1997/09/08 - 1997/09/08
1162位(同エリア1386件中)
まみさん
ナポリ1日目:ナポリ国立考古学博物館&サン・ロレンツォ・マジョーレ教会、大聖堂、他
今日から早速、鉄道でナポリへ移動します。
鉄道で南下して約2時間半、昼にはナポリ中央駅に到着しました。
まずはホテル探しです。
ターゲットは、駅周辺、歩いて行ける範囲にある一つ星くらいの安ホテルです。
イタリアの都市では、そういうホテルは、マンションに住む住人が部屋をペンションに改築したようなところが多いです。そして1つの建物にフロアごとに、あるいは同じフロアでも複数あったりします。
「地球の歩き方」にホテルが密集していると書かれた通りに行ってみると、確かに密集していましたちょっと歩いただけで、ホテルの看板がたくさん目に入ってきます。
あまりにも多いので、自分の条件に最も合う所を見つけ出すためにその一つ一つ訪ねて回る、ということが、初っ端から面倒くさくなってしまいました。
と思っているうちに、「地球の歩き方」に載っていて良さそうだと目をつけていたホテルを見つけましたので、他を一切まわることなくそこに決めてしまいました。
もちろん、チェックイン前に部屋を見せてもらって、お湯が出るか、トイレの水はちゃんと流れるか、ドアの裏に貼られている料金表とレセプションで言われた値段があっているか、など基本的な確認はきちんとしました。
後で自分のうかつさに気付いて、嫌な思いをしたり、余計な手間をかけたくないですからね。
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ナポリで最も楽しみにしているのは、明日行く予定のカポディモンテ絵画館と、それからなんといっても国立考古学博物館です。
写真の右手の建物が、ナポリ国立考古学博物館(Museo Archeologico)です。ナポリは路上駐車がとても多く(1997年9月当時)、ここもちょっとした風情があるのに車のせいで興がそがれるので、車はファインダーの外に出すようにしてみました。
ナポリの国立考古学博物館には、かの有名な、アレクサンダー大王とダリウス三世の決戦シーン(イッススの戦い)のモザイクがあります。
ところで、9月のイタリアは日本より暑いです。湿気は低いのでしのぎやすいとはいえ、考古学博物館に到着する頃には、もう汗だくだくになっていました。
そのせいか、鑑賞中、喉が乾いて仕方がありませんでした。
我慢できなかったので、窓辺に立ち、外を見るふりして持参の水筒の水をこっそり口にしました。
が───振り返って、びっくり。
館内で堂々と、アイスクリームを食べながら歩いている人がいるではありませんか。
館員のチェックが厳しい博物館では、こんなことは絶対できませんよね。
ナポリ国立考古学博物館の展示品は、覚悟していた以上にたくさんありました。
しかも、ポンペイ出土品だけでも、彫刻、モザイク画、ブロンズ小品部門と分かれ、そのうえ彫像にギリシャ陶器と続きます。
もう終わりかな、と思うと、まだまだ奥に部屋があります。
バロック絵画部門のところにたどりついた時には、もうくたくたでした。イタリア絵画好きの私ですが、ナポリ派の画家はあまり知らないせいもあって、これはほとんど素通りしてしまいました。
終わった!と思ったら、まだ地下にも、古代エジプトの墓からの出土品までありました。
もういいや、と思わなくもありませんでしたが、入場料を払ったからには息の続く限り見てやる、という根性で足を踏み入れました。
小品はあまり目に留まるものはありませんでしたが、ミイラの展示は面白かったです。ワニやネコのミイラを見るのは初めてです。
包帯がすっかり剥がされたミイラは、怖い物見たさでじっくり眺めてしまいました。 -
ナポリ国立考古学博物館にて。ポンペイ出土の骸骨のモザイクです。
骸骨は両手に壺を持っています。
これを見て、中世ヨーロッパを席巻した「メメント・モリ(死を忘れるな)」を連想しました
ペストの大流行のせいで、今ぴんぴんしている人間がころりと明日に死んでもおかしくない、と人々がおびえていた時代。
人間は誰でも死ぬものだ、との戒めと同時に、生き残っている今のうちにこの世の享楽を味わえ、という逆説的な意味も持ち、骸骨がダンスをする「死の舞踏」が美術・音楽・建築・文学、さまざまなジャンルで流行しました。
でも、これはポンペイ遺跡のモザイクです。もっともっと古い時代のものです。
しかし、考えてみたら、メメント・モリとの連想は、とても意味深だったかもしれません。
ポンペイで日常生活を謳歌していた人々は、ヴェズヴィオ山の噴火で自分たちがまもなく死ぬことなど、思いも寄らなかったことでしょう。死を忘れていたのです。
それは現代の私たちにもあてはまりますが……。
といっても、この図柄にパッと目を引かれたそもそもの最初から、そんな小難しいことを考えたわけではありません。
おどろおどろしいはずの骸骨なのに、どことなく漫画チックでコミカルだったから気に入っただけです@ -
