バナナで釘<br />２００５年中にどうしても行っておきたい事があった。それはラップランドに行ってファンキーにバナナで釘を打つことだった。<br />いや、ちょっと違った・・・。<br />バナナで釘が打てるような気温時にオーロラの下でアイスクライミングに興じるという事だった。<br />然し、実はこの条件というのはそんなに簡単には実現しないのだった。僕が滞在していたフィンランドの北極圏の街『ルオスト』は、今季が始まってから暖冬（と言ってもマイナス３℃前後）になっており、オーロラを見るにもアイスクライミングをするにも温度が高過ぎるようなのだった。<br /><br />さて、まだ若かりし頃だが、世界地図を開いて『ラップランド』の文字を目にしたときには、その国に入った途端、<br />「オーケー、メェーン！」といきなり踊らせられるのでは？とハラハラしたもんだが（ほんとはしてないけど）、自分が行く事になるとは夢にも思っていなかった。何せ本当に世界地図の隅っこだ。極地だ。<br />だが、僕がいつだか<br />「オーロラ見たいなあ。」と呟いてたら、相棒の十数年来の友人がフィンランド人で、<br />「じゃあ、見る?」ということになり、あっという間に北極圏遠征が決まっていた。<br />人生とはつくづく予測不可能だ。<br /><br />其の１　　　　　サンタの名のもとに<br />はっきり言って、フィンランド航空もサンタの手先だ。フィンランドの人は控えめで大人しく人畜無害にやさしい感じがするのだが（実際にやさしいのだが）、商売上手でもある。だって、サンタさんはランプランド＠フィンランドに住んでいるという事にいつの間にか決めてしまったし、いつの間にかそれを世界が認知してるのだ。僕の知るところではサンタの原型はスペインで発祥しているはずなのだ。（一部ドイツやベルギーの聖ニコラが発祥とする説もあるが、これは別人である可能性が高いと考えられる。）<br />とつい、またまた枝葉が茂るのだが、フィンランド航空はクリスマス習慣になると子供達に「サンタパズル」をばら撒き、機内で出されるコーヒーもサンタレーベルのカップでサンターコーヒーが出されるのである。それだけで単純な輩は、童心に帰って<br />「サンタさん、ありがとう。」<br />等とつい呟いてしまうのだ。<br />しかし、サンタの使徒達といえども、チェックイン・カウンターでの重量制限には厳しそうだ。クライミング・ギアをかなり絞って選んだこともあって我々はなんとか超過料金を払わずに済んだのだけれど・・・。<br />

世界の果てでピッケルを振るう

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2005/12/22 - 2005/12/30

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#その他

アルピニスとしさん

バナナで釘
２００５年中にどうしても行っておきたい事があった。それはラップランドに行ってファンキーにバナナで釘を打つことだった。
いや、ちょっと違った・・・。
バナナで釘が打てるような気温時にオーロラの下でアイスクライミングに興じるという事だった。
然し、実はこの条件というのはそんなに簡単には実現しないのだった。僕が滞在していたフィンランドの北極圏の街『ルオスト』は、今季が始まってから暖冬（と言ってもマイナス３℃前後）になっており、オーロラを見るにもアイスクライミングをするにも温度が高過ぎるようなのだった。

さて、まだ若かりし頃だが、世界地図を開いて『ラップランド』の文字を目にしたときには、その国に入った途端、
「オーケー、メェーン！」といきなり踊らせられるのでは？とハラハラしたもんだが（ほんとはしてないけど）、自分が行く事になるとは夢にも思っていなかった。何せ本当に世界地図の隅っこだ。極地だ。
だが、僕がいつだか
「オーロラ見たいなあ。」と呟いてたら、相棒の十数年来の友人がフィンランド人で、
「じゃあ、見る?」ということになり、あっという間に北極圏遠征が決まっていた。
人生とはつくづく予測不可能だ。

其の１　　　　　サンタの名のもとに
はっきり言って、フィンランド航空もサンタの手先だ。フィンランドの人は控えめで大人しく人畜無害にやさしい感じがするのだが（実際にやさしいのだが）、商売上手でもある。だって、サンタさんはランプランド＠フィンランドに住んでいるという事にいつの間にか決めてしまったし、いつの間にかそれを世界が認知してるのだ。僕の知るところではサンタの原型はスペインで発祥しているはずなのだ。（一部ドイツやベルギーの聖ニコラが発祥とする説もあるが、これは別人である可能性が高いと考えられる。）
とつい、またまた枝葉が茂るのだが、フィンランド航空はクリスマス習慣になると子供達に「サンタパズル」をばら撒き、機内で出されるコーヒーもサンタレーベルのカップでサンターコーヒーが出されるのである。それだけで単純な輩は、童心に帰って
「サンタさん、ありがとう。」
等とつい呟いてしまうのだ。
しかし、サンタの使徒達といえども、チェックイン・カウンターでの重量制限には厳しそうだ。クライミング・ギアをかなり絞って選んだこともあって我々はなんとか超過料金を払わずに済んだのだけれど・・・。