カッパドキア旅行記(ブログ) 一覧に戻る
【2004年11月15日(月)】気球に乗ってどこまでも<br /> カッパドキアでの2日目の朝も超早起きです。5:30に気球ツアーの迎えが来るため、それまでに身支度を整えなければいけません。なのに洞窟ホテルのシャワーはなかなかお湯が出てこず困りました。まともなお湯になるのに10分くらいかかります。まだ真っ暗な中、車でギョレメに向かいます。まず気球会社カッパドキアバルーンズのガレージの中でチャイかインスタントコーヒーのサービスがあります。集まったお客さんは世界各国からの顔ぶれのよう。日本人は私たちともう一組いました。風待ちなのか日の出待ちなのか、そこでだいぶ待たされてやっと出発。<br /> オルタヒサルの街に立ち寄り、高台から一個の風船を飛ばします。どうやら上空の風の流れを読むためのテストのようです。オルタヒサルは奇岩を利用した要塞だった場所です。城下町は石の家がぎっしりですね。さらに移動して離陸地点に着くと、まず簡単な説明があります。英語です。でもこの説明で、少なくとも着陸の時の姿勢だけは理解しましょう。でないと命が危ないです。やがて大きな扇風機とガスバーナーの力で、気球を一気に膨らませます。尚、ここの会社は人使いが荒いので、客も気球の口を持っていたり、いろいろお手伝いをしなければなりません。気球が膨らんで起き上がったら、ゴンドラに搭乗です。私たちの気球は客9人にパイロット1人で10人乗ってのフライトでした。女性パイロットのKailiさんが操縦します。もうひとつの仲間の気球と一緒に飛び立ちます。<br /><br /> ロープをはずされた気球はふわりふわりと上昇します。風も穏やかで予想以上に乗り心地がよく、全然怖くありません。高所恐怖症の人も大丈夫だと言っています。眼下に広がる景色は素晴らしいの一言。これなら140ドル払う価値はあるなと思いました。遠くにウチヒサルやよその気球が見えます。やがて奇岩が並ぶ渓谷の上に来ると、気球はわざと降下して奇岩すれすれを飛びます。ポプラの葉っぱをもぎ取ることもできました。ガスバーナーだけの操作で、よくこんな安定した飛行ができるなと感心です。<br /> 空から見るキノコ岩もまた格別です。プールがついた豪華なホテルに泊まっているお客さんが、空を見上げて我々の気球を見ています。手を振ったら、振り返してくれました。<br /><br /> 我々が申し込んだ気球ツアーは1時間コースなので、そろそろ終わりです。ギョレメがある谷を通り越えた丘の上の畑あたりが、どうやら着地地点のようです。だんだん気球は高度を落とし、パイロットは我々に着陸姿勢を取るように言います。<br /> 進行方向に背を向け、ゴンドラについてるロープをしかっり握ります。そのまま中腰になりゴンドラから頭が出ないようにします。このまま平和に気球体験が終わる・・・と思っていたら、最後になってなんだか風が強い感じです。気球のスピードも全然落ちません。これでもふんわり着地できるんだろうか?と疑問に思ったところで、最初の衝撃がドーンとやってきました。ゴンドラと地面がぶつかりバウンドしたようです。気球はその後も3回くらいバウンドしています。おおっ!これが普通の着陸なのか!?と思って、パイロットの方を見てみると、すごく必死の形相でロープを引っ張っています。うーんどうやら普通の状況では無い様な気がしてきました。私が不安を感じた頃に気球はようやく(?)横倒しになり、ゴンドラはずるずると地面を引きずられていきます。すごい土ぼこりです。でもなかなか止まりません。私は倒れたゴンドラの下段にいたので、土ぼこりだけはなく、畑に生えてたトゲトゲの草なんかも容赦なく頭に当たります。ちょっと死を覚悟したところで、ようやく気球の動きが止まりました。ハードなランディングでした。<br /> 最初のバウンドから、止まった場所までの距離は70mほどでした。乗っているともっと長く感じたけどな。これが普通のことなのかとびっくりしていたら、パイロットいわく「今年一番速い速度での着陸だった。ベリーエキサイティングだった。」との事。やっぱり普通じゃなかったんだ。でも、この着陸なら下手すると怪我人が出ます。例えば着陸姿勢を維持できなくて、ゴンドラから頭を出しちゃったら・・・あー恐ろしい。怪我じゃなくて死人が出そうだ。少なくともご老人には、この気球ツアーおすすめできません。もうちょっと引きずられていたら、小さな木もあったしどうなることやら・・・。<br /><br /> すぐに追ってきていた気球会社の車が横付けされ、その場でドリンクとパウンドケーキのサービスがあります。