound。ロンドンの地下鉄、気をつけないと非常に高い乗り物である。しかし、なぜか1日パスだと5.5pound。不思議だ。これでバス(赤いダブルデッカー)にも乗れちゃう。

    はじめは戸惑う。地下鉄網の複雑さは東京並だし英語。でも5日もいたら後半は余裕だった。しかし人の多さは東京の比ではない。あと、1日1回は止まったり遅れたり。
    そういえば、Londonと東京は似ているとか、
    「ヨーロッパの中でロンドンだけはあまり外国という気がしない」(松田達の日記http://www.cybermetric.org/jacques_ta2/より)とか言われるが、
    東京がイギリスの都市計画の理論をそのまんまもってきて設計されたわけだから、似ているのはそりゃ当たり前というものだ。左通行とかね。

    ●《ウェストミンスター宮殿 the Palace of Westmindter》

    路線図の塗り分けられた色彩だけを手がかりに、迷いに迷いつつ(大きいターミナル駅での接続より、2線くらいが交わってる駅での乗り換えをすすめる)、westminster駅へ。地上へ出るとあまりにもクリシェなあの「ビッグベン」。しかし、こうも真下で見上げるとさすがに鳥肌ものである(鐘の音はショボいんだけど。対照的にフィレンツェの《サンタ・マリア・デル・フィオーレ》の鐘は町中に響いていた。まあ、町が小さいということもあるが)。この国会議事堂、正式には《ウェストミンスター宮殿》は、『王子とこじき』の舞台だ。美術史の教科書にもゴシックリヴァイヴァルの代表作として登場してくる。この建築の面白さは、平たくいえば、テムズ河沿いにマッスが水平的にのびつつ、縦に小さなとんがりがいくつも立ってるところだろう。絵葉書でみなれているはずだが、ここにしかない建築である。もう少しはなれれば新しくできた観覧車《ロンドン・アイ》もフレームに収まるから、修学旅行生の記念撮影もそれはそれはヒートするのだった。
    (つづく)


  • ●《バッキンガム宮殿 Buckingham Palace》<br /><br />つづいて、今日の本命である《ウェストミンスター寺院》に入場しようとしたのだが、閉まっている。水曜日は14:00のようだ。入場料も数年前のガイドブックより2.50ポンド上がって10ポンドだ。まあいい。<br />それよりこの時間であれば、11:15からの《バッキンガム宮殿》で衛兵の交替式に間に合う。恥はかきすて、行ってみるか。<br />黒い鉄柵に金の槍、王冠をかぶったライオンさんとか、生理的に好き。<br />王室の宮殿ということで、建築様式はフランス式を採用している。つまりヴェルサイユと同じスタイルだ。<br />スケール的にも大したことはない。それでも、ここは世界有数の観光地のひとつだから、さすがにすごい人の数だ。ぼくは人ごみは嫌いではない方だがびっくりである。ロシア人の団体さん、フランス人の遠足の小学生、中国人のおっちゃん2人、イタリア人の家族、エトセトラエトセトラ・・・。<br />「なんか、世界中が笑っているな」<br />そんなことをこの時は思ったが、冷静になると、もちろん北朝鮮やシエラレオネで死のうとしているこどもはここに入ってはいない。<br />なお、今の時期、交替式は1日おきだったようで、とくになんにもなかった。<br />以下は門の両翼にいる2人の兵隊さんの動きを見た感想。<br />ぼくはたまたま、家族旅行でいった台北で、兵隊の交替式をみたことがあるのだが、台湾の行進のほうが、「ガシャン、ガシャン」と一糸乱れぬ統率感のあるもので、個々の動きも精密機械、サイボーグというかんじなのだが、イギリスの兵隊さんの動きは、左右でずれていたり(ほとんど思いつきで歩いてるみたいだ)、足の動かし方も、出来のわるい機械というか、「おもちゃ」ってかんじの、可愛らしいものだった。<br />駅に帰る途中、小さな公園をみつけたから、ベンチに座ってみた。ほんとに芝生でお昼ご飯を食べてる人たちがいる。春のロンドンにはピンクのチューリップが咲いている。石造建築のなかを赤の二階建てバスが走っていく。ぼくはこんな旅行がしてみたかったのだ。<br />

    ●《バッキンガム宮殿 Buckingham Palace》

    つづいて、今日の本命である《ウェストミンスター寺院》に入場しようとしたのだが、閉まっている。水曜日は14:00のようだ。入場料も数年前のガイドブックより2.50ポンド上がって10ポンドだ。まあいい。
    それよりこの時間であれば、11:15からの《バッキンガム宮殿》で衛兵の交替式に間に合う。恥はかきすて、行ってみるか。
    黒い鉄柵に金の槍、王冠をかぶったライオンさんとか、生理的に好き。
    王室の宮殿ということで、建築様式はフランス式を採用している。つまりヴェルサイユと同じスタイルだ。
    スケール的にも大したことはない。それでも、ここは世界有数の観光地のひとつだから、さすがにすごい人の数だ。ぼくは人ごみは嫌いではない方だがびっくりである。ロシア人の団体さん、フランス人の遠足の小学生、中国人のおっちゃん2人、イタリア人の家族、エトセトラエトセトラ・・・。
    「なんか、世界中が笑っているな」
    そんなことをこの時は思ったが、冷静になると、もちろん北朝鮮やシエラレオネで死のうとしているこどもはここに入ってはいない。
    なお、今の時期、交替式は1日おきだったようで、とくになんにもなかった。
    以下は門の両翼にいる2人の兵隊さんの動きを見た感想。
    ぼくはたまたま、家族旅行でいった台北で、兵隊の交替式をみたことがあるのだが、台湾の行進のほうが、「ガシャン、ガシャン」と一糸乱れぬ統率感のあるもので、個々の動きも精密機械、サイボーグというかんじなのだが、イギリスの兵隊さんの動きは、左右でずれていたり(ほとんど思いつきで歩いてるみたいだ)、足の動かし方も、出来のわるい機械というか、「おもちゃ」ってかんじの、可愛らしいものだった。
    駅に帰る途中、小さな公園をみつけたから、ベンチに座ってみた。ほんとに芝生でお昼ご飯を食べてる人たちがいる。春のロンドンにはピンクのチューリップが咲いている。石造建築のなかを赤の二階建てバスが走っていく。ぼくはこんな旅行がしてみたかったのだ。

