2002/06/04 - 2002/08
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ぶちゃさん
当時会社勤めを辞め、とにかくどこかに行きたかった私は、友人が留学していた台湾に長期滞在をすることに決めて、旅立った。
ホントに何もせず過ごした、今思えば人生でもっともグウタラな数ヶ月間だった。
でもグータラが性分の私にとっては至福の時間でもあった。
3ヶ月も滞在していれば、そりゃ色々あるのだが、とりあえずここでは「虫歯事件」について記しておこうと思う。
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あれは確か8月に台湾からベトナムへ小旅行に行った時のこと…。
いつものように友人と店屋で晩飯を食べていた時(たしか炒飯みたいなものを食べていた)、いきなり左奥歯に激痛が走った。
ズッキーーーーーン!!!!!!!
蘇る記憶…。
あれは日本出国の1日前。
前々から気づいていたが、気がつかない振りをしていた左奥の虫歯のことが、よりによってとっても気になりだしてしまい、当時無職で保険も入っていなかったけど、市役所に行き国民健康保険にその場で加入し、その足で近くの歯医者に向かった。
「一日で治してくれますか?」
と無理難題をふっかけてみたが、やっぱり無理だった。
とりあえず、明日から数ヶ月外国に滞在することを話し、ピンク色のかぶせ物を応急処置的にしてもらって、歯医者を後にした。
…そのピンクのかぶせ物がとれたのだ!
※写真は住んでいた寮の近くで撮った夜景。 -
ズキズキ痛む左奥歯を全身全霊でなだめようとドキドキしながら祈った。
しばらくすると、痛みは徐々に治まってきた。
…ホッ…。
痛みが収まってくると、「今のは…幻?」という勝手な願望が浮かんでくる。
恐る恐るもう一口左奥歯で食べてみる。
「!!!」
…それからというもの…。
この旅行中では決して左の歯を使用するのはやめようと心に誓った。
美味しい物は食べたい。(食いしん坊故に。)
でも痛いのは嫌だ!
この信条(?)の元、ベトナム旅行はなんとか乗り切って台北に再び戻ってきた。
しかし台北に戻ってきた後、再びタイなどに旅行する計画が私と友人にはあった。
そこで台北滞在期間中に、できればこの歯の痛みをなんとかしたい!という欲望が生まれてきてしまった。
一番近い日本、すなわち沖縄に一時帰国する…という手も考えたが、金がかかることと、「生まれてから一度も行ったことのない日本の南国リゾート・沖縄にこんな形で上陸するのは嫌だ!!」という思いから、台北の歯医者に行くことを決意した。
※写真は川沿いで撮った橋。 -
私は中国語が全く話せない。(数ヶ月居たのに全く勉強せず。)
はたして伝わるのだろうか…?
友達は昼間学校なので、学校近くのモスにて一人だべってシミュレーションをした。
「確か…歯って中国語で“牙”だったよな…」
「痛いが“疼”って言っていたな…」
等、歯医者に行って最低限(すぎるけど)使う単語を覚えていた。
すると、隣の席に日本語の本を読んでいる人がいるではないか!
これは…チャンス!!!
早速話しかけてみる。
私:すいません…日本人ですか?
男:あ、はい。そうですけど…。
私:あの〜…、いきなりですいません。私中国語が全く話せない んですけど、虫歯が痛くなっちゃって、歯医者に行きたいと 思っているのですが、ここいらで歯医者さんってどこにある か知っていますか?
男:え〜…と。実は僕も中国語話せないんです。
ナニッ!!
当てがはずれた!
…と思いきや、その人とても親切だった。
聞けば、その人の奥さんは台湾人でその奥さんに電話して歯医者のことを細かく聞いてくれる、という。
※写真は川沿い…。 -
歯医者はその辺に沢山あり、どこに行っても値段やサービスはさほど変わらなく、保険がなくても全然高くないらしい。(つまりそんない悪徳歯医者はいないよってこと)
なのでこのすぐ裏路の歯医者に行くことにした。
その人に丁重お礼を言って店を出て、(しかも何か困ったことがあったら携帯に電話かけられるように親切にも携帯番号を教えてくれた!)裏路地に向かう。
すぐ横にとっても綺麗げな歯医者を発見した…が、なんとなくその綺麗さに尻込みをしてしまい、その2件くらい隣の見た目さびれたかんじの歯医者に入った。
薄暗い…。
そして人がいない…。
「あの〜…」と声をかけたら中からボサーッとした初老のおっさんの医者が出てきた。
さっそく片言で説明開始。
「ウォーダ(我的)ヤー(牙)、…トン(疼)!」
※写真は碁をやる人々。店先で、公園でやたら碁をうっているおじさん連中が多かった。 -
あとは身振り手振りで「ここのピンクがとれちゃって、それをもう一度詰めて欲しい」と言うことを伝えてみた。
ピンクって中国語でなんて言うんだ…?
知らなかったけど、とりあえず必死に「ピンク!ピンク!」と繰り返した。
医者も「あんた日本人か?自分の国に帰ってから治せよ」みたいなことを言っていたが、なんとか診療台に座り歯を診てもらう所までこぎつけた。
「あ〜こりゃ…すぐには完治しないよ」みたいなことを言ってる…。
そしてぐりぐりと何かを詰めてくれてた。
※写真は段ボール運び屋?さん。 -
治療が終わるとその医者は「あんた日本人、オレ台湾人。オレは英語出来るけど、おまえできない。だから治療についてもこれ以上説明するのは無理だ!やっぱり日本に帰って治療するのが一番だ!」みたいなことを再び言ってきた。
なんとなく言っていることは分かったが、もしかしたら聞き逃していることがあるのかも!と不安になった私は、授業が終わった友人を説き伏せ再びその歯医者の門を叩いた。
友人がめんどくさがりながらも通訳してくれた内容を聞き、大体合っていたことが分かった。
ひとまず安心した。
でもやっぱり左奥歯を使うのは怖かったので、その後もずっと右の歯だけで生活していた。
その後数ヶ月後に日本に帰国したのだが、今度はめんどくさくなってしまったのと、左の歯を使わないでいることに慣れてしまい、歯医者に行かなかった。
そして…再び日本の歯医者に行こうと決意するのはそれから2年後のことであった。
保母の仕事で、園児に「先生口臭い!!」と言われたことがきっかけでした……。
これはその虫歯よりも胸に突き刺さる一言で痛かった…………。
おしまい♪
※写真は寮から撮ったマンション群。
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