1955/05 - 1955/05
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ソフィさん
1935年ごろ4歳
当時めったに見なかったが、五厘玉があった。
一銭と同じ材料で、デザインも同じく、ただ一回り小さくて、一銭の変わりに五厘と書かれている。
10厘で1銭、100銭で1円だから、1厘というのは1円の1000分の1である。
どうしてこんな小銭があったのかといえば、まだ物価に5厘という単位があったからだ。
街のお菓子屋さんに売られている「田舎饅頭」は、1銭5厘だった。
ほかの生菓子は皆2銭以上していたから、目玉商品だったのかも知れない。
5厘を使う場所はそれだけと思っていたら、新しく「アイスキャンデー」屋なるものが開業した。
アズキやミルク以外の普通のキャンデーは、1銭5厘だった。
普通のキャンデーは、水に人工の香料を入れて色をつけたもので、イチゴ、レモン、メロンと色々あった。
それまで氷菓子はカキ氷しかなかったが、キャンデーは簡単に食べることが出来るので、急速に流行した。
子供には実に美味しく感じられたが、氷菓子は贅沢であり、衛生的に冷たいものは食べるなと、なかなか買ってもらえなかった。
兄が亡くなるときも「キャンデーと桃を霊前に供えてくれ」と、言ったものだった。
いずれも、平素口にすることが少ないおやつだった。
キャンデー屋の前を通ると、むき出しになった製氷機が店頭に回っていて、アンモニアがプンと匂った。
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