1998/07/08 - 1998/07/10
4500位(同エリア4542件中)
早島 潮さん
▼ミャンマーの旅 ヤンゴン、パゴー
1998年7月8日〜7月10日
今日からミャンマーとタイ旅行である。荷物が重いし暑いことでもあるので、9時20分頃バス通りまで出てタクシーを拾うことにする。
昨日夜、ツァーの添乗員の皆藤さんから電話があって今回の旅行は人数が多く、54名であるという。2組に別けて行動する予定というが、前々回メキシコで一緒だった竹重夫妻も組は違うが参加するということである。
京急電車で羽田へは30分程前に着いた。外貨は空港で換えればいいと簡単に考えていたので用意していない。修子に荷物の番をしてもらって外貨の両替のため銀行を探しに出掛けた。国際空港とはいえ、国際線の乗り入れ本数は成田に比べ圧倒的にすくないので、両替の銀行も空港内には富士銀行が一行開業しているだけである。案内でそのことを聞いてなにはともあれ、銀行へ急いだ。待ち合わせ場所からかなり離れているので、百ドルパックを二つ買った。金種がしてあり、今日のレートは1ドル141円25銭である。帰ってくると修子が待ち合わせ場所にいない。両替に時間が掛かっている間に、担当者がきて説明でもあったのだろうと、暫く周囲をあちこち探し廻ってやっと見つけた。彼女は竹重さん夫妻と談笑していた。竹重さんは2組で、我々は1組である。待つほどもなく、搭乗券をもらって関西空港行きの飛行機に乗り込んだ。私の記憶からは、消え失せていたが、前回タイへ長沼君と一緒に行ったときは帰りが関西空港であったと修子が言う。とすれば、関西空港は2回目の利用ということになる。
出発予定時間の12時15分にはANA143便は始動して、順調に飛び立った。
眼下に海上空港を見下ろしながらぐんぐん機は高度を上げていった。和歌山市の上空で、和歌山城はどのあたりで、雑賀岬はどのあたりだろうと目で追ってみる。今年の春、梅が咲いている頃、夫婦で紀伊三井寺を始めとして紀州路散策をしたことが思い出される。
関西空港には13時35分に到着し、飛行機を乗り換えてヤンゴンへ向けて再び機が離陸したのは14時43分であった。
飛行中、沖縄群島を眼下に見下ろしながら、地図と見比べ島の名前を当てはめてみる。4月に訪問しているだけにこれも懐かしい。
5時間45分の飛行の末、18時10分にはヤンゴン空港へ安着した。時差は2時間30分である。
ベトナムやタイの上空とおぼしきところを飛んでいるとき、田畑が俯瞰できたが、黄茶色一色で洪水でも起きているのではないかと思う程であった。アメリカ上空で見た田畑とは一味違っているのである。アメリカの田畑は規模が大きく、円形の田畑がところによっては多かったし、人家が殆ど見当たらないのに対し、ミャンマー上空の田畑は緑が少なくて一面泥濘が覆っているような感じなのである。しかも一区画の広さが小さく、人家が多数集まっているのが眺められる。
現地ガイドのウイン・ナインさんが迎えにきていてバスに乗り込むと、現地通貨とドルとを交換してくれるという。綺麗な札を纏めて袋にいれてある。取り敢えず、20ドルパックを二つ交換した。単位はチャットである。1ドル=260チャットであった。
ホテルへ入る前にロイヤルガーデンというホテル近くのレストランへ入った。
海鮮料理の夕食であるが中華風にしつらえられたものである。このレストランからはライトアップされたシュエダゴンパゴダが幻想的に眺められた。民族舞踊が舞台では賑やかに繰り広げられた。ホテルはニッコーロイヤルレイクヤンゴンと謂い、未だ出来て新しい。仲々良いホテルである。
8時にホテルを出発してパゴーへ向かった。昔、王朝のあったところである。途中田畑で田植えをしている光景やら、水牛で田を耕している昔ながらの風景を日本のそれと対比させながら眺めていた。日本ではかれこれ40年程前の風景である。
また、トラックバスと称する乗合バスがあって、鈴なりに人を積んで走っていく。1トン車で荷台を含め40人を乗せるという。ここでも社会主義70年の実験の悪い結果を見た気がする。また日本の中古車が多い。新車は皆無である。トヨタ、ニッサンがもっとも多いと言う説明である。日本の看板がそのまま残っており、そのことが日本車の証明になるというのである。横浜市の市バスを見かけた。青葉区という行き先表示もそのまま付いていた。私は気がつかなかったが、中古車でも古い型が多く、バックミラーの付いている位置が車の先端なのである。中には、大戦後アメリカ軍が持ってきたGM製のバスが今でも使われていたのには驚いた。
