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やたらと広いポンペイ遺跡をさくっと見てソレントへ向かう。朝一で来て良かった。10時を回るころには、ツアー客が大量に押し寄せて来て、ベスビオ山の火山灰より彼らに押しつぶされてしまいそうだ。<br /><br />11時50分ソレント着。アマルフィ行きのフェリーがないか、インフォメーションに訊きに行く。フェリーは夏期だけの運行ということで、しょうがないのでバスで行くことにした。しかも、2.40ユーロと格安ではないか!<br /><br />ソレントのインフォメーションには、日本人の女性が働いていた。こんなところにも、日本人観光客はたくさん来るのだろうか。<br />そして、いよいよバスに乗り込む。ソレント市街を離れるまでに道が渋滞して、まったく動きが停まってしまった。なんだなんだと思っていると、道の先の広場でボーイスカウト・ガールスカウトの団体のようなものが集まり、なにかセレモニーを行っている。街の顔役のような人の演説も始まった。子供たちの楽隊の演奏も始まった。岬の縁のわずかな土地にできた街だけに、何かイベントをするときには車を停めるのも習慣になっているのだろう。小一時間、そのセレモニーを見てすごした。<br /><br />動き出したバスはクネクネと曲がった峠を越え、アマルフィ海岸沿いに出た。アマルフィ海岸は、世界的に有名な景勝地だ。幾重にも波打つ海岸線の切り立った崖に、へばりつくように白い家が点在し紺碧の海とのコントラストが光る。しかし、道はとんでもなく険しい。おそらく以前は道などなく、船だけが交通手段だったのだろう。あったとしてもロバしか歩けないような道だったにちがいない。そこに無理やりバスが通るだけの道を作ったのだろう。<br /><br />バスは走る、断崖絶壁すれすれの道を、ヘアピンカーブの連続で。山まわりのときは、道の向こうに美しい海岸線と白い家々が見える。しかし、少しでも運転手がハンドルをミスすれぱまっさかさまに転落である。高さは300メートル近くあるだろう。対向車をすれすれに避けたり、避けられないときはバックしたりして、バスは進む。何回カーブを曲がったことだろう。その度に死の恐怖がよぎった。しかし、運転手は南イタリアの男である。乗客の女性となにやらたのしげにしゃべっている。時折、ハンドルから手を離し大げさな手振りもしている。<br /><br />「この野郎!まじめに運転しろ」と言いたくなったが、自分の命は彼任せである。あきらめて、必死で絶えることにした。<br />一時間以上経ったろうか、バスはようやくアマルフィに到着。ここは港で開けている。よっぽどバスを降りて、一休みしようと思ったが、もう恐怖の時は過ぎたようだ。このまま乗っていくことにした。<br /><br />http://onari.jp/<br />↑僕の著書を紹介しているサイトにも遊びにきてください。

イタリア−癒しとメディテーションの旅(4日目)ソレント−アマルフィの地獄バス

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2005/11/04 - 2005/11/04

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kon

konさん

やたらと広いポンペイ遺跡をさくっと見てソレントへ向かう。朝一で来て良かった。10時を回るころには、ツアー客が大量に押し寄せて来て、ベスビオ山の火山灰より彼らに押しつぶされてしまいそうだ。

11時50分ソレント着。アマルフィ行きのフェリーがないか、インフォメーションに訊きに行く。フェリーは夏期だけの運行ということで、しょうがないのでバスで行くことにした。しかも、2.40ユーロと格安ではないか!

ソレントのインフォメーションには、日本人の女性が働いていた。こんなところにも、日本人観光客はたくさん来るのだろうか。
そして、いよいよバスに乗り込む。ソレント市街を離れるまでに道が渋滞して、まったく動きが停まってしまった。なんだなんだと思っていると、道の先の広場でボーイスカウト・ガールスカウトの団体のようなものが集まり、なにかセレモニーを行っている。街の顔役のような人の演説も始まった。子供たちの楽隊の演奏も始まった。岬の縁のわずかな土地にできた街だけに、何かイベントをするときには車を停めるのも習慣になっているのだろう。小一時間、そのセレモニーを見てすごした。

動き出したバスはクネクネと曲がった峠を越え、アマルフィ海岸沿いに出た。アマルフィ海岸は、世界的に有名な景勝地だ。幾重にも波打つ海岸線の切り立った崖に、へばりつくように白い家が点在し紺碧の海とのコントラストが光る。しかし、道はとんでもなく険しい。おそらく以前は道などなく、船だけが交通手段だったのだろう。あったとしてもロバしか歩けないような道だったにちがいない。そこに無理やりバスが通るだけの道を作ったのだろう。

バスは走る、断崖絶壁すれすれの道を、ヘアピンカーブの連続で。山まわりのときは、道の向こうに美しい海岸線と白い家々が見える。しかし、少しでも運転手がハンドルをミスすれぱまっさかさまに転落である。高さは300メートル近くあるだろう。対向車をすれすれに避けたり、避けられないときはバックしたりして、バスは進む。何回カーブを曲がったことだろう。その度に死の恐怖がよぎった。しかし、運転手は南イタリアの男である。乗客の女性となにやらたのしげにしゃべっている。時折、ハンドルから手を離し大げさな手振りもしている。

「この野郎!まじめに運転しろ」と言いたくなったが、自分の命は彼任せである。あきらめて、必死で絶えることにした。
一時間以上経ったろうか、バスはようやくアマルフィに到着。ここは港で開けている。よっぽどバスを降りて、一休みしようと思ったが、もう恐怖の時は過ぎたようだ。このまま乗っていくことにした。

http://onari.jp/
↑僕の著書を紹介しているサイトにも遊びにきてください。

交通手段
観光バス

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