『塔』＝＝国宝・重文を訪ねて＝＝

2001/08/15 - 2006/05/20

５年前、女房の妹夫婦と共に山口を旅行した折、瑠璃光寺を訪れた。
室町時代全盛であった大内義弘を弔うために建立された供養塔で、大内文化の最高傑作といわれる。
その優美な姿は、見ているものをやさしくくるみこみ、借景である裏山、前庭のお庭を見通せるベンチに腰掛けていると、心安らぐ。
その折、寺内の売店でたまたま「木造塔建造物　国宝重要文化財目録」を入手した。リストには２８の国宝木造塔、９５の重文木造塔が掲載されており、近畿地区所在が大多数を占めていたことから、出来る限り訪問し記録（写真）を残そうと決意した。

訪問した塔の全てが国宝指定されているだけあって、安穏たる文化世界を醸し出しているが、あえて絞り込んだ個人的なお勧めは以下の塔である。

「浄瑠璃寺三重塔（京都府加茂町）」　寺までのアプローチ、寺内の庭園、木々に埋もれる小ぶりな塔は安らかさが心満たす。

「室生寺五重塔（奈良県室生町）」　女人高野室生寺の象徴として有名。台風の被害も消え去り、小振りで端整な塔は写真マニアにもお勧め。

「當麻寺三重塔《東塔・西塔》（奈良県葛城市）」　奈良時代建立の東塔と平安前期建立の西塔が奥の院から並んで見える様は感動もの。

もうひとつマニアックなところで「慈眼院多宝塔（大阪府泉佐野市）」　小さくて通り過ぎそうなお寺（参拝は事前予約が必要）苔むした裏庭にひっそりとしたたたずまいは神秘、幽玄の世界。

最後に日本三名塔は山口の瑠璃光寺、京都の醍醐寺、奈良の法隆寺の五重の塔とのこと。

エリア 山口市(山口)

浄瑠璃寺三重塔（京都府加茂町）　

室生寺五重塔（奈良県室生町）

當麻寺三重塔《東塔・西塔》（奈良県葛城市）

慈眼院多宝塔（大阪府泉佐野市）