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私がホイッスラーを見たのは1996年に初めてハーバードにあるフォグ美術館(写真1枚目)を訪ねた時だったか。 <br /><br />その時印象に残ってるのは「Noctume in Blue and Silver」。絵葉書を購入しアルバムに張っている。 <br /><br /><br />ホイッスラーは美術館のあるここマサチューセッツ州で生まれ、パリで美術を学びロンドン、パリで活躍した。 <br /><br />ホイッスラーの用いる色彩は地味で、モノトーンに近い作品が多い。単色に近い色彩、水墨画のような、にじんだ輪郭線、洗練された中間色などに日本美術の影響が感じられる。彼の作品には「シンフォニー」「ノクターン」などの音楽用語が多用されている。 <br /><br />昨秋「オルセー展」(神戸市)でホイッスラーの「灰色と黒のアレンジメント、画家の母の肖像」を見た。黒い衣装の母親を座らせその横姿を描いた大作(144cmX163cm)。 <br /><br />1階の入った右にマネの「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」があり、その横にモリゾの「ゆりかご」があった。 <br /><br />1階の正面、一番目立つところにホイッスラーの「灰色と黒のアレンジメント、画家の母の肖像」があった。印象派の展覧会に同時代の画家ではあるが彼が印象派ではないところが面白かった。 <br /><br />フォグ美術館には12点の彼の作品がぎっしりと並べてあった <br /><br />フォグ美術館はハーバード大学構内にある幾つかの美術館のひとつで閑散としていてじっくり鑑賞できる。これだけのコレクションをこの恵まれた環境で見れるのは素晴らしいことだ。 <br /><br />受付で手続すれば写真撮影可能、上衣につける許可証マークを貸してくれる。 <br /><br />ボストンの美術館の中では(作品の質、環境など総合的に)いちばん良かった。<br /><br />美術館を訪ねていちばん嬉しいのは画家の新しい絵に巡りあった時。 <br /><br />その次に嬉しいのは既知の絵と再会して再確認した時。 <br /><br />ホイッスラーが12点ならモローも6点あった。 <br /><br />モローは聖書や神話に題材をとった幻想的な作風で知られる。 <br />パリのサント・トリニテ教会の近くを通った時モロー美術館はこの近くだと思ったが行かなかった。<br />余り興味が無かったのとあの作風に洗脳されるのを恐れて。 <br /><br />背景が淡いゴッホの自画像もあった。 <br /><br />美術館で会った入館者の総数は30人もいなかった。 <br /><br />ボストン、ニューヨークで訪ねた7つの美術館のうちでいちばん人が少なく、いちばん静かで絵を鑑賞するには理想的な環境だった。 <br /><br />ピカソ美術館と言えば私は青の時代の作品が多いバルセロナの「ピカソ美術館」が好きだ。10代で描いた大作「科学と慈愛」もある。ジョルジュ・スーラの絵と巡りあえたのも嬉しいことだった。 <br /><br />点描という技法にたどりついた新印象派のスーラーはゴッホより短い31年間の生涯で作品数も少ない。 <br /><br />彼の大作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」はフランスではなく、門外不出でシカゴにありそこに行かないと見ることは出来ない。 <br /><br />オルセーには「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の部分習作は数点あるが大作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の空洞はむなしく響く。オルセーがいちばん欲しい絵はまさにこれではないかと思う。 <br /><br />回廊に囲まれた中庭は広く、机と椅子が四隅に置かれていて休むことが出来る。ミュージアムショップもある。 <br /><br />

ハーバードのフォグ美術館は趣がありました

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2007/04/14 - 2007/04/14

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etretat

etretatさん

私がホイッスラーを見たのは1996年に初めてハーバードにあるフォグ美術館(写真1枚目)を訪ねた時だったか。

その時印象に残ってるのは「Noctume in Blue and Silver」。絵葉書を購入しアルバムに張っている。


ホイッスラーは美術館のあるここマサチューセッツ州で生まれ、パリで美術を学びロンドン、パリで活躍した。

ホイッスラーの用いる色彩は地味で、モノトーンに近い作品が多い。単色に近い色彩、水墨画のような、にじんだ輪郭線、洗練された中間色などに日本美術の影響が感じられる。彼の作品には「シンフォニー」「ノクターン」などの音楽用語が多用されている。