油断すると足元のちくちくする草が痛いです。気球の片付けも客のお手伝いのもと行われます。しぼんだ気球を大きなバッグにしまいます。空気が残っているとバッグに収まらないので、最後にお約束として客の女の子をひょいと持ち上げ、気球の上に載せて重しにします。我々の同行者はちっちゃすぎて、実際には何の重しにもならないのですが、そこはそこまでがアトラクションのうちなのでいいのです。そこで記念撮影をして気球ツアーは終わりです。<br /> ところがその後、一緒に飛んだ仲間の気球が着陸した場所まで行ったりして、帰りもずいぶん時間がかかりました。おそらくよその家の畑だろうけど、そんなことはお構いなしに車で畑に入っていくので、案の定スタックしたり。おかげで、ホテルの朝食を食べる時間が無くなってしまいました。いろいろあったけど、この気球体験は少なくとも料金分の価値はあります。カッパドキアへ行かれる方で迷ってる方は、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。<br /><br /> せっかくの洞窟ホテルなのに、昨日は酔っ払っていたし、今朝は朝食を食べる暇も無く、ただ寝ただけになってしまいました。ちょっと残念ではありますが、もうチェックアウトしなければなりません。9:30に今度はカッパドキアツアー2日目の迎えが来ます。あわただしく荷物を用意してBMWに乗り込みました。普段では有り得ない早起きをしているので、すでにちょっと眠いです。<br /> まず2日目の観光は「親子岩」からです。3つの奇岩がまるで家族のように見えるこの岩。本当はみんなでいろいろアングルを工夫して記念撮影をしたのですが、顔が入ったスナップ写真の公開はみんなから固く禁じられているのでお見せできません。4人家族になってみたり、岩を手でつまんでみたりいろいろ写真はあるのですが・・・。<br /><br /> 次はローズバレーでのハイキングです。昨日夕日を見に行った赤い奇岩地帯を、今度は実際にみんなで歩きます。ガイドさんを先頭に歩いて行きますが、早朝よりも風が強くなり少し肌寒い感じです。ガイドさんは「この風なら気球でイスタンブールまで行ける」とか言っています。それもいいかも。でも着陸が怖いです。<br /> あまり人はいないのですが、途中でトルコ人青年2人に会いました。最初は煙草の火を借りに来たのですが、次に会ったときには、我々のガイドさんからローズバレーの説明を聞きだしていました。カッパドキアはトルコ人にとっても珍しい場所らしいのですが、まだトルコでは旅行をするという習慣があまり定着していなくて、実際に来る人はそれほど多くないそうです。ただし、今日はちょうどシュケルバイラムの連休中のため、彼らのようにイスタンブールなどから観光に来ている人が結構いるわけです。タダで公認ガイドの説明を聞くことができた彼らは、我々とは逆の方向へ去って行きました。<br /> しばらく歩いていくと峡谷の中に7〜11世紀頃のものといわれる洞窟の教会が残っています。洞窟だから柱はいらないのですが、石造りの教会に似せて柱も作られています。この場所からキリスト教徒が去った後、トルコ人はこれらの洞窟を鳩の巣に転用しました。入り口を狭くして鳩だけが出入りできるようにし、鳩が好む赤い色を塗ったりしたようです。そして一年に一回鳩の糞を集め、畑の肥料にしたのです。それは化学肥料ができる近年までずっと続いていたようです。鳩の巣はローズバレーだけではなく、カッパドキアの各地に作られていました。<br /> 教会を見終わって渓谷を下っていたら、向こうから馬が一頭トコトコとやってきました。びっくりしていたら、その後ろから馬に乗った女性が追いかけてきます。その馬を捕まえてくれと言っています。どうやらこの馬は逃げてしまったようです。ガイドさんが馬を捕まえて彼女に引渡しましたが、偶然ガイドさんの知り合いの女性でした。彼女はフランス人ですが、カッパドキアが気に入り、ガイドさんの友人と結婚してここに住むことになったとの事。「いつフランスから帰ってきたのー?」なんて世間話をしています。馬は麓の街のホーストレッキングの馬で、彼女はそこで手伝いをしているようです。ハイキングコースを終えたところの店で彼女が休んでいたので、ガイドさんは彼女とお話、我々はチャイを飲んで休憩することにしました。馬を見たので聞いてみたのですが、トルコにも大都市には競馬があるそうです。今は各地の場外馬券売場がオンラインで繋がっており、カイセリあたりでも馬券が買えるようです。