最初に、チャイプーンへ立ち寄ったが、これは4つの巨大な白塗りの仏像がが高さ30mの柱の四面に背中合わせで立っている。伝説によれば、この仏像の建設に携わった4人のモン族の女性のうち、誰かが結婚したら仏像が壊れると言われていた。そして一人が結婚したら本当に4体の仏像のうち一体が崩れてしまったという。西側の仏像が壊れたというが今は修復されていて見た目にはよく判らない。
次に訪れたのはシュエターリャウン・パゴダである。これは全長55mある寝ている釈迦仏の像である。この寝釈迦仏は994年にモン族の王、ミガディガ王によって建立されたといわれるが、パゴー王朝がアラウンパヤー王朝に滅ぼされるとともに、何時しか密林の中に忘れさられていた。イギリスの植民地となって、鉄道建設のためやってきたインド人技術者によって発見され再び陽の目を見ることになった。
パゴー最後のパゴダはシェモードパゴダである。高さ114mの塔がそびえ立っていて周囲を見下ろしている。ここのパゴダの正面にはエスカレーターがついていた。沢山の塔がたっており、仏教のメッカという感じである。パゴダ巡りには裸足で歩かなければならないが、久しく裸足で地面を歩いたことがないので、砂粒が足の裏に当たるととても痛かった。
昼食はビルマ料理ということで、パゴーで一番高級だといわれるThree FiveHotelというレストランへ案内されたが、冷房設備がなく扇風機が生暖かい風をかき回している。部屋へ入ると異様な悪臭がする。吐き気を催しそうになるのを堪えて、昼飯が食べられるかなと心配になる。それでも料理が運ばれだすと今まで鼻についていた悪臭もなくなり、辛い料理に箸は動きだしたが、多くは食べられない。
入り口でお客に一人ずつ丁寧に頭を下げてお辞儀をしていた、5〜6歳と思われる女児が団扇を持って客に風を送って廻っている。切なくなってチップをやろうと思ったが、未だ買い物をしていないので、小さい銭がない。手持ちの現地通貨では二百チャットが一番の小額紙幣である。日本円で換算すると370円ほどである。少し多すぎるかと思ったが仕方がない。これをあげると顔に喜色を浮かべて頭を下げた。経営者の子供であろうが親に躾けられて小遣い稼ぎをしているのである。いやもしかすると親の生計を助けているのかもしれない。ガイドの話によれば、道路人夫が日当200チャットであるというから子供にとっては大金である。このように生活レベルは相当に低い。
ハッピーという土産物屋へ立ち寄ったが、民芸品などの他に宝石なども並べてあるが品揃えは貧しい。特に欲しい物もない。竪琴を引いている民族衣装を纏った女性はとても魅力的であった。
この後一路、ヤンゴンへ向けてバスで帰ってきたが、道中、人が鈴なりで往来するトラックバスはとても目につく異様な光景である。ここでもまた、社会主義の残した負の遺産を見る思いである。
バスが止まる度にしつこくつけまとってくる物売りの子供達や大人達。乞食は非常に少なかったが、その貧困を思う時やるせなさが胸にこみ上げてくる。
ホテルには交通渋滞がなかったためかなり早く到着した。シャワーを浴びて夕食までに相当時間があった。水泳パンツを持ってきておれば、プールで水泳ができたのにと悔やまれる。
夜はロウンマレイというレストランでビルマ民族舞踊をみながら食べた。ライトアップされたシェッタゴンパゴダが素晴らしい。昨日の夜も見たパゴダだ。
明日見学することになる。
暑い。朝からミャンマー仏教の総本山シェッダゴンパゴダを見学した。流石に総本山だけあってその賑わいは大変なものである。しかし、メキシコで時計をなくした寺院での人出程の多さではない。なんとなく全てがのんびり、ゆったりしている感じなのである。
私の守り神はもぐらである。修子のはドラゴン、智子は牙のない象である。この三つの守護神の前で水を捧げた。敬虔な土地の善男善女を沢山みかけた。 次に町の中心にあるスーレーパゴダを外から見学してから、桟橋へ立ち寄ってからボージョーアウンサンマーケットへ行った。ヤンゴン一の市場とあって、確かに品揃えも豊富で賑わっていたが、買いたいものは何もない。
桟橋では船が発着していたが喧騒のみあって、わざわざここを見学させた意味が判らない。ただ、若い男達が現金をはって博打をうっているのを目撃したのは社会の裏面を覗いたという点で面白かった。
昼食は聘珍楼でヤムチャを食べた。これは慣れているせいか口に合うしほっとした感じである。
ボウタタウンパゴダは総ガラス張りのパゴダであった。中は迷路のような佇まいであった。
夕食はトレーディングホテル内の「竪琴」という寿司屋でのり巻きセットを食べた。久し振りの日本食で米も日本人向きのものが使われていた。 このあと空港へ行き、バンコックへ向かった。
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