  • ●《ウェストミンスター寺院 Westminster abby》他<br /><br />まだ、寺院に入れない。時間があるので、歩いていける《チャンネル4》へ。途中、「スコットランドヤード」の前も通った。ここには入りたくないものだ。<br />これはイギリスのTV局の本社屋で、リチャード・ロジャースが設計したハイテク建築である。エントランスロビーまでは入ることができる。ガラスと鉄骨のジョイント部などは注目に値する。<br />またポケットパークだ。ロンドンにはハイド・パーク、ケンジントン・パークなど広大な緑地があるが、このような小さな公園も悪くない。だが、芝生に座ってランチ、というのはどうも・・・。みんなそれほど楽しそうでもない。ちょっと雨が降ってきていたこともあるのだろう。ショッピングセンターを雨宿りをしつつ見学。ユニクロみたいな「NEXT」が入ってる。もう半袖ばっかりだ。ところで、「ユニクロ・ロンドン店」がリージェントストリートのすっげーいい場所に入っているのを見た。「アクアスキュータム」の2,3軒どなりだよ。<br />そろそろいいだろうということで、《ウェストミンスター》にもどる。けっこう並んでいる。失敗したかも。というのは、15:00に、《Claridge&#39;s》のティールームの予約を日本からEメールで入れていたからだ。セキュリティーチェックに20分ほど並んで(*)、入場。<br /><br />「なんだこれは」<br />祭壇を見上げた途端、ひざにガクンという衝撃をうけて、ぼくはそのまま腰が抜けそうになった。<br />あんな衝撃は日本の建築ではこれまで一度もうけたことがないものだった。<br />いままで見てきたものは何だったのか?<br />これが建築というものか。<br />ランタンがきらきらしている。床はチェックだ。聖歌隊席はさらに天井が高くなっている。<br />背後にはステンドグラスの高窓があるのだが、それもノートルダムほどのものではない。<br />つまり、一見するとシンプルで、地味ともさえいえるかもしれないのだが、それだけに荘厳な印象をうけた。<br /><br />上の画像は現在出口になっている面で、ステンドグラス下部の装飾が気に入って撮ったものだが、、こうしたゴシックの教会の醍醐味はやはり内部である。<br />NO PHOTOだから画像は1枚もない。だいたい、一番の見所なんてどこも撮影禁止なのだ。やはり行かなければならない。彫刻の密度、礼拝堂のフランヴォワイヤンの天井、宝物のサーベル、中庭からの光が入る回廊など、どれも見事である。ロンドン観光にこの寺院はゼッタイ外せない。<br /><br />(*)ちょっと、一言いっておきたいのだが、教会を見せてもらうのに、一体どんな荷物が必要なのだろうか。物見遊山の野次馬客も、もうすこし緊張感と謙虚さをもってはどうだろう。一番仰天したのは、ローマのシスティーナ礼拝堂にベビーカーを押して入ってきた人がいたことだ。「なんだツミはー?」あいつぜったいアメリカーノだね。半ズボンだったし。しかしシスティーナ礼拝堂だぞー。フロリダのビーチじゃないぞー。<br />

    ●《ウェストミンスター寺院 Westminster abby》他

    まだ、寺院に入れない。時間があるので、歩いていける《チャンネル4》へ。途中、「スコットランドヤード」の前も通った。ここには入りたくないものだ。
    これはイギリスのTV局の本社屋で、リチャード・ロジャースが設計したハイテク建築である。エントランスロビーまでは入ることができる。ガラスと鉄骨のジョイント部などは注目に値する。
    またポケットパークだ。ロンドンにはハイド・パーク、ケンジントン・パークなど広大な緑地があるが、このような小さな公園も悪くない。だが、芝生に座ってランチ、というのはどうも・・・。みんなそれほど楽しそうでもない。ちょっと雨が降ってきていたこともあるのだろう。ショッピングセンターを雨宿りをしつつ見学。ユニクロみたいな「NEXT」が入ってる。もう半袖ばっかりだ。ところで、「ユニクロ・ロンドン店」がリージェントストリートのすっげーいい場所に入っているのを見た。「アクアスキュータム」の2,3軒どなりだよ。
    そろそろいいだろうということで、《ウェストミンスター》にもどる。けっこう並んでいる。失敗したかも。というのは、15:00に、《Claridge's》のティールームの予約を日本からEメールで入れていたからだ。セキュリティーチェックに20分ほど並んで(*)、入場。

    「なんだこれは」
    祭壇を見上げた途端、ひざにガクンという衝撃をうけて、ぼくはそのまま腰が抜けそうになった。
    あんな衝撃は日本の建築ではこれまで一度もうけたことがないものだった。
    いままで見てきたものは何だったのか?
    これが建築というものか。
    ランタンがきらきらしている。床はチェックだ。聖歌隊席はさらに天井が高くなっている。
    背後にはステンドグラスの高窓があるのだが、それもノートルダムほどのものではない。
    つまり、一見するとシンプルで、地味ともさえいえるかもしれないのだが、それだけに荘厳な印象をうけた。

    上の画像は現在出口になっている面で、ステンドグラス下部の装飾が気に入って撮ったものだが、、こうしたゴシックの教会の醍醐味はやはり内部である。
    NO PHOTOだから画像は1枚もない。だいたい、一番の見所なんてどこも撮影禁止なのだ。やはり行かなければならない。彫刻の密度、礼拝堂のフランヴォワイヤンの天井、宝物のサーベル、中庭からの光が入る回廊など、どれも見事である。ロンドン観光にこの寺院はゼッタイ外せない。

    (*)ちょっと、一言いっておきたいのだが、教会を見せてもらうのに、一体どんな荷物が必要なのだろうか。物見遊山の野次馬客も、もうすこし緊張感と謙虚さをもってはどうだろう。一番仰天したのは、ローマのシスティーナ礼拝堂にベビーカーを押して入ってきた人がいたことだ。「なんだツミはー?」あいつぜったいアメリカーノだね。半ズボンだったし。しかしシスティーナ礼拝堂だぞー。フロリダのビーチじゃないぞー。

  • ●《クラリッジホテル Claridge&#39;s》<br /><br />まだ2日目が終わらない。<br />ウェストミンスターの身廊の無名戦士の墓の周りにはきれいな制服のパブリックスクールの高校生がいたので、ちょっと離れて見学した後、いそいでクラリッジのティールームへ走る。しかし交差点で道を間違えた。ネクタイにジャケットだったから汗かいた。10分ほど遅刻。<br />http://www.claridges.co.uk/home/home.asp<br />ここで見た、あのエントランス。この建物は元貴族のお屋敷らしい。<br />ティールームは、たとえばRitzほど豪華絢爛というわけではない。大きな鏡やシャンデリアがあるが、ピアノとヴァイオリンの演奏はふつう(最後に好きな『ゴルトベルク変奏曲』が聴けたのはよかった)。というか、先ほどものすごい体験をしてきたばかりなので、どんな豪華ホテルの内装をみたところで、かすんで見えたろう。<br />食器は黄緑と白のストライプ。ポストモダンである。<br />紅茶はアッサム、それにサンドイッチとスコーンを頼む。<br />三段カゴはミーハーだし、量がハンパじゃない。それに、焼きたてのスコーンってこんなにフワッとしてるのかと感動したのだが、2つ目をちょっと置いてたら、もうかたくなってた。いっぺんに持ってこられるより、ひとつひとつ運んでもらうのがいいと思われた。<br />それでも、甘い甘いチョコの塊のようなケーキなどあって、気持ち悪いくらいお腹一杯になった。でも、給仕のタイミングなどとてもよく、ついつい長居してしまった。<br />£33。<br />もう一生できない体験かもしれない。日本人の若者1人の客なんてもちろん他にはいなかったが、ロンドンへ行かれたら、ぜひ。<br /><br />ホテルを出てまだまだ時間あったのだが、気持ち悪かったので、ちかくのデパート「セルフリッジ」のギーヴス・アンド・ホークスだけ覗いて(もちろん just lookingである)ホテルに帰るつもりだった。でも、ちょっと歩いてるうちに(ここOxford st.は表参道みたいな通りなので、すごい人なんだが)、デザートをこなしてきたみたなので、やっぱりやめることにしたのだった。<br />

    ●《クラリッジホテル Claridge's》

    まだ2日目が終わらない。
    ウェストミンスターの身廊の無名戦士の墓の周りにはきれいな制服のパブリックスクールの高校生がいたので、ちょっと離れて見学した後、いそいでクラリッジのティールームへ走る。しかし交差点で道を間違えた。ネクタイにジャケットだったから汗かいた。10分ほど遅刻。
    http://www.claridges.co.uk/home/home.asp
    ここで見た、あのエントランス。この建物は元貴族のお屋敷らしい。
    ティールームは、たとえばRitzほど豪華絢爛というわけではない。大きな鏡やシャンデリアがあるが、ピアノとヴァイオリンの演奏はふつう(最後に好きな『ゴルトベルク変奏曲』が聴けたのはよかった)。というか、先ほどものすごい体験をしてきたばかりなので、どんな豪華ホテルの内装をみたところで、かすんで見えたろう。
    食器は黄緑と白のストライプ。ポストモダンである。
    紅茶はアッサム、それにサンドイッチとスコーンを頼む。
    三段カゴはミーハーだし、量がハンパじゃない。それに、焼きたてのスコーンってこんなにフワッとしてるのかと感動したのだが、2つ目をちょっと置いてたら、もうかたくなってた。いっぺんに持ってこられるより、ひとつひとつ運んでもらうのがいいと思われた。
    それでも、甘い甘いチョコの塊のようなケーキなどあって、気持ち悪いくらいお腹一杯になった。でも、給仕のタイミングなどとてもよく、ついつい長居してしまった。
    £33。
    もう一生できない体験かもしれない。日本人の若者1人の客なんてもちろん他にはいなかったが、ロンドンへ行かれたら、ぜひ。