ガイドさんは大学へ行く前にちょっと競馬をしようと思って売場に行き、結局一日そこで過ごしたこともあったと教えてくれました。<br /><br /> 朝食を食べられなかったのと、ローズバレーでかなり歩いたので、もうお腹ぺこぺこです。今日の昼食は陶器の街アヴァノスの観光客向けレストランで、昼食コースメニューでした。まずチョルバ(スープ)です。薄いポタージュのようなスープがペコペコのお腹に嬉しいです。パンにも良く合います。次のお皿は芋が入った大きなオムレツ。30cmぐらいのお皿にいっぱい丸いオムレツが作られて、その半分が一人分です。これにケチャップをつけて食べるのですが、普通においしかったです。ただし量は多かった。メインが出てくる前にお腹いっぱいです。メインは鱒のフライ。2匹あったけど、1匹しか食べられませんでした。デザートは小さく刻んだフルーツの上にアイスがのっているパフェみたいなもの。アイス単体だと激甘でしたが、下のほうのフルーツと混ぜて食べるとちょうど良かったです。<br /><br /> お腹がいっぱいになりますます眠くなったところで、おみやげタイムが組み込まれてしまいました。今度は革製品。試着しないと5ドル取る(笑)というので、私はスウェードのシャツを試着しました。白い革のコートを着てモデルポーズを決める同行者もいましたが、予算が合う訳もなくここも何も買いませんでした。お店の人もあきらめ顔です。<br /> 次はギョレメパノラマで記念撮影。カッパドキアはもうそこらじゅうが奇岩なので、奇岩が広がる景色にも少しづつ慣れてきてしまいました。珍しいのはスネ毛(?)が生えた鳩です。そういえば昨日行ったパシャバーでも飼われていました。トルコではこれが普通なのか!とびっくりしましたが、聞いてみるとトルコでも珍しいそうです。トルコ人もびっくり。<br /> 個人的に心残りなのが次のウチヒサルです。「尖った砦」という意味の名前をもつこの街には、一枚岩を掘って作られた城砦があり、その下には小さな城下町が広がっています。ズームの写真で解るとおり、この城砦はトルコ国旗がはためく頂上まで登ることができるのです。ところが我々は現地ツアーに参加中で、完全に自由ではありません。もともとツアーの予定では登ることにはなってないし、ガイドさんも「登るには時間がかかる」と言っています。確かに時間はかかりそうだし体力的にもキツそうではあるけれど、完全な個人旅行であれば、ウチヒサルかオルタヒサルどちらかは必ず登る予定を立てたことでしょう。実際に間近に眺めても、できれば登りたいという気持ちが湧いてきました。あらかじめウチヒサル登頂をリクエストしておけば良かったです。それも昨日の天気が良いうちに登れれば最高でした。でも後悔先に立たず、後ろ髪ひかれつつ次の目的地に向かいます。鳩の谷などを経由して、車は一路南へ向かいます。<br /><br /> 今日の午後のハイライトはカッパドキアの南側にある「カイマクルの地下都市」です。紀元前400年頃には既に存在していたといわれる地下都市ですが、その歴史は謎が多くはっきりしないそうです。アラブ人の迫害から逃れたキリスト教徒が住んでいた時期もあります。何と人口は2万人だったとか。アリの巣のような構造の都市自体も全てが解明されたわけではなく、その一部だけが観光向けに公開されています。この地域には他にもいくつかの地下都市があるのですが、それぞれが地下通路で繋がっているという説もあります。探検気分で中に入って行くと、人一人がかがんでやっと通れるような通路が網の目のように各部屋を繋いでいます。照明がない脇道に入っていくと・・・簡単に迷って帰ってこられなくなりそうです。ところどころに大きな5円玉のような形の石があり、これは敵の侵入に備えた扉だったとの事です。<br /><br /> もう既に夕方ではありますが飛行機の時間はまだまだ先です。カイマクルからの帰りはカッパドキア地方最大の都市ネヴシェヒルを通りました。思った以上に大きな街でした。次にカッパドキア名産のワイン工場へ行きました。試飲させてもらうとやはりフルーティーな味のワインです。今までおみやげ店では何も買ってこなかった我々一行でしたが、ついにここでワイン1本お買い上げ。そろそろ帰りが近くなり家族へのおみやげが気になりだしたようです。<br /> カッパドキアでの最後の行き先は、予定にはなかったけど時間がありすぎるということで寄ったトルコ石のお店です。深い青が輝くトルコ石。意外にもここではいくつものトルコ石の取引が成立しました。いったい誰にあげるものやら。