2006/01/21 - 2006/01/22
20558位(同エリア22950件中)
さのですさん
先日、ハチ高原とハチ北へ家族でスキーに行ったときの旅行記です。素晴らしい雪質の中広大なゲレンデをカッ飛んできました。澄み切った青空、ゲレンデ全体に敷き詰められた純白の粉雪、太陽の中で美しく輝く樹氷・・・その美しさはこの世の奇跡です!
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(写真:ゲレンデの途中にある大きな木の側で)
ハチ北は徳島から約3時間で行ける手頃なスキー場。独身時代にはよく職場の仲間と滑りに行っていたのだが、最近は3年前に御本尊様と行って以来ご無沙汰していた。ハチ北と言えばどうも混んでいるイメージと明石大橋の高速料金がネックになって、選択肢から外していた。しかし、今シーズン年末の北海道家族スキーがキャンセルになった事から、1月のトップシーズンに県外へマイカーで行ってみたいと考えるようになった。関西方面には他にもたくさんのスキー場があるのだが、道を知っている事とゲレンデの規模からハチ高原に決定。
出発前日。筆者のいつもの悪い癖が出る。どこかに行こうとすると興奮して眠れなかったり、真夜中に目が覚めたりするのだ。やっとうとうとし始めたところで、ふと時計に目をやるともう起床時間の4時になっている。慌てて布団から出て着替えをし、腕時計を見直すと時間はまだ3時を指していた。・・・いや、決して枕もとの時計が遅れていたのではない。「早く行きたい」という思いが錯覚を見させたのである。もうこれはほとんど危ない状態である。
子供たちも順次起き出し、午前4時半に家を出発する。ハチ北までは3時間と計算していたのだが、播但に入ってから一車線のためノロノロ車に牽引されて随分時間がかかってしまう。高速を降りてからスキー場までも渋滞にかかった。次回行くときは遅くとも4時までには出たい。
スキー場サイドの宿舎を取っていたので、上まで車で上がる。今回宿泊するのはホテル白樺館。実はこのホテルは8年前に御本尊様・Jさんと共に泊まった事のある場所だ。当時の記憶は今ではもうほとんどないが、何となくホテル前の様子やロビーの造りがうっすらと記憶に残っている。到着後荷物を預かってくれるのだが、荷物置き場のロビーや更衣室、ロッカールームも広々としていて使いやすい。さて、着替えをしてゲレンデに出ようとすると、妻と子供達の腰が重い。妻は前々日から風邪気味で喉が痛いので、この日は様子を見てホテルで待機し、翌日に滑るようにするという。子供達も早起きと4時間の行程で疲れたようで、1時間ほど休憩を取りたいと言う。筆者も睡眠時間無しで運転してきているのだが、滑る意欲は家族で一番。早速ゲレンデに乗り出した。
1時間だけと言う約束だったので、ホテル前のハチ高原のゲレンデを滑った。白樺館にもスキー学校の中・高校生がたくさん来ており、リフトが結構混んでいた。メインコースのハチ中央ゲレンデは最長滑走距離800m。下部はほぼフラットで上部は最大24度の斜面もある。平均斜度はわずか8度であるが、下部を除くと幅の広い快適な初中級コースである。雪質もいい。出発直前に気温がぐんと下がったので、新雪が降っているようだ。軽い。年始の栂池の雪より軽いんじゃないかと思った。ただこのゲレンデ、中級者以上には少し物足りない傾斜である。また。リフトはクワッドが一本だけしかないので、滑走距離が短い割りに一回一回リフトに時間がかかる。しばらく滑って次はハチ北方面に動きたいと思い、子供を連れにホテルまで戻った。
ハチ高原とハチ北をつなぐ登行リフトは断崖の様な急斜面を登っていく。リフトに乗ったまま反対側のハチ高原を振り返ると落ち込むような光景だ。子供たちに「振り向いてごらん」と言って景色を見せてやるとキャーキャー言って騒いでいた。特に長女は怖がりなので体を硬くしていた。可愛そうな事をした。