    ホテルを出てまだまだ時間あったのだが、気持ち悪かったので、ちかくのデパート「セルフリッジ」のギーヴス・アンド・ホークスだけ覗いて(もちろん just lookingである)ホテルに帰るつもりだった。でも、ちょっと歩いてるうちに(ここOxford st.は表参道みたいな通りなので、すごい人なんだが)、デザートをこなしてきたみたなので、やっぱりやめることにしたのだった。

  • ●ジョセフ・ライト《空気ポンプの実験》 1768<br /><br />水曜日は21:00まで開いている、「トラファルガー広場」に立つ《ナショナル・ギャラリー National Gallery》へ。<br />ここには2回行ったのだが、この日はほんとにちょっとだけ。<br />まず、どうしても見たかった絵画があった。<br />ジョセフ・ライト《空気ポンプの実験》である。<br />http://www.nationalgallery.org.uk/cgi-bin/WebObjects.dll/CollectionPublisher.woa/wa/work?workNumber=ng725<br />http://en.wikipedia.org/wiki/Joseph_Wright_of_Derby<br />おそらくはじめて訪れる広い美術館のはずなのに、流れるように画の前に歩いていった。<br />183×244cm、なかなか大作である。<br />パソコンの画面では伝わらないかもしれない。こんなものではなかった。<br />複製で見慣れていたはずだが、同時にはじめて観たようでもあった。<br />ジーンとした、味わったことのない身体感覚にとらわれた。<br />細部まで緻密に描かれており、光と闇のコントラスト、とくに鳥を閉じ込めたガラスのビーカーは戦慄的に美しい。ニュートンらしき科学者がいままさに、酸素の供給をたち生命の息の根を止めるその瞬間が、思わず目を背ける少女、冷静に観察する伯爵の静謐な表情などとともに、迫真をもって繰り広げられている。<br />この画家はけしてメジャーではないけれども、この作品は、クック船長第三回航海に同行した画家ジョン・ウェバーとならんで、18世紀イギリス経験主義を代表する表象にかぞえていいのではないだろうか。<br />優雅な静かな展示室のヴィクトリア様式の革張りソファーに座って、じっくりと鑑賞することできる。<br />ここにはレオナルドの《岩窟の聖母子》の2つのうちの一点もあるのだが、それ以上にこの絵にたいへんな感銘をうけた。<br /><br />今日はほとんどこれだけをみて、ヴェンチューリがやった新館「セインズベリー館」をちらっとみて(ロビーの演奏聴きながら食事なんかできる)、すぐ出てきた。たしかにこのポストモダン作家よりふさわしい建築家はいないかもしれないが、まあ大したものではない。<br /><br />それにしても、上の画像をみればわかると思うが、「トラファルガースクエア」は、なんだかお祭りでもあったのかという人(「トラファルガー」だからトラの像だとわかりやすいんだけど、ライオン像にのぼって記念撮影してる THE おのぼりさん 発見)で、どうやらフットボールの場外観戦でもあったんだろう。リバプールの赤いユニホームのフーリガンが上機嫌だった。<br />いっしょにtubeに乗ることになったのだが、仕事帰りのOLさんは苦笑していた。やっぱり、地元の人にとっても、フーリガンというのはロンドン中のおっちょこちょいの集まりというかんじなのだろうか。<br /><br />駅を出るとターミナル駅だったので迷いながら、ケバブのテイクアウェイを買ってホテルに帰った。バイトのトルコ人はぼくの英語をなかなか聞き取れなかったが、かれもかなりなまっていた。<br />深夜目が覚めると、また昨日の女の子が手話をしていた。

    ●ジョセフ・ライト《空気ポンプの実験》 1768

    水曜日は21:00まで開いている、「トラファルガー広場」に立つ《ナショナル・ギャラリー National Gallery》へ。
    ここには2回行ったのだが、この日はほんとにちょっとだけ。
    まず、どうしても見たかった絵画があった。
    ジョセフ・ライト《空気ポンプの実験》である。
    http://www.nationalgallery.org.uk/cgi-bin/WebObjects.dll/CollectionPublisher.woa/wa/work?workNumber=ng725
    http://en.wikipedia.org/wiki/Joseph_Wright_of_Derby
    おそらくはじめて訪れる広い美術館のはずなのに、流れるように画の前に歩いていった。
    183×244cm、なかなか大作である。
    パソコンの画面では伝わらないかもしれない。こんなものではなかった。
    複製で見慣れていたはずだが、同時にはじめて観たようでもあった。
    ジーンとした、味わったことのない身体感覚にとらわれた。
    細部まで緻密に描かれており、光と闇のコントラスト、とくに鳥を閉じ込めたガラスのビーカーは戦慄的に美しい。ニュートンらしき科学者がいままさに、酸素の供給をたち生命の息の根を止めるその瞬間が、思わず目を背ける少女、冷静に観察する伯爵の静謐な表情などとともに、迫真をもって繰り広げられている。
    この画家はけしてメジャーではないけれども、この作品は、クック船長第三回航海に同行した画家ジョン・ウェバーとならんで、18世紀イギリス経験主義を代表する表象にかぞえていいのではないだろうか。
    優雅な静かな展示室のヴィクトリア様式の革張りソファーに座って、じっくりと鑑賞することできる。
    ここにはレオナルドの《岩窟の聖母子》の2つのうちの一点もあるのだが、それ以上にこの絵にたいへんな感銘をうけた。

    今日はほとんどこれだけをみて、ヴェンチューリがやった新館「セインズベリー館」をちらっとみて(ロビーの演奏聴きながら食事なんかできる)、すぐ出てきた。たしかにこのポストモダン作家よりふさわしい建築家はいないかもしれないが、まあ大したものではない。

    それにしても、上の画像をみればわかると思うが、「トラファルガースクエア」は、なんだかお祭りでもあったのかという人(「トラファルガー」だからトラの像だとわかりやすいんだけど、ライオン像にのぼって記念撮影してる THE おのぼりさん 発見)で、どうやらフットボールの場外観戦でもあったんだろう。リバプールの赤いユニホームのフーリガンが上機嫌だった。
    いっしょにtubeに乗ることになったのだが、仕事帰りのOLさんは苦笑していた。やっぱり、地元の人にとっても、フーリガンというのはロンドン中のおっちょこちょいの集まりというかんじなのだろうか。

    駅を出るとターミナル駅だったので迷いながら、ケバブのテイクアウェイを買ってホテルに帰った。バイトのトルコ人はぼくの英語をなかなか聞き取れなかったが、かれもかなりなまっていた。
    深夜目が覚めると、また昨日の女の子が手話をしていた。

