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ラインのぼり→ビンゲン<br /><br />コブレンツ11時発の船に間に合うように逆算して、バスで間にあわないといけないからとタクシーでヴィットリヒまで行くが、電車が30分以上遅れ、結局11時過ぎにコブレンツに着く。<br />駅から船着場まで歩いて10分。次の船は2時までない。<br />2時間以上待って、その上船で5時間も船に乗ることはないだろうと、私は言うが、連れ合いのたっての願いで、ライン川を溯ることにする。<br /><br />街中に引き返し、ぶらぶらして時を過ごす。売店に「ライン川」という日本語の小冊子があったので買って読んでいる。日本人客が多いんだろう、こんな冊子があるんだから。<br /><br />コブレンツはライン川とモーゼル川が合流するところである。コブレンツの名の由来も「合流」にちなんでいる。<br /><br />船が動き出した。川の流れもゆったりだが、さかのぼる船もまたゆったり。乗客たちは甲板でのんびり風にふかれている。<br />岸辺を走る自転車と同じ速度だ。手を振ると、自転車も手を振り返す。のどか。<br /><br />待っている間、河畔のホテルでワインを飲んだので、いささか効いてきたみたいだ。<br /><br />念願の筈の連れ合いは居眠りをしている。眠気覚ましに、ワープロをあけて、これを打っている。乗務員が覗き込み、「日本語か?」ときく。彼らには珍しい文字なのだろう。<br /><br />船の中には食堂もあり、飲んだり食べたりもできる。<br />ひとまわしてみたが、船内に日本人らしき姿はなかった。<br />普通はね、川を下るんだよねぇ。速度が遅いから写真を撮るのは好都合。甲板を歩き回って、写真を撮っている。<br /><br />ローレライにさしかかった。スピーカーからローレライの歌が流れる。私たちもいっしょになって、ローレライを歌う。<br />でも、他の乗客はまったく反応しない。<br />日本では音楽の教科書にも載って愛唱されていたのだが、こっちではそうではなかったのかなぁ。<br /><br />このあたりは渓谷も深く、両側に城や城址が見える。<br />ライン川でも景勝の場所。しかし、この城の目的は川を行く船から税金の取立るためだった。<br /><br />ローレライよりもう少し上、ビンゲンにちかい中州に「ネズミ塔」と呼ばれている建物がある。これも関税塔。通行税のことを方言で「マウト」という。ビンゲンのところで書くが、地元民達はマウトをマウスに読み替えたのだという。<br /><br />リューデスハイムに泊まるつもりだったが、鉄道の便もこっちの方がよさそうだと、思いつきでビンゲンで下りてしまった。<br /><br />ホテルを探していると、向こうから来たおやじさんが私たちに声をかけた。おやじさんはホテルの主、といっても夫婦ふたりでやっている小さなガルニ。ご縁だからここに泊まる。でも、二人が一生懸命もてなしてくれた。<br /><br />船が着いたのが、7時過ぎ、ちょっと町に出たが、<br />「眠い」と戻ってきてシャワーをあび、そのまま寝てしまう。<br /><br />朝食のとき、おやじさんがコーヒー豆をひいて、コーヒーをいれてくれた。連れ合いが「美味しい」というとうれしそうに豆の説明をしていた。「今日はどこへ行くのか」と聞くのでハイデルベルクだと答えると、「自分もここに来る前はハイデルベルクに住んでいた。ハイデルベルクは良い町だ。きっと気に入るだろう」と言った。<br /><br />荷物を置いたまま、城まで登っていった。城からのラインの眺めはなかなかのもの。城への道には赤いネズミの立て札が、あちこちに立っている。<br /><br />冊子によると、マインツの大司教はとても強欲な人だった。住民に高い税金をかけ、中洲に関税塔をたて、通る船からは通行税をかならず取り立て、贅沢に暮らしていた。<br />あるとき、不作で食べ物がなくなって飢え死にする人たちも出てきた。ひもじさにたえかねて、住民が司祭に納屋の穀物を分けてくれと頼んだ。司祭は承知し、住民達を納屋にいざなった。小躍りして住民が納屋に入ると、司祭は戸を閉め、火を放ち、納屋ごと焼いてしまった。<br /><br />このような残虐行為を神は許しておかなかった。<br />燃えつきた灰の中から、ネズミの大群が現れ、大司教めがけて襲い掛かった。<br /><br />身の危険を感じた大司教は小船を用意させ、中洲にある関税塔(ネズミ塔)へ避難した。それでもネズミたちは大司教を見つけ出し、食い殺してしまった。そしてネズミは一匹の残らず姿を消してしまった、と。<br /><br />ひどい坊主もいたもんだ、しかし神の名でネズミにしかえしさせるところがなんとも。<br />