もちろん私はトルコ石をあげられる相手がいなくて、ここでも何も買いませんでした。ちょっと仲がいいくらいの女の子に、いきなりトルコ石あげたら絶対引くよね。どうですか?<br /> そうこうしているうちに日もとっぷり暮れまして、帰路につく時間になりました。私たちを空港まで送っていくバンで、帰りに別の日本人のお客さんをカッパドキアまで連れて来ることになったとかで、ガイドさんが交代することになりました。2日間お世話になったガイドさんとはギョレメの街でお別れです。無事兵役をこなして日本に来てください。交代したガイドさんも日本語のガイドさんでしたが、空港までの帰り道だけだし、あたりは真っ暗なので、あまり話をすることもなく終わってしまいました。<br /><br /> カイセリ空港は昨日と様子が違います。機関銃を持った軍人が入口を封鎖してます。何事だ?と思ったのですが、どうやらメッカ巡礼から帰ってくる人が大勢いて、それを出迎える家族・親戚の大集団で空港内が収拾つかない状態のようです。それで車の進入を規制していたのです。ドライバーさんともここで握手してお別れしまして、ずるずるとスーツケースをひきずってターミナルへ向かいます。到着ゲートは大変なことになっていますが、出発ゲートは普通でした。すぐに搭乗手続を済ませて、一軒だけあるお店でジュースやチャイを買って休みます。私はずっと到着ゲートから出てくる人の観察をして楽しんでいました。とにかく現地の人は荷物が多くてびっくりなのですが、中でも多くの人がポリタンクの水を持って帰ってきているのには驚きました。メッカへ行って汲んできた聖水のようです。聖水なんてドラゴンクエストでしか知らない私はちょっとしたカルチャーショックでした。<br /> 出発時間が近づきセキュリティチェックの列に並んでいたら、私の前にいる家族連れのお父さんが、周りの人からサインをねだられています。どうやらスターのようです。見た目はサッカー選手ぽいのですが、子供たちにも人気があるようです。でも誰だかわかりません。黒人の女の子も連れています。養子かな?だとしたらとてつもないビッグスターなのかもしれません。<br /><br /> トルコ航空TK265便、カイセリ20:35発イスタンブール行はB737型機でした。珍しいのはタラップを上る手前に荷物がずらっと並べてあり、自分の荷物はこれだよと指をさす必要があります。そうしないと飛行機には積んでくれないのです。不審な荷物を発見する一手段だろうけど、私の荷物はよくある黒いキャリーバックなので、一度カートに積んでもらってから、不安になって再確認してしまいました。<br /> 私はなぜか一人だけ、例のスター家族御一行と同じ列でした。隣の黒人の女の子が私にピスタチオを一掴みくれます。さすがスター家族ともなると、周りの一般ピープルへの御配慮も十分です。それを食べ終わったら、殻はここに捨てろとか、また一掴みくれそうになったりとか親切にきりがありません。2回目のピスタチオは「ノーサンキュー」と丁重に御辞退したところ、ちょっと不思議そうな顔をしてました。スペイン語(ポルトガル語?)を話していたように聞こえました。その後、来たときと同じサンドイッチの機内食が出ました。スター家族は機内食をパス。すっかり旅慣れているようで、お腹が空いていないときは機内食は貰わないのだと思われます。<br /> 結構揺れた1時間のフライトですが、無事イスタンブール空港に戻ってきました。「カイセリ」と書かれたベルトコンベアで荷物を待っていたのですが、そしたら同行者Zさんが「あの掲示板って何て書いてあるんですか?」と聞きます。よくよく見たら航空会社の欄がOHYと表示されています。OHYというのは「オヌルエア」という会社のトルコ語略称です。我々が乗ってきたのはトルコ航空(THY)です。よく気づいてくれました。結構広いバゲージクレームの逆側にTHYのベルトコンベアが別にありました。気づいて移動したらすぐに我々の荷物が出てきました。多数の人がまだこの現実に気づかず、荷物が全然出てこないOHYのベルトコンベアの周りで待っている訳ですが、教えてあげればいいのに遠いので無視して出てきてしまいました。日本人もいたのにお気の毒です。でもいくら国内線だからといってトルコ語の表示しかないのは困ったものですね。普通THYとかOHYとか言われても我々外人には何のことだかわかりません。<br /><br /> すぐに迎えの車に乗り、イルカイホテルへ。極限の眠たさだったので、ホテルの隣の雑貨屋で水だけ買って、そのまま倒れるように眠りにつきました。