  • ●《セント・ポール寺院 St.Paul&#39;s Cathedral》<br /><br />3日目。<br />駅には、昨日のあの娘はいなかった。<br />やれやれ、どこか寝床あったのだろうか。けど、なぜかちょっと寂しい。<br />地下鉄でセント・ポール駅へ。<br />しかし、パリのメトロでも見かけたが、ヨーロッパではふつうなのか、<br />地下鉄に飼い犬を乗せてくる。この日も、でっかい犬が電車に向かって吼えていた。<br />地上にでると、大聖堂のドームがもう見えている。天才クリストファー・レン(1632-1723)による《セント・ポール寺院》である。ちょうど裏側にでたようだ。<br />建築写真で見ていたのは、正面からバシッと撮られてるもの(*)だったのだが、<br />そんなポイントどこにもない。前面にもっと余裕があるものと思い込んでいたが、ここは「シティー」である。<br />道幅も広くなく両側にも建物がせまっていおり、それがフレームに入ってくる。もちろん三脚もワイドレンズもない。しかも、正面階段は修学旅行生に占拠されているので、静かな裏庭をいれて撮影した。だが、ぜひ、ファサード側から双塔の間からドームが聳える圧巻を仰ぎたい。それにしても、この双塔は、へんだ。高すぎる。バロックの影響か。<br />しかし、内部はわりとあっさりしたもので、昨日みたカトリック系の《ウェストミンスター》の衝撃には及ばなかった。<br /><br />(*)たとえば、地味な本だが、『建築史』(市ヶ谷出版社、p.194)の図版など、ほとんど空中写真だ。<br /><br /><br />

    ●《セント・ポール寺院 St.Paul's Cathedral》

    3日目。
    駅には、昨日のあの娘はいなかった。
    やれやれ、どこか寝床あったのだろうか。けど、なぜかちょっと寂しい。
    地下鉄でセント・ポール駅へ。
    しかし、パリのメトロでも見かけたが、ヨーロッパではふつうなのか、
    地下鉄に飼い犬を乗せてくる。この日も、でっかい犬が電車に向かって吼えていた。
    地上にでると、大聖堂のドームがもう見えている。天才クリストファー・レン(1632-1723)による《セント・ポール寺院》である。ちょうど裏側にでたようだ。
    建築写真で見ていたのは、正面からバシッと撮られてるもの(*)だったのだが、
    そんなポイントどこにもない。前面にもっと余裕があるものと思い込んでいたが、ここは「シティー」である。
    道幅も広くなく両側にも建物がせまっていおり、それがフレームに入ってくる。もちろん三脚もワイドレンズもない。しかも、正面階段は修学旅行生に占拠されているので、静かな裏庭をいれて撮影した。だが、ぜひ、ファサード側から双塔の間からドームが聳える圧巻を仰ぎたい。それにしても、この双塔は、へんだ。高すぎる。バロックの影響か。
    しかし、内部はわりとあっさりしたもので、昨日みたカトリック系の《ウェストミンスター》の衝撃には及ばなかった。

    (*)たとえば、地味な本だが、『建築史』(市ヶ谷出版社、p.194)の図版など、ほとんど空中写真だ。


  • それから、大英博物館にいったのだが、<br />円形のリーディングルームにはは入れなかった。<br />すごく楽しみにしていたのに。<br />2009年まで改修工事なのだそうだ。ご注意を。<br />(2007年3月までは入れたようだ。)<br /><br />出ると、だんだん雲行きがあやしくなってきた。<br />朝はまだ晴れ間もあったのに。さすがロンドン。<br />ちょうど雨が降り出したころに、老舗の傘屋「James smith &amp; sons」に。<br />だいたい、ぼくは、雨や傘が嫌いではない。毎年梅雨がくると、いい傘買っちゃおうかなあと迷うのだが買えないでいたので、どうせならロンドンで買おうと決めていたのだ。おみやげにもちょうどいいので、念のため近くで円をポンドに換えてからお店に。<br />蛇や馬の頭の柄とかある。<br />安めの65ポンドでいいのを見つけた。が、青、緑、ブラウンで、Black one がない。<br />奥まで探しに行ってもらうが、在庫もない。<br />店長がすすめてくれたのは、同じようなデザインの50ポンドのもの、ひらいてみる。<br />いいねー。店長が選んだのだから間違いないだろう。ロンドン一ということは、世界一の傘といっていいだろう。<br />I&#39;ll take this one.<br />お金足りたのに、なぜか VISA CRAD で支払った。<br />店長は「生意気なやつだ」みたいなかんじで、接客がやや雑になった。<br />やはり「sons」は大したことなんだろう。<br />しかしけっこう降って来た。<br />このあと公園にでも行ってみたかったんだが、中止にする。とりあえず地下鉄の駅へ。<br />傘の雨水の弾き方は驚異的だ。さすが。<br /><br />近くの「ボンド・ストリート」へ。<br />「スマイソン」でペンやレターセットを買いたかったのだが、<br />すごい高級感のある店舗で、入るのをあきらめた。<br />何軒か先はオークション会場の「サザビーズ」だ。<br />通りたかったサヴィル・ロウも歩いたが、<br />「ギーヴス・アンド・ホークス」ももちろん外から見ただけ。<br />「一生、入れないようなトコ入りたくもないぜ。」<br />

    それから、大英博物館にいったのだが、
    円形のリーディングルームにはは入れなかった。
    すごく楽しみにしていたのに。
    2009年まで改修工事なのだそうだ。ご注意を。
    (2007年3月までは入れたようだ。)

    出ると、だんだん雲行きがあやしくなってきた。
    朝はまだ晴れ間もあったのに。さすがロンドン。
    ちょうど雨が降り出したころに、老舗の傘屋「James smith & sons」に。
    だいたい、ぼくは、雨や傘が嫌いではない。毎年梅雨がくると、いい傘買っちゃおうかなあと迷うのだが買えないでいたので、どうせならロンドンで買おうと決めていたのだ。おみやげにもちょうどいいので、念のため近くで円をポンドに換えてからお店に。
    蛇や馬の頭の柄とかある。
    安めの65ポンドでいいのを見つけた。が、青、緑、ブラウンで、Black one がない。
    奥まで探しに行ってもらうが、在庫もない。
    店長がすすめてくれたのは、同じようなデザインの50ポンドのもの、ひらいてみる。
    いいねー。店長が選んだのだから間違いないだろう。ロンドン一ということは、世界一の傘といっていいだろう。
    I'll take this one.
    お金足りたのに、なぜか VISA CRAD で支払った。
    店長は「生意気なやつだ」みたいなかんじで、接客がやや雑になった。
    やはり「sons」は大したことなんだろう。
    しかしけっこう降って来た。
    このあと公園にでも行ってみたかったんだが、中止にする。とりあえず地下鉄の駅へ。
    傘の雨水の弾き方は驚異的だ。さすが。

    近くの「ボンド・ストリート」へ。
    「スマイソン」でペンやレターセットを買いたかったのだが、
    すごい高級感のある店舗で、入るのをあきらめた。
    何軒か先はオークション会場の「サザビーズ」だ。
    通りたかったサヴィル・ロウも歩いたが、
    「ギーヴス・アンド・ホークス」ももちろん外から見ただけ。
    「一生、入れないようなトコ入りたくもないぜ。」

  • ●《ピカデリー・サーカス》<br /><br />そのままリージェントストリートを歩いて、広場へ。<br />渋谷、歌舞伎町、道頓堀など、電飾は見慣れてるはずだが、<br />石造のなかに突然あって、しかも他ではほとんど見ることが無かったので、けっこうかっこいい。<br />ロンドンのシンボリックな風景と思い、絵葉書まで買ってしまった。<br />ガイジンさんもよろこんで写真とってた。<br />エロス像の立つこの階段も修学旅行生の天国に。<br />しかしここも、小さな広場なのだ。<br />このコンパクトさがまた気に入った。<br />みんな絶対好きになるはず。<br /><br />近くに、紅茶専門店「Richaux」ピカデリー店があることを思い出し、そこで一服。<br />画像の時計は4:30を差している。考えてみれば、この日はここまで、ほぼノンストップで動き続けたわけだ。<br />足の裏は皮がむけたり靴擦れしたりして、けっこう痛かったはずなのに。<br />でも、いつも痛くなる腰は痛くならなかった。でも、日本に帰って歩いてるとやっぱり痛くなる。これはストレス性のものか。では海外ではストレスをかんじなかったのか。行かなきゃ行けない。海外行かなきゃ。<br />オリジナルブレンドを頼んだが、ティーバック。まあ、普段そうだし、それでいいんだけど。<br />ここは値段はふつう(安くは無い。物価が高いから!)だが、内装はいい。<br />広場に戻る途中の高級店「フォートナム&メイソン」でお土産の紅茶を。<br />可愛らしいちっちゃな6缶セットが12.75ポンド。<br />ちなみにヒースロー空港でみたら8ポンド。おそるべし本店価格。<br /><br />