リフトを降りてハチ北ゲレンデの頂上に着いた。天気予報では一日中雪の予報が出ていたのだが、朝のうちは晴れ間も見え、頂上からは遠方まで景色が見渡せた。頂上からは関西屈指のコブ急斜面「北壁」と1500mのスカイロードコースがあるのだが、「北壁」は大雪のため雪崩の危険性ありで閉鎖されていた。スカイロードコースはコース幅こそ広くないものの適度な斜面の変化があり、繰り返し楽しめる。雪質はハチ高原側より更に良く、新雪部分も多かった。 -
(写真:ハチ北頂上からの素晴らしい眺め)
時間もお昼が過ぎたので、妻と連絡を取り再びハチ高原に戻って麓のレストランで食事にする。「カフェテリアシーズ」はメニューも豊富で、中でもここの売りなのが、クヌギの薪を使って焼く窯焼きピザ。ピザの表面がパリパリしていて本格的な一品であった。昼からは再び筆者のみでハチ北へ。中央ゲレンデと野間ゲレンデにはクワッドが架かっているのでここを中心に滑る。
しばらくしてこれまで閉鎖されていたアルペンコースがオープンしたため、こちらに足を伸ばす。最大斜度26度のそそり立つようなコブがあったが、なるべく平坦なコースを選び何とか下までたどり着いた。もう一度滑ろうとペアリフトに乗ったところで思いもかけないアナウンスが・・・。
「ハチ高原からお越しの方は間もなく北壁トリプルリフトが営業終了となりますのでお急ぎ下さい。」腕時計を見ると3時20分を指している。3時半の終了まで後10分しかない。ハチ北とハチ高原は頂上部で連結しているのだが、頂上まで行くには北壁トリプルに乗るしかない。現在乗っているリフトを降りた後すぐラビットコース約400mを滑り降りれば北壁トリプルの乗り口まで出られるのだが、リフトの動きが遅く中々前に進まない。万が一リフトに間に合わなければ、もう頂上へ上る手段は無くなるので、一度ハチ北から下山してタクシーか何かでハチ高原まで戻るしかない。しかし、両スキー場は山を挟んで反対斜面なので、向こうに辿りつくのは夜になるだろう。そもそもタクシーなんて通っているんだろうか?
色々悪い事態を想定しながら「早く進め!」と念じたのだが、一向に前には進まず、ようやくリフトを降りた頃には時計は3時半近くになっていた。「間に合わない!」気持ちばかりあせったが、まだ北壁トリプルが動いているのが見えたので、ひょっとしたら間に合うかもしれないとの期待を抱いてラビットコースをほとんど直滑降で爆走!・・・間に合った!喜びのあまり思わず声を上げそうになったが、リフトの表示をふと見ると営業終了時刻は4時。・・・まだ30分余裕があったのだ。ホッと胸をなでおろして頂上からハチ高原側へ戻る。
頂上からハチ高原へは登行リフトで下山する他、上級者限定のハイランドビューコース(平均斜度23度最大斜度35度)がある。午前中子供と登行リフトに乗りながら斜面を見たときにはそれほどきつそうな傾斜には見えなかったため、次に来た時は一緒に滑って降りようと言っていたのだが、実際降りてみるとアイスバーンに大きなコブ、新雪+急斜面とかなり厳しいコースだった。子供二人の技術では絶対に怖がって降りることができずパニックになっていたに違いない。見た目だけで判断すると大変なことになる事が良く分かった。
その後ハチ高原でリフト停止の4時半まで滑ってホテルに戻った。終了間際には激しく雪が降り始めた。多分明日は新雪を楽しめる事だろう。
ホテルは前週のロッジ幸の様なボロ部屋を想像していたのだが、12畳もあり四人で寝るには十分すぎるほどの広さだった。風呂や食事もそんなに悪くない。ただゲームセンター等娯楽施設がないので夜はテレビを見たり、左のような訳のわからない事をして過ごした。明日は朝一番に新雪を滑ろうと考え、9時半には部屋の電気を消して就寝。 -
