
2006/11/25 - 2006/11/25
22位(同エリア25件中)
フーテンの若さんさん
- フーテンの若さんさんTOP
- 旅行記250冊
- クチコミ4件
- Q&A回答0件
- 414,514アクセス
- フォロワー13人
「ここの空は蒼く突き抜けとるんよ。」
餃子をつくる手を止めずにアキオさんは語った。
「田舎にいけば、もっと空気が綺麗なところはいっぱいあるけど、ここサンクリストバルの空は特別なんよ。キィーーーーンと音が聞こえるようにね、空が突き抜けとるんと感じるんよ。」
ここは、サンクリストバル・デ・ラスカサスの日本人宿CASA・KASA。宿に着くと、誘われるがまま、すぐに芋の皮むきを手伝うことになった。はじめての地だったため、オススメの観光ポイントを聞いたら冒頭の答えが返ってきた。よく意味がわからず僕は相槌を打つ。「はぁ、空・・・ですか。」
ここの宿の住人たちはとても仲がよく、和気藹々とみんなで自炊したりする。チャーハン、餃子、スイートポテト、春巻き、うどん、焼きそば。食材の無いメキシコでもアキオさんたちは魔法のように料理してしまう。いつも満腹にさせてもらえるので、ろくすっぽ料理ができない僕にとってはとっても有難い。
「新感覚☆日本人宿」と銘打っているだけあって、他にも個性的な管理人や住人たちばかり。食材を提供し合ったり、夜ギター演奏したり。皆が協力しながら助け合って暮らしていく姿は、まるでコミューンのようでもある。あまりに居心地がいいため、観光に行く事も忘れ、宿に居座ってしまう。今日こそは天気もいいし出掛けないといけないと思っても、いつの間にか皆といるだけで一日が終わってしまうのだ。
今日も2階のベランダで、マンガ「ワンピース」の続きを読んでしまっている。洗濯物が少し揺れるほどの微風。夜の寒さが嘘のように眩しく照りつける太陽。壁にはオーナーであった故笠置華一郎さんの似顔絵。ふとアキオさんの言葉を思い出し、空を見上げてみると、突き抜けんばかりの蒼い空があった。雲ひとつなく、吸い込まれそうになる。この空があるからこそ、この宿があるのだろうか。この宿だからこそ、この空が見えるのだろうか。突き抜けた蒼い空の下には、不思議な魔力が宿るようだ。もうしばらくはここから動けそうもない。
PR
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
サンクリストバル・デ・ラスカサス(メキシコ) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
5