昨秋「オルセー展」(神戸市)でホイッスラーの「灰色と黒のアレンジメント、画家の母の肖像」を見た。黒い衣装の母親を座らせその横姿を描いた大作(144cmX163cm)。

1階の入った右にマネの「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」があり、その横にモリゾの「ゆりかご」があった。

1階の正面、一番目立つところにホイッスラーの「灰色と黒のアレンジメント、画家の母の肖像」があった。印象派の展覧会に同時代の画家ではあるが彼が印象派ではないところが面白かった。

フォグ美術館には12点の彼の作品がぎっしりと並べてあった

フォグ美術館はハーバード大学構内にある幾つかの美術館のひとつで閑散としていてじっくり鑑賞できる。これだけのコレクションをこの恵まれた環境で見れるのは素晴らしいことだ。

受付で手続すれば写真撮影可能、上衣につける許可証マークを貸してくれる。

ボストンの美術館の中では(作品の質、環境など総合的に)いちばん良かった。

美術館を訪ねていちばん嬉しいのは画家の新しい絵に巡りあった時。

その次に嬉しいのは既知の絵と再会して再確認した時。

ホイッスラーが12点ならモローも6点あった。

モローは聖書や神話に題材をとった幻想的な作風で知られる。
パリのサント・トリニテ教会の近くを通った時モロー美術館はこの近くだと思ったが行かなかった。
余り興味が無かったのとあの作風に洗脳されるのを恐れて。

背景が淡いゴッホの自画像もあった。

美術館で会った入館者の総数は30人もいなかった。

ボストン、ニューヨークで訪ねた7つの美術館のうちでいちばん人が少なく、いちばん静かで絵を鑑賞するには理想的な環境だった。

ピカソ美術館と言えば私は青の時代の作品が多いバルセロナの「ピカソ美術館」が好きだ。10代で描いた大作「科学と慈愛」もある。ジョルジュ・スーラの絵と巡りあえたのも嬉しいことだった。

点描という技法にたどりついた新印象派のスーラーはゴッホより短い31年間の生涯で作品数も少ない。

彼の大作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」はフランスではなく、門外不出でシカゴにありそこに行かないと見ることは出来ない。

オルセーには「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の部分習作は数点あるが大作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の空洞はむなしく響く。オルセーがいちばん欲しい絵はまさにこれではないかと思う。

回廊に囲まれた中庭は広く、机と椅子が四隅に置かれていて休むことが出来る。ミュージアムショップもある。

  • 右端下が「Noctume in Blue and Silver」。<br /><br />ホイッスラーが12点も。

    右端下が「Noctume in Blue and Silver」。

    ホイッスラーが12点も。

  • 2つともスーラーの作品で上は珍しい具象画、下は「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の部分習作か。 <br />

    2つともスーラーの作品で上は珍しい具象画、下は「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の部分習作か。

  • モローは6点ありました。次もモローです。

    モローは6点ありました。次もモローです。

  • 回廊に面した展示スペース。

    回廊に面した展示スペース。

  • 回廊に囲まれた静かなスペース。四隅に机と椅子が置かれている。

    回廊に囲まれた静かなスペース。四隅に机と椅子が置かれている。

  • 正面と左にピカソ。

    正面と左にピカソ。

  • ルノアール。

    ルノアール。

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この旅行記へのコメント (1)

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  • wiz さん 2008/04/12 16:40:50
    The Fogg Art Museum
    etretatさん、こんにちは。

    >フォグ美術館はハーバード大学構内にある幾つかの美術館のひとつで
    >閑散としていてじっくり鑑賞できる。これだけのコレクションを
    >この恵まれた環境で見れるのは素晴らしいことだ。

    >ボストン、ニューヨークで訪ねた7つの美術館のうちでいちばん
    >人が少なく、いちばん静かで絵を鑑賞するには理想的な環境だった。

    ほんとにそうですよね〜 同感です。
    私がココへ行ったのは、1998−1999年の年越しをボストンで過ごした時で、
    時期的にも?ホントに人がいなくてゆっくり鑑賞できたのをよく覚えています。

    私は入口でしか写真を撮っていないので
    etretatさんのコチラのお写真で振り返ることができました。
    ありがとうございました。

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