1989/06 - 1989/06
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片瀬貴文さん
結婚して35年の間、独りで旅に出かけることはなかった。
一週間続けて家を空けることも、初めてだ。
今回の一人旅は、我が家の歴史に残る、画期的な出来事である。
出発の1989年6月15日朝が、やってきた。
奇しくもこれから訪ねようとする息子の、誕生日だ。
ちょうど盛岡の馬の祭り「チャグチャグ馬っ子」の日で、街に面した私のベッドの外を、馬の行列が「チャグチャグ」と鈴を鳴らしながら通り過ぎた。
その音は息子の誕生を祝福するようで、とても満ち足りた気持ちになったものだった。
夫は快く、伊丹空港まで送ってくれた。
「これから外食ばかりの夫が、ちょっとばかり可愛そうで、済まないな」と思いながら、手を振って別れた。
7時20分発、成田行きANA便。
成田からは、1時間遅れで11時30分、ワシントン行きが出発。
13時間の機内では、これまで経験しなかった開放感にすっかりリラックスして、よく眠る。
食事と、映画「マイフェアレディ」以外は、ずっと寝てばかりで、我ながら驚く。
飛行機は1時間遅れて、11時30分、ワシントン・ダラス空港に無事着陸した。
ダラス空港はこじんまりとして、静かな空港。
その時間に到着する便はほかにないようで、ガラガラだ。
入国手続きも、通関もスラスラ。
息子は遠くからそれとわかる、元気いっぱいの笑い顔で迎えてくれた。
6ヶ月ぶりの、出会いだった。
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