    ●《ピカデリー・サーカス》

    そのままリージェントストリートを歩いて、広場へ。
    渋谷、歌舞伎町、道頓堀など、電飾は見慣れてるはずだが、
    石造のなかに突然あって、しかも他ではほとんど見ることが無かったので、けっこうかっこいい。
    ロンドンのシンボリックな風景と思い、絵葉書まで買ってしまった。
    ガイジンさんもよろこんで写真とってた。
    エロス像の立つこの階段も修学旅行生の天国に。
    しかしここも、小さな広場なのだ。
    このコンパクトさがまた気に入った。
    みんな絶対好きになるはず。

    近くに、紅茶専門店「Richaux」ピカデリー店があることを思い出し、そこで一服。
    画像の時計は4:30を差している。考えてみれば、この日はここまで、ほぼノンストップで動き続けたわけだ。
    足の裏は皮がむけたり靴擦れしたりして、けっこう痛かったはずなのに。
    でも、いつも痛くなる腰は痛くならなかった。でも、日本に帰って歩いてるとやっぱり痛くなる。これはストレス性のものか。では海外ではストレスをかんじなかったのか。行かなきゃ行けない。海外行かなきゃ。
    オリジナルブレンドを頼んだが、ティーバック。まあ、普段そうだし、それでいいんだけど。
    ここは値段はふつう(安くは無い。物価が高いから!)だが、内装はいい。
    広場に戻る途中の高級店「フォートナム&メイソン」でお土産の紅茶を。
    可愛らしいちっちゃな6缶セットが12.75ポンド。
    ちなみにヒースロー空港でみたら8ポンド。おそるべし本店価格。

  • 4日目<br />この日は、まずウインザーへ。<br />「ウォータールー駅」(設計・ニコラス・グリムショウ)から電車で50分である。<br />この駅は大きかったので、地下鉄を降りてから迷った。<br />さらに、切符の買い方がわからなかったから手間取った。<br />8:51発の切符がやっと買えたのが8:48。<br />走って飛び乗った。<br /><br />ほっと一息ついていたら、窓の外はもう緑が広がっている。<br />さっきまで工場の煙突とかみえていたのに。<br />さらに、庭付のかわいらしい一戸建てや羊のいる牧場などを通った。<br />ウィンザー駅についたら、かなり曇っているし、ちょっと寒い。<br />駅にカフェラテ屋さんがあったので、注文した。<br />2.0ポンドと書かれていたので、<br />1ポンドコイン2枚でちょうど払ったら、<br />若い女性の店員さんに「Lovely」といわれた。<br />ロンドンの人はよく「ラブリー」を使う。<br />天気予報をみてても、<br />「lovely sunny day」とかいってたし、<br />昨日、コヴェント・ガーデンの近くに、<br />フランスの老舗パン屋チェーン「ポール」があって、<br />そこのショーウィンドーのお菓子を写真で撮ろうとしてたら、<br />黒人の男性が「oh lovely」といっていた。<br /><br />お城までは、駅から坂道をのぼってすぐである。<br />この町のことは何も知らないが、いい町と思う。<br />画像にあるように、カラフルな建物なんかもある。<br />城の前の土産屋やレストランの雰囲気は、なぜか有馬温泉を思い出したけど。<br />

    4日目
    この日は、まずウインザーへ。
    「ウォータールー駅」(設計・ニコラス・グリムショウ)から電車で50分である。
    この駅は大きかったので、地下鉄を降りてから迷った。
    さらに、切符の買い方がわからなかったから手間取った。
    8:51発の切符がやっと買えたのが8:48。
    走って飛び乗った。

    ほっと一息ついていたら、窓の外はもう緑が広がっている。
    さっきまで工場の煙突とかみえていたのに。
    さらに、庭付のかわいらしい一戸建てや羊のいる牧場などを通った。
    ウィンザー駅についたら、かなり曇っているし、ちょっと寒い。
    駅にカフェラテ屋さんがあったので、注文した。
    2.0ポンドと書かれていたので、
    1ポンドコイン2枚でちょうど払ったら、
    若い女性の店員さんに「Lovely」といわれた。
    ロンドンの人はよく「ラブリー」を使う。
    天気予報をみてても、
    「lovely sunny day」とかいってたし、
    昨日、コヴェント・ガーデンの近くに、
    フランスの老舗パン屋チェーン「ポール」があって、
    そこのショーウィンドーのお菓子を写真で撮ろうとしてたら、
    黒人の男性が「oh lovely」といっていた。

    お城までは、駅から坂道をのぼってすぐである。
    この町のことは何も知らないが、いい町と思う。
    画像にあるように、カラフルな建物なんかもある。
    城の前の土産屋やレストランの雰囲気は、なぜか有馬温泉を思い出したけど。

  • ●《ウィンザー城》<br /><br />だいたいぼくはお城ってものが好きで、<br />http://www.dickemauern.de/ausland.htm<br />こんなサイトまでみつけて、アンテナに登録してたりするのだ。<br />姫路城や首里城、万里の長城のようなものも好きだが、<br />やはりヨーロッパの城、ドイツ語でいう「ブルク」をどうしても見たかった。<br />その夢がついにかなったのだ。<br />ぼくがどれほどの感動をもってこの時、シャッターを切ったか。<br />画像でもテキストでもとても伝わるものではない。<br /><br />ポストがあったので、実家に送るえはがきを、ここから投函することにした。<br /><br />その後、サンドイッチチェーンの「EAT」があったから、<br />サンドイッチと野菜スープを食べた。<br />もっとゆっくりもしてみたい町だと思いつつ、帰りの電車に乗った。<br /><br /><br /><br />

    ●《ウィンザー城》

    だいたいぼくはお城ってものが好きで、
    http://www.dickemauern.de/ausland.htm
    こんなサイトまでみつけて、アンテナに登録してたりするのだ。
    姫路城や首里城、万里の長城のようなものも好きだが、
    やはりヨーロッパの城、ドイツ語でいう「ブルク」をどうしても見たかった。
    その夢がついにかなったのだ。
    ぼくがどれほどの感動をもってこの時、シャッターを切ったか。
    画像でもテキストでもとても伝わるものではない。

    ポストがあったので、実家に送るえはがきを、ここから投函することにした。

    その後、サンドイッチチェーンの「EAT」があったから、
    サンドイッチと野菜スープを食べた。
    もっとゆっくりもしてみたい町だと思いつつ、帰りの電車に乗った。