気球に乗ってどこまでも

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2004/11/15 - 2004/11/15

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15

さとう1970

さとう1970さん

【2004年11月15日(月)】気球に乗ってどこまでも
 カッパドキアでの2日目の朝も超早起きです。5:30に気球ツアーの迎えが来るため、それまでに身支度を整えなければいけません。なのに洞窟ホテルのシャワーはなかなかお湯が出てこず困りました。まともなお湯になるのに10分くらいかかります。まだ真っ暗な中、車でギョレメに向かいます。まず気球会社カッパドキアバルーンズのガレージの中でチャイかインスタントコーヒーのサービスがあります。集まったお客さんは世界各国からの顔ぶれのよう。日本人は私たちともう一組いました。風待ちなのか日の出待ちなのか、そこでだいぶ待たされてやっと出発。
 オルタヒサルの街に立ち寄り、高台から一個の風船を飛ばします。どうやら上空の風の流れを読むためのテストのようです。オルタヒサルは奇岩を利用した要塞だった場所です。城下町は石の家がぎっしりですね。さらに移動して離陸地点に着くと、まず簡単な説明があります。英語です。でもこの説明で、少なくとも着陸の時の姿勢だけは理解しましょう。でないと命が危ないです。やがて大きな扇風機とガスバーナーの力で、気球を一気に膨らませます。尚、ここの会社は人使いが荒いので、客も気球の口を持っていたり、いろいろお手伝いをしなければなりません。気球が膨らんで起き上がったら、ゴンドラに搭乗です。私たちの気球は客9人にパイロット1人で10人乗ってのフライトでした。女性パイロットのKailiさんが操縦します。もうひとつの仲間の気球と一緒に飛び立ちます。

 ロープをはずされた気球はふわりふわりと上昇します。風も穏やかで予想以上に乗り心地がよく、全然怖くありません。高所恐怖症の人も大丈夫だと言っています。眼下に広がる景色は素晴らしいの一言。これなら140ドル払う価値はあるなと思いました。遠くにウチヒサルやよその気球が見えます。やがて奇岩が並ぶ渓谷の上に来ると、気球はわざと降下して奇岩すれすれを飛びます。ポプラの葉っぱをもぎ取ることもできました。ガスバーナーだけの操作で、よくこんな安定した飛行ができるなと感心です。
 空から見るキノコ岩もまた格別です。プールがついた豪華なホテルに泊まっているお客さんが、空を見上げて我々の気球を見ています。手を振ったら、振り返してくれました。

 我々が申し込んだ気球ツアーは1時間コースなので、そろそろ終わりです。ギョレメがある谷を通り越えた丘の上の畑あたりが、どうやら着地地点のようです。だんだん気球は高度を落とし、パイロットは我々に着陸姿勢を取るように言います。
 進行方向に背を向け、ゴンドラについてるロープをしかっり握ります。そのまま中腰になりゴンドラから頭が出ないようにします。このまま平和に気球体験が終わる・・・と思っていたら、最後になってなんだか風が強い感じです。気球のスピードも全然落ちません。これでもふんわり着地できるんだろうか?と疑問に思ったところで、最初の衝撃がドーンとやってきました。ゴンドラと地面がぶつかりバウンドしたようです。気球はその後も3回くらいバウンドしています。おおっ!これが普通の着陸なのか!?と思って、パイロットの方を見てみると、すごく必死の形相でロープを引っ張っています。うーんどうやら普通の状況では無い様な気がしてきました。私が不安を感じた頃に気球はようやく(?)横倒しになり、ゴンドラはずるずると地面を引きずられていきます。すごい土ぼこりです。でもなかなか止まりません。私は倒れたゴンドラの下段にいたので、土ぼこりだけはなく、畑に生えてたトゲトゲの草なんかも容赦なく頭に当たります。ちょっと死を覚悟したところで、ようやく気球の動きが止まりました。ハードなランディングでした。
 最初のバウンドから、止まった場所までの距離は70mほどでした。乗っているともっと長く感じたけどな。これが普通のことなのかとびっくりしていたら、パイロットいわく「今年一番速い速度での着陸だった。ベリーエキサイティングだった。」との事。やっぱり普通じゃなかったんだ。でも、この着陸なら下手すると怪我人が出ます。例えば着陸姿勢を維持できなくて、ゴンドラから頭を出しちゃったら・・・あー恐ろしい。怪我じゃなくて死人が出そうだ。少なくともご老人には、この気球ツアーおすすめできません。もうちょっと引きずられていたら、小さな木もあったしどうなることやら・・・。

 すぐに追ってきていた気球会社の車が横付けされ、その場でドリンクとパウンドケーキのサービスがあります。油断すると足元のちくちくする草が痛いです。気球の片付けも客のお手伝いのもと行われます。しぼんだ気球を大きなバッグにしまいます。空気が残っているとバッグに収まらないので、最後にお約束として客の女の子をひょいと持ち上げ、気球の上に載せて重しにします。我々の同行者はちっちゃすぎて、実際には何の重しにもならないのですが、そこはそこまでがアトラクションのうちなのでいいのです。そこで記念撮影をして気球ツアーは終わりです。
 ところがその後、一緒に飛んだ仲間の気球が着陸した場所まで行ったりして、帰りもずいぶん時間がかかりました。おそらくよその家の畑だろうけど、そんなことはお構いなしに車で畑に入っていくので、案の定スタックしたり。おかげで、ホテルの朝食を食べる時間が無くなってしまいました。いろいろあったけど、この気球体験は少なくとも料金分の価値はあります。カッパドキアへ行かれる方で迷ってる方は、ぜひ挑戦してみることをおすすめします。

