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友人と私はゴールウェイへの小旅行を計画していました。ところがその年大寒波がヨーロッパを襲い、アイルランド内陸部の気温は−12℃という寒さでした。雪のため西への道路は閉鎖され、電車も普通になっていました。さて、それならどうしたいか考えるろと友人に言われました。ということで、南なら少しは暖かいに違いないとコークへ行くことにしました。友人はコークへは何度も行ったことがあると言うので、私一人で電車で行くことにしました。<br /><br />ダウンタウンのヒューストン駅までは友人が車で送ってくれました。それからコークまで電車に揺られて約3時間です。往復の電車のチケットが日本円で約5千円、う〜ん安い!電車から見る景色も本当にきれいで、まるでニュージーランドみたい、阿蘇や久住高原みたい…、いやいや、同じくらいきれいでした。<br /><br />コークはアイルランド第2の都市です。といっても、そこまで大きな都会ではありません。コークの近郊にけっこう見所があるようです。私は観光シーズンオフの静かなコークの町だけに滞在しました。<br /><br />泊ったのは駅の近くのB&amp;Bでした。ダブリンから予約をしていきました。そこに決めた理由は、ガイドブックのアイリッシュ・ブレックファーストの写真があまりにもおいしそうだったからです。B&amp;Bの1階はパブで、2階〜4階にダイニングや客室がありました。部屋にはバスルーム、テレビ、ティーセットが完備されていて、B&amp;Bというよりも小さなホテルに泊っているという感じでした。<br /><br />着いたその日は町を少し散策しました。南は少しは暖かいと思っていたけどやっぱり寒かったです。翌朝には雪がうっすら積もっていましたから。道も凍っていました。コークで雪が降るのは珍しいようです。<br /><br />さて翌朝、私はワクワクしながら朝食を取りにダイニングへ降りました。前日に予約しておいた時間です。しかし、ダイニングには誰もいなければ、テーブルの上にはダンボールが積み重ねられています。ポカーンとしていると、その前にオーナーの部屋がありました。呼び鈴を鳴らすとおじさんが起きてきて、これから作る、部屋に呼びに行くから待ってろと言いました。待つこと30分、おじさんが呼びに来てくれました。こんな時期、それも年末にお客なんてめったにこないとぼやいていました。期待した朝ごはんのお味は…ノーコメント。しかし、翌朝は予約しておいた時間に呼びに来てくれ、ダイニングに行ってみるときれいに片付けられて、テーブルには花、音楽までかかっていました。<br /><br />2日目はコーク市内の観光地めぐりをしました。コーク刑務所博物館、シャドン教会、フィッツジェラルド公園、コーク大学…。聖フィンバー教会には寒いし歩きすぎできつかったので行きませんでした。<br /><br />そしてその夜。コークはものすごい大嵐となりました。雪は降らないものの、雨風が台風並みにものすごくて、翌日ダブリンに帰れるのか心配になりました。テレビで「ポケモン」なんかを見ながら不安な夜を過ごしました。しかし、翌朝は電車が動いていたので無事に帰れました。<br /><br />しかし、悲劇はそこからです。コークからダブリンに着く時間を友人に知らせようと電話をしたのですが彼女は出ません。まだ朝早いからかなと思い、電車に乗りました。ヒューストン駅に着いてから電話をしました。11:00なのに出ません。留守電にメッセージを残し、1時間ほど駅で待ちましたが来ないので、タラ・ストリート駅からダートに乗って帰ることにしました。降りる駅は覚えていました。<br /><br />友人の住むブラックロックに着いて電話をしようとしましたが、駅の電話は壊れていたので記憶をたどりながら歩くことにしました。しかし、外は暗くなるし、雨は降ってきます。確か友人宅の近くに教会があったと、歩く人に教会の場所を聞きますが、たどり着いたのは別の教会でした。もう完全に迷子です。公衆電話がやっと見つかり、やっと電話が通じました。もし通じなかったら警察へ行くつもりでした。<br /><br />ブラックロック駅に戻り、友人はずぶ濡れになった私を車に乗せて謝りました。前の晩パブでしこたま飲んで、酔いつぶれて携帯電話をキッチンに置いたまま寝室で寝ていたのだそうです。とんだ災難でしたが、それから友人は私が出かけると必ず駅まで迎えに来てくれるようになりました。<br /><br />まあ、外国で迷子になるなんてめったにない経験だったのでいい勉強になりました。

やっぱり南も寒かった

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2000/12/29 - 2000/12/31

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チカコ

チカコさん

友人と私はゴールウェイへの小旅行を計画していました。ところがその年大寒波がヨーロッパを襲い、アイルランド内陸部の気温は−12℃という寒さでした。雪のため西への道路は閉鎖され、電車も普通になっていました。さて、それならどうしたいか考えるろと友人に言われました。ということで、南なら少しは暖かいに違いないとコークへ行くことにしました。友人はコークへは何度も行ったことがあると言うので、私一人で電車で行くことにしました。

ダウンタウンのヒューストン駅までは友人が車で送ってくれました。それからコークまで電車に揺られて約3時間です。往復の電車のチケットが日本円で約5千円、う〜ん安い!電車から見る景色も本当にきれいで、まるでニュージーランドみたい、阿蘇や久住高原みたい…、いやいや、同じくらいきれいでした。

コークはアイルランド第2の都市です。といっても、そこまで大きな都会ではありません。コークの近郊にけっこう見所があるようです。私は観光シーズンオフの静かなコークの町だけに滞在しました。