  • 市内にもどって、ケンジントンへ。<br /><br />●《ケンジントン・パーク》<br /><br />ケンジントン宮殿やサーペンタイン・ギャラリー、ピーターパン像のある広い公園。<br />広くてどこもいかなかったけれど。<br /><br />だんだん、天気がよくなってきていた。<br />ジョギングする人、ベビーカーを押すお母さん、<br />走り回るこどもたち、<br />芝生でお昼寝する若者・・・<br />「ここは天国か?」<br />と錯覚してしまいそうになった。<br />こんな公園が家の近所にあったらなあと心から思った。<br /><br />画像はケンジントン宮殿のサンクン・ガーデンだが、ここはほんとうに美しかった。<br />こんなイングリッシュガーデンが見たかった。<br /><br />眺めているうちに、ふと、「ここは龍安寺だな」という考えが浮かんだ。<br />四角いし、外から眺めるだけだし、借景はないけど、塀に勾配をつけたりしているし。<br /><br />それにしても、龍安寺のなんと無味乾燥なこと!<br /><br />一方、ここは小鳥のさえずりが聞こえ、噴水の水の音がし、リスが走り回り、色とりどりのお花に太陽光がやさしくふりそそいでいる。<br />ぼくの好みは、今は圧倒的にこっちだ。<br />立ち去りがたく、ここにはしばらく座っていた。<br /><br />そのあと、公園の芝生の上にも座ってみた。<br />日本では恥ずかしくて出来ないから。<br />ヨーロッパの公園はいいな、<br />いい旅行だな、<br />そんなことを思った。<br /><br /><br />

    市内にもどって、ケンジントンへ。

    ●《ケンジントン・パーク》

    ケンジントン宮殿やサーペンタイン・ギャラリー、ピーターパン像のある広い公園。
    広くてどこもいかなかったけれど。

    だんだん、天気がよくなってきていた。
    ジョギングする人、ベビーカーを押すお母さん、
    走り回るこどもたち、
    芝生でお昼寝する若者・・・
    「ここは天国か?」
    と錯覚してしまいそうになった。
    こんな公園が家の近所にあったらなあと心から思った。

    画像はケンジントン宮殿のサンクン・ガーデンだが、ここはほんとうに美しかった。
    こんなイングリッシュガーデンが見たかった。

    眺めているうちに、ふと、「ここは龍安寺だな」という考えが浮かんだ。
    四角いし、外から眺めるだけだし、借景はないけど、塀に勾配をつけたりしているし。

    それにしても、龍安寺のなんと無味乾燥なこと!

    一方、ここは小鳥のさえずりが聞こえ、噴水の水の音がし、リスが走り回り、色とりどりのお花に太陽光がやさしくふりそそいでいる。
    ぼくの好みは、今は圧倒的にこっちだ。
    立ち去りがたく、ここにはしばらく座っていた。

    そのあと、公園の芝生の上にも座ってみた。
    日本では恥ずかしくて出来ないから。
    ヨーロッパの公園はいいな、
    いい旅行だな、
    そんなことを思った。


  • <br />ナショナル・ギャラリー 2回目<br /><br />この広場はやっぱり毎日お祭りというかんじだ。<br />こんな広場が家の近くにあったら。<br /><br />今回早歩きだが一周した。<br />ルーべンスの面白い絵があったが、<br />帰国したその日に買ったゴンブリッチの『美術の物語』<br />http://www.amazon.co.jp/%E7%BE%8E%E8%A1%93%E3%81%AE%E7%89%A9%E8%AA%9E-E-H-%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%81/dp/4902593556/ref=pd_bbs_sr_1/249-3622453-9854724?ie=UTF8&amp;s=books&amp;qid=1179560259&amp;sr=8-1<br />にものっていた。<br /><br />他に、ラファエロの小品、アングル、ホルバインの髑髏の絵が気になった。<br /><br />ミュージアムショップで、ボールペンを買って、とても気に入っていたのだが、<br />パリでなくした。<br />あれを買いなおすためだけでも、来年また行かないといけない。<br />


    ナショナル・ギャラリー 2回目

    この広場はやっぱり毎日お祭りというかんじだ。
    こんな広場が家の近くにあったら。

    今回早歩きだが一周した。
    ルーべンスの面白い絵があったが、
    帰国したその日に買ったゴンブリッチの『美術の物語』
    http://www.amazon.co.jp/%E7%BE%8E%E8%A1%93%E3%81%AE%E7%89%A9%E8%AA%9E-E-H-%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%81/dp/4902593556/ref=pd_bbs_sr_1/249-3622453-9854724?ie=UTF8&s=books&qid=1179560259&sr=8-1
    にものっていた。

    他に、ラファエロの小品、アングル、ホルバインの髑髏の絵が気になった。

    ミュージアムショップで、ボールペンを買って、とても気に入っていたのだが、
    パリでなくした。
    あれを買いなおすためだけでも、来年また行かないといけない。

  • つづいて《ヴィクトリア&アルバート博物館》にむかう。<br />途中、《ハロッズ》に入ってみたりした。<br /><br />ダニエル・リベスキンドがリノベーションしたというので、期待していたのだが、<br />金曜日で遅くまでやってるからって、エントランスでアルコール飲みながらアートが見れるようにしてて、<br />立食パーティーみたいでスノッブだなあと思った。<br />画像はキッチュなミュージアムショップ。<br />やはり、秋に行くベルリンで《ユダヤ博物館》をみないとダメだろう。

    つづいて《ヴィクトリア&アルバート博物館》にむかう。
    途中、《ハロッズ》に入ってみたりした。

    ダニエル・リベスキンドがリノベーションしたというので、期待していたのだが、
    金曜日で遅くまでやってるからって、エントランスでアルコール飲みながらアートが見れるようにしてて、
    立食パーティーみたいでスノッブだなあと思った。
    画像はキッチュなミュージアムショップ。
    やはり、秋に行くベルリンで《ユダヤ博物館》をみないとダメだろう。

  • 美術館の前から、はじめて赤バスに乗ってみる。<br />路線図はまったく頭に入ってない。<br />このグロズブナースクエアのわりと近くに来たので、降りてみる。<br />この広場に面する《アメリカ大使館》を目指すことにした。<br />日が暮れる前に、ロンドンで、エーロ・サーリネンの作品を一件見ることができた。 <br />

    美術館の前から、はじめて赤バスに乗ってみる。
    路線図はまったく頭に入ってない。
    このグロズブナースクエアのわりと近くに来たので、降りてみる。
    この広場に面する《アメリカ大使館》を目指すことにした。
    日が暮れる前に、ロンドンで、エーロ・サーリネンの作品を一件見ることができた。

  • ロンドン5日目。<br />駅にはあの子がいた。<br />駅の清掃員にいじめられてた。<br /><br />tubeでグリニッチまで。<br />そうそう、昨日、ロンドンが恋しくて、映画『チューブテイル』をみてたら、<br />old street駅が出てきて、もう嬉しくてたまらなかった。<br />いろんな人がいっぱい乗ってたり、しょっちゅう電気がチカチカしたり、もうこの映画のまんま。<br /><br />グリニッチまでは案外かかった。<br />途中、乗り換えで、地上にでて、しばらく歩いたりした。<br /><br />なぜ、ここまでやってきたかというと、<br />《国立海事博物館》に行くためだ。<br />イギリスといえば、キャプテン・クックというイメージがあったので。<br />さらに、多木浩二さんの『最後の航海−キャプテン・クック ハワイに死す』http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E8%88%AA%E6%B5%B7%E2%80%95%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%97%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8F%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%81%AB%E6%AD%BB%E3%81%99-%E5%A4%9A%E6%9C%A8-%E6%B5%A9%E4%BA%8C/dp/440312013X/ref=sr_1_10/249-3622453-9854724?ie=UTF8&amp;s=books&amp;qid=1179675990&amp;sr=8-10を読んでて、同行した記録画家ジョン・ウェバーの絵を見たくなったから。<br /><br />ところが、クック船長に関する展示は、思いのほか少なかったのだ。「これだけ?」というかんじ。<br />ネルソン提督については、ほとんどワンフロア全部を割いてるのに。<br />クックのほうがよほど英雄と思うが、そうでもないのだろうか?<br />せっかく来たが、ちょっとがっかりだった。天文台にも行かず、あとにした。 <br /><br />中心部にもどる途中、キャナリーワーフ駅で途中下車。<br />ここはお台場みたいなところだろう。<br />高層ビルがいろいろあったが、勉強不足。<br />この地下鉄駅前のあたりが一番ティピカルかなと思って撮影したのがアップしたこの画像。 <br />画面右下の「キャナリーワーフ駅」はフォスターの設計。<br />余談だが、フォスター事務所はどこかに買収されるらしい。<br />ついに、設計事務所も投資の対象になる時代か。<br />画面左のビルは、最近買収された「ロイター」。<br />この前ニュース映像みてたら。「あれ、ここみたことある」と思って、<br />自分のとった写真を見返して、撮った後から自分が撮ったものを理解した。<br />虚脱感に襲われるほど広く、トイレにたどり着くのも一苦労だったので、<br />ここもすぐ去った。 <br />

