2006/12/07 - 2006/12/07
773位(同エリア812件中)
フーテンの若さんさん
- フーテンの若さんさんTOP
- 旅行記250冊
- クチコミ4件
- Q&A回答0件
- 421,970アクセス
- フォロワー13人
「あんなのキューバの人はみんな嫌いだよ。地元の人間なんて誰も見に行きやしないよ。」
行き先を告げた途端に、運ちゃんは声高にこう答えた。旧市街から、キューバ名物キャバレー「トロピカーナ」に向かおうとタクシーに乗ったところ。「えぇ、ものすごく期待しているのに、行く前からテンション下げないでよ。」確かに値段は70CUC〜(9800円)と地元の人が入れる料金ではない。
運ちゃんは続けて言う。「音楽好きな全てのキューバ人にとって、見ているだけなんてつまんないさ。音楽は奏でるため、もしくは踊るためにあるものなのさ。」
キャバレー「トロピカーナ」のショーは確かに華やかで面白かった。あっという間の2時間弱。例えるならキューバ版宝塚歌劇といえるだろう。だけど何かが物足りない気がした。なぜだろう、先ほどの運ちゃんの話が心に引っかかる。確かめるべく、その足で地元の人たちで盛り上がる「カサデラムジカ」というライブハウスへ向かった。
前席は既に踊り狂う人でいっぱいだった。僕もとにかく踊りの輪に入ってみる。踊りは自己流だ。隣の背の高いお姉さんが僕の踊りを見て、「違う違う。もっと腰をこうグイングイン動かすの」といって踊りを教えてくれる。お姉さんが僕の前に密着して、腰をフリフリ。あのーお姉さんの腰は高すぎて僕のお腹に当たるんですけど。
音楽は止らない。演奏しているバンドは喚いている。それに合わせ、老若男女が踊りまくっている。いつのまにかステージ上は人でいっぱいで、誰がバンドメンバーでお客さんなのかわからなくなっている。踊っているうちに、体がどんどん熱くなり、明るくなり、楽しくなる。みんながひとつになっていく。音楽を感じて生きている喜びを分かち合う。この感覚こそがキューバ人にとっての音楽に違いない。
キューバ人にとって音楽は不可欠のものだ。踊るアホウに、奏でるアホウたちばかりの国。見るアホウは観光客だけ。僕は今夜だけキューバ人になりきり、音楽と共に夜を明かそう。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
4