ドイツ1997年 9

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1997/05/05 - 1997/06

579位(同エリア594件中)

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buchijoyce

buchijoyceさん

ラインのぼり→ビンゲン

コブレンツ11時発の船に間に合うように逆算して、バスで間にあわないといけないからとタクシーでヴィットリヒまで行くが、電車が30分以上遅れ、結局11時過ぎにコブレンツに着く。
駅から船着場まで歩いて10分。次の船は2時までない。
2時間以上待って、その上船で5時間も船に乗ることはないだろうと、私は言うが、連れ合いのたっての願いで、ライン川を溯ることにする。

街中に引き返し、ぶらぶらして時を過ごす。売店に「ライン川」という日本語の小冊子があったので買って読んでいる。日本人客が多いんだろう、こんな冊子があるんだから。

コブレンツはライン川とモーゼル川が合流するところである。コブレンツの名の由来も「合流」にちなんでいる。

船が動き出した。川の流れもゆったりだが、さかのぼる船もまたゆったり。乗客たちは甲板でのんびり風にふかれている。
岸辺を走る自転車と同じ速度だ。手を振ると、自転車も手を振り返す。のどか。

待っている間、河畔のホテルでワインを飲んだので、いささか効いてきたみたいだ。

念願の筈の連れ合いは居眠りをしている。眠気覚ましに、ワープロをあけて、これを打っている。乗務員が覗き込み、「日本語か?」ときく。彼らには珍しい文字なのだろう。

船の中には食堂もあり、飲んだり食べたりもできる。
ひとまわしてみたが、船内に日本人らしき姿はなかった。
普通はね、川を下るんだよねぇ。速度が遅いから写真を撮るのは好都合。甲板を歩き回って、写真を撮っている。

ローレライにさしかかった。スピーカーからローレライの歌が流れる。私たちもいっしょになって、ローレライを歌う。
でも、他の乗客はまったく反応しない。
日本では音楽の教科書にも載って愛唱されていたのだが、こっちではそうではなかったのかなぁ。

このあたりは渓谷も深く、両側に城や城址が見える。
ライン川でも景勝の場所。しかし、この城の目的は川を行く船から税金の取立るためだった。

ローレライよりもう少し上、ビンゲンにちかい中州に「ネズミ塔」と呼ばれている建物がある。これも関税塔。通行税のことを方言で「マウト」という。ビンゲンのところで書くが、地元民達はマウトをマウスに読み替えたのだという。

リューデスハイムに泊まるつもりだったが、鉄道の便もこっちの方がよさそうだと、思いつきでビンゲンで下りてしまった。

ホテルを探していると、向こうから来たおやじさんが私たちに声をかけた。おやじさんはホテルの主、といっても夫婦ふたりでやっている小さなガルニ。ご縁だからここに泊まる。でも、二人が一生懸命もてなしてくれた。

船が着いたのが、7時過ぎ、ちょっと町に出たが、
「眠い」と戻ってきてシャワーをあび、そのまま寝てしまう。

朝食のとき、おやじさんがコーヒー豆をひいて、コーヒーをいれてくれた。連れ合いが「美味しい」というとうれしそうに豆の説明をしていた。「今日はどこへ行くのか」と聞くのでハイデルベルクだと答えると、「自分もここに来る前はハイデルベルクに住んでいた。ハイデルベルクは良い町だ。きっと気に入るだろう」と言った。

荷物を置いたまま、城まで登っていった。城からのラインの眺めはなかなかのもの。城への道には赤いネズミの立て札が、あちこちに立っている。

冊子によると、マインツの大司教はとても強欲な人だった。住民に高い税金をかけ、中洲に関税塔をたて、通る船からは通行税をかならず取り立て、贅沢に暮らしていた。
あるとき、不作で食べ物がなくなって飢え死にする人たちも出てきた。ひもじさにたえかねて、住民が司祭に納屋の穀物を分けてくれと頼んだ。司祭は承知し、住民達を納屋にいざなった。小躍りして住民が納屋に入ると、司祭は戸を閉め、火を放ち、納屋ごと焼いてしまった。

このような残虐行為を神は許しておかなかった。
燃えつきた灰の中から、ネズミの大群が現れ、大司教めがけて襲い掛かった。

身の危険を感じた大司教は小船を用意させ、中洲にある関税塔(ネズミ塔)へ避難した。それでもネズミたちは大司教を見つけ出し、食い殺してしまった。そしてネズミは一匹の残らず姿を消してしまった、と。

ひどい坊主もいたもんだ、しかし神の名でネズミにしかえしさせるところがなんとも。

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