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1935年ごろ4歳<br /><br />当時めったに見なかったが、五厘玉があった。<br />一銭と同じ材料で、デザインも同じく、ただ一回り小さくて、一銭の変わりに五厘と書かれている。<br /><br />10厘で1銭、100銭で1円だから、1厘というのは1円の1000分の1である。<br />どうしてこんな小銭があったのかといえば、まだ物価に5厘という単位があったからだ。<br /><br />街のお菓子屋さんに売られている「田舎饅頭」は、1銭5厘だった。<br />ほかの生菓子は皆2銭以上していたから、目玉商品だったのかも知れない。<br /><br />5厘を使う場所はそれだけと思っていたら、新しく「アイスキャンデー」屋なるものが開業した。<br />アズキやミルク以外の普通のキャンデーは、1銭5厘だった。<br /><br />普通のキャンデーは、水に人工の香料を入れて色をつけたもので、イチゴ、レモン、メロンと色々あった。<br /><br />それまで氷菓子はカキ氷しかなかったが、キャンデーは簡単に食べることが出来るので、急速に流行した。<br /><br />子供には実に美味しく感じられたが、氷菓子は贅沢であり、衛生的に冷たいものは食べるなと、なかなか買ってもらえなかった。<br /><br />兄が亡くなるときも「キャンデーと桃を霊前に供えてくれ」と、言ったものだった。<br />いずれも、平素口にすることが少ないおやつだった。<br /><br />キャンデー屋の前を通ると、むき出しになった製氷機が店頭に回っていて、アンモニアがプンと匂った。<br />

五厘銭の時代 片瀬貴文の遍歴【351】

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1955/05 - 1955/05

25568位(同エリア26421件中)

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ソフィ

ソフィさん

1935年ごろ4歳

当時めったに見なかったが、五厘玉があった。
一銭と同じ材料で、デザインも同じく、ただ一回り小さくて、一銭の変わりに五厘と書かれている。

10厘で1銭、100銭で1円だから、1厘というのは1円の1000分の1である。
どうしてこんな小銭があったのかといえば、まだ物価に5厘という単位があったからだ。

街のお菓子屋さんに売られている「田舎饅頭」は、1銭5厘だった。
ほかの生菓子は皆2銭以上していたから、目玉商品だったのかも知れない。

5厘を使う場所はそれだけと思っていたら、新しく「アイスキャンデー」屋なるものが開業した。
アズキやミルク以外の普通のキャンデーは、1銭5厘だった。

普通のキャンデーは、水に人工の香料を入れて色をつけたもので、イチゴ、レモン、メロンと色々あった。

それまで氷菓子はカキ氷しかなかったが、キャンデーは簡単に食べることが出来るので、急速に流行した。

子供には実に美味しく感じられたが、氷菓子は贅沢であり、衛生的に冷たいものは食べるなと、なかなか買ってもらえなかった。

兄が亡くなるときも「キャンデーと桃を霊前に供えてくれ」と、言ったものだった。
いずれも、平素口にすることが少ないおやつだった。

キャンデー屋の前を通ると、むき出しになった製氷機が店頭に回っていて、アンモニアがプンと匂った。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • とらいもんさん 2007/04/24 15:51:23
    5厘
    覚えてます。
    一銭玉よりひと嵩小さく「厘」の文字が記憶に強く残ってます。
    知人から貰った、明治初期(一桁)の「一銭」と「二銭」を持ってますよ。
    5月20日が待ち遠しいです。
    ところで、コーヒーの好みは?

    ソフィ

    ソフィさん からの返信 2007/04/25 00:41:35
    RE: 5厘
    コーヒーは、ようやく美味しさがわかってきました。
    だが、どのブランドが美味しいのか、まだわかりません。

    外国を歩きながらのコーヒーの味には、思い出が一杯あります。
    お会いできるのを、楽しみにしています。

    とらいもんさんは、どんなコーヒーがお好きですか。

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