ルーマニア：クルージ・ナポカで受けた仕打ち

1995/02 - 1995/02

　ルーマニアのトランシルバニア地方はハンガリーではエルデイと呼ばれ、第一次世界対戦後トリアノン条約によりルーマニアに割譲するまではハンガリー領だった。その為今尚多くのマジャール人がこのエルデイに居住する。そのエルデイの中核都市でもあるのがクルージ・ナポカ、マジャール語ではコロジュヴァールと言われ、町並みもブダペストのペシュトを彷彿させ、とてもなじみやすく、最もハンガリー本国に近い雰囲気を持つ町の一つではないだろうか。またクルージ周辺にはシク村（マジャール語セーク村）等マジャール人の伝統を貫く村々が点在し、クルージはこうした村落の基点となるため、町では色鮮やかな民族衣装に身を包んだ人達に出会う事もしばしば、美しい民族衣装に目惹かれることもある。

クルージでは市内中心に位置するホテルメロディに宿泊していたが、ホテルの扉を開け、中に入った時にレセプションの女性二人に嫌な顔をされた。「中国人」と囁きが聞こえ、私が間違えられている事にすぐ察しがついた。気に食わぬレセプションだったが、既に日も暮れており今更別な宿を探すにも労力を使うので、この日一日だけどもと、宿泊料金を尋ねてみると彼女達は予想を遥かに上回る金額を提示した。

あからさまな人種差別に「人の足下を見やがって！」と思いながらも、止むを得ずこのホテルに宿泊することにした。彼女達は宿泊帳を作成する為、パスポートをよこせと言うので、「日本のパスポート」を渡すと驚いた顔をし、態度が一変した。言葉遣いから対応、挙句の果てにはホテルの値段まで変わった。日本人とわかると値段を下げて来たのだ。余りの身の替わりように呆気に取られてしまった。

ルーマニアに限らず、ハンガリー、セルビア、クロアチア、ポーランド、バルト３国・・・、中東欧圏では非常に親日家が多く、日本人は大変尊敬されている。中国人と思われると冷遇をうけるが、日本人だとわかると気持ち悪い程もてなしを受ける事があるが、ここまで態度が翻ったのは未だ嘗てない。

エリア その他の都市(ルーマニア)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 観光バス タクシー ヒッチハイク
• 航空会社: アエロフロート・ロシア航空

騎乗に跨るマーチャーシュ王の像を配する、14世紀に建てられたセント・ミハイ教会。クルージはトランシルバニア北部の中心でもあります。

クルージュの町なみは何処かブダペストに似ています。クルージュの約半分がマジャール人といわれ、マジャール語を話すマジャール人にマジャール語で話しかけるととても喜ばれました。。

黄色い看板がホテルメロディ。宿泊する際、中国人と間違えられ、嫌がられましたがパスポートを見せ日本人だとわかると態度が一変、値段まで安くなり感じの良いホテルではありませんでした。

クルージの丘からの眺め

クルージは明け方霧に覆われています。丘からの眺めも少し幻想的