泊ったのは駅の近くのB&Bでした。ダブリンから予約をしていきました。そこに決めた理由は、ガイドブックのアイリッシュ・ブレックファーストの写真があまりにもおいしそうだったからです。B&Bの1階はパブで、2階〜4階にダイニングや客室がありました。部屋にはバスルーム、テレビ、ティーセットが完備されていて、B&Bというよりも小さなホテルに泊っているという感じでした。

着いたその日は町を少し散策しました。南は少しは暖かいと思っていたけどやっぱり寒かったです。翌朝には雪がうっすら積もっていましたから。道も凍っていました。コークで雪が降るのは珍しいようです。

さて翌朝、私はワクワクしながら朝食を取りにダイニングへ降りました。前日に予約しておいた時間です。しかし、ダイニングには誰もいなければ、テーブルの上にはダンボールが積み重ねられています。ポカーンとしていると、その前にオーナーの部屋がありました。呼び鈴を鳴らすとおじさんが起きてきて、これから作る、部屋に呼びに行くから待ってろと言いました。待つこと30分、おじさんが呼びに来てくれました。こんな時期、それも年末にお客なんてめったにこないとぼやいていました。期待した朝ごはんのお味は…ノーコメント。しかし、翌朝は予約しておいた時間に呼びに来てくれ、ダイニングに行ってみるときれいに片付けられて、テーブルには花、音楽までかかっていました。

2日目はコーク市内の観光地めぐりをしました。コーク刑務所博物館、シャドン教会、フィッツジェラルド公園、コーク大学…。聖フィンバー教会には寒いし歩きすぎできつかったので行きませんでした。

そしてその夜。コークはものすごい大嵐となりました。雪は降らないものの、雨風が台風並みにものすごくて、翌日ダブリンに帰れるのか心配になりました。テレビで「ポケモン」なんかを見ながら不安な夜を過ごしました。しかし、翌朝は電車が動いていたので無事に帰れました。

しかし、悲劇はそこからです。コークからダブリンに着く時間を友人に知らせようと電話をしたのですが彼女は出ません。まだ朝早いからかなと思い、電車に乗りました。ヒューストン駅に着いてから電話をしました。11:00なのに出ません。留守電にメッセージを残し、1時間ほど駅で待ちましたが来ないので、タラ・ストリート駅からダートに乗って帰ることにしました。降りる駅は覚えていました。

友人の住むブラックロックに着いて電話をしようとしましたが、駅の電話は壊れていたので記憶をたどりながら歩くことにしました。しかし、外は暗くなるし、雨は降ってきます。確か友人宅の近くに教会があったと、歩く人に教会の場所を聞きますが、たどり着いたのは別の教会でした。もう完全に迷子です。公衆電話がやっと見つかり、やっと電話が通じました。もし通じなかったら警察へ行くつもりでした。

ブラックロック駅に戻り、友人はずぶ濡れになった私を車に乗せて謝りました。前の晩パブでしこたま飲んで、酔いつぶれて携帯電話をキッチンに置いたまま寝室で寝ていたのだそうです。とんだ災難でしたが、それから友人は私が出かけると必ず駅まで迎えに来てくれるようになりました。

まあ、外国で迷子になるなんてめったにない経験だったのでいい勉強になりました。

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  • コークはリー川の中洲に開けた町です。<br />川を目印に歩いていました。

    コークはリー川の中洲に開けた町です。
    川を目印に歩いていました。

  • コークの町並みより。

    コークの町並みより。

  • とにかく教会が多いです。

    とにかく教会が多いです。

  • 朝のコークの町。<br />霧がかかっています。<br />コーク刑務所博物館へ向かう途中です。

    朝のコークの町。
    霧がかかっています。
    コーク刑務所博物館へ向かう途中です。

  • コーク刑務所博物館。<br />1824〜1923年、刑務所として使用されました。<br />建築物としても最高のものらしいです。<br />生々しくて、見ごたえがありました。

    コーク刑務所博物館。
    1824〜1923年、刑務所として使用されました。
    建築物としても最高のものらしいです。
    生々しくて、見ごたえがありました。

  • 博物館の中の様子。

    博物館の中の様子。

  • 実際に牢屋の様子がろう人形で再現されています。<br />これは売春罪の女性囚人です。<br />貧しさによる盗みや売春で服役している人が多かったようです。<br />また、独立運動をしていた人たちは特に扱いがひどかったそうです。

    実際に牢屋の様子がろう人形で再現されています。
    これは売春罪の女性囚人です。
    貧しさによる盗みや売春で服役している人が多かったようです。
    また、独立運動をしていた人たちは特に扱いがひどかったそうです。

  • シャンドン教会。<br />霧で見えないのですが、鐘楼の尖塔に金色の鮭の風向き計がついています。<br />コークの町が始まって以来、人々が礼拝してきた場所だそうです。

    シャンドン教会。
    霧で見えないのですが、鐘楼の尖塔に金色の鮭の風向き計がついています。
    コークの町が始まって以来、人々が礼拝してきた場所だそうです。

  • フィッツジェラルド公園。<br />ようやく青空が見えました。

    フィッツジェラルド公園。
    ようやく青空が見えました。

  • コーク大学。<br />1849年、イギリスのビクトリア女王によって創設されました。<br />学生でななくても、市民が気軽にキャンパスを散歩していました。

    コーク大学。
    1849年、イギリスのビクトリア女王によって創設されました。
    学生でななくても、市民が気軽にキャンパスを散歩していました。

  • これも大学の構内です。

    これも大学の構内です。

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