私の半分が眠る街

2006/05/27 - 2006/05/28

私は2才から15才までをここより少し西の場所で過ごした。
家庭のあまり良くない事情でここを去ることになったが
今でもここには私の半分が眠る。

エリア 神戸(兵庫)

三宮 センター街。
私が覚えてるお店もあれば、全く知らないお店もある。
震災の時はどうだったんだろう。
今はその影さえない。
私が好きだったお店はもうない。
本当にこの場所にあったのかさえ、今の私には確かめられない。

南京町。
ここを突き抜けてお目 当ての店に行く。
今日は親友と夕飯。
ここでこんな風に食事できるだけで幸せ。
ここを出た時の私に今の私を教えてあげたい。
私は自分の意志で何度でも帰ってこれる。

店終いの元町高架下。
最初にここに来たのはいつだったろう。
何も買わずに帰ってきた日。
ここの話をした遠い昔の大事な友達は絵かきになったみたいだ。
今は居場所もわからない。
もう一度会いたい。
貴女は約束通り絵かきになったね。
私は約束守れなかったよ。

ホテルへの帰り、タコ焼き屋の移 動販売を見つけた。
お店のおじさんはとても気さくで優しかった。
自分の話す言葉でこんなに親しげに話し掛けられることは東京ではない。
私が知っているタコ焼きはもっと黄色くてだし汁に浸っていた。
それを明石焼きというのを知ったのは
ずいぶん大人になってから。

さようなら
ここへ来ると元気になるようでおセンチになるようで。
いつまで経っても私の特別な場所。
あの時の私はまだここで眠っている。
片道切符を持って最後に見たのは三宮 のネオン。
涙で滲んで実物よりきらきらしていた。
車のテールランプも滲んで赤い線のようだった。
今が幸せでも、忘れられないあの日。
私の半分が目を覚ますまで私はここに戻ってき続ける。
目を覚ました私が最初に見るのはきっと私の特別なあの人だ。