    ロンドン5日目。
    駅にはあの子がいた。
    駅の清掃員にいじめられてた。

    tubeでグリニッチまで。
    そうそう、昨日、ロンドンが恋しくて、映画『チューブテイル』をみてたら、
    old street駅が出てきて、もう嬉しくてたまらなかった。
    いろんな人がいっぱい乗ってたり、しょっちゅう電気がチカチカしたり、もうこの映画のまんま。

    グリニッチまでは案外かかった。
    途中、乗り換えで、地上にでて、しばらく歩いたりした。

    なぜ、ここまでやってきたかというと、
    《国立海事博物館》に行くためだ。
    イギリスといえば、キャプテン・クックというイメージがあったので。
    さらに、多木浩二さんの『最後の航海−キャプテン・クック ハワイに死す』http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E8%88%AA%E6%B5%B7%E2%80%95%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%97%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8F%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%81%AB%E6%AD%BB%E3%81%99-%E5%A4%9A%E6%9C%A8-%E6%B5%A9%E4%BA%8C/dp/440312013X/ref=sr_1_10/249-3622453-9854724?ie=UTF8&s=books&qid=1179675990&sr=8-10を読んでて、同行した記録画家ジョン・ウェバーの絵を見たくなったから。

    ところが、クック船長に関する展示は、思いのほか少なかったのだ。「これだけ?」というかんじ。
    ネルソン提督については、ほとんどワンフロア全部を割いてるのに。
    クックのほうがよほど英雄と思うが、そうでもないのだろうか?
    せっかく来たが、ちょっとがっかりだった。天文台にも行かず、あとにした。

    中心部にもどる途中、キャナリーワーフ駅で途中下車。
    ここはお台場みたいなところだろう。
    高層ビルがいろいろあったが、勉強不足。
    この地下鉄駅前のあたりが一番ティピカルかなと思って撮影したのがアップしたこの画像。 
    画面右下の「キャナリーワーフ駅」はフォスターの設計。
    余談だが、フォスター事務所はどこかに買収されるらしい。
    ついに、設計事務所も投資の対象になる時代か。
    画面左のビルは、最近買収された「ロイター」。
    この前ニュース映像みてたら。「あれ、ここみたことある」と思って、
    自分のとった写真を見返して、撮った後から自分が撮ったものを理解した。
    虚脱感に襲われるほど広く、トイレにたどり着くのも一苦労だったので、
    ここもすぐ去った。

  • この日、一番行きたかったのは、《テート・モダン》である。<br />こんなかんじの工業地帯のなかにある。<br />画面左奥の茶色い建物。<br />元発電所 。<br />

    この日、一番行きたかったのは、《テート・モダン》である。
    こんなかんじの工業地帯のなかにある。
    画面左奥の茶色い建物。
    元発電所 。

  • ●《テート・モダン tate modern》 <br /><br />《テート・ギャラリー》のコレクションのうち、近・現代のものをうつすために計画された美術館。<br />国際コンペでヘルツォーク&ド・ムーロンが勝ち取ったものだが、<br />第2次選考?までは日本の安藤忠雄も残っていた。<br />しかしヒヤリングの当日阪神淡路大震災が発生し、関西の作品が心配になった氏はコンペをけって<br />日本に飛んで帰り、翌日にはカブを手配し神戸入りした、というレジェンドもある。<br />それにしても、このプロジェクトの力の入り方は、ここの7Fのカフェから外を眺めて実感できた。<br /><br />敷地は、テムズ河を挟んで、対岸の英国国教会の総本山セント・ポール寺院と対蹠する。<br />その2地点をフォスター設計の《ミレニアム・ブリッジ》がつなぐ。<br />今の大聖堂は1666年ロンドン大火後の再建だが、教会はこの敷地に604年からある。<br />その由緒あるランドマークと、20世紀の最後にオープンする、英国がこれまでコレクションした美術を収蔵・展示する美術館を、「二千年紀」と名づけられた橋でつなげるわけだから。<br />さらにいえば、夜ライトアップされるとこの建物は光が十字架形に浮かび上がる。二重に教会にオマージュされるのだ。<br /><br />展示で一番感動したのは、やはりミニマリル・アートのエリアだ。<br />無意識のうちにカメラをかまえて、係員に注意されたほど。<br />それにしても、ダン・フレイヴィンからドナルド・ジャットにいたるシークエンスは圧巻である。<br />とりわけジャッドの部屋。<br />だれがみてもここだろうという、ほんとうにすばらしい展示室がある。<br />ヘルツォークのミニマルな空間ともピッタリで、あそこに行くだけでも価値はあるだろう。<br /><br />ただ、ぼくの足はここにきて限界だった。<br />さすがにしんどかった。<br />カフェや前の広場で休んでも回復せず、ミレニアム・ブリッジはよろよろしながら渡ったと思うが、あまり記憶がない。が、それでも、とにかく、よろよろと歩くしかないのだった。<br /><br /><br />

    ●《テート・モダン tate modern》

    《テート・ギャラリー》のコレクションのうち、近・現代のものをうつすために計画された美術館。
    国際コンペでヘルツォーク&ド・ムーロンが勝ち取ったものだが、
    第2次選考?までは日本の安藤忠雄も残っていた。
    しかしヒヤリングの当日阪神淡路大震災が発生し、関西の作品が心配になった氏はコンペをけって
    日本に飛んで帰り、翌日にはカブを手配し神戸入りした、というレジェンドもある。
    それにしても、このプロジェクトの力の入り方は、ここの7Fのカフェから外を眺めて実感できた。

    敷地は、テムズ河を挟んで、対岸の英国国教会の総本山セント・ポール寺院と対蹠する。
    その2地点をフォスター設計の《ミレニアム・ブリッジ》がつなぐ。
    今の大聖堂は1666年ロンドン大火後の再建だが、教会はこの敷地に604年からある。
    その由緒あるランドマークと、20世紀の最後にオープンする、英国がこれまでコレクションした美術を収蔵・展示する美術館を、「二千年紀」と名づけられた橋でつなげるわけだから。
    さらにいえば、夜ライトアップされるとこの建物は光が十字架形に浮かび上がる。二重に教会にオマージュされるのだ。

    展示で一番感動したのは、やはりミニマリル・アートのエリアだ。
    無意識のうちにカメラをかまえて、係員に注意されたほど。
    それにしても、ダン・フレイヴィンからドナルド・ジャットにいたるシークエンスは圧巻である。
    とりわけジャッドの部屋。
    だれがみてもここだろうという、ほんとうにすばらしい展示室がある。
    ヘルツォークのミニマルな空間ともピッタリで、あそこに行くだけでも価値はあるだろう。

    ただ、ぼくの足はここにきて限界だった。
    さすがにしんどかった。
    カフェや前の広場で休んでも回復せず、ミレニアム・ブリッジはよろよろしながら渡ったと思うが、あまり記憶がない。が、それでも、とにかく、よろよろと歩くしかないのだった。