 せっかくの洞窟ホテルなのに、昨日は酔っ払っていたし、今朝は朝食を食べる暇も無く、ただ寝ただけになってしまいました。ちょっと残念ではありますが、もうチェックアウトしなければなりません。9:30に今度はカッパドキアツアー2日目の迎えが来ます。あわただしく荷物を用意してBMWに乗り込みました。普段では有り得ない早起きをしているので、すでにちょっと眠いです。
 まず2日目の観光は「親子岩」からです。3つの奇岩がまるで家族のように見えるこの岩。本当はみんなでいろいろアングルを工夫して記念撮影をしたのですが、顔が入ったスナップ写真の公開はみんなから固く禁じられているのでお見せできません。4人家族になってみたり、岩を手でつまんでみたりいろいろ写真はあるのですが・・・。

 次はローズバレーでのハイキングです。昨日夕日を見に行った赤い奇岩地帯を、今度は実際にみんなで歩きます。ガイドさんを先頭に歩いて行きますが、早朝よりも風が強くなり少し肌寒い感じです。ガイドさんは「この風なら気球でイスタンブールまで行ける」とか言っています。それもいいかも。でも着陸が怖いです。
 あまり人はいないのですが、途中でトルコ人青年2人に会いました。最初は煙草の火を借りに来たのですが、次に会ったときには、我々のガイドさんからローズバレーの説明を聞きだしていました。カッパドキアはトルコ人にとっても珍しい場所らしいのですが、まだトルコでは旅行をするという習慣があまり定着していなくて、実際に来る人はそれほど多くないそうです。ただし、今日はちょうどシュケルバイラムの連休中のため、彼らのようにイスタンブールなどから観光に来ている人が結構いるわけです。タダで公認ガイドの説明を聞くことができた彼らは、我々とは逆の方向へ去って行きました。
 しばらく歩いていくと峡谷の中に7〜11世紀頃のものといわれる洞窟の教会が残っています。洞窟だから柱はいらないのですが、石造りの教会に似せて柱も作られています。この場所からキリスト教徒が去った後、トルコ人はこれらの洞窟を鳩の巣に転用しました。入り口を狭くして鳩だけが出入りできるようにし、鳩が好む赤い色を塗ったりしたようです。そして一年に一回鳩の糞を集め、畑の肥料にしたのです。それは化学肥料ができる近年までずっと続いていたようです。鳩の巣はローズバレーだけではなく、カッパドキアの各地に作られていました。
 教会を見終わって渓谷を下っていたら、向こうから馬が一頭トコトコとやってきました。びっくりしていたら、その後ろから馬に乗った女性が追いかけてきます。その馬を捕まえてくれと言っています。どうやらこの馬は逃げてしまったようです。ガイドさんが馬を捕まえて彼女に引渡しましたが、偶然ガイドさんの知り合いの女性でした。彼女はフランス人ですが、カッパドキアが気に入り、ガイドさんの友人と結婚してここに住むことになったとの事。「いつフランスから帰ってきたのー?」なんて世間話をしています。馬は麓の街のホーストレッキングの馬で、彼女はそこで手伝いをしているようです。ハイキングコースを終えたところの店で彼女が休んでいたので、ガイドさんは彼女とお話、我々はチャイを飲んで休憩することにしました。馬を見たので聞いてみたのですが、トルコにも大都市には競馬があるそうです。今は各地の場外馬券売場がオンラインで繋がっており、カイセリあたりでも馬券が買えるようです。ガイドさんは大学へ行く前にちょっと競馬をしようと思って売場に行き、結局一日そこで過ごしたこともあったと教えてくれました。

 朝食を食べられなかったのと、ローズバレーでかなり歩いたので、もうお腹ぺこぺこです。今日の昼食は陶器の街アヴァノスの観光客向けレストランで、昼食コースメニューでした。まずチョルバ(スープ)です。薄いポタージュのようなスープがペコペコのお腹に嬉しいです。パンにも良く合います。次のお皿は芋が入った大きなオムレツ。30cmぐらいのお皿にいっぱい丸いオムレツが作られて、その半分が一人分です。これにケチャップをつけて食べるのですが、普通においしかったです。ただし量は多かった。メインが出てくる前にお腹いっぱいです。メインは鱒のフライ。2匹あったけど、1匹しか食べられませんでした。デザートは小さく刻んだフルーツの上にアイスがのっているパフェみたいなもの。アイス単体だと激甘でしたが、下のほうのフルーツと混ぜて食べるとちょうど良かったです。

