ホテルプラザの想ひ出

2006/06 - 2006/06

ホテルプラザ。大阪万博を翌年に控えた1969年、大阪市大淀区（現北区）に開業。客室約550、豊富な飲食施設、大小宴会場を備えた23階建ての瀟洒な建物は当時の大阪では群を抜く高層建築であり大成建設の傑作としても評価された。また、レストラン「ル・ランデブー」に代表される充実した料飲部門は「味のプラザ」の異名を取るほど高い評価を受けていた。長らくロイヤルホテル（現リーガロイヤルホテル）とともに大阪を代表するホテルとして君臨していたが、1999年、親会社である朝日放送は突然閉鎖を発表する。建物は現在も残されているが、来春、朝日放送の新社屋が移転すると同時に撤去される予定という。

エリア キタ（大阪駅・梅田）(大阪)

南側から見る
非常にすっきりしたファサード。大小の窓がランダムに並ぶ。

東側から見る
ロビー、宴会場などが配置された低層部に高層の客室棟が乗ったような構造。

北側から見る
こちらが正面にあたる。エレベータシャフト部分が出っ張っているため南側とはかなり印象が異なる。
手前に見えるのは朝日放送社屋。

定礎1969
宴会玄関の壁面で見つけた。EXPO'70を控え東洋ホテル（現ラマダ大阪）などとともに開業。以来大阪を訪れる賓客の宿泊をロイヤルと分け合う。

なにわ筋より
西側を通るなにわ筋より正面車寄せを見る。朝日放送の客待ちで待機しているタクシーが並びホテルとして営業しているかのよう。

大阪タワー側から
ホテルに隣接して朝日放送、ＡＢＣホール、大阪タワーが建ちＡＢＣセンターと呼ばれる。（後に南側に日本初のクラシック専用ホール、ザ･シンフォニーホールが加わる）

正面玄関
タクシーも待機しており今にもドアマンが現れそうだ。ロビーはゲスト同士のプライバシーを守るためかなり抑えた照明だったように記憶している。

プラザパントリー
長円形の窓の部分にコーヒーショップ「プラザパントリー」があった。大学生時代ザ・シンフォニーホールに通い始めた頃、終演後によく利用した。この店がホテルの居心地の良さを教えてくれた。

宴会玄関
車動線を考慮しなにわ筋に面して設けられている。
プラザは1990年代の大阪ホテル戦争に際しても客室改装などほとんど対抗策をとることはなく業界でも不思議な存在となっていたが、結局1999年突然閉鎖が伝えられた。従業員にも発表当日に伝えられたという。