  • とにかく地下鉄の駅にたどり着かないといけないので、<br />そのことしか考えてなかった。<br />《ロンドン塔》は行く予定なかったが、<br />そんな乗り換えの途中、偶然みれた。<br /><br />まだホテルには着かない。 <br />

    とにかく地下鉄の駅にたどり着かないといけないので、
    そのことしか考えてなかった。
    《ロンドン塔》は行く予定なかったが、
    そんな乗り換えの途中、偶然みれた。

    まだホテルには着かない。

  • かなりしんどかったから、早目にホテルに帰るつもりだった。<br />けれど、ちょっとお腹がすいてきたので、<br />ソーホーのチャイナタウンにいってみた。<br />インド料理でも食べようかと思ったが、ベトナム料理があって、<br />「そりゃその方がヘルシーだろ」と思って入った。<br />ところが完全にインテリアは中華である。<br />従業員も中国系じゃないか。<br />名前忘れたがあのベトナム料理屋はニセモノである。<br />だが、生春巻き(ものすごいデカイ)、カレーうどん、チキンなど<br />意外にうまかった。<br />アルコールは控えるつもりだったのだが、店員が、ぼくの好きなシンガポールのタイガービールのTシャツを着てたので、<br />「Do you have tiger beer?」ときくと、あるというから頼んだら、<br />ベトナムビールがでてきた。<br />「こ、このようなものは、代表的なベトナムビールである!」<br />味も、日本のビールとほとんどいっしょだった。<br /><br />店をでると、あいかわらずすごい人だった。 <br /><br /><br />どうやって帰ってきたかはあんまり覚えてない。<br />この写真はほとんどホテルのむかいの風景。<br />バービカンという80年代に開発されたニュータウンだから、朝、散歩するにも<br />大変気持ちのいいきれいなところだった。<br />芝生の庭のある可愛らしいレンガのおうちで、スキンヘッドでジャージ姿の兄ちゃんが携帯でしゃべってたのが印象的。<br />しかし家賃も高そうだ。 <br />

    かなりしんどかったから、早目にホテルに帰るつもりだった。
    けれど、ちょっとお腹がすいてきたので、
    ソーホーのチャイナタウンにいってみた。
    インド料理でも食べようかと思ったが、ベトナム料理があって、
    「そりゃその方がヘルシーだろ」と思って入った。
    ところが完全にインテリアは中華である。
    従業員も中国系じゃないか。
    名前忘れたがあのベトナム料理屋はニセモノである。
    だが、生春巻き(ものすごいデカイ)、カレーうどん、チキンなど
    意外にうまかった。
    アルコールは控えるつもりだったのだが、店員が、ぼくの好きなシンガポールのタイガービールのTシャツを着てたので、
    「Do you have tiger beer?」ときくと、あるというから頼んだら、
    ベトナムビールがでてきた。
    「こ、このようなものは、代表的なベトナムビールである!」
    味も、日本のビールとほとんどいっしょだった。

    店をでると、あいかわらずすごい人だった。


    どうやって帰ってきたかはあんまり覚えてない。
    この写真はほとんどホテルのむかいの風景。
    バービカンという80年代に開発されたニュータウンだから、朝、散歩するにも
    大変気持ちのいいきれいなところだった。
    芝生の庭のある可愛らしいレンガのおうちで、スキンヘッドでジャージ姿の兄ちゃんが携帯でしゃべってたのが印象的。
    しかし家賃も高そうだ。

  • 朝。6日お世話になったホテルをチェックアウト。<br />ユーロスターでパリに行くためにウォータールー駅へ。<br /><br />ニコラス・グリムショウによるハイテク建築である。<br />ここでは、ポンドもユーロも両方使えた。<br />売店に、ベリー味とかライム味とか、<br />ほのかに味のついたミネラルウォーター(vittel)があって、<br />すごくおいしかった。日本でも売ればいいのに。<br /><br />入国審査はパスポートをチラッとみただけ。<br />英語もフランス語も必要なかった。<br />でも、職員の人に呼び止められたので、<br />ドキッとしたら、<br />「nice shirts!」といわれた。<br />花柄のシャツを褒められただけだった。<br /><br />3時間なんてすぐで、(じっさいには、なんかもうちょっとかかった)<br />このグランド・ツアーの2カ国目、おフランスに到着したのであった。<br />ドゥルーズ(フランス現代思想)はあいかわらず、進まなかった。<br /><br />(終わり。パリ編につづく。)

    朝。6日お世話になったホテルをチェックアウト。
    ユーロスターでパリに行くためにウォータールー駅へ。

    ニコラス・グリムショウによるハイテク建築である。
    ここでは、ポンドもユーロも両方使えた。
    売店に、ベリー味とかライム味とか、
    ほのかに味のついたミネラルウォーター(vittel)があって、
    すごくおいしかった。日本でも売ればいいのに。

    入国審査はパスポートをチラッとみただけ。
    英語もフランス語も必要なかった。
    でも、職員の人に呼び止められたので、
    ドキッとしたら、
    「nice shirts!」といわれた。
    花柄のシャツを褒められただけだった。

    3時間なんてすぐで、(じっさいには、なんかもうちょっとかかった)
    このグランド・ツアーの2カ国目、おフランスに到着したのであった。
    ドゥルーズ(フランス現代思想)はあいかわらず、進まなかった。

    (終わり。パリ編につづく。)

  • おまけ<br /><br />パリ、ローマを回って、またイギリスに帰ってきました。<br /><br />ヒースロー空港にもどってきた。<br />やっぱり、傘は捨てられかけた。<br />広〜い空港内をひたすら歩かされ(途中で外にまで出た!)、<br />もう一度ランディング・カードを書かされ、チェックインしなおした。<br /><br />それでも時間があったから、空港でゆっくりしようと思ったんだけど、<br />お金が2000円しかなくって、両替所で職員さんに失笑された。<br />あ、それと、中一くらいの時、<br />「What time is it now?」という英文を暗記させられて以来、<br />はじめて空港で使った。<br />イタリアと時差があったから、腕時計を直すため。<br /><br />おなかが空いてきてたから、レストランでなんか食べたかったが、高すぎた。<br />移民(何人かな?中東系だった)の愛想のいいバイトに、<br />「6ポンドしかないけど、一番安いのどれ?」というと、<br />「帰るしかないね」と言われた。<br />仕方ないから、紅茶だけ頼んだ。<br />「砂糖ないの?suger pease.」というと、<br />「suger? tomorrow!」といわれた。<br />ビールは2種類のんだけど、初日に飲んだ感動は蘇ってはこなかった。<br /><br />

    おまけ

    パリ、ローマを回って、またイギリスに帰ってきました。

    ヒースロー空港にもどってきた。
    やっぱり、傘は捨てられかけた。
    広〜い空港内をひたすら歩かされ(途中で外にまで出た!)、
    もう一度ランディング・カードを書かされ、チェックインしなおした。

    それでも時間があったから、空港でゆっくりしようと思ったんだけど、
    お金が2000円しかなくって、両替所で職員さんに失笑された。
    あ、それと、中一くらいの時、
    「What time is it now?」という英文を暗記させられて以来、
    はじめて空港で使った。
    イタリアと時差があったから、腕時計を直すため。

    おなかが空いてきてたから、レストランでなんか食べたかったが、高すぎた。
    移民(何人かな?中東系だった)の愛想のいいバイトに、
    「6ポンドしかないけど、一番安いのどれ?」というと、
    「帰るしかないね」と言われた。
    仕方ないから、紅茶だけ頼んだ。
    「砂糖ないの?suger pease.」というと、
    「suger? tomorrow!」といわれた。
    ビールは2種類のんだけど、初日に飲んだ感動は蘇ってはこなかった。

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