 お腹がいっぱいになりますます眠くなったところで、おみやげタイムが組み込まれてしまいました。今度は革製品。試着しないと5ドル取る(笑)というので、私はスウェードのシャツを試着しました。白い革のコートを着てモデルポーズを決める同行者もいましたが、予算が合う訳もなくここも何も買いませんでした。お店の人もあきらめ顔です。
 次はギョレメパノラマで記念撮影。カッパドキアはもうそこらじゅうが奇岩なので、奇岩が広がる景色にも少しづつ慣れてきてしまいました。珍しいのはスネ毛(?)が生えた鳩です。そういえば昨日行ったパシャバーでも飼われていました。トルコではこれが普通なのか!とびっくりしましたが、聞いてみるとトルコでも珍しいそうです。トルコ人もびっくり。
 個人的に心残りなのが次のウチヒサルです。「尖った砦」という意味の名前をもつこの街には、一枚岩を掘って作られた城砦があり、その下には小さな城下町が広がっています。ズームの写真で解るとおり、この城砦はトルコ国旗がはためく頂上まで登ることができるのです。ところが我々は現地ツアーに参加中で、完全に自由ではありません。もともとツアーの予定では登ることにはなってないし、ガイドさんも「登るには時間がかかる」と言っています。確かに時間はかかりそうだし体力的にもキツそうではあるけれど、完全な個人旅行であれば、ウチヒサルかオルタヒサルどちらかは必ず登る予定を立てたことでしょう。実際に間近に眺めても、できれば登りたいという気持ちが湧いてきました。あらかじめウチヒサル登頂をリクエストしておけば良かったです。それも昨日の天気が良いうちに登れれば最高でした。でも後悔先に立たず、後ろ髪ひかれつつ次の目的地に向かいます。鳩の谷などを経由して、車は一路南へ向かいます。

 今日の午後のハイライトはカッパドキアの南側にある「カイマクルの地下都市」です。紀元前400年頃には既に存在していたといわれる地下都市ですが、その歴史は謎が多くはっきりしないそうです。アラブ人の迫害から逃れたキリスト教徒が住んでいた時期もあります。何と人口は2万人だったとか。アリの巣のような構造の都市自体も全てが解明されたわけではなく、その一部だけが観光向けに公開されています。この地域には他にもいくつかの地下都市があるのですが、それぞれが地下通路で繋がっているという説もあります。探検気分で中に入って行くと、人一人がかがんでやっと通れるような通路が網の目のように各部屋を繋いでいます。照明がない脇道に入っていくと・・・簡単に迷って帰ってこられなくなりそうです。ところどころに大きな5円玉のような形の石があり、これは敵の侵入に備えた扉だったとの事です。

 もう既に夕方ではありますが飛行機の時間はまだまだ先です。カイマクルからの帰りはカッパドキア地方最大の都市ネヴシェヒルを通りました。思った以上に大きな街でした。次にカッパドキア名産のワイン工場へ行きました。試飲させてもらうとやはりフルーティーな味のワインです。今までおみやげ店では何も買ってこなかった我々一行でしたが、ついにここでワイン1本お買い上げ。そろそろ帰りが近くなり家族へのおみやげが気になりだしたようです。
 カッパドキアでの最後の行き先は、予定にはなかったけど時間がありすぎるということで寄ったトルコ石のお店です。深い青が輝くトルコ石。意外にもここではいくつものトルコ石の取引が成立しました。いったい誰にあげるものやら。もちろん私はトルコ石をあげられる相手がいなくて、ここでも何も買いませんでした。ちょっと仲がいいくらいの女の子に、いきなりトルコ石あげたら絶対引くよね。どうですか?
 そうこうしているうちに日もとっぷり暮れまして、帰路につく時間になりました。私たちを空港まで送っていくバンで、帰りに別の日本人のお客さんをカッパドキアまで連れて来ることになったとかで、ガイドさんが交代することになりました。2日間お世話になったガイドさんとはギョレメの街でお別れです。無事兵役をこなして日本に来てください。交代したガイドさんも日本語のガイドさんでしたが、空港までの帰り道だけだし、あたりは真っ暗なので、あまり話をすることもなく終わってしまいました。

