2001/11/19 - 2001/11/19
834位(同エリア902件中)
早島 潮さん
平成13年11月19日(月)
早朝シエナのホテルをバスで出発し、230kmを長駆して一路ローマへ向かった。 ローマへ到着すると冬場は午後1時半には閉館されてしまうので、直ちにヴァチカン美術館へと急いだ。
ヴァチカン美術館の圧巻は何といってもシスティーナ礼拝堂である。
特にミケランジェロがユリウス二世(在位1503〜1513) の依頼を受けて25年以上の歳月をかけて完成させた天井画は壁面に積もったほこりと油煙を洗浄する修復作業が1980年に開始され、最近終了したばかりでその鮮やかな色彩を回復していた。
この天井画は中央に創世記の九つのエピソードを描いている。即ち「闇と光の分離」「太陽と月の創造」、「大地と水の分離」「アダムの創造」「エヴァの創造」、「原罪と楽園追放」、「ノアの泥酔」「大洪水」、「ノアの燔祭」がそれである。
九つの創世記物語を取り囲んで八つの三角枠にはマタイによる福音書に則って、キリストの祖先達が描かれ、四つ角の扇型の枠の中には「ユディットとホロフェルネス」(ユディット記)、「ダビデとゴリアテ」(サムエル記),「青銅の蛇」(民数記)、「ハマンの懲らしめ」(エステル記)が描かれている。
天井を仰ぎみていると首が痛くなるのだが、痛さを我慢して暫く見とれていた。
祭壇側の壁面には「最後の審判」の大壁画が飾られている。これは天井画を完成させてから20年以上も後の1536年に制作を開始し1541年に完成させたものであるが、制作を開始した時ミケランジェロは60才の老齢であった。
殆ど400 人近い人々がうごめくこの壮大な構図の中心は、審判者キリストの姿であり、その周囲を構図全体が回転しているように見える。キリストの隣にいる聖母だけが、苦しみを甘受するポーズで、すべての人を巻き込んで動いている上昇と下降の渦巻き運動から免れているように見える。鑑賞者を圧倒してやまない傑作である。
署名の間に飾られているラファエロの「聖体の論議」「枢要徳と対神徳」「アテネの学堂」「パルナッソス山」、ヘリオドロスの間のラファエロ作「ペテロの解放」等もルネッサンスの巨匠の作だけに見飽きぬものであった。
ヴァチカン美術館でこのほかに印象に残っているのはタベストリーのギャラリーに展示されていた「復活」と題するラファエロの新工房作のタベストリーである。これは中央に右手を上げて立つキリストの左足の爪先と視線が鑑賞者が移動するにつれて向きを変えて追っかけてくる現象であった。タベストリーの糸目の起伏が光線の反射と相まって作り出す物理学的には説明可能な現象なのであろうが、神秘的な神の意志のようなものを感じて慄然としたのを覚えている。
ヴァチカン宮殿に名残惜しみながらトレビノの泉とスペイン広場を見学してこの日のローマ市内観光を終わった。
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