世界遺産旅行記【６２】マダラの騎士像

2004/02 - 2004/02

　眼下にブルガリアの大地を見渡す断崖に一人立つ男の影。群雄割拠の時代に生きた男の眼は遥か遠くを見据えていた。
　彼の者が目指した国家の統一。勇猛果敢に戦場を渡り歩いた覇者の影を見出すことの出来る騎士像のみが時を越えて国の行く末を見つめ続けている。

エリア その他の観光地(ブルガリア)

　ブルガリア東部の都市シューメンの近郊にある小村マダラ。村を見下ろす断崖にその騎士像はある。
　騎士像への階段入り口に置かれた世界遺産の碑。マダラは基準()()にて登録されているがユネスコのＨＰに記載される文書はフランス語のみで解読出来ない。

　騎士像の周りにはスラヴ人の住居跡やキリスト教の礼拝堂跡などの遺跡が残り、この地がかつては一大宗教センターであったことを思い起こさせるものとなっている。

　基壇のみ残る礼拝堂跡。

　騎士像へとつながる道。周囲を木々に囲まれた階段を一歩一歩登るたび期待が高まる。

　欧州に唯一の中世初期の磨崖像も時代の流れには逆らえなかったが、一度は断られたユネスコの修復作業も受け入れられ現在は崩壊の危機から辛くも逃れている。デジカメではここまでが限界。これ以上はズームが利かない・・・。

　おや、何やら望まぬものが・・・。大きなヒビによって分断されてしまっている騎士像は補修の為足場が組まれており、景観が・・・。