 カイセリ空港は昨日と様子が違います。機関銃を持った軍人が入口を封鎖してます。何事だ?と思ったのですが、どうやらメッカ巡礼から帰ってくる人が大勢いて、それを出迎える家族・親戚の大集団で空港内が収拾つかない状態のようです。それで車の進入を規制していたのです。ドライバーさんともここで握手してお別れしまして、ずるずるとスーツケースをひきずってターミナルへ向かいます。到着ゲートは大変なことになっていますが、出発ゲートは普通でした。すぐに搭乗手続を済ませて、一軒だけあるお店でジュースやチャイを買って休みます。私はずっと到着ゲートから出てくる人の観察をして楽しんでいました。とにかく現地の人は荷物が多くてびっくりなのですが、中でも多くの人がポリタンクの水を持って帰ってきているのには驚きました。メッカへ行って汲んできた聖水のようです。聖水なんてドラゴンクエストでしか知らない私はちょっとしたカルチャーショックでした。
 出発時間が近づきセキュリティチェックの列に並んでいたら、私の前にいる家族連れのお父さんが、周りの人からサインをねだられています。どうやらスターのようです。見た目はサッカー選手ぽいのですが、子供たちにも人気があるようです。でも誰だかわかりません。黒人の女の子も連れています。養子かな?だとしたらとてつもないビッグスターなのかもしれません。

 トルコ航空TK265便、カイセリ20:35発イスタンブール行はB737型機でした。珍しいのはタラップを上る手前に荷物がずらっと並べてあり、自分の荷物はこれだよと指をさす必要があります。そうしないと飛行機には積んでくれないのです。不審な荷物を発見する一手段だろうけど、私の荷物はよくある黒いキャリーバックなので、一度カートに積んでもらってから、不安になって再確認してしまいました。
 私はなぜか一人だけ、例のスター家族御一行と同じ列でした。隣の黒人の女の子が私にピスタチオを一掴みくれます。さすがスター家族ともなると、周りの一般ピープルへの御配慮も十分です。それを食べ終わったら、殻はここに捨てろとか、また一掴みくれそうになったりとか親切にきりがありません。2回目のピスタチオは「ノーサンキュー」と丁重に御辞退したところ、ちょっと不思議そうな顔をしてました。スペイン語(ポルトガル語?)を話していたように聞こえました。その後、来たときと同じサンドイッチの機内食が出ました。スター家族は機内食をパス。すっかり旅慣れているようで、お腹が空いていないときは機内食は貰わないのだと思われます。
 結構揺れた1時間のフライトですが、無事イスタンブール空港に戻ってきました。「カイセリ」と書かれたベルトコンベアで荷物を待っていたのですが、そしたら同行者Zさんが「あの掲示板って何て書いてあるんですか?」と聞きます。よくよく見たら航空会社の欄がOHYと表示されています。OHYというのは「オヌルエア」という会社のトルコ語略称です。我々が乗ってきたのはトルコ航空(THY)です。よく気づいてくれました。結構広いバゲージクレームの逆側にTHYのベルトコンベアが別にありました。気づいて移動したらすぐに我々の荷物が出てきました。多数の人がまだこの現実に気づかず、荷物が全然出てこないOHYのベルトコンベアの周りで待っている訳ですが、教えてあげればいいのに遠いので無視して出てきてしまいました。日本人もいたのにお気の毒です。でもいくら国内線だからといってトルコ語の表示しかないのは困ったものですね。普通THYとかOHYとか言われても我々外人には何のことだかわかりません。

 すぐに迎えの車に乗り、イルカイホテルへ。極限の眠たさだったので、ホテルの隣の雑貨屋で水だけ買って、そのまま倒れるように眠りにつきました。

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    遠くにウチヒサルやよその気球が見えます。

  • 奇岩すれすれ

    奇岩すれすれ

  • 奇岩が並ぶ渓谷

    奇岩が並ぶ渓谷

  • 昨日見に行ったギョレメ屋外博物館の真上を飛んでいます。昨日から何度も通っているユルギュップとギョレメ間の道の、石畳のヘアピンカーブも見えます。ゆっくり動いて行くので、まるですごく詳しい地図を見ているようです。

    昨日見に行ったギョレメ屋外博物館の真上を飛んでいます。昨日から何度も通っているユルギュップとギョレメ間の道の、石畳のヘアピンカーブも見えます。ゆっくり動いて行くので、まるですごく詳しい地図を見ているようです。

  • 空から見るキノコ岩もまた格別です。

    空から見るキノコ岩もまた格別です。

  • 洞窟ホテル

    洞窟ホテル

  • 親子岩

    親子岩

  • 親子岩

    親子岩

  • ローズバレーでのハイキング

    ローズバレーでのハイキング

  • スネ毛(?)が生えた鳩

    スネ毛(?)が生えた鳩

  • ウチヒサル

    ウチヒサル

  • ウチヒサル ズームの写真

    ウチヒサル ズームの写真

  • 鳩の谷

    鳩の谷

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