(写真:降り積もった雪の上にシュプールが描かれていく・・・)
筆者は夜はすぐに眠くなってしまうのだが、朝は非常に強い。普段でも目覚ましをかけないでも6時には目が覚めるし、調子のいい時には5時・4時から活動を始める。特に旅行中は気分が高揚していることもあって普段より1時間ほど早く目が覚め、時間を持て余すのだが、この日は前日長い距離を運転してきたのとスキーの疲れからか、目が覚めたのは6時。急いで家族のスキーウェアの防水加工をし、出かけられる準備をして6時半には家族を起こす。
朝食後、妻の熱を測ってみると37度8分ある。仕方なく今日もホテルで待機することになった。「私は一体何のために来たん?」ホントに二日ともホテルにいる位なら家で寝ていた方がよっぱど快適だったに違いない。そんな母を可愛そうに思ったのか、長男も朝はホテルで休むと言う。素晴らしい親子愛を横目で見ながら、筆者と長女はゲレンデに出ることにした。
外に出ると、太陽が眩しい。昨日は曇りがちな天気だったが、今日は雲ひとつない。突き抜けるような空の色に加えて、昨晩から降り積もった新雪が極上のゲレンデを作り出していた。気温が低かったために雪も非常に軽く、上を滑ると空中に浮いているようである。文句なく今シーズン最高の雪だ。ハチ高原の上部のゲレンデは圧雪せずにそのまま新雪を残してある。北海道で何度か新雪の経験がある長女は大きなシュプールを描いてゲレンデを滑っていた。ターンをする度に大きな雪煙が上がる。雪が細かいので足に抵抗はなく、心地よい感触だけが残っていった。 -
(写真:ゲレンデでパチリ)
ハチ高原がこの状態ならハチ北のほうはもっといい雪ではないかと期待し、ハチ北ゲレンデへ移動をした。しかし、雪質に大きな差はなかった。よく考えてみれば北側斜面は降った時の状態が長い事持続するだけで、降った直後の雪は同じ雪質のはずだ。 -
(写真:長女のかいた絵)
この日スカイロードからパノラマゲレンデに移動するルートがつながり、これまで閉鎖中だったパノラマ上部も整備されていた。主に中央ゲレンデで1時間ほど滑る。途中、野間ゲレンデの方に新雪部分がたくさん残っていたので、移動をする。林間の新雪にわざと乗り上げて感触を楽しんでいたのだが、一度細い道を速いスピードで降りた時、コースを踏み外し林の中に突っ込んだ。バランスを崩したときにエッジを効かせて止まろうとしたのだが、新雪の上では効果なし。前に一回転して木を何本かなぎ倒しながら何とか止まった。あまりの勢いに横で見ていた長女は筆者が死んだと思ったと言う。実際、倒れた場所に枝でも出ていたら串刺しになったかもしれないし、林の中が細い木ばかりだったからいいようなものの、もし大木に衝突していたら重大事故になっていた。これからは新雪でスピードを出すのはやめようと思った。
昼前になったので妻と連絡を取りハチ高原に帰る。ゲレンデを結ぶ頂上まで登ってみるともの凄い風が吹いている。長女は飛ばされそうだ。空も朝はあんなに晴れていたのに、どんよりと曇ってきた。
昼からは長男も加わり再びハチ高原のコースに出たのだが、この頃には暴風雪の状態になっていた。視界も十分確保できない中滑っていたのだが、体も冷えてきたので2時前には切り上げて帰る事にした。駐車場に停めてあった車には20cmほどの雪が積もっている。どんどん天候が悪化してきているようなので、無事帰る事ができるのか心配だったが、途中少し渋滞したものの迂回ルートを使って移動し、夜には家に着いた。
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