ナポリ国立考古学博物館にて。ポンペイ出土のモザイクのカラーモザイクです。
フリークのつもりはありませんが、骸骨にはなんとなく惹かれます。見ずにはいられません。
単なる怖い物見たさの好奇心か、あるいは「死」という未知なる避けて通れぬものを連想させるからでしょうか。
中央にあるのは骸骨かな、悪魔かな。
骸骨の顔は、天秤の中心からぶら下がっていて、車輪の上に乗っかっています。天秤の両側に吊り下がっているのは何でしょう。
これも、とても意味深な図柄です。 -
ナポリ国立考古学博物館にて。ポンペイ出土の犬のモザイクです。
首輪をしていて、いかにも飼い犬らしいところが目に留まりました。
犬は先史時代から人間の友達でした。
最近(2006年2月)、レンタル・ビデオで、盲導犬の一生を描いた「クイール」(犬の名前がタイトル)という邦画(製作2003年)を見ました。
その中で、盲導犬の歴史も古く、ポンペイの出土品から、この時代の人間もすでに盲導犬を使っていた、ということが知られている、というくだりがあったのを思い出しました。
このモザイクの犬は盲導犬ではないでしょうが、ポンペイと犬、ということで思い出しました。 -
ナポリ国立考古学博物館にて。
柱の向こうに、有名なアレキサンダー大王とダリウス3世の決戦場面(イッススの戦い)のモザイクがあります。
でも実際には、いくつかの戦闘シーンを合成した絵だそうです。
この博物館きっての代表作です。展示方法からして扱いが違います(1997年9月当時)。
なので、書籍など写真でいくらでも見られる近影よりは、その展示の様子がわかるように、少し離れて撮ってみました。 -
ナポリ国立考古学博物館にて。飛んでるブタの彫刻です。
エサにでも、必死に駆けつけているところでしょうか。
なんだかとてもユーモラスだったので、写真に収めました。
壁にも、わざわざ額には入れられていませんが、興味深いモザイクが展示されていました。
1番左には、鬼の顔をしたドアノッカーの絵があります。 -
写真は、ナポリ国立考古学博物館の窓から撮った、ナポリの街の一角です。
博物館の中で喉が渇いたので持参の水筒の水をこっそり飲むために窓際に寄ったら……窓
の外の街並みが、なんだか私のツボにはまりました。
壁紙の剥がれ具合。気取りなさ。
ナポリといえば、「スパッカ・ナポリ」を始めとする下町風景を連想してしまうからかもしれません。
1995年度、唯一参加したツアー旅行でナポリに滞在したとき、ナポリの街中ではツアーバスから下ろさせてもらえず、車窓から見ることしかできませんでした。
そのため、今回のナポリ滞在では、ぜひそういう風情の街並みの写真を撮りたいと思っていたところでした。 -
国立考古学博物館のあとは、主要な教会をめぐりながら、ナポリ市内を散策することにしました。
教会と教会をつなぐルートは、中央駅の観光案内所でもらった地図にある「お薦めルート」のうちの一つを選びました。
でも───なんだか、裏通りみたいです。「スパッカ・ナポリ」という、洗濯物がずらりと垂れ下がった裏道として記憶にある、庶民的なエリアと見まごうような……。
はっきり言ってナポリは、かつてスクーターによるひったくりで死に至った日本人観光客がいたというくらい、治安の悪さで有名です。
ナポリらしい下町風情の写真を撮りたいと思いましたが、敢えて踏み入れたいとは思っていませんでした。
(1995年のバスでの市内巡りから、大通りから脇を覗けばすむと思っていたのです。)
だから、狭い路地、後ろからスクーターがやってくるたびにビクビクものでした。
大通りでは、歩道を歩くナポリっ子らしいティーンエージャーの少女たちも、背負うタイプのカバンを、背中ではなくお腹に抱えていました。
そんな年代の子たちでさえ、お洒落やかっこよさより、安全を取らざるを得ないのでしょう。
しかし、通りすぎるスクーターがあんまり多いので、そのうち脇をスクーターが走り抜ける慣れてしまいました。うーむ、危険ですねぇ。
それに、いかにもイタリア!な街角は、私のミーハーな旅ごころをいたく刺激します。人目を気にしつつも、写真を撮りまくってしまいました。
もっとも、後でよくガイドブックを読んでみたら、いわゆる「スパッカ・ナポリ」とは、場所が違いました。
しかし、いかにもナポリらしい庶民的な街並みをファインダーに収めることができて、満足です。
写真は、トリブナーリ通り(Via Tribunali)です。国立考古学博物館見学のあとにサン・ロレンツォ・マッジョーレ教会(Chiesa di S. Lorenzo Maggiore)に行こうと思って通った通りです。これでも、地図には観光エリア(Turistique Zone)の印が付いました。
洗濯物のある建物に目をつけました。これで両脇の建物をまたいで洗濯物が干されていたら、まさしくスカッパ・ナポリの風情だと思うんですけれどね。
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